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食材・料理のQ&A

えのきにカビが生えた?白い・黒っぽい・緑など見分け方のポイント

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料理・食材
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【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】

えのきにはカビが生えたように白い綿毛のようなふわふわしたものが付くことがありますが、キノコの特性による場合が多く、問題無く食べられます。

しかし、えのきの軸や根元が黒や緑に変色すると、本当にカビが生えたり傷んだりして食べられない場合もあるので、見分け方を覚えておくと便利です。

えのき カビ

えのきはほかの野菜と同じように賞味期限の表示がなく、冷蔵庫の中でも少しずつ劣化が進むため、鮮度を保って日持ちできる正しい保存方法も知っておきたいですね。

そこでこの記事では、えのきの鮮度が気になる方にぜひ知っておいていただきたい次の項目について解説します。

この記事を読むと、えのきの異変を見つけても食べられるかどうかで悩まずに、美味しさと栄養をムダにすることなく食べきれるようになりますよ。

えのきが好きだけどなかなか最後まで使いきれないとお悩みのあなたも、ぜひ参考にしてくださいね。

 

記事監修者・管理栄養士・浜崎保奈美先生記事監修・浜崎保奈美先生
管理栄養士・栄養士
管理栄養士/ 神戸学院大学栄養学部栄養学科出身。製薬会社にてMRとして2年半勤務した後、2021年夏より合同会社HITOOMOIに参画。管理栄養士として、栄養面を加味したレシピ・商品開発を担当。身体に良いだけではなく、スタイリッシュでデザイン性に優れたお洒落な料理の提案を得意とする。「手作り料理で大切な人を大事にできる社会を創る」ことを目標に掲げ活動中。 浜崎保奈美先生の公式紹介ページ

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えのきにカビが生えた?食べられるか見分け方のポイント

えのき(えのきだけ)の根元に白いカビのようなふわっとしたものが付いても、キノコ類の特性から組織の一部が現れただけなので食べても大丈夫です。

えのき カビ 白い

 

しかし、えのきの軸や根元に黒や緑などの色が付いて見える場合はカビが生えて食べられない可能性があるため、見分け方を覚えておきましょう。

まず、えのきに白い綿のようなふわふわなものが付いても食べられる理由から解説しますね。

根元の白いふわふわはえのきの一部で食べられる

えのきには根元付近に白カビの特徴とよく似た綿毛っぽいものが付くことがありますが、「じゅう毛」と呼ばれるもので、食べても全く問題ありません。(※1)

もともとキノコの体は菌糸という細い糸状のものが集まってできています。

えのきのじゅう毛は、組織を作っている菌糸が表面に出てきて伸びた“えのきの一部”なので、よくほぐせば食べられますよ。

こちらの蜘蛛の巣状の白いものはえのきの菌糸だと思われ、問題無く食べられる状態です。

キノコ類は生物の分類ではカビと同じ菌類に入るので、菌糸を作るなど似たところもありますね。(※2)

ただし異臭がしたり、ふわっとしたものがグレーがかった色だったり、根元の方でなく軸の上部や傘の上などに付いている場合は、カビの可能性があり食べられません。

管理栄養士 浜崎保奈美
管理栄養士
浜崎保奈美
えのき以外のキノコでも菌糸が外に現れることがあり、しめじやエリンギでは「気中菌糸」と呼ばれます。気になる場合は湿らせたキッチンペーパーなどで拭き取ればOKです。(※3)

しめじの気中菌糸については、次の記事を読むと詳しくわかります。気を付けたい白いカビとの区別の仕方もご紹介しているので、こちらもぜひご覧ください。

じゅう毛や気中菌糸が発生したら、鮮度が落ちていく課程なので早めに食べきりましょう

このように、えのきにカビのような白いものが付いても白カビではなく食べられる場合がほとんどですが、黒や緑などに変色する場合は要注意です。

黒や緑に変色すると食べられないので要注意!

えのきにカビが生えて軸や根元の色が黒や緑などに変わると、独特なカビ臭がして、体に有害な場合もあるので食べたら危険です。

SNSを覗いてみると、次のような口コミがありました。

こちらのように、えのきの軸には緑色のカビが生えることがあります。ほかにも、石づきの底にカビが生えると黒い斑点に見える場合もあるようです。

カビは種類が多く、増えていくと菌種によっていろいろな色に見える集落(コロニー)と呼ばれる塊を作ります。

えのき カビ 緑

いろいろな色のカビのコロニー

カビの中にはカビ毒(マイコトキシン)を産生し、少量でも長期間摂り続けると肝障害やがんなどの慢性中毒の原因になるものもあるため注意が必要です。(※4)

