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食材・料理のQ&A

さつまいもの栄養素と食べ過ぎによる太る・腹痛などの注意点|毎日の適量は

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料理・食材
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【監修者:管理栄養士 中山沙折】

さつまいもを食べ過ぎると豊富に含まれる食物繊維などの影響で、腹痛や下痢、便秘の原因になる可能性があります。

しかし、適量を守れば美容や健康に役立つ栄養素が含まれているので上手に取り入れたい食材です。

さつまいも 食べ過ぎ

さつまいもに含まれている栄養素のメリットを生かすためには、食べる際にどんなことに注意すればいいのか気になったので、今回は下記の3つの項目について調査しました。

この記事では、毎日食べても食べ過ぎにならない1日の適量や、食べ過ぎるとなぜ体に悪影響を与えるのかについて解説しますので、さつまいもの栄養を効果的に摂取する際の参考にしてください。

また、さつまいもは糖質や炭水化物が多いため太るというイメージもありますが、食べ方を工夫すればダイエット中にもおすすめな食材であることもわかるので、お楽しみに!

 

記事監修者・管理栄養士・中山沙折先生記事監修・中山沙折先生
管理栄養士・栄養士
管理栄養士/ 一部上場企業にて食品研究に6年間従事。摂食障害を克服した経験から、現在はフリーの栄養士として特定保健指導を軸に栄養指導やダイエット指導をしている。「食は楽しい」の考えのもと食と健康のさまざまな分野に挑戦中。栄養に関する記事執筆や監修(大正製薬様DoctorsMe様)、レシピ開発にも携わっている。

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さつまいもは栄養素満点!食べ過ぎずに摂取したときのメリット

下記の表は、さつまいもの主な栄養成分をまとめたものです。

さつまいも100gあたりの栄養成分
エネルギー 127kcal ビタミンC 25mg
炭水化物 33.1g ビタミンE 1.0mg
糖質※ 30.3g 食物繊維総量 2.8g
カリウム 380mg 水溶性食物繊維 0.9g
β-カロテン当量 40μg 不溶性食物繊維 1.8g

出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)(※1)

※糖質 = 炭水化物 - 食物繊維

さつまいもは栄養成分のほとんどが炭水化物で、食物繊維やビタミン類も含まれていることがわかります。

それぞれの栄養素にはどのような働きがあるのか、簡単に解説しましょう!

ビタミン類が美容や健康維持に役立つ

さつまいもには抗酸化作用のあるビタミン類が多く含まれており、美容や健康維持に効果が期待できます。

さつまいもの主な栄養素・はたらき (※2)
ビタミンC ・抗酸化作用
・コラーゲン生成の促進
ビタミンE ・抗酸化作用
・酸化による老化を防ぐ
ビタミンA
(β-カロテン)
・目や鼻の粘膜を整える
・細菌から体を守る

ビタミンCは、加熱調理をすると分解されてしまうという弱点がありますが、さつまいもに含まれているビタミンCは、でんぷん粒に囲まれているため加熱しても損失しにくいと言われています。(※3)

また、老化防止の効果が期待できるβ-カロテンは、果肉がオレンジ色の安納芋という品種に特に多く含まれていますよ。

さつまいもには、ビタミン類以外にも美容効果が期待できるカリウムが豊富です。

豊富なカリウムがむくみ予防や皮膚再生に役立つ

カリウムは過剰なナトリウムを体外に排出する働きがあり、むくみ解消や皮膚再生の効果が期待できます。(※4)

栄養素

老廃物の排泄を促して新陳代謝を助けたり、高血圧の予防にも効果が期待できるため、美容や健康のためには積極的に取り入れたい栄養素ですね。

ただし、腎臓に疾患がある場合はカリウムの摂取量に注意が必要です。

さらに、さつまいもには美肌効果が期待できる食物繊維も多く含まれています。

食物繊維が便秘を改善し美肌にも役立つ

さつまいもに含まれている食物繊維は、腸内環境を整えたり、老廃物を体外に排出する働きがあるため、美肌効果に期待ができる栄養素です。(※5)

また、不溶性食物繊維は、胃腸内で水分を吸収して膨らんで便通を促進するため、便秘解消の効果も期待できます。

さらに食物繊維以外にも便秘解消に効果がある栄養素として、さつまいも特有の成分であるヤラピンが含まれています。

管理栄養士 中山沙折
管理栄養士
中山沙折

ヤラピンはさつまいもを切った時に出る白い液体で、便を柔らかくする働きがあり、食物繊維との相乗効果でお通じの改善が期待できます。(※6)

このようにさつまいもに含まれている食物繊維には、美容や健康に欠かせないさまざまな働きがありますが、食べ過ぎたら腹痛や便秘の原因になるなど、体に悪いデメリットもあります。

さつまいもを食べ過ぎると太る?腹痛などの原因や注意点は

さつまいもは、100gあたり127kcalと炭水化物を多く含む食材の中では比較的低カロリーなので、食べ方に注意すればダイエットにも活かせる食材です。

しかし、さつまいもは密度が高く、ついついたくさんの量を食べてしまうという欠点もあるため、適量をしっかり守ることが重要です。

さつまいもを食べ過ぎると、エネルギーの摂取過剰により太る原因になります。

では、食べ過ぎると太る以外にはどうなるのか、症状を確認してみましょう!

