【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】
スパイスカレーを作ったけれど、なんだか物足りない…美味しくない…そんな時は隠し味で味に深みを加えられますよ!
隠し味として使える食材はとてもたくさんあります。
「味が薄い」や「コクがない」など、物足りなさの種類によってふさわしい隠し味が異なるので、食材ごとの特徴を知っておくことが大切ですね!
そこで隠し味について調べたことを、次のようにまとめて紹介します。
旨味を足したい・甘みを足したいなど、目的に合う追加食材がわかるので、無計画にいろいろ入れて、余計に美味しくなくなった…なんてことも避けられます!
最初から美味しいカレーにするためのポイントも解説しますので、次に作るときの参考にもしていただけるはずです。
この記事をお読みいただけば、いつでも満足のカレーを食べられるようになりますよ。
まずは隠し味から紹介していきますね。
管理栄養士・栄養士
目次
スパイスカレーが物足りない!簡単に旨みやコクを出す27の隠し味
せっかく手作りしたスパイスカレーが美味しくなくても、隠し味で十分リカバリーできるので諦めないでください!
ただし「美味しくない」といってもそう感じる理由はいくつか考えられ、原因によって解決策も違います。
まず美味しくないのは、どのような原因が考えられるかを解説しますね。
「美味しくない」にも種類がある!?その原因とは
スパイスカレーが美味しくないと感じるのには、次のような理由が考えられます。
私たちが美味しさを感じるのは、舌が感知する「塩味」「うま味」「甘味」「苦味」「酸味」の5つと、感覚刺激である「辛味」と「渋味」です。(※1)
これらが不足すると、物足りない印象の食事になってしまうのです。
味見をしながら何が足りないのかをよく考え、足りない味わいを補える隠し味を追加しましょう。
まずは「美味しい」の決め手となる塩味から解説しますね。
味が薄いのは塩不足かも!塩味を補う隠し味8選
塩味が足りない場合には、次のような隠し味で補えます。
- 塩
- コンソメ
- 鶏がらスープの素
- 和風顆粒だし
- ウスターソース
- 焼き肉のたれ
- 醤油
- 味噌
塩以外にも、多くの食材で塩味を追加できます。
例えばコンソメの原材料を見てみると「食塩」と記載されており、塩味を足す効果があるとわかりますね。
食塩のほかにも、野菜エキス・チキンエキス・ビーフエキスなどさまざまな成分が含まれているため、味の深みやうま味も増しますよ♪
さらにウスターソースには果実の旨味が、焼き肉のたれにはにんにくや玉ねぎなどが含まれています。
しょっぱさ以外の美味しさも加えられますよ♪
和風顆粒だしや味噌・醤油のような和風の食材も使え、醤油や味噌なら、コクを追加する効果も期待できますよ!
ただしどの食材も、入れすぎると塩辛くなりすぎたり味わいが変わるかもしれませんので、味見しながら少しずつ追加してくださいね。
実は塩味は美味しさを感じるために非常に重要な役割を担っており、カレーのような味の濃い食べ物の場合は塩分濃度1.5%がその目安と言われています。(※2)
「味が薄い」「パンチがない」と感じたなら、それは塩味不足だと考えられます。
さまざまな食材が入っているスパイスカレーの塩分濃度を正確に計算するのは困難ですが、仮に200gのカレーならば3g程度の塩分が必要です。
作っているカレーの分量と、すでに入れた調味料の量も思い出しながら、少しずつ隠し味を足してくださいね。
もし「味はしっかり感じるけれどなんだか物足りない」と感じるなら、うま味が足りないのかもしれません。
深みと旨味を増す!うま味豊富な追加食材4選
うま味にはグルタミン酸・イノシン酸・グアニル酸があり、カレーの隠し味にできるものには次のような食材があります。
グルタミン酸 | トマトの缶詰 玉ねぎ |
イノシン酸 | かつお節 |
グアニル酸 | きのこ類 |
ここで説明している「うま味」は、美味しいことを示す「旨味」とは異なります。(※4)
トマトの缶詰は煮詰める、玉ねぎは飴色になるまで炒めるひと手間も重要です。
玉ねぎを弱火でじっくり炒めると、甘味が増して旨味にもなります。
そのままでは水分が多く、水っぽい仕上がりになりかねませんので気を付けてくださいね。
また辛さが特徴のカレーとはいえ、甘味もとても重要です。
甘味を追加できる隠し味5選
スパイシーなカレーでも、奥にある甘味のおかげで美味しさや深みが増しますので、次のような隠し味で補いましょう。
- 砂糖
- はちみつ
- リンゴやバナナなどの果物
- チャツネやジャム
- チョコレート
チャツネはフルーツとスパイス・はちみつなどを煮詰めたも甘みのあるペーストです。
ジャムでも代用できますが、もし家に残っているならぜひ活用してください。
でもやっぱり、カレーに欠かせない辛さが足りない…そんな風に感じる方のための隠し味も調べています。
辛味を追加できる隠し味3選
カレーらしい辛味をもっと感じたいときには、次のようなスパイスを追加すると良いでしょう。
- 唐辛子(鷹の爪)
- チリペッパーパウダー
- 胡椒
カレーの辛さは唐辛子に含まれているカプサイシンと、胡椒に含まれているピペリンに由来しています。(※5)
もっと辛さが欲しいと思うのなら、直接唐辛子や胡椒を追加してください。
いろんな味わいを確認したけれど、なんとなく物足りない時にはコクを追加すると良いでしょう。
コクがないと感じるときに使える食材7選
味の深みや濃厚さを演出するコクは、次のような食材で追加できます。
- 牛乳、生クリームなどの乳製品
- バター、チーズ、ヨーグルトなどの発酵食品
- コーヒー
- アーモンドパウダー
- カシューナッツペースト
- にんにく
- 生姜
コクは味や香りの複雑さや広がり・持続性のことで、長く加熱したものや発酵食品によって追加できます。(※6)
ほかにナッツ類もおすすめですが、特にカシューナッツは甘みとコクが豊富です。(※7)
目にすることは少ないかもしれませんが、カシューナッツペーストなるものがあるんですよ!
