【監修者:共立女子大名誉教授・薗田 勝先生】
【執筆者:編集部 高田ゆみ】
しらすが腐ると強烈に生臭い、変色して身が崩れるなどの異変が生じて食べられない状態だと判断できます。
ただし、鮮度に問題なくても磯の臭いが強い場合や、酸っぱい臭いがする場合もあるので、慎重に見分けなければいけませんね。
加工方法によって呼び名だけでなく、消費期限や賞味期限も変わるので、しらすの鮮度を見分けるために知っておきたい以下の項目を紹介します。
しらすのこと
- 臭いや見た目は腐るとどうなる
- 消費期限切れが危険な理由
- 加工方法別の期限目安
- 日持ちする保存方法
今あるしらすが腐っていないか心配な人、大量にあるしらすの鮮度を保つ保存方法を知りたい人に役立つので、ぜひ参考にしてくださいね。
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目次
しらすが腐るとどうなる?臭いや見た目の特徴
しらすが腐ると、臭いや見た目で食べられない状態だとわかります。
生しらす | 釜揚げしらす (しらす干し) |
|
---|---|---|
見た目 変色 |
黄色っぽい 身が崩れる |
|
- | ぬめり・粘りがある | |
臭い | 異常な生臭さ 腐敗臭 |
加工方法によっても異なる場合があるため、それぞれの見分け方を確認しておきましょう。
生しらすや釜揚げしらすが腐るとどうなる?
しらすが腐るとどうなるのかは、加工方法で異なります。
どの状態でも共通してわかるのは不快な臭いで、嗅いだだけで気持ち悪くなりそうな腐敗臭がしているなら腐ってると判断できます。
ただし、しらすが生息していた環境によっては磯の臭いが強く、人によっては新鮮でも生臭い!と感じるかもしれないので、他の状態も確認しましょう。
また、釜揚げしらすが酸っぱい臭いがするのも問題ない可能性が高く、しらすのタンパク質が異臭を感じる原因になることもあります。
新鮮な生しらすは透明、釜揚げしらす(しらす干し)は白いのが特徴なので、黄色っぽくなっていれば鮮度が落ちて腐りかけの可能性が高いです。
消費期限や賞味期限が切れる前に、早めに食べきるか日持ちする方法で保存することが大切ですね。
水分が少なく賞味期限が記載されていることが多いちりめんじゃこは、腐ってる様子がなければ食べられる可能性もあります。
ただし、消費期限が記載されているなら、腐ってる様子がなくても食べないほうが良いでしょう。
5日前に消費期限切れを食べたら危険!賞味期限切れとの違い
多少鮮度が落ちたくらいなら大丈夫!と、消費期限切れのしらすを食べる人もいるようですが、食中毒を引き起こすおそれがあるので要注意です。
賞味期限:消費期限表示の食品以外に表示
消費期限は安全性に関わる期限で、賞味期限は品質が変わらずに美味しく食べられる期限を示しています。(※1)
仮に5日前に消費期限切れになったしらすが腐っている様子が見られなくても、目に見えない食中毒の原因菌が繁殖しているかもしれません。(※2)
また、賞味期限切れなら絶対に大丈夫!とは言い切れず、正しく保存していなかった場合や、大幅に賞味期限が過ぎていた場合も注意が必要です。
消費期限や賞味期限が切れる前に、早めに食べきるか日持ちする方法で保存することが大切ですね。
しらすが腐るのを防ぐ保存方法と消費期限・賞味期限の目安
しらすは加工方法によって設定される消費期限・賞味期限が異なります。
種類 (水分量) |
常温 | 冷蔵 | 冷凍 |
---|---|---|---|
生しらす | NG | 1日~2日 | 1ヶ月程度 (市販品は未開封で 半年~1年程度もあり) |
釜揚げしらす (80%前後) |
3日程度 | ||
しらす干し (70%前後) |
|||
ちりめんじゃこ (50%前後) |
1週間程度 (市販品は未開封で 2週間程度もあり) |
しらすの加工方法によって保存期間の目安が異なるのは、水分量の違いが関係しています。
しらすの種類で期限表示が違う理由
水揚げされたばかりの生しらすは日持ちしないため、あまり一般には出回りません。
手に入りやすいのは茹でた釜揚げしらすや、茹でてから天日干しや乾燥機で水分を飛ばしたしらす干しです。
さらに乾燥させて硬い食感になったのがちりめんじゃこになります。
水分が多いほど微生物が繁殖しやすくて日持ちしないので、加工方法によって期限表示が異なっています。
手元にあるのが釜揚げしらすか、しらす干しで日持ちさせたい場合は、炒めてちりめんじゃこにしておくのもおすすめです。
炒めると生臭いのも解消!お弁当やおにぎりにもおすすめ
釜揚げしらす(しらす干し)を炒めてちりめんじゃこにしておくと、生臭さも軽減されます。
フライパンに油を多めに入れて、弱火でじっくり硬くなるまで炒めるだけでOK!
もっと長期保存するなら、冷凍したほうが良いです。
日持ちさせるなら冷凍保存がおすすめ!
しらすを日持ちさせたい場合は、1回分ずつラップに包んでから冷凍保存袋に入れて冷凍しておくと使いやすいですよ。
使う時は凍ったまま加熱処理したり、納豆に混ぜたりできるので解凍する必要はありません。
ただし、家庭の冷凍技術では乾燥や酸化、タンパク質の変性が起こりやすいと考えられるので、1カ月以内を目安に食べきるようにしましょう。
市販品は長期間冷凍保存できるように包装されているため、製造日から半年~1年程度の日付が賞味期限として設定されている商品が多いです。
解凍・開封後に冷蔵保存するなら早めに、再冷凍するなら1カ月以内を目安に食べきるようにしましょう!
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結論 | しらすは腐る前に冷凍して日持ちさせよう!
- 腐敗臭や身が崩れるのはNG
- 磯臭い・酸っぱい臭いは食べられる場合もある
- 消費期限切れなら諦めよう
- 水分が少ないちりめんじゃこは日持ちしやすい
- 小分けして冷凍がおすすめ
しらすが腐ると強烈に生臭いだけでなく、簡単に身が崩れるので食べられない状態だとわかります。
ただし、新鮮でも磯臭い・酸っぱい臭いが目立つ場合があるので、見た目の状態や期限表示もよく確認しましょう。
もし消費期限切れなら、腐っているように見えなくても食べないほうが良いですね。
生しらすや釜揚げしらすは鮮度が落ちやすいため、炒めてちりめんじゃこにするか、冷凍して最後まで無駄なく食べきりましょう!
名誉教授