なまこといえばお正月に食べるくらいで、私にとってはあまり親しみがない食材です。しかし、私の夫は海の近くで生まれたので、小さい頃からなまこをよく食べていたそうです。
先日、「なまこ酢を作ってほしい」と言われたのですが、さて、どうしたらいいのやら…?自分で料理したことがないので”作り方”からはじまり、”賞味期限はどれくらい?”で”どうやって保存すればいいのか?”など、わからないことだらけです。
そこで今回は、なまこを家で美味しく食べるための情報を調べたのでご紹介します!
- 生のなまこの賞味期限はどれくらい?酢の物などに調理後はどれくらい日持ちするの?
- 生のなまこと干しなまこの保存方法。干しなまこは常温で保存してもいいの?
- なまこが賞味期限切れになったら捨てるべき!?腐るとどうなるの?
- なまこを柔らかく・美味しく食べられるレシピ
スーパーでよく売っている、小さいパックのなまこ酢を買ってくれば簡単なのかもしれませんが、せっかくリクエストされたので、”丸ごと買ってきて、自分で料理してみたいな”という気持ちがあります。
さばき方や料理法も全く知らないので、この機会に詳しく調べてみました。早速ご一緒に確認していきましょう!
目次
なまこの賞味期限や日持ちはどれくらい?生や調理後などを調査!
まずは、なまこを丸ごと買ってみようと思って調べると、生や干したものなどいくつかの商品が出てきました。
それぞれの賞味期限や日持ちを調査してまとめたので、表でご紹介します。
なまこの状態 | 賞味期限/日持ち | 日数 | 引用元 |
生・丸ごと | 日持ち | 冷蔵:1~2日 | 柿山海産 |
干しなまこ | 賞味期限 | 常温:1年 | なまこや |
酢の物 | 賞味期限 | 冷蔵:10日 冷凍:1ヶ月 |
なまこや |
予想通りですが、生だと全然日持ちしませんね。ちなみに、「赤なまこ」や「青なまこ」など種類によって賞味期限や日持ちに違いはありません。
生のなまこを保存する場合、温かすぎても(常温)冷たすぎても(冷蔵室)鮮度が落ちるのが早くなるとのことです。(後ほどなまこの詳しい保存方法をご紹介します。)
調理後のなまこに関しては、「なまこ酢」などの酢の物にすることで冷蔵保存で10日と、少し日持ちしますね。
ところで生のなまこは日持ちしないので、賞味期限が長い干しなまこを買えばいいかなと思いきや、100gで1万円近くと値段が高くてビックリです!
なまこは11月~6月頃までが旬なので、スーパーなどに手ごろな値段で出回ったのを、見逃さずに楽しんでみようと思います。
赤なまこ、青なまこ、黒なまこは何が違うの?
なまこの賞味期限について調査していたら、なまこは「赤なまこ」「青なまこ」「黒なまこ」などがあることがわかりました。いずれも食用の”まなまこ”なのですが、生息地の違いによって色も違うようです。
「普段食べているのは何なまこ?」と疑問がわいたので、それぞれの特徴や違いを調べてみました。
- 赤なまこ:少し高級品、風味と食感がより良い
- 青なまこ:お手頃で食べなれた味。色が濃いと黒なまことして扱われることもある
- 黒なまこ:より色が濃いものは干しナマコにされて高級食材となる
冬になると手に入りやすい値段で売られているのは、青なまこだったんですね。ちなみに、海に行くと浅瀬になまこが見えることがありますが、毒性のあるなまこの可能性がかなり高いです。
なまこには数百もの種類があって、食べられるなまこはほとんどありませんので、好奇心で食べることのないようにご注意ください。
なまこは日持ちしないので、買ってきたらなるべくすぐに料理したほうがいいとわかりました。
次は、気になるなまこの保存方法をご紹介します。保存方法を間違うとすぐに食べられなくなる場合もあるそうなのですが、保存にはどんなポイントがあるのでしょうか?
なまこの正しい保存方法とは?長持ちさせるコツや下処理も紹介!
他のお魚などと違って「スーパーで売っている生のなまこ=生きたままの状態」なので、保存の仕方を間違うと逃げられる場合もあるそうです。
冷蔵庫の中で、なまこが移動していたら怖いですよね!そこで、保存方法をしっかり確認しましょう。
生のなまこを冷蔵保存する方法
生のなまこは、売られている状態によって保存方法が違います。そこで、なまこを買ってきた状態別にどう保存すればよいのか紹介します。
海水と一緒に袋に入れられた状態で買った場合の保存
- なまこが入った袋ごと新聞紙にくるむ
- 冷蔵庫の野菜室に入れる
海水なしで買った場合の保存
- 大きめのボウルに、なまこがすっかり浸るくらいの塩水を作る(海水と同じ塩分濃度【水10:塩1】の割合)
- 新聞紙を乗せる
- 冷蔵庫の野菜室に入れる
次に、生のなまこを保存するときのNG行動もご紹介します。
- 底の浅い容器に入れる(逃げられる可能性アリ)
- 常温保存・冷蔵室保存(すぐに死ぬ)
- 密閉する(すぐに死ぬ)
なまこを冷蔵庫で長持ちさせる裏技
生のなまこは、先ほどの表でもご紹介した通り1~2日しか持ちませんが、日持ちレシピとして酢なまこにすると冷凍で約1ヶ月保存できます!