腹痛は食物繊維のとり過ぎが原因!

さつまいもに含まれている不溶性食物繊維は、便のカサを増して便通を促進するため、適量を摂取すれば便秘解消の効果が期待できます。

しかし、便秘の人が不溶性食物繊維をとり過ぎると、症状が悪化してしまうこともあります。(※7)

なぜなら、便秘の人は大腸の働きが低下しているため、便が大きくなりすぎると大腸内をスムーズに進まなくなってしまうからです。

慢性的な便秘は腹痛の原因になるので、便秘の時は不溶性食物繊維のとり過ぎに注意しましょう!

腹痛

また、さつまいもに含まれているデンプンはゆっくり消化されるため、胃腸が活発に動きガスが発生しやすいと言われています。(※8)

管理栄養士 中山沙折
管理栄養士
中山沙折
さつまいもを食べるとお腹が張るのは、こういったメカニズムによるものだったのですね。

さつまいもの食べ過ぎでガスがたまってしまうと、お腹が痛くなることもありますよ。

さつまいもの食べ過ぎは腹痛を引き起こす便秘の原因になるだけでなく、体質によっては下痢になることもあります。

消化不良が原因で下痢になることもある

繊維質で消化に時間のかかるさつまいもは、一度に食べ過ぎると消化不良をおこして下痢の原因になります。(※9)

特に栄養成分が凝縮されている干し芋は、食べ過ぎると下痢になることもあるので、食べる量には注意しましょう!

さつまいもを食べ過ぎると、腹痛だけでなく胃痛の原因にもなります。

甘いさつまいもを食べ過ぎると胃痛や胸焼けの原因になる

でんぷんの多い食べ物や甘いものを食べ過ぎると、酸度の強い胃酸の分泌が増えて、胃がムカムカしたり気持ち悪いなど胃痛や胸焼け、胃もたれの症状を引き起こすことがあります。(※10)

糖度の高い焼き芋は、食べ過ぎると胃もたれの原因になることもあるようですね。

また、さつまいもはカリウムが豊富に含まれているため、腎臓の機能が低下している場合は注意しましょう!

腎臓に疾患がある場合は要注意!

さつまいもはカリウム含有量の多い食材ですが、通常は不要なカリウムは体外に排出されるため、過剰症の心配はありません。

しかし、腎臓の機能が低下している場合は、過剰なカリウムが正常に排出されずに高カリウム血症を起こす危険性があります。(※11)

高カリウム血症になると、悪心、嘔吐、不整脈などの症状が現れることがありますので、腎臓に疾患がある方は医師の指導に従った食事療法をしてください。

このようにさつまいもは食べ過ぎによるデメリットもありますが、適量を守って食べ方を工夫すればダイエット時にもおすすめな食材であることがわかりました。

調理法に注意すれば、ダイエットにもおすすめ!

さつまいもは以下の3つのポイントを意識して食べれば、ダイエット効果が期待できます。

  • 血糖値の上昇を抑える調理法(ゆでる・蒸す)を選ぶ
  • 加熱後に冷やして食べる
  • 皮ごと食べる

さつまいも

さつまいもは血糖値の上昇を抑える低GI食品に分類されていますが、調理法によってGI値は大きく異なります。

最もGI値が低いのはゆでる(蒸す)調理法で、糖の吸収が緩やかなので太りにくい食べ方です。

GI値とは、食後の血糖値の上がりやすさを数値で示したもので、数値が高いほど体内で消化吸収されやすく血糖値が上がりやすい食品です。(※12)

ゆでたさつまいものGI値は44で、2型糖尿病の発症リスクを低減させる可能性があると期待されている低GI食品(GI値55以下)に分類されています。(※13)

調理法別さつまいものGI値(※14)
ゆでる(蒸す) 44
揚げる 76
炭火焼き 82
オーブン焼き(45分) 94

最もGI値が低いのはゆでる(蒸す)調理法で、糖の吸収が緩やかなので太りにくい食べ方です。

また、さつまいもは加熱後に冷やすと、でんぷんの一部が老化しレジスタントスターチとよばれる難消化性デンプンに変化します。

レジスタントスターチには食物繊維とよく似た働きがあり、善玉菌を増やして腸内環境を整えたり、血中脂質や血糖値の急激な上昇を抑える働きがあると言われています。(※15)

