【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
パスタ料理は、我が家の食卓に頻繁に登場します。
我が家では、乾燥のパスタは常に買い足している”常備食”なので、賞味期限なんて気にしたことすらなかったのですが…。
パントリーの奥に、2年も前に賞味期限が切れた乾燥パスタを見つけてしまいました!
海外のお土産でいただいたものですが、忘れてしまっていたんですよね。
乾麺はそもそも保存食ですし、賞味期限などは”あってないもの”とは思うのですが、さすがに不安です。
乾燥パスタは、賞味期限切れでも食べられるのでしょうか?
というわけで、今回は以下の内容を徹底調査してみます!
- 乾燥パスタの賞味期限はどれくらいか
- 賞味期限切れのパスタは食べられるの?
- 賞味期限切れからいつまで大丈夫なのか
- パスタは腐るとどうなる?
- 未開封・開封後の乾燥パスタの正しい保存方法
- 生パスタの冷凍・冷蔵保存方法
実は今まで、調理後に余ったパスタはフライパンに放置して、次の日に温めて食べたりしていました。
食中毒のことなどを考えると、これはよくないかもしれないですね。
そこで、調理後のパスタはどれくらい日持ちするのかも、あわせて調べてみることにしました。
また、我が家の食卓に登場するパスタは1種類ではありません。
色々な種類のパスタなどの豆知識も紹介しますので、一緒に楽しく確認していきましょう!
管理栄養士・栄養士
\Amazonブラックフライデー/
\11/29〜12/6の期間限定/
目次
乾燥パスタの賞味期限はどのくらい?茹でた後の日持ち期間も解説!
パスタに限らず、乾麺はなんとなく日持ちするイメージがある方も少なくないかと思います。
一般社団法人・日本パスタ協会では、乾燥パスタの賞味期限は約3年間と発表しています。
この3年という賞味期限は、長年の研究結果によって導かれた数値ということです。
乾燥パスタは3年も日持ちする!その理由とは
日本パスタ協会の「乾燥パスタの賞味期限に関する公式的な発表」は、以下の通りです。
根拠となる「約3年」には、次のような4つの理由があります。
- 乾燥されたパスタは元々保存食であること
- 適した保存状態において、成分変化がほぼないこと
- 時間が経過すると、茹で具合が良くなる
- 食感が良好に変化する
それぞれの理由について、さらに詳しく見ていきましょう。
乾燥パスタは保存食
パスタには様々な種類がありますが、一般的にデュラム小麦であるセモリナや強力小麦粉を、水と練ったものです。
生のパスタの状態だと、水分を多く含んでいて腐りやすいため、乾燥させて保存食としたものが乾燥パスタです。
乾燥パスタの場合、常温保存では細菌的な変化はありません。
成分変化がない
一般的に、乾燥パスタの水分含有は13%以下です。
(社)日本パスタ協会は、「湿気から守った状態で常温保存した場合、乾燥パスタは経時的に成分変化がほとんどない」と報告しています。
経過による茹で具合の変化
経年によって、茹でる際に茹で水に流れ出す量が若干減少します。
そのため、伸びることも少なくなり、麺の表面が滑らかになる傾向が見られます。
時間が経つにつれ、茹でた後に硬さが増してしっかりした麺質になることも、乾燥パスタの特徴です。
食感の変化
乾燥パスタは製造1~2年間で、麺の食感・弾力・歯切れ良さ・滑らかさが、序々によくなります。
その後、数年間は僅かな変化が見られるものの品質的な変化はあまりありません。
そのため、(社)日本パスタ協会は美味しく食べられる目安として、「賞味期限は約3年間」と設定しています。
食品安全・調理性・食感・食味をベースに、賞味期限を約3年と設定したとのことですが、
それと同時に、賞味期間を過ぎても品質や食品衛生面において、安心・安全に食べられることも報告しています。
ちなみに、生パスタの賞味期限は10日前後です。
乾燥パスタは、時間の経過で熟成のような状態で良くなっていくのですね。
では、茹でたパスタはどうでしょうか?
茹でた後の日持ちはどれくらい?
茹でたパスタが余ったら、皆さんはどうしていますか?
実は、茹でた後のパスタの日持ちは、茹でた後の対処と保存方法によって違いがでます。
冷蔵保存した場合の賞味期限
茹でたパスタを冷蔵庫に入れて保存した場合、賞味期限は3日程度です。
1日目は特に差はないようですが、2日目以降は麺がふにゃふにゃになります。
日にちが経過するほど食感が悪くなってしまうので、なるべく早く食べましょう。
冷凍保存した場合の賞味期限
茹でたパスタを冷凍保存した場合、賞味期限の目安は約1か月です。
サランラップに1食分ずつ包み、さらにジップロックなどの密封容器などにきちんと入れて、作り置きが可能です。
一度にたっぷり茹でて冷凍することで時短になり、お湯を沸かして茹でる為の水やガスなどの節約にもなりますね。
ところで、賞味期限切れになったパスタは、食べても大丈夫なのでしょうか?
