燻製と言えば、身近な商品ならハムやソーセージですよね。賞味期限が長めで値段も安いので、日ごろから重宝しています。
燻製にできる食材は肉・魚・卵など幅広くあります。先日は珍しい鹿肉の燻製を頂き、食べたことのない野性味に驚きました!
燻製の世界は奥深そうですね。今回はどんな燻製があるのかを幅広く調べてみたので、食材ごとの賞味期限などをご紹介したいと思います!
- 市販の燻製は賞味期限がどれくらい?手作り燻製はどれくらい日持ちするの?
- 燻製は賞味期限切れになっても食べられるの?
- 燻製が腐るとどうなるの?
- 市販の燻製の正しい保存方法
- 手作り燻製を安全に作って長持ちさせるコツ
鹿肉の燻製を食べて感動した夫が、「次にキャンプに行く時は手作り燻製をする!」と張り切って道具を買おうとしています。
「手作りする」と言われると、「作り方を間違えたら、日持ちしないし食中毒になるんじゃない?」と気になる私です。
今回は市販品だけではなく手作りについても、安全に作って・食べられる方法を徹底調査していきます。
ぜひ最後までチェックしてみて下さい!
目次
燻製の賞味期限や日持ち期間は?肉・魚・卵など食材別に調査!
燻製について調べると「市販品でもこんなに種類が豊富なんだ!」と驚きました。
どんな燻製があって、賞味期限がどれくらいなのかを表にまとめました。
市販の燻製 賞味期限
これから手作りにチャレンジする方も、意外な食材を発見できると思います!ぜひチェックしてみて下さい。
食材 |
賞味期限 | 引用元 | |
牛肉 | カッパ(前原の皮と脂身の間) | 冷蔵庫:50日 | 通販HP |
ローストビーフ | 冷凍:3ヶ月 | 通販HP | |
豚肉 | レバー | 冷蔵庫:14日 | 通販HP |
ベーコン | 冷凍:30日 | 通販HP | |
スモークタン | 冷蔵庫:40日 | 通販HP | |
ソーセージ | 冷蔵庫:45日 | 通販HP | |
鶏肉 | 手羽先 | 冷蔵庫:30日 冷凍:90日 |
通販HP |
鴨肉 | 冷蔵庫:45日 | 通販HP | |
鶏ささみ | 常温:90日 | 通販HP | |
スモークチキン | 冷凍:6か月 | 通販HP | |
肉その他 | 鹿肉 | 冷蔵庫:10日 | 通販HP |
イノシシ | 冷蔵庫:4週間 | 通販HP | |
馬肉 | 冷凍:180日 | 通販HP | |
魚 | ニジマス | 冷蔵庫:4日 | 紹介記事 |
いか | 常温:60日 | 通販HP | |
ししゃも | 常温:90日 | 通販HP | |
スモークサーモン | 冷凍:90日 | 通販HP | |
ほっけ | 常温:90日 | 通販HP | |
岩魚(いわな) | 常温:180日 | 通販HP | |
明太子 | 常温:180日 | 通販HP | |
鮎 | 常温:180日 | 通販HP | |
牡蠣 | 常温:6か月 | 通販HP | |
卵 | ゆで卵(半熟卵) | 冷蔵庫:21日 | 通販HP |
うずらの卵 | 常温:180日 | 通販HP | |
チーズ | カマンベール他 | 冷蔵庫:20日 | 通販HP |
同じ肉でも部位ごとに燻製があって、ご紹介しきれない商品がまだたくさんありました!
賞味期限は、真空パックなどの包装状態や製造方法に左右されます。燻製を買ったら、商品表示を確認して下さいね。
燻製って何?火は通っているの?
通販のホームページで牛肉の燻製を調べるとローストビーフが表示されたので、上記の表でもご紹介しました。
でも、ローストビーフって燻製なのでしょうか?「何か違う気がする」と感じ、燻製とは何かを調べたのでご紹介します。
辞書には、下記のように書いてあります。
燻製は、火で直接焼きません。ローストビーフは焼いているので、正確には燻製ではないんですね!
