私は帰省のために、年に数回新幹線に乗ります。そして、ふと疑問になったのが、デッキの使い方。
子ども連れで新幹線に乗る私にとって、子供がぐずったときなどに、デッキが救いの場所なのですが・・・。
立ち乗りの人が荷物を広げていたり、指定席が満席じゃないのにデッキに人があふれていたりして、困ってしまうことがあります。
全ての乗客が有効にデッキを使えるような、”ルール”のようなものはないのでしょうか?
今回は、新幹線のデッキについて詳しく調べていきます!
- 新幹線のデッキとはどこ?どんな使い方をするの?
- デッキでのルールや注意点
- グリーン車やグランクラスのデッキについて
- 立席特急券について詳しくご紹介
デッキを使うときの主なイメージは、携帯電話での通話ですが、他にもデッキには様々な人がいます。
これまでで一番びっくりしたのが、デッキに折りたたみ椅子を出して座っている人がいたことです。
敷物を敷いて座り、飲食をしている人を見たときにも驚きました。
そんな使い方をするのは、本当にOKなのでしょうか?
今回は、なるべくお得に新幹線を利用するための「立席特急券」などの知識も挟みながら、新幹線のデッキの使い方を大解剖していきましょう!
目次
新幹線のデッキとはどこ?電話以外に何をするところ?
新幹線に乗ると、こんな車内アナウンスが流れます。
「携帯電話のご使用は、デッキでお願いいたします。」
まずは、デッキとは、具体的にはどこの場所なのかを確認してみましょう!
新幹線のデッキはここです!
国語辞典でデッキを調べると、こんな風に書いてあります。
旅客列車の客室の外側にある、乗降用の部分。
客室の外側がデッキなんですね。
客室内の通路はデッキではないということが、確認できました。
では、デッキはどんな風に使われるのでしょうか?
デッキの使い方一覧
デッキ内に設置されている、様々な機能からご紹介します。
トイレと洗面所
車両の前方か後方のどちらかには、トイレと洗面所が設置されています。
客室内の入り口に、電光掲示板がありますよね。
その近くに、トイレマークも表示されています。
男女別のトイレの他に、車椅子でも入れる広々としたトイレがあり、そちらにはオスメイト機能もあります。
*オスメイト機能とは、人口膀胱の処理をするための洗面所のことです。
多目的室
新幹線車内には、1列車に1室の多目的室が設置されています。
多目的室は、体調を崩した場合の休憩や授乳などが、主な利用目的です。
私も、授乳のために多目的室を利用したことがあります。
車掌さんに声をかけ、鍵を開けてもらって初めて利用することができます。
内側からカギをかけることが可能で、利用が終わったら、また車掌さんに声をかけて、鍵を閉めてもらいます。
多目的室内には椅子とベッドがあり、ゆっくりと利用することができます。
ゴミ箱
デッキには、大容量のゴミ箱がついているのが便利です。
乗り降りの際に、持ち込んだゴミや車内で出たゴミを捨てることができます。
公衆電話、AEDなど
緑色の、プッシュ式公衆電話が設置されています。
AED(自動体外式徐細動機)とは、心臓発作を解消して、全身に血液を送れるようにするための医療機器です。
心室細動と呼ばれる致死的不整脈は、一刻も早く救命処置を行わないと突然死につながります。
AEDは、この心室細動を電気ショックで正常な動きに戻すために使われます。
AEDのケースを開くと、使い方を音声でアナウンスしてくれます。
次に、必要に応じてデッキを使う方法です。
携帯電話での通話などの一時的な場所
先ほどご紹介した車内アナウンスの通り、携帯電話で通話するときは、客室ではなくデッキに出て話すのが常識です。
他にも、緊急の病人をタンカーに乗せて処置できるようなスペースの設計となっています。
また、子どもがぐずったり・騒いだりして困ったときにも、デッキが便利です。
デッキは空間に余裕もありますし、立って少し動き、ストレス解消をすることができます。
乗車率100%以上の場合の立ち乗りの場所
年末年始やお盆など、ラッシュの時期になると、ニュースで新幹線の乗車率が発表されますよね。
乗車率100%以上の場合は、【客席の数<乗客の数】という意味になります。
自由席特急券を買っても満席だった場合は、自由席内orデッキに立ち乗りで乗車することになります。
また、自由席特急券を持っていれば、自由席が空いていても、デッキにいてOKです。
私は、狭い座席に座りっぱなしで具合が悪くなることがあり、よくデッキを利用していました。
*ただし、自由席特急券を持っている場合の、指定席やグリーン車のデッキの利用については注意が必要です。後ほど詳しくご紹介しますね。
次に、デッキを利用するときのルールを確認しましょう。
冒頭でもお話した、”デッキに折りたたみいすを出して座るのはOKか?”、”食事はOKか?”などを詳しく解説していきます!