次項で、詳しくご紹介していきます。
パスタが賞味期限切れになった!いつまでなら食べられるの?
乾燥パスタは保存食なので、賞味期限がとても長いです。
そのため、パントリーの奥のほうにしまい忘れて、賞味期限切れになってしまうことも!
では、賞味期限切れになった乾燥パスタは、食べらるのでしょうか?
賞味期限切れの乾燥パスタは食べても大丈夫?
結果から言うと、賞味期限切れの乾燥パスタは食べることはできます。
「えっ!賞味期限切れでも!?」と驚いているあなたに、乾麺の驚くべき賞味期限について紹介しましょう!
ところで、多くの食品には「賞味期限」あるいは「消費期限」が記載されています。
まずは、その違いからみていきましょう。
「賞味期限」とは?
基本的に、お弁当やサンドイッチ、生麺、ケーキなどの日持ちの短い食品には「消費期限」が記載され、
カップ麺や缶詰などの日持ちの長い食品には「賞味期限」が記載されています。
農林水産省のホームページには、以下のように記載されています。
- 賞味期限:食品を美味しく食べられる期限
- 消費期限:食品の品質が劣化せずに安全に食べられる期限
消費期限も賞味期限も、開封前の状態で指示通りに保存していた場合に、安全やおいしさを約束したものです。
ですから、開封後は期限に関係なく、早めに食べるように心がけてくださいね。
乾燥パスタには「賞味期限」が記載されていますが、賞味期限はある程度余裕をもって設定されています。
ですから、期限切れになったからといって、すぐに食べられなくなるわけではありません。
中には、賞味期限が10年過ぎても気にしない人もいるほどです!
陸海空をたまに見てて、あのサバイバルのやつ?賞味期限切れのパスタとか食べてて「もう嫌だ」とか言ってるけど、片付けしてたら開封してないペンネ出てきて今料理してるんだけどそれ賞味期限10年前……。我が家的には粉物と乾燥物は腐らないっていうことにしてるから😌
— (*˙˘˙) (@shiori___46) 2019年5月20日
でも、実際のところ、いつまで食べることが可能なのでしょうか?
本当に、10年経過しても問題ないのでしょうか?
乾麺は保存状態次第でかなり日持ちする
極論になりますが、賞味期限3年の乾麺が1週間過ぎたからといって、途端に痛むわけではありません。
昭和55年(1980)10月25日発行の「全乾麺新聞」に、日本穀物検査協会中央研究所が行った「賞味期限が10年切れた乾麺の品位テスト」の結果として、次のように掲載されていたようです。
「外観は色が若干くすんではいるものの、かび及び虫の発生も見られず、めん線の状態も良好であったことは、保存条件が非常に良好であったことに起因するものであるが、食に充分に供し得る状態であった。乾麺が保存食品、備蓄食品としての使命を充分に果たし得るものといえよう」
『昭和55年(1980) 10月25日 全乾麺新聞』
引用元:木下製粉株式会社
保存状態さえ適切であれば、乾麺の賞味期限はいくらでも長くなるという感じですね。
様々な乾麺類の貯蔵試験が行われているようですが、貯蔵変化による食味の変化は、麺の種類ではなく太さに認められるようです。
面白いことに、細麺は時間の経過で食感が向上するのに対し、太麺は硬くて粘弾性に乏しくなるという結果が報告されています。
しかし、双方とも賞味期限が少しくらい過ぎても品質には問題はなく、新聞にも掲載されたように、5年どころか10年経過しても安全に食べられるわけですね。
そうはいっても、100%安全かどうかの保証はありませんよね…。
賞味期限切れの乾燥パスタを食べる際は、自己判断する必要があります!
そこで、次項では腐った乾燥パスタの見分け方をご紹介していきます。
パスタは腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方がコレ!
