【監修者:管理栄養士 ゆきのかおり】
ココナッツオイルが手元にない時は、バターやサラダ油などで代用が可能です。
ココナッツオイルは植物由来では珍しく飽和脂肪酸が多く常温で固まる特徴があり、同様の性質や風味があるオイルがあればココナッツオイルの代わりとして使えますよ。
ココナッツオイルの代わりになるものとして、ほかにもオリーブオイルやマーガリンがありますが、風味の違いや健康面を考えて使いたい状況に適した代用品を選ぶのがポイントです。
そこで、ココナッツオイルの代用品について以下をご紹介します。
お菓子作りの材料としてバターの代わりや風味付けなどにココナッツオイルが使われることが多いですが、手元になかったり近くに売っていなくて困ったという人は多いと思います。
ケーキやクッキーなどを作る際にココナッツオイルの代用が可能な、スイーツの代替レシピをいくつかご紹介するのでぜひ参考にしてみてくださいね!
代替品の特徴をおさえれば、上手に活用できますよ。
ゆきのかおり先生
管理栄養士・栄養士
ゆきのかおり先生の公式Twitter・Instagram
ココナッツオイルの代用品8選|バターやサラダ油など置き換え可
ココナッツオイルが手元にない場合は、性質の近いものや用途に応じてバターやサラダ油などで代用できます。
ココナッツオイルはココナッツの白い部分の「胚乳」から抽出された油で、熱に強く酸化しにくいのでそのまま使う以外に加熱調理にも適しています。
また、ココナッツオイルは飽和脂肪酸が多く含まれており、常温で固まる性質があります。
融点が24度なので温度変化で液体化・固体化を繰り返しますが、品質の劣化が少ない油です。(※1)
飽和脂肪酸以外にも、油に含まれる脂肪酸には以下のような種類と特徴がありますよ。
脂肪酸 | 飽和脂肪酸 | 不飽和脂肪酸 | 中鎖脂肪酸 (MCT) |
性質 | 常温で固まる | 常温で液体 | 常温で固まる |
特徴 | コレステロール が溜まりやすい |
コレステロール が溜まりにくい |
飽和脂肪酸の一種 脂肪が溜まり にくい |
飽和脂肪酸は摂り過ぎるとコレステロールの増加など病気につながる危険性があるので、健康への悪影響を心配する人もいるでしょう。(※2)
一概に飽和脂肪酸が全て健康に悪いわけではなく、種類によっては悪影響が少ないものもあります!
ココナッツオイルには飽和脂肪酸の中でも健康に良いとされている中鎖脂肪酸(MCT)が多く含まれており、素早く消化・吸収されてエネルギーに変換されるため脂肪が溜まりにくいと言われています。(※3)
ココナッツオイルは甘いココナッツの香りが特徴で、コーヒーや紅茶の風味付けに入れたり、スイーツづくりの材料、トーストやパンケーキのトッピングなど、幅広く料理に活用可能です。
使いたい時に手元に無い・・・という場合に備えて、ココナッツオイルの代わりになる調味料を8個ご紹介します!
まずは原料が同じココナッツミルクについて見てみましょう。
ココナッツミルクは同様の風味付けが可能!