立つ, 座る, 飲食… どこまでOK? デッキでの注意点を解説!
新幹線の利用の仕方について調査してみると、これからご紹介するルールがあることがわかりました。
わかりやすくまとめましたので、ご紹介します。
“立つ”場合も、自由席特急券のときは自由席のデッキを使うのが原則!
自由席特急券は、自由席の車両に乗るための券だそうです。
原則は、”指定席車両のデッキの方がスペースに余裕がある”という理由で、指定席車両のデッキを使うことはできません。
ただし、これは原則であって、デッキの使い方については、車掌の裁量に任されているそうです。
混雑がひどいときには、
「指定席車両のデッキもお使いください。」
という車内アナウンスが流れることもあります。
事故などで緊急停止をするような場合に、”立っている乗客がすし詰め状態だと危ない”という配慮のようです。
ただし、こんな光景を実際に見たことがありますので、状況によっては注意が必要です。
新幹線が混雑していないときに、自由席特急券を持っている乗客が、指定席車両のデッキに立っていました。
車掌に注意されて、自由席車両に移動していきました。
特に理由がない場合は、自由席特急券を持っている乗客が指定席車両まで移動して、デッキで過ごすことはおすすめされていないようです。
デッキでの飲食は常識の範囲内で!座るのはNG!
新幹線は長時間の移動なので、”乗車中に食事を済ませたい”場合もあると思います。
座席に座っていればある程度自由な飲食も、デッキなどでの立ち乗りの場合は、常識の範囲内で行ったほうがよさそうです。
具体的には、軽食(サンドイッチやおにぎり)で、飲み物はフタを閉められる容器が便利です。
理由は、下記のようなことが考えられます。
- デッキは、緊急の際の避難口!原則は常に出入りができる状態を確保しておく必要がある
- 発着時の新幹線の揺れで、食べ物をこぼす可能性がある
- 乗車・降車の利用客の迷惑になることがある
- 人が次々に出入りし、見えないホコリなどが多い
- ゴミ箱やトイレが近くにあるので、飲食には向いていない
同じ理由で、デッキに敷物や折りたたみ椅子を出して座るのも、やはりNGですね。
”乗客の共有スペース”、”出入りに必要なスペース”ということを忘れずに過ごすのがポイントですね。
自転車などの大きな手荷物は、デッキの”荷物置き場”に置く
新幹線に乗るときの規定があり、大きい手荷物に関しては、『手まわり品規則』でサイズが決められています。
- 縦・横・高さの合計が250cm以内
- 長さ2m以内
- 重さ30kg以内
上記の条件を満たすものを、2個まで持ち込んでOKとなっています。
客室に持ち込みができない大きい手荷物は、デッキにある共同の荷物置き場を使うことになります。
大きい荷物の例をいくつかあげて、注意点をご紹介します!
ベビーカー
私にも、ベビーカーを持って新幹線に乗車した経験があります。
ベビーカーを荷物置き場に置くときの注意点はこちらです!
- 必ず折りたたむ
- 車輪のストッパーをかける
- おもちゃなどはなるべく外す
ベビーカーが通路に出てきたり、他の荷物に絡まったりしないように、配慮しましょうね。
スキーやスノーボード
スキー板2枚をしっかり連結して、通路に倒れていかないように立てかけて置きましょう。
スーツケース
スーツケースを荷物置き場に置く場合は、貴重品を入れず、しっかりカギをかけましょう。
盗難が心配な方のために、鍵をかけられるチェーンが設置されている場合もあります。
ロードバイクなどの自転車
ロードバイクなどの自転車は、専用の収納袋を用意しましょう。
折りたたんで先ほどご紹介したサイズ以下にできるのであれば、新幹線に持ち込むことができます。
折りたたんだら、はみ出さないように専用の袋に入れましょう。
豆知識:手荷物置き場がない場合はどうする?
