私は最近、パスタを食べるとお腹の調子が悪くなります。以前はそんなことがなかったので、「疲れで自分の消化する力が弱まっているのかな?」と思い、調べてみました。
すると「パスタは消化に悪い」・「消化不良を起こしやすい」というネガティブな情報も、「ダイエットに効果的」などポジティブな情報もあります。
冷凍庫には冷凍パスタのストックがいくつかあるのですが、これからもパスタを食べ続けて良いのかが、よくわかりませんでした。
パスタの消化に関する正しい情報をまとめて、わかりやすくご紹介していきたいと思います!
- パスタは消化にいいかが知りたい!アルデンテ・やわらかく茹でるなど、茹で時間でも消化時間が変わるの?
- パスタと食べ合わせると消化が早い具材は何?作り方のコツも解説
- 胃腸が弱っているときにおすすめの、消化の負担が少ない麺類はどれ?
- 体調に合わせた食事がしたい!消化に良いのはどんな食べ物?
普段は平気な食べ物でも、体調が悪いと正常に消化できない場合がありますよね。また、普段から胃腸が弱い方は、人一倍食事に気を使っていることと思います。
「パスタの消化時間は胃腸にとって負担なのか?」・「胃腸への負担を減らすにはどうすればいいのか?」を中心に、「消化が良いのはどんな食べ物なのか」などもご紹介していきます!
目次
パスタは消化にいいか?悪いか?消化時間が早いと言えない理由はコレ!
「パスタは消化がいいか・悪いか」について、科学的に根拠がある結論を知りたくて徹底調査してみました。
パスタの消化を徹底解説!タンパク質がナゾをとく鍵
パスタの消化について下記の情報を発見したのですが、どれも明確な根拠がない情報でした。
- パスタに含まれる成分・グルテンが、日本人の体質に合わないので上手に消化できない
- パスタは2時間くらいで消化できるので、他の食品に比べて消化が悪いとは言えない など
そこで、パスタに含まれる主な成分・グルテンの消化について調査してみました。
グルテンとは?
パスタの原料になる小麦粉に水を加えると、小麦粉のタンパク質と水がしっかり結びつく&水に溶けない状態になることで、麺独特の弾力(コシ)が生まれます。
タンパク質と水が結びつく作用から生まれる成分がグルテンで、「グルテンは弾力のもと」とお考え下さい。
さらに「小麦粉のタンパク質」は、さまざまな食品に含まれるタンパク質の中で最大という点にも注目です!
豆乳に含まれるタンパク質よりも、2倍消化しにくいことがわかっています。
小麦タンパク質と水の混合物(グルテン)
= しっかり結合し、水に溶けない
= グルテンは消化されにくい
= グルテンを含むパスタも消化されにくい
と考えてOKです。
さらにパスタと組み合わせる具材によっても、「消化の早い・遅いが左右される」と覚えておいて頂けると幸いです。
例えば…
- ひき肉たっぷりのミートソースパスタなら、お肉のタンパク質も一緒に摂取するので、さらに消化が遅くなる
- とうもろこしのような消化が悪い具材を合わせたパスタは、消化不良を起こす可能性もある
パスタの茹で加減は消化に関係あるの?
パスタの茹で加減と消化の関係は、でん粉の変化に左右されます。
- 乾燥パスタを生でそのまま食べる:でん粉の分子がすき間なく固まっているので、水分や消化酵素が入り込めず、消化が悪い
- 適度に茹でる・アルデンテ(固めの茹で加減):でん粉の分子が膨らんで水を含むので、消化される状態になる
- 茹ですぎ:より消化されやすい状態になる
パスタを茹ですぎた場合の消化については、ネット上に「パスタを茹ですぎると消化が悪くなる」という情報がありました。
科学的根拠がわからなかったので、パスタの製造販売で有名な日清製粉に直接質問してみました!
Q.パスタを茹ですぎると消化が悪くなると聞いたのですが、本当でしょうか?
A.パスタを長い時間茹でることで消化が悪くなることはありません。
うどんを茹でると柔らかく・食べやすくなるのと同じく、パスタも長めに茹でることで消化が良くなります。
パスタの消化が悪くなる原因として、下記のことも教えてくれました。
- 低い温度のお湯でパスタを茹でると、でん粉がお湯に流れ出す。パスタにはグルテン(タンパク質)が残り、消化が悪くなる
- 一度茹でたパスタが冷めるとでん粉が老化してかたまり、再び水分や消化酵素が入り込めない状態になる。消化も悪くなる
ちなみに、お米にもパスタと同じ「でん粉」がたくさん含まれています。炊き上げるとでん粉が水分を含んで膨らみ、消化しやすい形に変化します。
ご飯が冷えるとパスタと同様に消化が悪くなるので、ご注意下さい。
ここまででわかった情報を、結論としてまとめてみます。
「パスタは消化にいいか?悪いか?」 結論!
