漬物は、我家の食卓には欠かせないものですが、先日、夕食後に冷蔵庫にしまい忘れて、一晩常温放置してしまいました。
見た目や臭いに大きな変化は感じられないので、「大丈夫かな…」「漬物ってそもそも腐るのかな…」と疑問がわいています。
そういえば、以前京都のお土産でいただいた漬物は、包装に「常温保存」と書かれていたような気もしてきました。
でも、あやふやなままで食べるのは食中毒などが怖いですし、かといって捨てるのももったいないです!
そこで、漬物が常温保存できるのかについて調べてみましたので、以下の内容にまとめてご紹介します♪
- どれくらい常温保存できるのかと注意点
- 常温保存できる市販の漬物の種類と賞味期限
- 手作りの場合の日持ち日数
- 腐るとどうなるのか
- 長持ちさせる正しい保存方法
腐った場合の特徴がわかれば、食べられるかどうかが見極められますよね!また、市販の漬物で常温保存できるものがあれば嬉しいです。
人気のメーカーを中心に調べましたので、ぜひ購入の際の参考になさってくださいね♪
最後には、長持ちさせられる正しい保存方法も紹介するので、これで漬物を無駄にせずに食べきれるはずです。
最後までお見逃しなくお付き合いくださいね!
目次
漬物の常温保存はいつまで大丈夫?車内放置や持ち歩きするときの注意点
漬物に限らず、食品が常温保存可能かどうかは、塩分濃度によって異なります。一般的に、食品中の塩分濃度が高いほど腐りにくくなります。
塩分濃度が高いと、浸透圧の関係で食品中の水分が少なくなり、食べ物を腐らせる原因のカビや微生物が繁殖しにくくなるからです。
塩分濃度が10%を超えると、食品を腐らせる微生物はほとんど繁殖しなくなり、25%を超えると微生物が死滅するとされています。
しかし漬物の場合は、浅漬けの塩分濃度は2~5%程度、ぬか漬けでも2~6%程度で、それほど日持ちが見込めません。
一晩常温放置した程度なら大丈夫かもしれませんが、基本的に常温保存には向かず、仮に状態が良くても1日~2日程度が限界だと思われます。
常温とは何度のこと?手作りのぬか床を保存する際の適温とは?
ここまでで、常温について触れてきましたが、そもそも常温とはいったい何度のことなのでしょうか?
実は、「常温」は規格によってきちんと定められています。
常温の定義
- 食品衛生法の添加物の通則:15℃~25℃
- 日本工業規格(JIS規格):20℃±15℃ (つまり5℃~35℃)
どちらを参考にするか悩ましいところですが、厳しく考えても15℃~25℃が常温といえそうです。
夏場の室温は、30℃以上になることがありますよね。この場合は、食品衛生法の添加物の通則による「常温」の定義からはずれるので、漬物がほとんど日持ちしないことが予測できます。
さらに、30℃~40℃は雑菌が繁殖しやすい温度なので、腐敗も非常に進みやすくなります。そのため、夏場の食品の取り扱いには注意しましょう。
漬物なら冷蔵庫に入れれば良いかと思えますが、ぬか床で漬物を手作りする方もいらっしゃるでしょう。では、ぬか床も冷蔵庫に入れたほうが良いのでしょうか?
調べてみると、ぬか床は乳酸菌を活動させるために、20℃~25℃の常温保存が望ましいことがわかりました。真夏でなければ、基本的には常温保存して毎日かき混ぜて手入れしましょう。
ただし、真夏は手入れが難しくなるので冷蔵庫に入れると良いです。乳酸菌を起こすために、数日に1回は常温に戻してかき混ぜると良いそうですよ!
常温保存可や要冷蔵、真空パックの漬物を持ち歩いても大丈夫?