燻製はなぜ日持ちするの?
食材を塩漬けすると、浸透圧で水分が抜けます。さらに乾燥させることで、食材の中は脱水状態になります。
水分を栄養分に増殖する雑菌などが食材の中で生きられなくなるので、燻製は腐るのを遅らせた保存食となります。
自家製の燻製は日持ちがどれくらい?
自家製の燻製は、賞味期限がわからないですよね。塩の量・燻す時間・保存方法などによって保存できる期間が変わります。
キャンプなどで限られた時間の中で手作りする場合は、日持ちが短くなる可能性がありますね。
口コミなどの声をまとめると、手作りの場合の日持ちは1週間から1ヶ月が多数でした。
長持ちする手作り燻製の作り方は、後ほど「手作り燻製は手間暇かけて安全性を高める!」でご紹介します。
市販の燻製の賞味期限を調べると、やはり長い期間保存できる商品が多かったですね。
長期保存できる点は便利ですが、「賞味期限を忘れる・開封して賞味期限がわからなくなる」なんていうことが、私にはよくあります。
燻製は賞味期限切れになったらどうなるのでしょうか?すぐに腐るのでしょうか?
燻製が賞味期限切れになった!いつまでなら食べても大丈夫なの?
まずは農林水産省のホームページで、賞味期限の正しい意味を調べてみました。
- 賞味期限:未開封で保存方法を守った場合の、美味しく食べられる期間
- 消費期限:未開封で保存方法を守った場合の、安全に食べられる期間
消費期限切れの食品は食べない方がいいが、賞味期限切れの食品はすぐには腐らない。
賞味期限は食品の特性を考えた上で、余裕を持って短めに設定されています。
消費者庁のホームページより
賞味期限は、検査などで「食べられる」とわかった期間に、0.8以上1未満の安全係数を掛けて設定するのが基本
この情報を参考にすると、賞味期限の1.2倍の期間は食べられる可能性がありそうですね。
先ほどの表からいくつかの商品をピックアップして、賞味期限切れ後いつまで食べられるのかを計算してみました!
食材 |
賞味期限 | 期限切れ後の日持ち | |
牛肉 | カッパ(前原の皮と脂身の間) | 冷蔵:50日 | 10日 |
豚肉 | レバー | 冷蔵:14日 | 2日 |
スモークタン | 冷蔵:40日 | 8日 | |
鶏肉 | 鶏ささみ | 常温:90日 | 18日 |
魚 | 岩魚(いわな) | 常温:180日 | 36日 |
元の賞味期限が長い燻製だと、期限が過ぎても1ヶ月以上食べられる可能性があるんですね!
ただし、上記は計算上の日数です。賞味期限切れ・消費期限切れになった食品が実際にいつまで食べられるのかは、明確には分かりません。
理由
- 保存方法によって日持ちが左右されるから
- 買ったときの鮮度など、状態によって日持ちが左右されるから
食品に書かれている期限は「未開封で保存方法を守った場合の」期間なので、開封後や保存方法が違う場合は、期限内に腐る可能性があることも、覚えておく必要がありますね。
結論 期限切れ燻製はいつまで食べられるのか?
賞味期限は美味しさを保てる期間なので、美味しく食べられる期限内に食べるのがおすすめ。
賞味期限切れの燻製が食べられる期間は明確にわからない。状況によっては期限内に腐る可能性もあるので、期限に関わらず自分で状態を判断する必要がある。
期限内だから絶対に安全と考えず、自分で食べられるかどうかを見極めるのが大切ですね。
次に、燻製が腐るとどうなるのかをご紹介するので、食べてはいけない燻製の見分け方を確認してみて下さい!
燻製は腐るとどうなるの?傷んでいる時の見分け方や目安がコレ!
市販品はもちろん、時間が経った手作り燻製が傷んでいるかどうかの判断方法が知りたいですよね!
