【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
我が家では、子どもが早く寝たときに夫婦で晩酌をすることがあるのですが、息子には内緒のちょっとしたおつまみを用意して楽しんでいます。
なかでもダントツで多いのがチーズ。調度良い塩気でどんなお酒にも合いますよね。
そして、なかなかの頻度で出てくるなというメニューが、生ハムです。
そのまま食べても美味しいですし、チーズに巻いても美味。サラダにトッピングしても良いアクセントになります。
そんな生ハムですが、先日食べようとしてふと見たら賞味期限が2日ほど切れているではありませんか!
そこそこの値段がするものだし、捨てるのは惜しい…。
苦し紛れに、賞味期限切れの生ハムはいつまでなら食べられるのか調べてみようと思います。
今回は、以下のポイントに沿ってチェックしていきますよ。
この記事でわかること
- 賞味期限が切れた生ハムは食べられるの?
- 腐った生ハムの見分け方
- 生ハムの正しい保存方法
- 原木や塊の生ハムの保存方法
食べはじめるとついつい止まらなくなってしまう生ハムなので、我が家では小分けでパックされているものを購入しています。
それなのに、ひとつのパックを食べていなかったことに気づかず、冷蔵庫の奥で眠らせてしまっていたんですね。
無駄にしたくないので、しっかり確認してみますよ。
管理栄養士・栄養士
目次
生ハムが賞味期限切れに!期限を過ぎたらいつまで食べられる?
生ハムって、名前に「生」が付いているのでそんなに長持ちしないイメージがありませんか?
私は勝手にそう思い込んでいて、念のためチルド室で保存しています。
しかし、そのせいで確認しづらくなって食べるのを忘れてしまったという結果に…。
生ハムの賞味期限って?
もともと生ハムは、保存食として作られた食品です。
そのため、実際には未開封で1ヵ月程度もち、開封後はなるべく早く食べた方が良いようです。
もともと本来の生ハムは、6ヵ月〜2年程度もつと言われていますが、スーパーなどで販売されている真空パックのもだと1ヵ月程度になってしまいます。
でも、個人的には「1ヵ月ももつの!?」という感想でした。
そもそも賞味期限って?
「1ヵ月ももつの!?」と思いながら、生ハムをすっかりチルド室で寝かせて賞味期限を切らせてしまったわけですが、表示されている賞味期限からはまだ2日しか経っていません。
これは食べられるのかどうかを知るために、賞味期限についてチェックしてみましょう。
スーパーなどで買った食品には、安全に美味しく食べられる期間を表示する義務があります。
そのため、食品の種類によって、必ず「消費期限」か「賞味期限」のどちらかが袋や外装フィルムなどに表示されているのです。
消費期限…品質が劣化せずに安全に食べられる期限のこと。傷みやすい食品に記載されていて、期限を過ぎたら食べない方が良い。
賞味期限…美味しく食べられる期限のこと。比較的傷みにくい食品に記載されていて、賞味期限が切れたからといってすぐに腐るわけではない。
どちらも、未開封でしっかりと保存方法を守っている場合にだけ適用されるというところもポイントです。
賞味期限が切れた生ハムは食べられる?
生ハムには賞味期限が記載されているため、賞味期限が過ぎたからといってすぐに腐るわけではないということです。
メーカーが推奨しているわけではないため、自己判断に委ねられますが、ネットで調べてみた限り「未開封であれば賞味期限切れから数ヶ月〜半年は大丈夫」という意見が多く見られました。
確かに、ヨーロッパではローマ時代から保存食として重宝されきた食品なので、すぐに腐ったりはしないですよね。
開封後であれば、その日の内に食べてしまうのが理想的です。
開封してしまったものをどうしても食べ切れない場合は、5日から長くても1週間適度で食べ切りましょう。
その場合も、見た目やニオイをチェックして、食べられるかどうかを自分で判断する必要があります。
どうしても気になる場合は、味は二の次にして加熱したほうが良いでしょう。
生ハムは腐るとどうなるの?腐った生ハムの見分け方がコレだ!
賞味期限切れの生ハムも、ある程度の期間であれば食べられることがわかりましたが、自己判断が重要になってきます。
腐った生ハムは、明らかに見た目でわかるものなのでしょうか?
腐った生ハムはどうなる?
生ハムが腐っているかどうかは、見た目や臭いなどで判断するしかありません。
どのような状態になったら食べない方が良いか、チェックしておきましょう。
まず、パッケージを確認して、塩分が5%以下の生ハムであれば腐ることがあると思った方が良いでしょう。
生ハムは、腐るよりも先に乾燥してしまい、さらに独特な発酵臭がするので腐った食品独特のツンとしたニオイもわかりにくくなってしまいます。
乾燥していたら要注意ですが、ほかにもチェックするポイントをまとめました。
- 購入時に比べて表面がヌメヌメしている
- 糸を引いている
- 色が変色している
- スライスして焼いてみると異臭がする
腐った生ハムを食べると、嘔吐や下痢の症状がすぐに出ます。
おかしいなと感じたら、すぐに食べるのを止めましょう。
生ハムの正しい保存方法とは?冷凍してもいいの?