旅行先などで漬物を買ったり、遠方へのお土産にしたりする場合は、常温で持ち歩いても良いのでしょうか。
この場合、常温保存可能な漬物で気温が15℃~25℃以内であれば、もちろん持ち歩きしても大丈夫です。
ですが、夏場などで気温が高くなる場合や直射日光には注意が必要ですし、それほど気温が高くなくても温度変化が大きい場合はよくありません。
例えば、一旦冷蔵庫に入れたものを常温に戻して、また冷蔵庫に…などと繰り返したりすると劣化が進みます。
そのため、夏場の移動や、一旦冷蔵庫に入れたものを出して持ち歩く際は、保冷バッグに入れるなどの対処をしたほうが良いでしょう。
逆に、気温が低くて一定であれば、例えば冬場の車内に放置したとしても問題ない場合もあります。
要冷蔵の漬物でも、「半日程度なら常温保存しても大丈夫」という意見もあるようですが、「何時間なら」「何日なら」と明確な情報があるわけではありません。
ここで、世間の意見をいくつかご紹介しますね。
野沢菜とかそういう感じの漬物は常温保存だと1日で悪くなるなあ。もうちょっと保たんものか。
— pha (@pha) April 25, 2008
要冷蔵の漬物かどうかはわかりませんが、1日常温保存すると味に変化を感じるものもあるようです。
以前、京都で漬物買うときに「常温で2日以上おいとくとどうなりますか?」て聞いたら「爆発します」て言われた。漬物爆弾こわい
— ユー (@sgtb) January 22, 2008
爆発…!!きっと発酵が進んで膨らんでしまうってことですよね。漬物が爆発すると、かなり大変なことになりそうです。怖い怖い…
お茶漬け用だからって、ちりめんじゃこと漬物を常温で置いて食ったら腸炎にかかってしまったのでみんなも気をつけようね
— るとんにき@冬火曜日西み04b (@RUTON) January 20, 2017
何の漬物をどのくらいの日数常温に置いたのかはわからないのですが、健康被害がでるケースもあるようです。正しく保存するのって大切ですね。
今日の漬物。
常温に二日置いた。酵母菌らしきものが水面に膜を作り、あぶくができていた。乳酸菌と酵母は違うのではないか。また腐敗してるのか発酵してるのか、区別がつかない。
とりあえず、容器を変えて冷蔵庫。
新兵器。ジップロックに入れて空気を抜いて容器にしまう。 pic.twitter.com/BjrzUMP4K5— 神田森莉 (@KandaMori) July 3, 2019
こちらは漬物を手作りされている方です。常温に2日置くだけで、腐っているのかと疑うような状態になってしまっているようです。
やはり、あまり長持ちしない印象ですね。封を開けたものや手作りのものは常温に置かず、冷蔵庫に入れたほうがよさそうですね。
真空パックの漬物は長持ちする?
漬物にもいろいろな包装がありますが、どんな食品でも真空パックのものって、なんだか安心感がありませんか?
「要冷蔵」と書かれていても、真空パックされていれば、常温に置いていても腐らないような気さえします。でも、真空パックを過信してはいけません。
厚生労働省でも、「真空パック食品を常温保存するとボツリヌス菌が繁殖する可能性がある」と注意喚起しています。
ボツリヌス菌に感染すると、嘔吐・視力障害・物を飲み込みづらくなるなどの神経障害を発症するため、注意が必要です。ですから、真空パックでも「要冷蔵」と書かれているものは、必ず正しく保存してくださいね。
ここまでで、漬物の常温保存には注意が必要だとわかりました。しかしそうは言っても、常温保存可能な漬物のほうが、お土産にする際などには扱いやすそうです。
次の章では、常温保存可能な漬物の商品をご紹介します!購入の際の参考になさってくださいね。
常温保存可能な市販の漬物を調査!お土産におすすめの人気商品も紹介
浅漬けやぬか漬けなど、塩分濃度が2~5%程度の漬物の場合は、常温保存には向いていないとお話ししました。ですが、市販の漬物の中には、常温保存可能なものもあるんです!
お土産などでもよく贈られる人気のメーカーを中心に、常温保存可能な漬物とその賞味期限を一覧表にまとめます♪
メーカー名・漬物の種類 |
賞味期限 | 引用元 | |
西利 | 梅小路漬 | 到着後約1週間 | 公式販売サイトより |
筍山椒 | 到着後約2週間 | 公式販売サイトより | |
味すぐき | 到着後約1ヶ月 | 公式販売サイトより | |
大安 | しそ漬け など | 到着後1ヶ月以上 | 公式販売サイトより |
東海漬物 | 白菜 | 製造日より60日 | 公式サイトより |
キューちゃん | 製造日より90日 | 公式サイトより | |
「もり」の「日持ちする漬物詰め合わせ」 | 到着後90日 | 公式販売サイトより | |
辻しば漬け本舗 | 生しば漬け | 90日 | 公式販売サイトより |
丸高 | 野沢菜 | 製造日より180日 | 販売サイトより |
喜多福総本家 | 大根のなら漬 | 4ヶ月 | 公式販売サイトより |
私は関西人なので、漬物と言えば京都の西利を思い浮かべます!京都駅構内にも店舗がありますし、通販サイトからの購入も可能ですよ♪
きゅうりのキューちゃんも大好きで、実家にはよくストックがあったなぁ…と思い出されます。
丸高の野沢菜も購入できますよ♪
西利の漬物の中には、常温保存可能でも日持ちが1週間程度のものもありますが、他は1ヶ月以上や大根のなら漬けにいたっては4ヶ月と、長持ちするものが多いですね。
市販の漬物は工場で厳重に製品管理を行い、パッケージする際に加熱殺菌処理などをしているため、常温保存が可能なんですね。
ただし、これらの日持ち日数は、あくまで未開封の場合に限ります。開封後は賞味期限にかかわらず、早めに食べきるようにしましょう!
