【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
夏が過ぎ・・・買い置きしていたそうめんが、賞味期限切れになる。
こんな経験がある方は、多いと思います。
そうめんは乾燥させてある食品ですし、賞味期限が切れたってすぐに悪くなるわけではないでしょうが、例えば、1年前に買ったそうめんでも食べられるのでしょうか?
今回は、賞味期限切れのそうめんについて、徹底的に調べてみます!
- 賞味期限が過ぎたそうめんはどれくらいまで食べられる?1年前でも平気?
- そうめんの品質が悪くなるとどうなる?
- そうめんの正しい保存方法
- 茹でた後のそうめんの保存方法もご紹介
- 賞味期限が切れて臭いが出てきたそうめんのアレンジレシピ
私が毎年悩まされるのは、夏の終わりに、親戚が余ったそうめんを大量にくれることです。
夫婦二人暮しなので、お中元で頂く高級そうめんが、毎年大量に余ってしまうそうです。
でも中には、賞味期限がとっくに過ぎたものが混ざっていることも・・・。
賞味期限が製造日から2年から3年以上で設定されているそうめんもあるので、未開封ならまだしも、何年も経った開封後のそうめんをもらっても食べられないかもしれないので正直嬉しくありません!
今回は、保存方法が悪くて傷んだそうめんがどうなるのか?正しい保存方法や、美味しく食べきれるレシピなども一緒にご紹介していきます!
管理栄養士・栄養士
目次
そうめんの賞味期限切れはどれくらいなら大丈夫?1年前のものでも平気なの?
一般的なそうめんの賞味期限は製造後2年~3年以上、そうめんの有名ブランド・揖保の糸の賞味期限は3年6ヶ月とかなり長い期間で設定されています。
そうめんは長い期間で賞味期限が設定されていますが、賞味期限切れになるとどれくらいなら食べても大丈夫なのでしょうか?
もともと3年くらいは日持ちするようなので、1年前に賞味期限が切れたものでも問題なさそうですよね。
そもそも、「賞味期限」とは未開封で正しい保存方法を守った場合に美味しく食べられる期限のことをいいます。
”未開封&保存方法を守ったときの”という条件がついていることがポイントです。
揖保の糸のホームページでは、そうめんは、通気性がよくて直射日光が当たらない場所に保存することがおすすめされています。
未開封でも、ジメジメした暑い場所に置くことで、本来の賞味期限前に食べられなくなってしまうこともあります。
開封後は、当然湿気などの影響を受けますので、賞味期限が短くなるのが一般的です。
賞味期限切れ後のそうめんはいつまで食べられるのか判断するにはどうしたら良いのか調べてみました。
賞味期限切れのそうめんが食べられるか判断する方法
そうめん製造メーカーのホームページで、賞味期限切れのそうめんについて記載されていました。
賞味期限が切れていても、食べられなくなるとは限りません。
大幅に期限が過ぎている、ニオイ移りがある、カビ・虫がついている場合は食べないほうがいいでしょう。
開封後も、正しく保存することによって3年近くは持ちます。
お手持ちにあるそうめんの賞味期限を確認してから食べるようにしましょう。
※『半田乃糸』森脇製麺のホームページより抜粋
保存状態が良ければ、賞味期限切れでも食べられる可能性が高そうですね。
この他にも、実体験を知るべく!口コミなどで調査しました。
賞味期限切れ後のそうめんに関する口コミ
- 自己責任だけど保存状態が良ければ2賞味期限切れから2年~3年は食べられる
- 賞味期限が切れて1年経ったそうめんを食べたが味は変わらなかった
- 賞味期限が3年程過ぎたそうめんを食べてもお腹を壊さなかったが、美味しくなくなっている気がした
- 虫がついている、カビが生えている、油臭くなっているなどの場合は、食べないで捨てる
そんな口コミ中で、さすがに「これはちょっと・・・」と思うような体験談があったので、ご紹介します。
賞味期限切れから8年のそうめんを実食!