酢なまこの作り方
- 清潔なタッパーに合わせ酢を作る(【醤油:砂糖:酢=1:2:3】の割合)
- 下処理をしたなまこを、スライスせずに入れる
- しっかりフタをして、冷蔵庫の冷蔵室で保存
スライスすると味が入り過ぎてしまうので、丸ごと酢なまこにするのがおすすめです。食べる際は清潔な箸で取り出して、食べない分はすぐに冷蔵庫に戻してくださいね。
私は、なまこの下処理がわからないので、簡単に解説してくれている動画を探してみました。実際に動画の通りに下処理をしてみましたが、とても簡単でしたよ。
酢なまこについても触れてくれているので、ぜひチェックしてみてください!
なまこを冷凍保存する方法
なまこは、下処理をして調理後に冷凍保存可能です。酢の物やポン酢和えなどにして、食べきれなかった分を冷凍し、食べる分だけ解凍して楽しんでください!
なまこを冷凍保存する手順は以下の通りです。
- 酢の物などを調味液ごと、ジップつきの保存袋に入れる
- 空気を抜いて密閉する
- 平らにして冷凍する
なまこは90%以上が水分です。そのため、冷凍するとなまこに含まれている水分が凍って、解凍と同時に流れ出してしまい、コリコリした食感はなくなります。
干しなまこの保存方法
干しなまこは常温保存が基本ですが、戻したときの味が悪くならないように、保存場所に気をつけましょう!
こんな場所が最適
- 直射日光が当たらない場所
- なるべく涼しくて温度が一定の場所
- 風通しが良い場所
干しなまこは、他の乾物と同じように清潔なビンやタッパーなどに入れて、密閉して保存します。戻すときは水を変えながら2~3日冷蔵庫に入れて、柔らかくなるまで待ってから調理してくださいね。
ここまでで、なまこの賞味期限や保存方法を見てきましたが、賞味期限が切れてしまった場合は食べられないのでしょうか。
次章では、賞味期限切れのなまこについて解説します。
賞味期限切れのなまこは食べられるの?腐るとこうなります!
生きたなまこを買った場合は、賞味期限や消費期限が特に知らされませんが、なまこ酢のように加工された商品には期限が書かれていますよね。
その期限内に食べられなかった場合には、食べられるかどうかを判断するのは自己責任となります。「期限切れのなまこは食べられるのか?」の答えの前に、賞味期限切れと消費期限切れについて確認してみましょう。
- 賞味期限切れ:賞味期限は美味しく食べられる日数なので、食べられる可能性アリ
- 消費期限切れ:消費期限は安全に食べられる日数なので、食べないほうがよい
消費者庁のホームページによると、「賞味期限は実際に食べられる日数よりも短めに設定して表示するのが基本」と公表されています。つまり、多少は余裕を持って期限が設定されていうことです。
そのため、もし賞味期限切れのなまこがあったら、封を開けて臭いや味をよく確認してから判断なさってみてください。ただし賞味期限や消費期限は、未開封&保存方法を守った場合の日数です。
開封後や保存方法を守らなかった場合は、「商品に書かれている期限に関係なく、できるだけ早く食べる」と、覚えておいていただけると幸いです。
なまこは腐るとどうなるの?見分け方や目安がコレ!
自己責任で食べられるかどうかを判断する場面もあるということで、生で買ってきたなまこが腐るとどうなるのか、見分け方をご紹介します。
見た目
- 表面がドロドロしている(溶ける)
臭い
- 生臭さが強い
味
- 食感が悪い(柔らかい)
- 変な味がする
口コミでは、死んだなまこに関して、次の2つの意見がありました。
「死んだなまこは腐っていなくても食べられない(生きているうちに調理しないとダメ)」
「死んだなまこでも臭いや味が変じゃなければ食べられる」
なまこが生きているかどうかは、表面を触って色が変われば、そのなまこは生きています。
死んだなまこは「食べられない」or「食べられる」という2つの意見の真相を知りたくて、なまこを販売している専門家のホームページなどを調べてみたのですが…。”死んだなまこを生で食べるとあたる”などの情報がなかったため、明確な結論は出ませんでした。
先ほど、「生のなまこは密閉しないで保存する」とご紹介しましたが、密閉しないと冷蔵庫に入れていても必ず雑菌が付きます。
また、冷蔵庫の開け閉めの回数など、いろいろな原因で早めに腐る可能性もあると考えて、食べる都度、なまこの状態をしっかりチェックなさってください。
見た目や臭いなどに少しでも異変を感じたら、自分の体が”食べちゃダメ”と感じている目安です。自分の五感を信じて、もったいなくても捨てる決断が必要な場合もあると考えておきましょう!