また、常温で保存できるのも、未開封の場合のことです。きゅうりのキューちゃんに関しては、公式サイトで「開封後は冷蔵庫保存」と説明されていますが、他の漬物も同様に考えたほうが安全でしょう。
ところで、私は水ナスの漬物が大好きなので、常温保存可能で長持ちする商品がないものかと探してみたのですが…残念ながら見当たりませんでした。
水分が多い水ナスは非常に腐りやすく、12℃を超えると急激に腐ってしまうと説明している商品もあります。
ですから、買い置きはせずに食べたいときに買ってきて、すぐに食べるのがよいのでしょうね。
常温保温できる漬物の商品や賞味期限はわかりましたが、開封後は期限が関係なくなるので、状態を見て判断するしかありませんね。
そこで続いては、漬物が腐った時の見分け方について解説します。これがわかっていれば、間違って食べてしまうことも、何となく怖くて捨ててしまうこともなくなるはずですよ!
漬物は腐るとどうなるの?傷んだときの見分け方や目安がコレ!
市販の漬物の賞味期限はわかりましたが、開封後はその賞味期限通りではなくなります。
賞味期限内で、たとえ冷蔵庫に保存していたとしても、傷む可能性は大いにあります。漬物に限らず、食品を開封すると空気が入り込みますよね。
何も見えませんが、空気中は雑菌だらけです!そして、冷蔵庫の中の空気も同様です。
開封してすぐに冷蔵庫の中に入れたからといって、冷蔵庫内でも雑菌が入るかもしれませんし、温度が低くても繁殖する雑菌もいます。
うっかり何日も置いていると、知らないうちに腐ってしまっているかもしれません。
開封後の漬物を食べるときは、腐っていないかどうかを確認しなければなりませんね。
そこで、漬物は腐るとどうなるのかをご紹介しますので、よくお読みいただいてサインを見逃さないようになさってくださいね。
やはり、臭いや見た目が判断の目安になるわけですね。うっかりたくさん食べてしまうと、過去には腸管出血性大腸菌(O157)による食中毒が発生したケースもあるので、注意が必要です。
近年では、北海道で169名が感染し、そのうち8名が亡くなるという大きな被害が起こっています。
もともと酸っぱい漬物なので判断が難しいかもしれませんが、少しでも異常を感じたら無理に食べないほうがよいでしょう。
さて、腐った漬物の見分け方はわかりましたが、そもそも腐らせたくありません!最後に、漬物を長持ちさせられる正しい保存方法をご説明します。
これを読んで、みなさん漬物マスターになりましょう♪
漬物の正しい保存方法は?日持ち期間や長期保存するコツも教えます!
漬物を日持ちさせるためには、どのように保存すればよいのでしょうか。
市販の漬物の場合、常温保存可能な商品であっても、開封後は「冷暗所」や「冷蔵庫」など、記載されている方法で保存します。
その際は、容器や入れ方にもコツがあるんですよ!
漬物の冷蔵方法
- タッパーや器にラップする方法では保存しない
- ラップでしっかり包むか、密閉袋に入れてしっかり空気を抜く
- 汁があれば一緒に保存する
- 漬物が汁から出ないようにする
保存の際に重要なことは、空気に触れさせないことです。先ほどもご説明したように、空気に触れるとそれだけ雑菌に触れる危険が増します。
漬け汁がないぬか漬けなどは、タッパーよりも、ラップでしっかり包むか密閉袋に入れ、空気を抜いて保存しましょう。
漬け汁がある漬物の場合は、漬けた状態で保存したほうが長持ちする可能性があります。そのほうが空気に触れませんし、塩分による防腐効果も期待できます!
もちろん、塩分濃度や漬物の状態によって異なりますが、一般的には汁に漬けて保存することをおすすめします。
手作りの漬物の保存方法と日持ち期間は?