- パスタと食べ合わせる具材によって、消化が良い・悪いが左右される
- ぬるいお湯で茹でたパスタは消化が悪い、沸騰したお湯で茹でたパスタは消化が良い
- 冷めたパスタは消化が悪い、作りたての温かいパスタは消化がいい
手作りはもちろん!冷凍パスタも、具材とのバランスを考えながら、暖かくて美味しいうちに食べるのがベストですね。
パスタを食べると出る不調…消化以外が原因かも!
パスタを食べて下記のような症状が長く続く場合は、消化以外が原因の不調かもしれません。
- 下痢
- お腹にガスがたまる
- 体がだるい
- 頭痛 など
思い当たる症状がある方は、下記のような疾患を疑ってみて下さい。
- セリアック病:生まれつきグルテンに弱い体質で、グルテンを摂取すると小腸に異常が起こる
- グルテン不耐症:グルテンを消化できないので、アレルギー反応が出る
- 過敏性腸症候群:原因不明だが、胃腸炎がきっかけで症状が出始めることがある。胃腸の調子が悪い状態が長く続く
私はパスタだけではなく、パン・ピザなどでも同じようにお腹の調子が悪くなります。
同じような症状でお悩みの方はぜひ病院を受診し、今後の対策を相談してみて下さい!
ここまで調査してきた情報を参考に、パスタがスムーズに消化できる作り方やレシピをまとめました。次にご紹介します!
パスタの消化吸収を早める方法!作り方のコツや消化にいいレシピとは?
パスタを作るときは、茹でる段階からたくさんのポイントがありましたね!消化に良いパスタを作る手順とポイントを、表で確認してみて下さい。
手順 | ポイント | |
1 | 大きな鍋にたくさんのお湯を沸騰させる | パスタを入れたときに温度を下げないため |
2 | 適量のパスタを入れる | 【パスタ100グラム:沸騰したお湯2リットル 】が目安 |
3 | お好みの固さまでパスタを茹でる | 固すぎると消化が悪くなる |
4 | 茹で上がったパスタはすぐに味付けをする | 消化の良い具材と合わせる |
5 | 温かいうちに食べる | 冷めないうちに食べきる |
パスタを少なめ(70グラムほど)にして、消化の良い具材を多めに使ってもいいですね!
消化にいいレシピは、下記を参考にしてみて下さい。
豆乳クリーム+レモンのパスタ
レモンの酸味が胃酸を分泌してくれて、消化を早めてくれます。
先程お話ししたとおり、豆乳に含まれるタンパク質の消化吸収率は、小麦粉に含まれるタンパク質の2倍以上です!
お腹に優しい白身魚や野菜を具にして作ってみて下さい。
スープ+野菜のパスタ
スープパスタの仕上げにオリーブオイルをひとまわししてみて下さい。冷めにくいので、消化が良い状態を保てます。
肉類の中でも消化に良い鶏胸肉・冷蔵庫の中に余っている野菜(食物繊維が少ない方が良い)を活用すれば、旨味たっぷりのパスタになります。
ちなみに、香りが良いきのこ類を大量に使いたくなりますが、きのこを一度にたくさん食べるのはおすすめできません。
きのこは食物繊維のかたまりで、食物繊維は消化吸収されない成分なので、食べすぎると消化不良を起こしてしまう可能性があるからです。
きのこは、適量を使いましょう。油で炒めてからパスタと合わせると、油が体の外に排出するのを助けてくれますよ!
パスタの消化について、詳しい情報をご紹介してきました。
インターネット上には根拠があいまいな口コミなどの情報がたくさんありますので、今回ご紹介した情報をぜひ参考にしてみて下さい!
次に、パスタ以外の麺類の消化についてもご紹介していきます。
パスタ以外の麺類の消化時間!胃腸が弱っている時におすすめの麺類は?
体調が悪くて、「ごはんよりも麺類の方が食べやすい」と感じることがありますよね。
なるべく胃腸に優しいものを食べたいときは、どんな麺類を選べば良いのでしょうか?パスタ以外の麺類の消化について、ご紹介します。
消化に良い麺は「うどん」と「そうめん」
実は、「うどん」と「そうめん」は同じものです。JAS規格によると、太さによって「うどん」・「ひやむぎ」・「そうめん」と名前が分かれています。
パスタと同様に、うどん・そうめんを柔らかく茹でるほどに消化が良くなりますが、下記の点にご注意下さい。
- 天ぷらなど消化しにくい食品と食べると、消化が悪くなる
- 沸騰したお湯で適量を茹でないと消化が悪くなる
- 冷やして食べると消化が悪くなる
また、うどんやそうめんは「のどごしが命」と言われていますが、よく噛まないで食べると当然消化が悪くなります。
胃腸が弱っているときには、温かく調理して・よく噛んで食べて下さいね。
「そば」は消化に悪い!その理由とは?