またカビは菌糸を伸ばしたり胞子を飛ばしたりして増えていくので、目に見える部分を取り除いても完全には除去しにくいうえ、カビ毒は加熱しても壊れません。

そのため一部でもカビが生えた食品は、もったいなくても食べない方が良いのです。

管理栄養士 浜崎保奈美
管理栄養士
浜崎保奈美
とはいえカビに気付かずに食べてしまっても、一度くらいの少量摂取では中毒などの症状を起こすことは考えにくいので、慌てずに対処してくださいね。(※5)

えのきには、以上のようにカビが生える以外に腐っている場合もあるので、見た目や臭いなどから食べられるかどうかを判断する方法を覚えておきましょう。

 

えのきはカビ以外に腐るとどうなる?鮮度の見分け方は

えのきはカビが生えていなくても、って変色するなど食べられなくなる場合があるため、鮮度を見分けるときには注意が必要です。

えのきの 傘が ペタペタ する

新鮮なえのきは色が白く、しっかりとしまった軸が真っすぐに伸びて株全体が開き過ぎず、傘は丸く弾力があり粒がそろっています。(※6)

また、えのきのぷりっとした傘が手に引っ付いて、ペタペタする感じがあるのも新鮮な証拠です。

しかしえのきは傷みやすく、劣化すると酸っぱい匂いになったり変色したりするので、食べられるかどうかの鮮度の見分け方を覚えておきましょう。

そこでまず、えのきが腐って明らかに食べない方が良い状態について解説します。

変色・不快臭・ぬめりがあると腐っている

えのきは腐ると白い軸が茶色や黒っぽい色に変色し、不快な臭いやぬめり、汁気などが発生して、食中毒の原因になる場合もあるため、食べるのは危険です。(※7)

えのきは収穫後も呼吸を続けているので、鮮度が落ちるにつれて軸が長く伸びてふにゃふにゃになり、色は黄ばみ、傘がぽろっと取れやすくなっていきます。

こちらのように曲がって伸びた状態は、使いきれず残りを袋のまま冷蔵庫で保存していた場合によく見られますよね。

食べるかどうかを悩む段階ですが、カビやぬめり・悪臭がなければ、まだ食べられます。

えのきの腐敗を見分けるポイント
  • 酸っぱい臭いや不快な臭いがある
  • 軸に粘り気ぬめりがある
  • 茶・黒色に変色している

えのきを袋のまま保存していると呼吸による水分が発生するので、袋の中でカビだけでなく細菌も増殖しやすく、腐敗が起こりやすい状態になります。

SNS上でも、次のような口コミを見つけました。

こちらの写真では、えのきのほぼ全てが濃い茶色になっています。これでは明らかに食べられませんよね。

えのきが腐ると、こちらのように紫色になることもあるようです。

えのきは鮮度が落ちるにつれて栄養成分も減り、腐敗すると食中毒を起こす危険性があるため、もったいなくても無理をせず廃棄しましょう。

ただし、ブラウンえのきや、かきの木茸などの品種はもともと傘や軸が茶色です。(※8)

えのき 茶色

これらの品種の茶色いえのきは、歯応えの良さと風味の濃さで人気がありますよ。

管理栄養士 浜崎保奈美
管理栄養士
浜崎保奈美
えのきには元気な体の味方になってくれるビタミンB1が豊富に含まれています。また、アリシンが含まれる玉ねぎやにんにくなどと一緒に摂取することにより、ビタミンB1の吸収率がアップしますよ。

ご紹介したようなカビや腐敗の状態だと食べられませんが、えのきからアルコールのような異臭がしても実は食べられるので、詳しくご紹介していきますね。

アルコール臭や土臭さだけなら食べられる

えのきを高温な場所に放置すると、袋を開けたときにアルコール臭や土臭い感じの異臭がすることがありますが、ほかに変色や粘り気などの異変がなければ食べられます。

えのきは空気が遮断された状態でアルコール成分を作る性質があるため、高温に置かれて時間が経つと袋の中で反応が進み、根元に付いたおが粉の臭いも混ざって異臭になるのです。(※9)

えのき アルコール臭

このような異臭の場合は、えのきを袋から出してしばらく放置しておけば臭わなくなります。

ただし、高温に長く放置していた間に傷んでいる可能性もあるため、食べるかどうかはほかの異変がないかをチェックして判断しましょう。

このほか、えのきは栽培中の環境によって軸に異変が起こる場合がありますが、問題無く食べられますよ。

軸のザラザラや突起は無害で食べられる

えのきの軸がザラザラして突起が出ている状態は、稀に起こる「さめ肌」と言われる生理障害で、食べても全く問題はありません。(※10)