ココナッツミルクはココナッツオイルを抽出する前の原料で、ココナッツオイルに最も似た風味付けが可能な代用品です。
飲み物や料理などに混ぜて使いやすく、コクもあり牛乳の代用にも適していますよ。
一方、長期保存ができるココナッツオイルとは異なり、ココナッツミルクは劣化しやすいため常温での保存には不向きです。(※4)
\ こちらの記事も参考にどうぞ /
油の代用にする場合は、飽和脂肪酸が多いバターがおすすめです。
バターで代用すると芳醇な風味と塩気が特徴
ココナッツオイルの代用としては、バターも活用できます。
バターは芳醇な香りとコクがあり、食塩が含まれているため塩味もあるのが特徴です。
@miho_taisuke ココナッツオイルなかったから普通にバターソテーしただけだけどね^^;美味しかったよ〜
— みっき@右わけ目住み隊長 (@MIKKKI_xx) December 9, 2014
バターはココナッツオイルと同様に飽和脂肪酸が多く冷やすと固まる性質がありますが、一旦溶けると再び固めても風味や口当たりが悪くなる場合があるので冷蔵保存が適しています。(※5)
ただし、バターの溶ける温度は28~30度とココナッツオイルよりも高めで、塩味がついていたり風味が違ったりなど異なる点もあるので注意してください。(※6)
バターの塩味が気になる場合は、無塩バターで代用するのがおすすめです。
無塩バターは塩味がないので代用におすすめ
ココナッツオイルの代わりとして無塩バターを使用すると、バターよりもより近い代用品になります。
無塩バターはバターと同様の特性がありますが、食塩が含まれていないという違いがあるため塩味が抑えられてバターよりもココナッツオイルの代用に向いているといえます。
バターの風味が強いという場合は、マーガリンでの代用もおすすめです。
マーガリンは風味があっさりで使いやすい
バター以外にもマーガリンをココナッツオイルの代用として使用できます。
マーガリンは味や香りがあっさりしているため、バターの風味を抑えたい時に適している代用品です。
マーガリンは不飽和脂肪酸が多い油ですが常温でも固形を保つように作られ、冷蔵庫に入れても固くならずバターより柔らかく扱いやすい特徴がありますよ。
また、ココナッツオイルを液体で使う場合は、常温でも固まらないオリーブオイルなどの油でも活用可能です。
オリーブオイルは体に良く風味が特徴的
健康面を考慮したココナッツオイルの代用品としては、オリーブオイルがおすすめです。
オリーブオイルには常温でも固まらない不飽和脂肪酸(オレイン酸)が多く含まれています。
オレイン酸は血液中の悪玉コレステロールを減らすはたらきがあるため、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病予防に役立つといわれています。(※7)
私はココナッツオイルがなかったから、オートミールと砕いたアーモンドをオリーブオイルで炒めた後にメープルシロップと混ぜて炒めた!それだけで本当に美味しいグラノーラできる!オートミールある人ぜひしてみて〜!!
— (@0_0_pon_) February 5, 2021
オリーブオイルは炒め物など高温で加熱しても酸化しにくいため体への悪影響が少なく、ドレッシングなどそのままかけて使うことにも適していますよ。
体に良くて風味がない油で代用したい場合は、MCTオイルが特におすすめです。
MCTオイルは中鎖脂肪酸100%で風味が少ない
MCTオイルはココナッツオイルと健康面で近い働きを持つため、代用品として使えます。
MCTオイルとはココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸のみを精製して作られたもので健康に良いとされ、酸化に強く低温でも固まりません。(※8)
発煙点が140度と低いため加熱調理には不向きですが、特に味や香りが無いものが多く料理の風味を邪魔せずに使えますよ。
MCTオイルはサラダのドレッシングの代用や、スープやヨーグルトに少量回しかけて使うと良いでしょう。
また、液体の油としてココナッツオイルを使いたい場合は、サラダ油などでも代用できます。
菜種油などのサラダ油は無味無臭でスイーツにも
加熱や調理用に使う場合は、ココナッツオイルの代用として菜種油などのサラダ油も活用できます。
菜種油(キャノーラ油)はサラダ油の一種で、生で食べられる植物油です。
加熱調理が可能でそのままドレッシングなどにも使えて、無味無臭なのでスイーツ作りにも適していますよ。
焼き菓子などに代用する場合は、米油もおすすめですよ。
米油は健康に優しく甘い香りが特徴
米油はココナッツオイルの代用品としても使用でき、加熱するとバニラのような香りがするのが特徴です。
米油は常温でも固まりませんが、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸がバランス良く含まれコレステロールが溜まりにくい特徴があります。(※10)
米油は熱に強く酸化しにくいため加熱調理に向いており、サラダなどにそのままかけて使えるほか、甘い風味が出ることから焼き菓子にも向いていますよ。
ココナッツオイルの代わりになるものをご紹介しましたが、どのように使うと失敗しないのかも気になります。
そこで、ココナッツオイルの代用品で作れる代替レシピを紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
ココナッツオイルの代用品で作れる人気の代替レシピを紹介
ココナッツオイルが無くても、代用品で作れる人気スイーツレシピを3つご紹介します!