ちなみに干しなまこの場合は、下記を目安に腐っているかどうかを判断なさってください。
- カビ臭い、カビが生えている
- 食べてみると酸っぱい など
他の食品と同じように、”いつもと違う”と感じたら食べないことをおすすめします。
最後に、なまこを美味しく食べられるレシピをご紹介します。珍味と言われるなまこを楽しみつくせるように、ご一緒にチェックしていきましょう!
なまこを使って美味しい日持ちレシピ!柔らかくする方法も紹介!
なまこにはミネラルやビタミンが含まれていて、栄養豊富と言われています。干しなまこが高級品なのは、中国で朝鮮人参と同等の健康効果があるとされているからです。
一方で、「ほとんどが水分なんだから健康効果なんてない」という意見もあります。ただし、どちらの意見の方も声をそろえて言っているのが、「あの不思議な食感がやめられない」ということです。
そんななまこを楽しめる、いろいろなレシピをご紹介します。
蒸しなまこ
蒸し器で5分ほど蒸すだけで出来上がりです!ポン酢、もみじおろしなど定番の味付けだけでなく、ラー油やからし醤油、コチュジャンなどでも美味しいですよ。
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アヒージョ
オリーブオイルを刻みニンニクで香りつけをし、なまこを入れて3分ほど加熱します。バジルや岩塩などで風味をつけて食べると、不思議な食感と定番の味が最高の組み合わせです。
珍味!筋肉も食べてみよう
なまこを開くと、内側にベージュの太い筋が5本くらいあります。これがなまこの筋肉で、生でも食べられます。
なまこの酢の物に入れてもOKですし、筋肉だけポン酢などで食べてもおいしいです。
固いなまこは苦手!柔らかくしたい方必見
なまこを柔らかくする方法は、いくつかあります。
- 緑茶かほうじ茶で湯通しする(沸騰したところになまこを入れて、再沸騰するくらいまで)
- なるべく薄く切る
- コリコリ感が全くいらないのであれば、一度冷凍する
上記のどれか1つ試すだけでも、通常よりは柔らかく食べられますが、全部組み合わせれば驚くほど柔らかいなまこになります!
高級食材を手作り!干しなまこの作り方
干しなまこは、家でも意外と簡単に作れます。
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- なまこを下処理する
- 鍋に塩水(水1L:塩小さじ2弱の割合)を作る
- 塩水になまこを入れて強火で火をつける
- 沸騰したら火を止める
- 冷めるまで待つ
- 水洗いして残っている汚れを取る
- 1~2ヶ月干す
なるべくお天気のいい日が続く頃を見計らって、雨のあたらない場所に干しましょう!
こんなアイテムがあると、なまこ以外の食材にも使えて便利です。
干しなまこは、戻して煮物や炒め物にすれば美味しくいただけますよ。
まとめ
なまこの賞味期限や保存方法など、美味しく食べる方法を詳しくご紹介してきました。最後に、ポイントをまとめてみます!
- 生のなまこは野菜室で保存して、日持ちは1~2日
- 酢なまこにすると、冷蔵庫で1ヶ月日持ちする
- 干しなまこやなまこの加工品は賞味期限が長い
- 生のなまこは常温と冷蔵室での保存はNG
- なまこの加工品の賞味期限が過ぎたら、食べられるかどうかは自分で判断が必要
- 生のなまこが腐ると見た目や臭いで判断できる
- なまこの固い食感が苦手な場合でも、柔らかくする方法がある
- 干しなまこは家でも作れる
なまこについては全く知識がなかった私ですが、「買ってきたらすぐに調理したほうがいい」「保存するなら密閉しない」などのポイントがわかったので、自分でもなまこを使ったレシピを考えられそうです。
生は日持ちしませんが、長持ちさせたいなら酢なまこにすればいいんですね。合わせ酢にだしを加えて自分好みの味付けで保存し、おつまみやご飯の副菜に活用していきたいと思います!
なまこの形が米俵に似ていることから、豊作を願ってお正月になまこを食べる習慣が生まれたそうです。私はこれまでは、お正月だけがなまこの旬かと思っていたのですが、間違いでした。
なまこは旬の期間が長い食材なので、ぜひ今回の情報を参考に食卓で楽しんでみてください♪