賞味期限切れの乾燥パスタを食べる際は、自己判断で見極めるしかありません。
そこで、乾燥パスタが腐った時の判断基準の目安を紹介したいと思います。
特徴を紹介していきますので、見分ける基準として利用してくださいね。
パスタが腐ったかどうかの判断の仕方
基本的に乾燥パスタは傷みにくく、腐りにくい保存食です。
ただし、生パスタの場合は、水分含有量が乾燥パスタに比べて多いため、賞味期限が10日程度と日持ちが短くなります。
乾燥パスタと生パスタに分けて、腐った特徴をみていきましょう。
乾燥パスタが腐るとこうなる
乾燥パスタが次のような状態になったら、腐っていると判断できます。
- 保存状態が悪く水分を含むことで、白や緑のカビが生える
- 湿気っている
- 変な味がする
ちなみに、パスタの一部に茶色や白の斑点があることがありますが、こちらは以下の通り問題はありません。
- 茶色い斑点:小麦の皮の一部
- 白い斑点:小麦の胚乳の固い部分
開封後はしっかりと密封して保存しないと、コクゾウムシなどの食品害虫が発生することがあるので要注意です。
袋の端をゴムなどでしっかり留めるか、密封容器に入れて保存してもよいでしょう。
密閉容器はパスタ専用のものでなくても、しっかり洗って乾かしたペットボトルでも代用できます。
万が一、パスタに虫がわいてしまった場合は、食べるのはやめましょう。
生パスタが腐るとこうなる
生パスタは水分の含有量が多いため、適切に保存しないとすぐに痛んでしまいます。
以下のような特徴がみられた場合は、食べるのはやめましょう。
- カビ臭い
- 腐敗臭がする
- 麺がぬるぬるとする
生パスタに”ぬめり”がある場合は、雑菌が繁殖している可能性が非常に高いため、気をつけてくださいね。
こちらでは、パスタが腐った時の特徴を紹介してきました。
賞味期限切れでなくても、生パスタなどは保存方法が悪ければ、腐る可能性は十分にあります。
乾燥パスタの場合も賞味期限が長いとはいえ、保存方法が適切でなければ食べないほうがいい場合もありますよね。
次項では、パスタの正しい保存方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
パスタの正しい保存方法!開封後は常温?それとも冷蔵庫?
乾燥パスタは未開封の状態であれば、かなり長期間で常温保存が可能なことがわかりました。
開封後でも、湿気や虫がわくことに気をつけなければなりませんが、それほど神経質にならなくてもよさそうです。
生パスタの正しい保存方法とあわせて、一緒に確認しましょう。
乾燥パスタの保存の仕方
乾燥パスタは、未開封、開封後のどちらの場合も、常温で保存できます。
保存場所は、高温多湿や直射日光を避けられる、パントリーなどが理想です。
乾麺パスタは湿気に弱いため、開封後に放置しておくと湿気を含んで食感も悪くなり、風味も落ちてしまいます。
そのため、開封後はパスタ専用のパスタケースなどでの保存がおすすめです。
日清製粉などのホームページでは、以下のように推奨しています。
「吸湿・湿気・虫害を防ぐために、密封チャックまたは輪ゴムなどでしっかり袋口を閉め、早めに食べきること」
もし、開封後に冷蔵庫で保存するなら、湿気対策のためにシリカゲルを入れるなどして、湿気から乾燥パスタを守りましょう。
茹でてから保存する場合
最初から保存することを意識しているなら、少し硬めのアルデンテの状態で火から上げます。
そして、しっかりと水切りをしたらオリーブオイルを絡めます。
空気に触れないように、タッパーなどで密封して冷蔵庫で保存しましょう。
ミートソースなどは、ソースをしっかりと絡めてから保存すると、より一層美味しさを保てます。
ソースがパスタの表面に絡みつくので、水分の蒸発を防止するためです。
では次は、生パスタの正しい保存方法を確認してみましょう。
生パスタの保存の仕方
生パスタは卵などが含まれていますので、常温保存には向きません。
冷凍か冷蔵のどちらがよいのかは、商品に記載されている方法に従いましょう。
賞味期限も種類にはよりますが、2~3日以内に食べきる場合は冷蔵保存、それ以上なら冷凍保存がおすすめです。
冷蔵保存の場合
タッパーウェアやジップロックなどに入れ、密封してから冷蔵庫で保存しましょう。
水分の多い生麺は、くっつきやすいのが特徴です。
麺と麺がくっつくと、火が均等に通らなくなったり、はがそうとすると麺が切れたりしてしまいます。
そこで冷蔵保存前に、オリーブオイルを絡ませておけば、麺がくっつくのを防げますよ!