どうしてもココナッツオイルが必要で6軒はしごした。。。朝ごはん作らなきゃもうストックがない( ̄▽ ̄)
— gassy☆ (@gassy0221) May 2, 2021
このように手元にココナッツオイルがない、近所に売っているお店がないという場合でも、代用品を使ってケーキやクッキーなどのお菓子が作れますよ。
お菓子作りの定番!パウンドケーキはサラダ油で代用
ケーキ作りに使うバターがない時にココナッツオイルで代用するという人は多いと思いますが、ココナッツオイルがない場合は、サラダ油で代用することもできますよ。
通常すべての材料を同量で作るパウンドケーキですが、こちらのレシピは粉が100gに対してサラダ油が30gなのにフワフワな仕上がりで簡単です!
このほか、ココナッツオイルの代用品としてバターとアーモンドプードルを使い、食感の良いクッキーも作れます。
クッキーはバターとアーモンドプードルで代用
クッキーを作る時にショートニングを使う場合がありますが、ココナッツオイルを使うとサクサクで風味豊かな仕上がりになります。
ココナッツオイルがない場合は、バターとアーモンドプードルで代用することでサクサクな食感に香ばしいアーモンド風味のクッキーが作れますよ。
アーモンドプードル♪さくほろ本格クッキー by ゆり子♡ママレシピ
材料5つで簡単に作れるアーモンドプードルとバターで代用するクッキーのレシピ。アーモンドの程よい油分でサクサクほろほろ食感に!
さらに、カカオバターの代用として使われるココナッツオイルがなくても、無塩バターとココアパウダーで置き換えができます。
チョコスイーツは無塩バターとココアパウダーで代用
チョコレート系のスイーツ作りにカカオバターを使用する場合、代用として性質の似たココナッツオイルが使えます。
ココナッツオイルがない場合は、無塩バターとココアパウダーに置き換えてカカオバター風のチョコレートスイーツが作れますよ。
ココナッツオイルが無くてもいろんなお菓子作りができますので、ぜひ試してみてくださいね!
結論|ココナッツオイルの代わりになるものを上手に使おう
ココナッツオイルがない時は、用途によってバターやサラダ油などの代用品を使うことが可能です。
ココナッツの風味を出したい時はココナッツミルクが最も近く、常温で固まる飽和脂肪酸が多い代用品としてはバターが適しています。
液体で使う場合は、健康志向の人はオリーブオイルやMCTオイル、お菓子作りにはサラダ油や米油などに置き換えて使えますよ。
ココナッツオイルの代用品を使った代替レシピを参考にすれば、ケーキやクッキーなどのスイーツも作れますので、ココナッツオイルが手元になくて困った時は参考にしてみてくださいね。
参考資料
※をクリックすると元の位置へ戻ります。
※1 体によいあぶら、よくないあぶらを知ろう|一般社団法人 日本健康生活推進協会
※2 脂質について知りましょう|北里大学病院 栄養部
※3 体脂肪になりにくい中鎖脂肪酸|MCTサロン(日清オイリオ)
※4 ココナッツオイル、ココナッツミルク、ココナッツウォーターって違う?|アゲルOnline Shop/span>
※5 バターとマーガリンの常識・非常識|一般社団法人中央酪農会議
※6 バターをおいしく食べよう|株式会社明治
※7 オリーブオイルと健康~オリーブオイルの健康効果や使い方について~|日本オリーブ
※8 MCTオイルってどんなもの?|MCTオイル専門店 仙台勝山館Cocoil
※9 中鎖脂肪酸の栄養学的研究‐最近の研究を中心に‐|国立研究開発法人科学技術振興機構
※10 米油ってどんな油!?|オリザの米油