現在の日本では少子化と高齢化が同時進行しており、どちらも日本社会に深刻な問題を引き起すので、合せて「少子高齢化に直面している社会」と言って国民に現状の理解を求めています。
- 少子化は一人の女性(未婚・既婚を問わず)が、一生の間に産む子供の数(≒合計特殊出生率)が減少することによって起ります。
今から67年前の第1次ベビーブームの時この値は4.3を超えていましたが、その後急激に低下し2.1台に推移しました。
1975年2.0(人口が維持できる数値は2.08と言われています!)を下回ってから再び低下傾向に入り、2005年には過去最低の1.26迄落ち込みました。最近でも1.4前後と欧米諸国と比較しても低い水準に留まっています。
この原因は、
・女性の高学歴化と働く女性の増加で晩産化・晩婚化が進んだこと
・核家族化で子供の面倒見る人がいなくなったこと
・保育施設が充足していないこと
・子育てに金銭的な負担が大きいこと
等々が考えられます。
高齢化は栄養状態の向上、医療施設の充実で徐々に進行し、今年、戦後のベビーブーマーは“高齢者”と呼ばれる65歳以上に達し、
総人口の25%を超えました。
10年後には29%(75歳以上の“後期高齢者”は17%)になると推計されています。
少子高齢化の問題点は?日本の現状をわかりやすく解説!
少子化で次第に労働力の中心となる15~64歳の人口(生産年齢人口と言います)が減っていきます。
高齢になると病気に掛かりやすくなり定年退職で収入が減るため、高齢者が増えると医療費や年金などの社会保障費が増えていきます。
社会保障に必要な経費は主に生産年齢人口で負担しています。
高齢者人口の増加で社会保障費は増え続け、生産年齢人口の減少でその費用をどうやって確保するか、政府は頭を抱えています。
実は今でも一部借金(国債の発行)で賄っているのです。
日本の現状と社会保障政策とは?
社会保障は年金・医療・福祉その他(含む介護)の3点セットになっています。
日本では年金は加入が義務付けられ、払い終えれば亡くなるまで年金を受給でき、医療費は世界にも自慢できる国民皆保険制度を取り入れています。
しかしながら高齢者の増加に伴い社会保障費が年々増加し、今では国民総所得の3割を超えるまでに膨らんできています。
このままでは立ち行かなくなるのは明らかです。
【出典:社会保障の給付と財源-厚生労働省より】
少子高齢化社会到来で社会保障はどうなる?
少子化が進行し現役世代が高齢者を支える今の社会保障システムは、いずれ破たんすることが自明になりつつあります。
これを少しでも先延ばしにするべく政府は
- 消費税を上げ全額社会保障費に充当
- 年金給付額の減額、健康保険料の引き上げ
- 70~75歳までの高齢者の医療費自己負担を1割から2割へ引き上げ
を実施しました。
社会保障費の財源は、税金・保険料・自己負担金の3つです。
税金も色々な部門からもってくるのではなく、社会保障に使う税金を1種類に定め(社会保障目的税)、連動させるというものです。
消費税を社会保障目的税にすると、例えば年金だけで30%の消費税になると言われています。
経済の活力を維持しつつ、少子高齢化社会の社会保障の在り方どうすべきか、国民的議論をしなければなりません。
75歳でも元気で働く意欲のある高齢者は大勢います。
若者のサポート役に徹し、労働力不足に一役買うことも必要でしょう。
また寝たきりで意識の無い高齢者に、
一部で湯水のごとく使われる医療費・介護費の削減にメスを入れなければなりません。
日本の未来に希望を持とう!今後の課題は?
少子高齢化で社会保障がどんどん増え、日本が“お先真っ暗”に見えますが、日本国民の力を信じましょう。
安倍政権が推し進めている成長戦略に若い皆さんが力を貸し、輸出で大いに外貨を稼いでほしいのです。
経済が潤えば少子化も社会保障も解決に向かうのです。
例えば
1)医療・介護技術:IPS細胞を使った臓器、角膜等の移植並びに診断薬、検査機器、介護ロボット等
2)新規事業:新エネルギー、環境対策(地球環境・CO2削減対策)、養殖技術(マグロ・アワビ・フグ等)
3)知的(ソフト)産業:ファッション、アニメ、漫画、技術特許
等に積極的に投資できるかが今後の課題と考えます。
若い力で日本の将来を切り開きましょう!