ダイエット時には、加熱したさつまいもを冷やして食べると効果的でしょう。

管理栄養士 中山沙折
管理栄養士
中山沙折
さつまいもの皮には食物繊維やヤラピンなど便秘解消に効果が期待される栄養素が多く含まれているので、皮ごと食べるとさらにダイエット効果がUPしますよ。

最後に、さつまいもは何本であれば食べ過ぎにならないのか、1日の適量を解説します。

さつまいもを食べ過ぎないための毎日の適量【1日1本は?】

厚生労働省が推奨している間食のエネルギー量は1日200kcal程度と言われています。(※16)

さつまいものエネルギーは調理法によって下記のように異なりますが、200kcalに換算するとだいたい130g〜150gです。

100gあたりのエネルギー量
さつまいも(皮付き・蒸し)(※17) 129kcal
さつまいも(皮なし・焼き)(※18) 151kcal
さつまいもは1本約250gですので、間食で食べる場合は1日1/2本を目安にすれば食べ過ぎの心配はなさそうですね。(※19)

さつまいも 適量

甘くて美味しい焼き芋は、2本3本と止められなくなる可能性が高いですが、健康のためには1日の適量を守って食べるようにしましょう!

また、さつまいもはお子様にも人気のおやつですが、大人とは摂取量が異なります。

子供の摂取量は大人の半分程度!

子供は消化器官が発達していないため、食べ過ぎには注意しましょう。

1〜2才の幼児の場合は、さつまいも50g程度を目安にし、成長に合わせて少しずつ量を増やしてみるといいですよ。(※20)

管理栄養士 中山沙折
管理栄養士
中山沙折

お子様やご高齢の方がさつまいもを食べる時は、同時に水分もしっかり補給するように気をつけてくださいね。

結論|栄養豊富なさつまいもは食べ過ぎず適量にしよう

さつまいもは炭水化物や食物繊維を多く含む食品なので、食べ過ぎるとエネルギーの過剰摂取で太ったり、消化不良をおこして下痢や腹痛の原因になることもあります。

しかし、さつまいもに含まれている食物繊維は、本来便秘を解消したり、血糖値の急激な上昇を抑える働きがあるため、適量を守って食べれば健康に良い効果が多く、デメリットについてはあまり心配しなくてもいいでしょう。

さつまいもはGI値が低く、ダイエットや糖尿病の予防にも効果があると言われています。

1日の適量は1/2本程度ということがわかりましたので、食べ過ぎに注意しながら栄養価の高いさつまいもを毎日の食生活に取り入れてみてください。

 

参考資料
※をクリックすると元の位置へ戻ります。

※1 いも及びでん粉類/(さつまいも類)/さつまいも/塊根、皮つき、生|食品成分データベース
※2 美容に不可欠なビタミンのお話|はなふさ皮膚科 久我山院
※3 ビタミンCの働きと1日の摂取量|健康長寿ネット
※4 「納豆の発酵による機能性」ビタミンE|全国納豆協同組合連合会 納豆PRセンター
※5 美腸にも美肌にも効果抜群!食物繊維でデトックス性|きのこラボ from HOKTO
※6 カラダに効く旬の食材|協会けんぽ健康サポート
※7 食物繊維をとりすぎると便秘が悪化!? 便秘改善になる量と食材とは|NHK
※8 サツマイモの切り口から出てくる白い液は何?|NHKテキスト
※9 消化不良|アリナミン製薬
※10 胃腸の話|太田胃酸
※11 カリウム ─栄養素から見た腎臓〜腎由来のさまざまな血液中の|ADPKD.JP
※12 GIについて学ぼう|大塚製薬
※13 血糖値とGIの関係性|大塚製薬
※14 Sweet Potato|THE UNIVERSITY OF SYDNEY
※15 新しい「腸活」で理想のカラダをデザイン〜「レジスタントスターチ」で腸内の働き方改革〜|J-オイルミルズ
※16 間食のエネルギー(カロリー)|厚生労働省
※17 いも及びでん粉類/<いも類>/(さつまいも類)/さつまいも/塊根/皮つき/蒸し|食品成分データベース
※18 いも及びでん粉類/<いも類>/(さつまいも類)/さつまいも/塊根/皮なし/焼き|食品成分データベース
※19 食材の目安量|AJINOMOTO
※20 幼児の「おやつ」は大切な栄養源。何をどれくらいあげればいい?|パルシステム

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