新幹線の中には、手荷物置き場を設置していない車両もあります。
また、手荷物置き場があっても、いっぱいで使えないという場合もあると思います。
そんなときの対処法がいくつかあります。
- ”客席の最後部の座席“の後ろに置く(最後部の座席の人に一声かけるのもお忘れなく)
- 足元に置く(小さいスーツケースなど、可能な場合)
- グリーン車に乗る(プラスの料金が必要ですが、座席が広くて荷物が置きやすい)
- 宅配便を利用する(そもそも新幹線に持ち込まない)
- 車椅子専用席の後ろを確保する(車椅子専用席の利用客がいない場合に、足元を広く使えます)
どうしても困ったら、車掌さんに相談しましょう。
私の経験では、車掌さんに相談すると、なるべく問題を解決するために考えてくれます。
くれぐれも、無理やり座席に持ち込んだり、通路に置いたりしないようにして下さいね。
グリーン車やグランクラスのデッキは利用しない!
指定席車両のデッキの利用は、車掌の裁量に任せられているということでしたね。
でも、グリーン車のデッキについては、”グリーン車の乗客意外は立ち入りNG”という口コミが多くありました。
グリーン車やグランクラスは、通常の乗車券にプラスして料金を払うことで、より快適な新幹線での時間が過ごせる席です。
自由席の混雑がひどいときでも、「グリーン車のデッキに立ってもOK」という、車内アナウンスが流れる可能性はゼロに近いようです。
実は、私にも心当たりがあります。
子どもが赤ちゃんのころ、ぐずりが止まらない子供を抱っこして、新幹線内を移動しながら過ごしたことがあります。
グリーン車のデッキまで行くと、他の車両とは違ってシーンとしていて、通りかかった車掌さんに不思議な顔で見つめられました。
すぐに移動しましたが、デッキでずっと立っていたら、注意されたかもしれません。
次に、新幹線に乗ってからの、指定席への移動についてご紹介します。
「お金さえ払えば、自由席から指定席に移動できる」と思っていたのですが、実際はちょっと勘違いしていたようです。
早速ご紹介します!
自由席は満席だけどデッキは嫌!そんなとき指定席に座ってもいいの?
新幹線は、早くて快適で便利な乗り物ですが、料金が高いのがネックです!
でも、節約のために自由席のチケットを買ったものの、席が空いていないとがっかりです。
客室内の通路やデッキに立ち乗りして、数時間過ごすのは大変ですよね!
そんなときに、空いている指定席に勝手に座っていいのでしょうか?
→答えは “No” です。
JRのホームページで調べると、自由席から指定席への座席変更について、詳しく紹介されていました。
自由席特急券の乗客が、
- 指定席特急券との差額を支払わずに、空いている指定席に座るのはNG
- 指定席特急券との差額を支払った後、空いている指定席に座るのはOK
とのことです。
正しい座席変更(自由席→指定席)の手順
- まずは車掌さんに、「自由席から指定席に変更したい」と伝える
- 自由席特急券と指定席特急券との差額を支払う
- 指定席の空席をみつけて座る
- ただし、その指定席のチケット所持者が乗車して来たら、席を空け渡す必要がある
- 再び空席をみつけて座る
ご注意)席を空け渡す際のトラブルを避けるために、混雑時には指定席の変更ができない場合もある
正直私は、このシステムを知りませんでした。
指定席に乗っていると、こんな光景をよく見ます。
特に注意されている様子はないので、空席の場合は、車内で指定席の座席を確保できるのだと思っていました。
私と同じ勘違いをされている方も、多くいらっしゃると思います。
今回ご紹介した情報で、指定席車両での席のトラブルが少しでも少なくなれば幸いです。
最後に、「立席特急券」についてご紹介します。
このチケットの存在は、なるべくお得に新幹線に乗りたいときや、全車指定席の新幹線が満席になってしまったときの裏技です!