冷凍保存の場合
開封前の密封された生パスタは、冷凍庫での保存も可能です。
冷凍すれば、賞味期限を3か月ほどまで延ばせます。
しかし、開封後や手作り生パスタの場合は、冷凍保存であっても5日以内には食べたほうがよいでしょう。
くっつき防止のために、オリーブオイルを小さじ1を入れた茹で汁で、一度茹でてから冷凍保存することをおすすめします。
しっかりあら熱を取り、1人前ずつラップで包み、ジッパー付きのフリーザーバッグなどに入れて冷凍しよう。
【パスタの豆知識】
パスタには様々なタイプがありますが、大きくロングパスタとショートパスタに分かれていて、それぞれに適したパスタ料理があります。
各パスタにオススメの料理を紹介したいと思います!
ロングパスタ編
こちらは長い麺で、我が家で一番よく利用するタイプのパスタです。
「パスタ」と言われて、日本人が真っ先に思い描くタイプのモノではないでしょうか。
カッペリーニ
太さ0.9mm〜1.1mmの丸形の細麺で、「髪の毛」という意味のロングパスタ。
冷製やスープパスタにぴったりです。
スパゲッティーニ
太さ1.5mm〜1.7mm位の細めのパスタ。
オリーブオイルをたっぷり使用した、シンプルなソースにぴったりです。
スパゲッティ
太さ1.9mmの丸形で、日本では一番馴染みの深いパスタです。
どんな素材やソースにも合わせやすいく、ミートソース、カルボナーラ、たらこスパゲッティなどにも。
リングイネ
短径1mm、長径3mmの平たい形の麺で、弾力のあるモチモチとした触感が特徴のパスタ。
ジェノベーゼソースに合うパスタです。
タッリアテッレ
幅が5mmから10mm前後のリボン状の平麺パスタで、「tagliare(切る)」が由来となったパスタ。
濃厚のソースと絡みやすいため、生クリームを加えたトマトクリームソースなどと相性抜群です。
フェットチーネ
タッリアテッレと似た形状ですが、やや幅広の麺。
イタリア北部では「タッリアテッレ」、イタリア中部から南部では「フェットチーネ」など、地方で名前が変わります。
濃厚なクリームソースによく合うパスタです。
ショートパスタ編
ソースの絡み具合や形成のしやすさから考案されたパスタで、キャラクターや文字など形を楽しむタイプもあります。
ペンネ
イタリア語で「ペン」という意味を持つ、ペン先のような形のパスタ。
ペンネ・アラビアータという唐辛子入りの辛いトマトソースのパスタに、馴染みがある人は多いかと思います。
フジッリ
螺旋状のぐるぐる巻きの形のショートパスタ。
ドレッシングやマヨネーズであえたサラダパスタとしてよく使用されます。
ファルファッレ
蝶の形をしていて 薄い部分は柔らかく、中心部分はちょっと硬めの食感が楽しめる、独特の歯ごたえのパスタ。
トマトソース、オイル系、クリームソースなど、様々なソースと相性の良いパスタです。
リガトー二
「すじ」という意味で、表面にすじの入った直径8mm~15mm前後の筒状のショートパスタ。
ソースの絡みがよいので、ちょっと濃厚な重めのトマトソース、クリームソース、肉類ソースと相性がバッチリです。
コンキッリェ
大きさは10mm~20mmの大きさの貝殻の形が特徴のパスタ。
クリームソースを絡めても、サラダにしても、さっぱりとオリーブオイルと絡めても。
まとめ
最後に、乾燥パスタの賞味期間に関して再確認しておきましょう。
- 乾燥パスタは賞味期限3年
- 生パスタの賞味期限は10日前後
- 茹でたパスタの日持ちは冷凍保存で3日程度、冷凍で1ヶ月
- 乾燥パスタは賞味期限切れでも食べられる
- 保存状態がよければ、10年経っても品質はあまり変わらないこともある
- 乾燥パスタは腐りにくいが、カビたり、湿気たり、味が変な場合は食べない
- 開封後はパスタケースなどに入れ、しっかり密封して保存する
- 生パスタはカビ・腐敗臭・ぬめぬめしている場合は食べない
- 乾燥パスタは開封前も開封後も常温保存でよい
- 生パスタは冷凍か冷蔵保存
乾燥パスタの賞味期限はかなり長く、たとえ賞味期限切れになっても長い期間食べられることがわかりました!
ただ、賞味期限切れのものは、必ず痛んでいないかどうかをチェックして、食べる場合は自己責任で食べましょう。
また、茹でたパスタは冷凍保存もできるので、作り置きしたい場合は冷凍すれば、茹で時間を短縮できて便利ですよ。
今後は、パスタの種類に合わせて正しく保存したいと思います。
もし賞味期限が切れた乾燥パスタを見つけても、即廃棄などせずに無駄なく食べきるようにしましょう!