「そば=ヘルシー」というイメージがありますが、実はうどんよりもカロリーが高いです。「ヘルシー」と言われるのは、食物繊維が多い&糖質が低い点が注目されているからです。
消化に関しては、そばに含まれる食物繊維がポイントになります。
先程きのこをご紹介した際にお話したとおり、食物繊維は消化吸収されない成分です。適量を食べると体の中にある不要なもの(便)を押し出す役割をしてくれます。
当然食物繊維だけを大量に食べると消化吸収できないため、胃腸に負担がかかってしまいます。
そばにはポリフェノールがたっぷり入っているなど良い点もたくさんあるので、【体調が良いときに・食べ合わせも考えながら・適量を】食べてくださいね。
「ラーメン(中華麺)」も消化に悪い!その理由とは?
ラーメン(中華麺)独特の色・風味・食感に欠かせない「かんすい」が、消化に大きく影響します。
「かんすい」は必要な成分を人工的に混ぜて作られたもので、グルテン(小麦粉のタンパク質)をさらに強くまとめる作用があります。
ラーメン(中華麺)を茹でるとお湯が白くなりますよね。これは、ラーメンからでん粉が溶け出すためです。
茹で上げた麺表面のヌルヌルを洗い流すことで、さらにでん粉が流れ落ちます。
麺からできるだけでん粉を取り除いてグルテン(小麦粉のタンパク質)が多く残ったものがラーメン(中華麺)なので、消化が悪くなります。
*「かんすいがアルカリ性だから胃酸を中和して消化の邪魔をする」という情報がインターネット上に多数ありますが、実は科学的な根拠がありません。
パスタ以外の麺類の消化についても詳しくわかったので、体調に合わせて麺を選び、調理法にも気をつけていきたいと思います!
最後に、消化の良い食べ物をチェックしておきましょう。「食欲が無いけど食べないと元気が出ないな…」と悩んだときは、どんなものを食べれば良いのでしょうか?
パスタより消化の良い食べ物一覧!栄養たっぷりで体に優しい食材とは?
私が妊娠していたとき、水を飲んでも吐いてしまう、ひどいつわりに悩まされました。水分も固形物も摂れず、ひどい貧血にもなってしまいました。
当時の私が消化が良い食べ物を知っていれば、少量でも効率的に食べて、貧血を防げたかもしれません。
つわりは一時的なものですが、風邪や胃腸炎などで体調を崩して、「回復しなきゃいけないのに食べられない!」という場面は誰にでもあります。
消化が良くて栄養豊富な食べ物を、一覧でご紹介します。
消化が良い食べ物 | 栄養 |
おかゆ | 体を動かすのに必要な栄養がたくさん入っている |
豆腐 | ミネラルも含まれていて、タンパク質だけど約95%が消化吸収される |
食物繊維の少ない野菜 | ビタミン・ミネラルなど |
チーズ | カルシウムが豊富 |
バナナ | 脳のエネルギーのもとになる |
パスタとチーズの組み合わせは定番ですが、消化の面から考えても相性が良かったんですね!
「消化が良い」とは言っても、同じ食品だけを食べ続けるのは体によくありません。
体調が悪いときは消化の良い食品の中から食べられるものを選んでみて下さい。体調が戻ったらバランス良く食べて、元気に過ごしていきましょう!
*持病をお持ちの方は、薬と食品の相性が悪い場合がある点にもご注意下さい。
まとめ
パスタの消化について、詳しくご紹介してきました。
ポイントをまとめてみます!
- パスタは調理法や食べ方によって消化が良い・悪いが左右される
- 消化の良いパスタを作るには、食べ合わせも大切。きのこ類を使うときには注意が必要
- うどん・そうめんは柔らかく茹でるほどに消化によくなる
- そば・ラーメンは消化に悪い
- 食欲がないときは、消化が良い食べ物の中から食べられるものを選び、栄養を効率的にとるのがおすすめ
インターネット上には「パスタは消化に良い・悪い」どちらの情報もありますが、茹でる時点から、「消化が悪くならないような工夫」をしていくのが大切でしたね。
基本的には消化が良いと言われているうどん・そうめんも、茹で方・食べ方・食べ合わせによっては、消化が悪くなってしまいます。
消化が悪い食事をすると、私達の体は頑張って消化しようとするので、胃に血液が集まってしまい、頭がボーッとします。
午後から頭を使う仕事をするときは、ランチに消化が良いものを食べるのがおすすめですよ♪
今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ食べ方を工夫してご自分の体をコントロールしてみて下さい!