手作りの漬物も、市販品でご紹介した方法と同じように保存すればOKです。
また、日持ちに関してはお伝えしてきたように、塩分濃度や野菜の種類などによっても変わってくるので、一概に何日とは言えません。
ちなみに、専門家による手作りの漬物レシピを見てみると、おおよその日持ちの目安は次の通りでした。
- キャベツの浅漬け:2日
- 白菜の浅漬け:3~4日
- 樽を使用して本格的に漬けた白菜の塩漬け、大根のしょうゆ漬け、大根の甘酢漬け:1週間程度
しっかりと塩やしょうゆに漬け込んだものや、酢漬けにしたものは1週間程度は持つようです。
ただし、これはあくまで目安です。先ほどご紹介した「腐った漬物の特徴」を参考に、見た目や味を確認しながら美味しいうちに食べ切ることをおすすめします。
また、作る際は手や道具、容器を清潔にすることも、長持ちさせるためには大切です。適当にせず、きちんと洗浄しましょう!
塩分濃度が低い漬物でも長持ちさせられる方法をご紹介!
塩分濃度が10%や20%の漬物なら長持ちするかもしれませんが、最近の健康志向もあり、そんなにしょっぱい漬物はあまりないでしょう。
手元にある、塩分濃度が低い漬物を長持ちさせたいのであれば、抗菌作用のあるアルコールやクエン酸を加えることで保存性を上げられます。
次の表のような割合でアルコールやクエン酸を加えてください。
漬物の状態 | アルコールやクエン酸の量 |
塩分5%の漬物1kg | アルコール度数35°のものを90cc → 25℃で日持ち約1週間 |
アルコール度数35°のものを150cc → 25℃で日持ち約2週間 | |
塩分濃度3~4%の漬物1kg | 350ccの酢、またはクエン酸15g |
塩分濃度5~6%の漬物1kg | 240ccの酢、またはクエン酸10g |
アルコールやクエン酸を加えると、アルコール臭さや酸味が増すなど、風味が変わる可能性があるので、その点はご理解くださいね。
また、アルコールを加えることで、1~2週間ほどの日持ちが見込めると言われてはいますが、あくまで目安です。
必ず大丈夫と約束できるものではないため、過信せず早めに食べきるようにしましょう。
漬物は冷凍できる?保存方法や日持ちはどれくらい?
食品の長期保存と言えば…やはり私は冷凍を思い浮かべます!
漬物を冷凍したことはない方が多いかもしれませんが、実は漬物の冷凍は可能です。ただし、その場合も少しコツがあるのでご紹介しますね。
漬物の冷凍方法
- 汁気をしっかり切って密閉容器に入れる
- 量が多い場合は小分けにして1回分ずつラップで包む
- 食べる際は冷蔵庫で自然解凍する
冷蔵庫保存の際は、漬け汁に漬けていたほうが良いですが、冷凍の場合は事情が変わります。漬け汁ごと冷凍すると、解凍する際に漬物から水分が抜けてしまい、食感が失われてしまいます。
そのため、水気を切ってから冷凍して、解凍するときもレンジでチンなどせず、冷蔵庫に移してゆっくり解凍しましょう。食べたいと思う日の前の晩に、冷蔵庫に入れておくとよいですよ。
冷凍した漬物は1~2ヶ月程の日持ちを見込めますが、やはりこちらもあくまで目安です。また、解凍後はどうしても味や食感が変わってしまうということは、知っておいてくださいね。
なお、一度解凍した漬物の再冷凍はせずに、5日程度で食べきるようにしましょう。
まとめ
漬物の常温保存に関する情報を紹介しましたが、ここでポイントをまとめます。
- 漬物は塩分濃度が2~6%程度のものが多く、常温保存にはむかない
- 常温とは食品衛生法では15℃~25℃、JIS規格では5℃~35℃と定められている
- 人気のメーカー商品には、常温保存可能で賞味期限も長いものがたくさんある
- 持ち歩く時には高温や温度変化に注意する
- 開封後は常温保存できないものが多く、賞味期限も関係なくなる
- 漬物が腐ると酸っぱい臭いや味、ネバネバするなどの変化が起こる
- 冷蔵保存なら空気を抜くか、漬け汁に漬けた状態で保存する
- 冷凍保存なら水気を切って密封し、使う際は自然解凍して5日程で使いきる
- 漬物にアルコールやクエン酸を加えて保存性を高める方法もある
漬物は常温保存に向かないことがわかりましたので、一晩放置してしまった我が家の漬物は、今回はあきらめたほうがよさそうです。
今後は、密閉袋で保存したり、箸をつける前に取り分けて冷凍したりするようにしようと思います。
また、アルコールやクエン酸を加えて保存期間を長くする方法も知れたので、夫の焼酎を使って試してみてもよいかもしれません。
漬物は主食ではないですが、あると食卓が充実しますよね。適当に扱うことなく、正しく保存して最後まで美味しく食べきりましょう♪