生ハムは、ほかの食品と同じように、なるべく早く食べるに越したことはないということがわかりました。
しかし、どうしても食べ切れない場合には、どのような保存が一番適しているのでしょうか?
生ハムの正しい保存方法
未開封であれば、そのまま冷蔵庫で保存するのが一番です。
しかし、「生ハムは保存食だから常温でもいいんじゃないの」という疑問が湧きますよね。
じつは、原木であれば常温保存可能ですが、私たちが普段食べているスライスの真空パックは必ず冷蔵保存が必要なのです。
開封後に使い切れなかった場合も冷凍庫で保存しますが、このとき乾燥しないように工夫が必要です。
おすすめは、1回分ずつに小分けにして、ラップでぴったりと空気を抜くように包むこと。
もちろん、開封しているため記載してある賞味期限に関係なく、早めに食べ切ることをおすすめします。
生ハムって冷凍保存はできるの?
とはいえ、仕事の都合や食事の内容によって、どうしても数日中に食べることができない場合もありますよね。
そんなときは、冷凍保存してしまいましょう。
「生ハムって冷凍保存しても大丈夫だったの!?」と思った方、私もまったく同じように驚きました!
冷凍保存ができるなら、賞味期限切れまで冷蔵庫で放置してしまう心配もなくなります。
しかし、面倒でもそのまま冷凍に入れるのはNG!
正しい保存方法を確認して、美味しく保存しましょう。
- 最初に、冷蔵庫で保存するときと同じように、1回分ずつ小分けにしてラップで包みましょう。
- これをさらに、アルミホイルで包みます。
- そして、ジップロックや冷凍保存袋などの密閉袋に入れて冷凍保存しましょう。
袋に入れることで匂い移りが防げて、しっかり密閉しているため黒く変色したり、乾燥したりすることを防ぐ効果があります。
また、冷凍した生ハムを解凍する場合は、電子レンジはNGです。
常温で2時間程度、冷蔵庫で3〜4時間程度を目安に、自然解凍して美味しくいただきましょう。
原木や塊の生ハムはどうやって保管するの?常温でも大丈夫なの?
通常、自宅で食べる生ハムは、スーパーなどに売っている密閉袋に入ったスライスしたものがほとんどです。
しかし、ワイン好きな方やホームパーティー開催時など、生ハムを原木で買った場合は、どのような違いがあるのでしょう。
原木や塊の生ハムの保存方法
少し前で紹介したように、スライスした生ハムは冷蔵保存が鉄則ですが、原木や塊の生ハムは常温保存が可能です。
基本は、直射日光、高温多湿、極端に乾燥している場所などを避け、できるだけ室温差がないところで常温保存しましょう。
直接日が当たらなくても、日当たりが良い部屋など室温差が激しい場所だとカビが発生することがあるため注意が必要です。
カビが発生した生ハムは、たとえ一部だけでも食べない方が良いでしょう。
夏場や湿度が高い場所の保存方法
生ハムが作られたヨーロッパと日本では、気候に大きな差があります。
とくに注意が必要なのが湿度。夏の暑い時期の日本の湿度は、ヨーロッパと比べるとかなり高くなってしまいます。
生ハムは湿度が高いとカビが生えやすくなってしまい、急激に品質が劣化してしまうため、夏場の常温保存は危険と言えます。
そのため、いくら原木は常温保存が可能とはいっても、夏場など室温が高くなる場合は冷蔵庫で保存したほうが良いでしょう。
また、冷蔵庫から出す際は頻繁に表面を布で拭くようにすることをおすすめします。
原木から切り出した小さな塊やスライスの場合は、前項の通常の生ハム同様、小分けにしてラップで包んで冷蔵庫に入れておきましょう。
すぐに食べない場合には、さらにアルミホイルを巻き、密閉袋に入れて冷凍保存しておきます。
まとめ
私は今回の記事を書くまで、生ハムが冷凍保存できるとは知りませんでした!
今後は、冷蔵庫で無駄にせず美味しく食べられそうです。
では最後に、今回のポイントをまとめます。
- 生ハムの賞味期限が過ぎたからといってすぐに腐るわけではない
- 賞味期限切れの生ハムは、未開封であれば数ヶ月〜半年は食べても大丈夫という意見が多い
- 見た目やニオイで自己判断する必要がある
- ヌメヌメしていたり、変色、異臭を感じたら食べないほうが良い
- スライスした生ハムは冷蔵保存、原木は常温保存する
- 夏場は原木でも冷蔵保存が望ましい
- 1回分ずつに小分けしラップでくるみ、アルミホイルを巻いて密閉袋に入れれば冷蔵保存しても美味しい
せっかく食べるのなら、新鮮なうちに美味しくいただきたい生ハム。
しかし、とりあえず冷蔵庫に入れておけば大丈夫…と思っていると忘れてしまうこともありますよね。
今後は食べきれる量を購入すること、冷凍保存も併用することを頭に入れて、時間が経っても美味しく食べられる工夫をしていきたいです。