実際に「燻製を腐らせた」という実体験を、口コミなどで調査してまとめました。
こんな燻製は食べないで!
まずは見た目や臭いを確認し、分からない場合は少しだけ食べて燻製の状態をチェックしましょう。
見た目・触った感じ
- カビ
- 表面にぬめりがある
- カットすると糸を引く
- 変色が激しい
- パックが膨らんでいる(市販品)
臭い
- 異様な腐敗臭
味・食感
- 変な味
- 舌にピリピリと刺激を感じる
- 舌に油が絡みつく嫌な感じ
燻製は生の食材を使って作っているので、自分の五感を信じて、少しでも変だと思ったら食べないのがおすすめです。
特に子どもさん・妊婦さん・免疫力が低い方などは、健康な方よりも重い食中毒の症状が出る可能性もあるので、十分にご注意下さい。
ボツリヌス菌にも要注意!
ボツリヌス菌は土や海・川の底の泥の中など、自然の中に広く存在しています。
100℃で6時間以上加熱しないと死滅しないですし、重症化すると死亡する例もある怖い菌です。
手作りの際は外で作業することも多い燻製には、不注意からボツリヌス菌が付着する可能性があるのでご注意下さい。
ボツリヌス菌は、増殖するときにガスと嫌な臭いを出します。臭いに異常を感じたら、絶対に食べないで下さいね。
食中毒菌はボツリヌス菌以外にもあり、燻製を手作り・調理する際にも付着する可能性があります。
次にご紹介する保存方法も参考に、安全面にも気をつけながら燻製を食べていきましょう!
燻製の正しい保存方法!常温・冷蔵・冷凍で長持ちさせるコツは?
市販の燻製は商品に書かれている保存方法を守りますが、「常温保存」と書かれている際には注意が必要です。
開封後は空気や湿気に含まれる雑菌が付着しないように密閉し、食材によっては冷蔵庫に入れる方が良い場合もありますよ!
市販の燻製 正しい保存方法
市販の燻製に「常温保存」と書かれている場合に、どんな場所が思い浮かぶでしょうか?私には「冷蔵庫以外の場所は全部常温」というイメージがあります。
でも冬に暖房が無くて10℃以下になる玄関先も、夏に冷房が効いていない30℃以上になるお部屋も同じ「常温」だと、環境が違い過ぎますよね。
食品の保存に適した常温が具体的にどんな場所なのかを調べました!
- 食品衛生法などでは15℃~25℃
- 直射日光が当たらない場所
- 温度変化が少ない場所
- 風通しが良い場所
上記のような場所が無い場合は、冷蔵庫か冷凍で保存することになるのが一般的です。
また、ビーフジャーキーのように水分がほとんど抜けた燻製なら開封後も常温保存でOKな場合がありますが、水分が残っている燻製は、開封後したら冷蔵庫か冷凍で保存しましょう!
冷蔵庫 保存方法
- 燻製の表面の水分を拭く
- なるべく密閉してラップに包む
- ジップロックのような密閉できる保存袋に入れる
- 空気を抜いて密閉し、冷蔵庫に入れる
開封後は燻製の状態を見ながら、なるべく早く食べ切りましょう!
冷凍 保存方法
冷凍と解凍を繰り返すと品質がひどく劣化するので、ブロックなどの大きな形で冷凍するのはおすすめできません。
再冷凍の必要が無いように、1回に食べ切る分ずつ分けて冷凍するのがコツです。冷蔵庫の保存方法と同様に冷凍なさって下さいね。
凍らせると大抵の雑菌は増殖がおさまり、劣化にしくなります。ただし冷凍焼けや臭いうつりで少しずつ風味が落ちていくので、2週間~長くても1ヶ月以内に食べ切るようおすすめします。
解凍すると雑菌がまた活動し始めるので、早めに食べ切りましょう!
手作り燻製は手間暇かけて安全性を高める!