少し加えるだけで劇的に美味しくなると言われており、おすすめです♪
物足りないスパイスカレーを美味しくする隠し味はわかりましたが、そもそも最初から美味しく作れるのが一番です!
そこで、スパイスカレーの基本の味のバランスや、使うべきスパイスの種類についても解説します。
\ こちらの記事も参考にどうぞ /
物足りないスパイスカレーにならないために!基本のスパイスなどを解説
物足りないスパイスカレーにならないために!基本のスパイスなどを解説
物足りない原因の章で解説したように、塩味・うま味・甘味・辛味・コクをしっかり含めると、隠し味いらずの美味しいスパイスカレーを作れます。
それぞれどのような食材が当てはまるのか、表にまとめます。
味 | 食材 | |
塩味 | 塩 | |
うま味 | グルタミン酸 | 昆布 チーズ トマト |
イノシン酸 | 肉類 魚類 カキ |
|
グアニル酸 | 干し椎茸 | |
甘味 | ショ糖 果糖 |
|
辛味 | 唐辛子などのスパイス | |
コク | 発酵食品 良く加熱したもの |
それぞれの味を構成する食材をまんべんなく取り入れましょう。
ここで困るのはスパイスです…一体どのようなものを使えばよいのでしょうか?
スパイスカレーに必要な基本のスパイスを解説
スパイスはたくさんありますが、クミン・ターメリック・ガラムマサラなどの3~4種でも美味しいカレーを作れます。
スパイスにもそれぞれ役割や特徴があるので、そのポイントを押さえて使うものを選びましょう。
- 香り:クミン、コリアンダー、シナモン、オールスパイス、ガーリックなど
- 辛さ:カイエンペッパー(唐辛子)、ブラックペッパー、ジンジャーなど
- 色:ターメリック
- 混合:ガラムマサラ、カレー粉など
偏った要素から何種類も使うより、たとえ3種でも香り・辛さ・色それぞれから1つずつ使う方が、カレーは美味しくなります。
もちろん種類が多い方が味に深みが出ますので、混合スパイスを使うのもおすすめです♪
ガラムマサラは3~10種類を組み合わせた混合スパイスで、カレー粉はさらに多く配合されています。
とても便利に使えますよ。
スパイスカレーに入れるものもしっかりわかったので、最後に簡単で美味しいレシピを紹介します!
スパイスカレーでおすすめの簡単&人気レシピを紹介
スパイスカレーを美味しくする隠し味や、基本の食材・スパイスがわかったので、チャレンジしてみたい方もいらっしゃるはずです!
少ない食材で簡単に作れるレシピを紹介しますね。
クックパッドの人気レシピ!本格キーマカレー
ひき肉を使うキーマカレーは、ビーフカレーと比べてお財布に優しいのもうれしいところですよね。
つくれぽ100人超えの、殿堂入りも期待できるレシピを紹介します。
使用するスパイスは7種と多めですが、どれもスーパーなどで手に入りやすいものですよ。
もっと少ないスパイスで作れるレシピも紹介します。
スパイス5種で作るスパイスチキンカレー
隠し味のはちみつも使った、本格的な味わいのチキンカレーです♪
辛さはカイエンペッパーで調節してくださいね!
さらに少ない3種で作るレシピも発見しました…!
たった3種のスパイスで作れる本格スパイスカレー
こちらのレシピで使うスパイスはたった3種!
作り方のコツもしっかり解説されていますので、とっても参考になりますよ。
- 使用するスパイス:ターメリック、コリアンダー、カイエンペッパー
野菜をしっかり炒めることが大事だと解説されていますね。
色が変わっていく様子もわかるので、なんだか作れそうな気がしてきました♪
\ こちらの記事も参考にどうぞ /
結論|スパイスカレーが物足りない時は隠し味を試してみよう
スパイスカレーが物足りなくても、塩やソース類・野菜やはちみつなどの隠し味で十分美味しく変身させられます。
ただし隠し味にもそれぞれ役割があるので、「とにかくいろいろ足してみよう!」ではなく、どのような味が足りないのかを考えて追加食材を選びましょう。
隠し味食材をカレーを作る際の材料として使えば、最初から味わい深く仕上げられますよ。
紹介するレシピとあわせて参考にしていただき、おうちで本格的なスパイスカレーを楽しみましょう!
参考資料
※をクリックすると元の位置へ戻ります。
※1 味に関する基礎知識|宝酒造
※2 おいしいと感じる塩加減とは?|石垣の塩コラム
※3 うま味の成分|日本うま味調味料協会
※4 「うま味」=「おいしさ」?|日本うま味調味料協会
※5 カレーの辛さの度合いはどうなっているのですか?|グリコ公式サイト豆絵知識コーナー
※6 食べ物の「コク」と「おいしさ」は違う|特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター
※7 商品紹介:素焼きカシューナッツ[インド産]|小島屋
※8 味覚の種類とメカニズム、わたしたちの健康の関係|配食のふれ愛
※9 うま味の活用|特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター
※10 カレースパイスの種類|風味の違いやそれぞれの特徴は?|kurashiru
※11 香辛料で下痢になる原因と対策|日本安全食料料理協会