指定席のデッキに立ち乗りできる「立席特急券」とは?
「立席特急券」の存在を知らない方も多いと思います。
どんなチケットなのでしょうか?
「立席特急券」を簡単にご紹介!
「列車には指定席と自由席がある」というのは、ひと昔前までのこと・・・今は、指定席しかない新幹線もあります。
指定席しかない新幹線が、満席になったときに発売されるのが、立席特急券です!
簡単にご紹介します。
- 指定席しかない新幹線のみで発売される(『はやぶさ』、『はやて』、『こまち』、『かがやき』のみ)
- 座席が売り切れになった時点で、みどりの窓口で発売開始される
- 乗車日の前日からは、自動券売機でも購入可能
- 普通の指定席特急券よりも、通常は520円お得(区間や乗車時期によって、金額が違う場合があります)
- デッキに立ち乗りでするのが原則(グリーン車、グランクラス以外のデッキです)
- チケットに「着席できません」と印字されているが、空席に座っても、注意される可能性は少ない(席のチケットを持っている人が来たら、席を空け渡しましょう)
立席特急券を買った場合は、原則は指定した車両以外に乗ることはできません。
自由席特急券の使い方と混合されることが多いので、ご注意下さいね。
立席特急券と自由席特急券の違いもご紹介!
立席特急券と自由席特急券の違いは下記の通りです。
立席特急券
例えば「〇時●分発 はやぶさ△号」の立席特急券を買ったら、原則は他の列車に乗るのはNGです。
ここで、「乗り遅れた場合には、どうすればいいの?」と思いますよね。
JRのホームページに、下記のように記載されていました。
- 翌日以降への変更はできない
- 当日内に限り、手続きなしで後続車両の新幹線に乗ることができる
- 後続車両の新幹線に乗る場合に、【全席指定の新幹線】、【自由席がある新幹線】どちらも利用OK
- 全席指定の新幹線に乗る場合は、デッキでの立ち乗りとなる
- 自由席がある新幹線に乗る場合は、自由席に座ってOK
自由席特急券
「〇時●分発 やまびこ△号」の自由席特急券を買ったら、当日内の自由席がある新幹線であれば、どの列車にでも乗車OKです。
*自由席特急券では、全席指定の新幹線に乗ることはできませんので、ご注意下さいね。
指定した列車よりも早い時間の列車、遅い時間の列車、どちらにも乗ることができます。
新幹線のチケットに関しては、わかりにくいルールが多いですよね。
立席特急券に関しても、言葉を聞いただけでは『立席』ということしかわかりませんが、様々なルールがあるんですね。
まとめ
新幹線のデッキの使い方やルールについて、詳しくご紹介してきました。
これまでよくわからなかった立席特急券のことなども知ることができ、これからはもっと賢く新幹線を利用できそうです!
ポイントをまとめてみます。
- 新幹線のデッキとは、車両と車両の間の部分
- デッキには様々な使用方法がある
- 原則として、自由席特急券を買った場合は、指定席車両のデッキで過ごすことはできない
- デッキでの過ごし方は、常識の範囲内で
- 新幹線が混雑しているときも、グリーン車やグランクラスのデッキには立ち入れない
- 自由席特急券にプラスしてお金を払っても、指定席の座席を取ることはできない
- 自由席特急券にプラスしてお金を払って、指定席車両に立ち入ることができる『指定席特急券』を車内で購入するのは可能
- 立席特急券は、全席指定の新幹線が満席のときに発売されるチケット
- 立席特急券に乗り遅れたら、後続車両に乗ることができる。いくつかのルールを要チェック!
新幹線のチケットに関するルールって、本当にわかりにくいです。
特に、時間ギリギリで駅に行って列車に乗らなければいけないときは、あたふたしてしまいますよね。
そんな、私のような利用客の気持ちを知ってか知らずか・・・
最近は、大きな駅には多めに駅員さんが配置されているように思います。
自動券売機の近くに案内する役目の駅員さんがいることもありますよね。
今回ご紹介した情報で、新幹線に乗る前の事前の情報をチェックして頂き、どうしても不安なことがある場合は、直接駅員さんに確認するのもいいですね。