先ほどもお話ししたとおり、燻製は塩で漬けて水分を出し、燻して乾燥させることで長期保存が可能になります。
食材にたくさん塩を塗って軽く燻しただけでは保存食にはなりませんので、安全性に気をつけながら、丁寧に下処理をして作りましょう!
手作り燻製を作る前に気をつけて頂きたいこともあります。
- 食材の汚れを取る
- 手指と調理器具を清潔にする
- 火の取り扱いに注意する
- 煙とにおいが出るので、近隣に迷惑がかからない場所で燻す
- 湿度と温度が高い季節は、屋外での燻製作りには向かない(食材の劣化・害虫被害)
燻製の作り方については、こちらの動画が大きなブロックの豚肉を使って、とても丁寧に教えてくれています。
動画内では、「ソミュール液」という液に豚肉のブロックを漬けこんでいます。
私はソミュール液を知らなかったので、調べてみました。
ソミュール液とは?
高濃度の塩水にスパイスの香りも加えたものです。液体なので食材全体に塩が浸透して水分がしみ出す上に、塩とスパイスの味が中まで入ります。
塩分濃度は10%から海水並みの30%くらいが目安です。
他にも手作り初心者としては、チップの取り扱いもわからないので調べてみました。
燻製のチップの保存方法など
燻製のチップは、通販・アウトドア用品店・ホームセンターなどで売っています。
チップが余った場合には下記の方法で保存しましょう。湿気を吸うと燃えなくなるので、乾燥状態を守るのがポイントです。
- ビン・缶など密閉できる容器に入れる
- 乾燥材を一緒に入れる
- 米びつ用虫よけを入れる(あれば)
- しっかり密閉して保存
チップの材料になっている木の選び方はお好みによりますが、サクラは色・香りがつきやすいので初心者が燻製をするのに向いています。
「キャンプなどで落ちている枝を集めて燻製を作ってもいいんじゃない?」と思ったのですが、YouTubeには「拾った枝で燻製をして不味かった」という動画がありました。
チップも手作りしてみたい場合は、こちらの動画が参考になります。
「初心者はここまでしなくていいかな」という個人的な感想なのですが、時間・場所・道具がある方は、チャレンジしてみるのも楽しそうです♪
まとめ
さまざまな食材を使った燻製の賞味期限をチェックし、安全に美味しく食べ切る方法をご紹介してきました。
ポイントをまとめてみます!
- 市販の燻製の賞味期限は商品によって違うが、長いものだと賞味期限半年の商品がある
- 手作りの燻製は作り方や保存方法によって日持ちが左右される。1週間~1ヶ月が日持ちの目安
- 市販品が賞味期限切れになっても食べられる可能性があるが、期限内に食べる方が美味しい
- 賞味期限に関わらず燻製の状態をチェックして、食べられるかどうかの最終判断は自分でする必要がある
- 燻製が腐ると、見た目や異臭でわかりやすい
- 特にボツリヌス菌には注意が必要で、「市販品のパックが膨らむ・変な臭い」という変化がある場合は食べちゃダメ!
- 市販の燻製は商品に書かれている保存方法を守るが、開封後などは冷蔵庫や冷凍で保存するのが一般的
- 手作り燻製を安全に作るためには手間暇がかかる
燻製にできる食材は幅広く、市販品では未開封で長期保存できる商品もあります。
手作りでは調理方法と保存状態に日持ちが左右されますが、自分好みの香りや塩加減を探りながらチャレンジするのが楽しそうですね!
ただし、安全面には注意が必要でした。
今回ご紹介したボツリヌス菌だけではなく、ノロウィルス・黄色ブドウ球菌・O-157など、さまざまな食中毒菌があります。
食中毒菌を予防する基本の方法は「つけない・増やさない・死滅させる」ですので、十分に注意して食材の取扱い・調理・保存をして下さいね。
燻製について調査すると、やはり奥深い世界でした。今回の情報を参考に、ぜひ燻製を楽しんでみて下さい!