えのき カビ 大丈夫

えのきのさめ肌は、栽培中の酸素不足が原因で起こると言われています。

このような鮮度には関係のない異変もありますが、えのきの新鮮さを損なわずカビや腐敗を防ぐには、正しい保存方法を守ることが大切です。

カビを防ごう!えのきの新鮮な状態を保てる保存方法

えのきの鮮度を保ちカビを防ぐには、できるだけ新鮮な状態で購入し、高温多湿・有酸素などのカビや細菌の生育しやすい環境を避けて保存しましょう。

カビや細菌の増殖を防ぐコツ(※11)
  • 冷蔵庫を活用して低温を保つ
  • 余分な水分(湿気)を防ぐ
  • 空気が入らないように密閉する

えのき自体が新鮮なのはもちろん、袋の中に水滴が付いていない、真空包装の場合は空気が入っていないものを選ぶと良いですよ。

えのき カビ 長持ち

そんなえのきの新鮮な状態を長持ちさせる保存方法をご紹介しますね。

長持ちさせるなら冷凍か乾燥を!保存方法の違いによる賞味期間

賞味期限が短めのえのきも、カビや腐敗を防ぐため高温多湿・有酸素を避けて適した保存の仕方をすれば、鮮度を落とさず日持ちさせられます。

えのきの保存方法と保存期間の目安
保存方法 日持ち期間の目安
冷蔵 開封前 3日~1週間
開封後 2日
冷凍 1ヵ月
乾燥 6ヵ月

えのきの保存期間を長くして鮮度を保つ方法を、冷蔵・冷凍・乾燥ごとに紹介するので、劣化する前に使いやすく保存しましょう。

冷蔵は1週間が目安

えのきを1週間以内に使う場合は冷蔵庫の野菜室などで袋のまま冷蔵保存できますが、鮮度の高さからはできるだけ3~4日間で使いきるのがおすすめです。

えのき カビ 保存方法

開封後は袋から出し、呼吸による水分を吸収させるためキッチンペーパーで包んだら、空気を遮断するためナイロン袋などに入れるかラップでくるんで保管し、2日を目安に消費しましょう。

管理栄養士 浜崎保奈美
管理栄養士
浜崎保奈美
冷蔵の場合は石づきは付いたままでOKですよ。

キノコ類の多くは衛生管理下で栽培されるので、風味や食感を損なわないためにも水洗いはせずに使うのがおすすめです。

冷蔵保存する場合には特に、余分な水分が入らないように注意しましょう。

冷凍なら1ヵ月保存可能

えのきを1週間以上長持ちさせたい場合は、約1ヵ月間保存できる冷凍保存がおすすめです。

えのき 1週間以上

あらかじめえのきを使いやすい大きさにカットして冷凍すれば、あらゆるレシピにも必要な分だけ取り出してすぐに使えて便利ですよ。

冷凍したえのきを料理に使う際には、えのきが凍ったままで大丈夫です。

焼く、炒める、煮る、揚げるなどいろんな調理法で使えます。

えのきは石づきを取り、適当な大きさにして冷凍用保存袋などに入れ、空気を抜いて密封するのが劣化を防ぐコツです。

ただしえのきが冷凍中に緑などに変色した場合は、カビが生えた可能性もあるので、残念ですが食べないようにしましょう。(※12)

このように生のえのきを冷凍するほか、えのきをミキサーにかけて加熱して作る「えのき氷」をストックしておく方法もおすすめです。(※13)

管理栄養士 浜崎保奈美
管理栄養士
浜崎保奈美
きのこ類を冷凍すると細胞壁が破壊され、旨味や栄養素がアップします。冷凍保存は長持ちするだけでなく時短にも繋がるので、取り入れたい方法ですよね。

乾燥させれば長期保存もできる

えのきを天日で乾燥させ「干しえのき」にすると、長期保存が可能です。

えのきの保存期間

手でほぐすか適度にカットしたえのきをザルに並べ、風通しが良く日の当たる場所で2~3日干し、乾燥させます。

管理栄養士 浜崎保奈美
管理栄養士
浜崎保奈美
市販の干しえのきは約6ヵ月保存できますが、乾燥不足の場合や保存状態によってはカビが生えることもあるのでご注意ください。

干しえのきは濃縮された栄養成分が摂れ、スープやサラダなどのトッピングにも使えて便利です。

結論|えのきはカビやすいので早めに食べよう

えのきは歯応えの良さからも人気ですが、一度に多量には消費しにくいため、保存中にカビが生えるなど劣化しやすい食品です。

根元に白い綿のようなものが付いても、えのきの菌糸が外に現れただけで食べられる場合が多いですが、緑や黒っぽい色の変色がある場合はカビが発生していて食べられません。

えのきはカビのほかに腐って食べられなくなる場合もあるので、鮮度を正しく見分けることが大切です。

えのきは早めに食べるのが一番ですが、新鮮な状態を保てる方法で保存し、カビや腐敗を防いで美味しく食べきりましょう。

 

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