【監修者:管理栄養士 中村明美】
ドラゴンフルーツはとても栄養価の高い果物ですが、食べ過ぎると食物繊維などの影響で下痢や腹痛を起こす可能性があります。
また意外と糖質が高いため、食べ過ぎると太る可能性も考えられます。
しかし適量を守ってドラゴンフルーツを食べると、マグネシウムや葉酸などの豊富に含まれる栄養素を摂取できるため、積極的に食べたい果物の一つですよ。
そこで、ドラゴンフルーツの栄養素や食べ過ぎたときの副作用、美味しい食べ方などを調べてみました。
食べ過ぎたときの注意点をしっかり確認して、スーパーフードとも呼ばれるドラゴンフルーツを美味しく食べたいですね!
また、購入したくても身近なスーパーには売っていない、食べ方がわからないなどの問題もあるかもしれません。
そこでどこで購入できるのかや基本的な食べ方なども説明するので、ぜひチェックしてみてください。
管理栄養士・栄養士
目次
ドラゴンフルーツは栄養豊富!メリットと食べ過ぎ注意の成分
ドラゴンフルーツは体に良い成分が含まれている栄養価の高い果物ですが、食べ過ぎると腹痛を起こす可能性もあります。
まずはスーパーフードと呼ばれる所以でもある豊富な栄養素と、その働きを詳しく説明していきます。
ドラゴンフルーツに含まれる栄養素とその働き
ドラゴンフルーツには、マグネシウムやカリウム、カルシウム、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれており、健康や美容への効能が期待できます。
成分 | 値 | |
---|---|---|
エネルギー | 52kcal | |
炭水化物 | 11.8g | |
カリウム | 350mg | |
マグネシウム | 41mg | |
葉酸 | 44μg | |
ビタミンC | 7mg | |
食物繊維 | 水溶性 | 0.3g |
不溶性 | 1.6g |
ビタミンB群などほかの栄養素も多く含まれていますが、特に注目すべき成分とそのメリットを簡単に説明していきますね。
カリウム
ミネラルの一種であるカリウムは、体内の塩分(ナトリウム)を排出する作用があり、血圧を下げる効果が期待できます。(※2)
また体内の水分バランスを整える働きがあるため、血液中の水分が過剰になることで発生するむくみの抑制にもつながると考えられます。(※3)
マグネシウム
マグネシウムは体の代謝に役立ち、血圧を下げる役割や、血栓を作りにくくするはたらきもあります。
摂取量が不足すると骨粗しょう症や高血圧などのリスクが高くなるといわれているので、積極的に摂取したい栄養素のひとつですね。(※4)
葉酸
赤血球の生成を助けてDNA合成にも大きく関わっている葉酸は、体の発育には欠かせない成分です。(※5)
ビタミンC
ビタミンCには抗酸化作用があり、癌や動脈硬化などの原因になる活性酸素を抑制する効果が期待できます。
また、風邪の予防やストレスに対抗するなど、免疫機能を高めて健康的に過ごすために欠かせない成分です。
そのほか美容においてもコラーゲンの生成を促す一方、シミの原因であるメラニンを抑制するため、女性は積極的に摂取したいですね。(※6)
食物繊維
お腹の調子を整える効果を期待できる食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類に分けられます。
水溶性食物繊維は、糖質の吸収を抑えたり血中コレステロールを抑えたりする効果、不溶性食物繊維には便のかさを増やして腸のぜん動運動を活発にする効果が期待できます。(※8)
このように、ドラゴンフルーツには健康や美容に良い効果が期待できる栄養素がたくさん含まれていますが、食物繊維は摂りすぎるとお腹の調子を崩すこともあります。
ドラゴンフルーツには食物繊維が豊富に含まれているため、食べ過ぎには注意しなくてはなりません。
食べ過ぎでどのような悪影響があるのか、詳しく説明していきますね。
ドラゴンフルーツの食べ過ぎでデメリットになる栄養成分と症状
ドラゴンフルーツを食べ過ぎると、食物繊維の摂りすぎや体が冷えることで腹痛や下痢などの症状を起こすことがあります。
また、栄養価が高い果物のため、「食べ過ぎると太るのでは?」と心配に思う方もいるかもしれません。
そこで、ドラゴンフルーツの食べ過ぎで考えられる注意点を確認していきましょう。
食物繊維などの影響で下痢や腹痛を起こすことも
食物繊維はお腹の調子を整えてくれる成分ですが、摂りすぎると下痢や便秘を引き起こすというデメリットもあります。
水溶性食物繊維は便を柔らかくする作用があるため、お腹が弱い人や過剰摂取をすると下痢になる場合もあるようです。
また、便秘で腸の動きが弱くなっているときに不溶性食物繊維を多く摂ると、大きくなった便をうまく排出できずに、より便秘が酷くなる可能性も考えられます。(※9)
ドラゴンフルーツ食べるといつもお腹痛くなっちゃう😂ドラゴンフルーツとケールでミックスジュースにしたら、無限お手洗いだよ🤘✨
— メイシー@台湾在住1年目🏠 (@meixi_taipei) June 2, 2021
このように下痢だけでなく、便秘で腹痛を起こすこともあるので、食べ過ぎないようにしましょう。
またドラゴンフルーツやバナナ、パイナップルのような南国の果物には体を冷やす作用があります。(※11)
体が冷えると胃腸の調子が悪くなって下痢になることもあるので、お腹が弱い人は特に注意してくださいね。
ドラゴンフルーツの食べ過ぎで気になるのは、胃腸の不調だけではありません。
栄養価が高いということは太るのではないかという問題についても、調べてみました。
\ こちらの記事も参考にどうぞ /
ドラゴンフルーツを食べ過ぎると太る?カロリーと糖質をチェック
ドラゴンフルーツに含まれているカロリー(エネルギー)は100gあたり52kcalと、取り立てて高いとは言えません。
また気になる糖質量は、炭水化物から食物繊維を引けば算出できるので、100gあたりと1個あたりの分量を下記にまとめました。
重さ | カロリー | 糖質量 |
---|---|---|
100gあたり | 52kcal | 9.9g |
1個分(約260g)あたり | 約135kcal | 25.8g |
バナナ100g(約1本分)あたりのカロリーは93kcal、糖質は21.4gなので、それと比べてもドラゴンフルーツのカロリーや糖質が特に高いわけではありません。(※13)
ただし、ご飯一膳(約150g)の糖質量は53.4gなので、ドラゴンフルーツを2個食べるとご飯一膳分に匹敵することも確かです。(※14)
そう考えると、食べ過ぎると太る危険性もありますが、適量を守って食べる分にはさほど気にしなくても良いのではないでしょうか。
それでは適量とはどれくらいなのか、詳しく確認しておきましょう!
ドラゴンフルーツの食べ過ぎにならない適量や効果的な食べ方
ドラゴンフルーツは食べ過ぎると体に悪い影響が出ることもあるため、適量を食べることが大切です。
1日の適量だけでなく、ドラゴンフルーツの栄養を効果的に摂取できる食べ方も説明していきますね。
ドラゴンフルーツの適量は1日100gまで
ドラゴンフルーツのカロリーや糖質量などを考えると、食べても大丈夫な摂取量は1日100g(1/3~1/2個)程度と考えられます。
健康的な生活を送るために適切とされている間食の糖質量は、1日10gです。(※15)
この程度であれば、食物繊維の摂りすぎにもならず、お腹が痛くなる心配もないでしょう。
続いて、適量のドラゴンフルーツを美味しく食べる方法もお伝えしていきます。
基本的な食べ方とドラゴンフルーツの特徴を活かしたレシピ
ドラゴンフルーツは包丁でカットしますが、皮は手で剥くことができますよ!
基本的な切り方は以下を参考にしてください。
動画だとさらにわかりやすいですよ!
ドラゴンフルーツはあまり甘くないことが多いため、フルーツサラダにすると毎日でも食べられそうですね。
特に赤い実のレッドピタヤを使うと、一気に南国ムードが漂うサラダになりますね。
ドラゴンフルーツが近所のスーパーに売っていない場合は、通販で購入できますよ。
栄養満点でいろどりも鮮やかなドラゴンフルーツを、ぜひ食卓に出してみてはいかがでしょうか。
結論|ドラゴンフルーツは食べ過ぎに注意して楽しもう
ドラゴンフルーツにはマグネシウムや葉酸など、健康や美容に良い効果が期待できる栄養素が豊富に含まれています。
しかし食べ過ぎると食物繊維の影響や、体を冷やすことで起こる腹痛、さらに糖質の過剰摂取から太る原因になることも考えられます。
1日100g程度という適量であればそのような心配はいらないため、ぜひ基本の食べ方やサラダへのアレンジレシピをマスターし、美味しく効果的に栄養素を摂取してくださいね!
参考資料
※をクリックすると元の位置へ戻ります。
※1 果実類/ドラゴンフルーツ/生|食品成分データベース
※2 カリウムの働きと1日の摂取量|公益財団法人長寿科学振興財団
※3 むくみの原因とケア方法について解説|森永製菓株式会社
※4 マグネシウムの働きと1日の摂取量|公益財団法人 長寿科学振興財団
※5 葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果|e-へるすヘルスネット(厚生労働省)
※6 ビタミンCってなに?|株式会社アスコルバイオ研究所
※7 レッドドラゴンフルーツ|ビーエイチエヌ株式会社
※8 食物繊維の重要性をもっと知ろう!|大塚製薬株式会社
※9 食物繊維をとりすぎると、下痢や便秘が悪化?その原因と対策とは|株式会社ZENB JAPAN
※10 LOVE PITAYA!|日本ドラゴンフルーツ協会
※11 温める果物と冷やす果物|株式会社リライアンス コスモス薬局グループ
※12 独特の姿形のドラゴンフルーツ!白と赤の果肉の見分け方を教えます!|沖縄REPEAT
※13 果実類/バナナ/生|食品成分データベース
※14 穀類/こめ/[水稲めし]/精白米/うるち米|食品成分データベース
※15 ロカボとは|一般社団法人 食・楽・健康協会