見た目は変わりなく、カビなどは生えていない。異臭もしない。
そうめんについていたつゆは、発酵したような臭いがしたので捨てた。
通常の時間茹でて食べてみると、輪ゴムのような食感だったが、食べることはできた。
賞味期限切れのそうめんについては、「確実に何年は大丈夫」という情報はありませんでした。
保存状況、そうめんの見た目、臭いを確認して、自己責任で食べているとのことでした。
”賞味期限が切れても2年~3年は平気”という意見が多かったのですが、さすがに8年ともなると食感が変になるようですね。
どんな食材も同じですが、食べてみて違和感があるようなものは、食べないようにした方がいいかと思います!
”ひね”のそうめんをご存知ですか?
賞味期限が切れたそうめんは、自己責任で状態をよくチェックしてからなら、食べられるという事がわかりました。
では、古くなったそうめんの中でも別格の、『ひねのそうめん』をご存知でしょうか?
”ひね”とは、”古くなったもの”と言う意味です。
そうめんの中にも、製造してからさらに寝かせて古くなった、ひねのそうめんが高級品として売られています。
ひねのそうめんは、そうめんの製造会社が温度や湿度を徹底管理した倉庫で寝かせて熟成されたものです。
コシが強くなって、絶品だそうです。
口コミなどで、「賞味期限が数年切れたそうめんの方が美味しい」という声がありました。
このひねそうめんの存在を根拠にしているのかもしれませんね。
ご家庭で保存していて古くなったそうめんが、同じように美味しくなるとは限りませんので、ご注意下さいね!
次に、そうめんが腐るとどうなるかをご紹介します。
そうめんは腐ることはあるの?こんなそうめんはすぐにゴミ箱へ!
そうめんは乾麺で水分を含んでいない食材で賞味期限が長く設定されているため、正しく保存していたのであれば腐るものではありません。
ただし、茹でたあとは水分を含んでいるため、早めに食べなければ腐る条件が揃ってしまうので注意が必要です(※茹でたあとの賞味期限については次章で詳しくお伝えします)。
乾麺の状態でそうめんを保存していても、場合によっては食べずに処分した方が良いので、以下の状態になった場合は、もったいないと思わずにすぐに捨てて下さいね!
そうめんの品質が劣化するとこうなる!
本来なら2年や3年は美味しく食べられるはずのそうめんですが、保存状態が悪いと品質が劣化して食べられない状態になるので注意が必要です。
特に以下の状態は迷わず処分した方が良いので、特に開封後のそうめんを食べようか迷っている場合はしっかり確認することをおすすめします。
虫がつく
特に梅雨の時期には、小麦粉を好む虫(コクゾウムシやシバンムシ)がそうめんにも付く場合があります。
実は、私も経験があるんです。
開封してジップつきの保存袋に入れたそうめんを数ヶ月放置。
久しぶりに見ると、小さい虫が保存袋のなかでウヨウヨしていました。
こんな場合は、袋を開けずに捨てることをおすすめします。
袋を開けてしまうと、虫が落ちて他の食品につく可能性もありますよ!
カビが生えた
カビが生える可能性が高いのは、開封して容器や袋に入れ替え、冷蔵庫に入れたり出したりする場合です。
容器などの内側の温度変化により、結露が発生して、カビの原因になることがあります。
カビの部分だけ捨てても、目に見えないカビの胞子が他の部分に付着している可能性が高いです。
異臭がする
そうめんが腐ったときの異臭については、”カビの臭い”、”土のような臭い”などの証言を見つけることができました。
臭いの原因は、そうめんの製造時に塗る油が酸化した臭いだそうです。
酸化で麺の色が黄色っぽくなることもあります。
この他にも、そうめんは匂いうつりがしやすい食材でもあります。
戸棚に入れていたら、戸棚の中の匂いになってしまったなどという声もありました。
カビなどの臭いがするそうめんは、すぐに捨てて下さい!
先ほどと同じように、目に見えないカビの胞子が付着している可能性があります。
単純に匂いうつりしてしまったという場合は炒め物にするなど、アイディア次第では美味しく食べることもできます。
そんな場合のアレンジレシピは、後ほどご紹介しますね。
そうめんの品質が劣化した状態を紹介しましたが、そうならないように正しい保存方法をご紹介します。
そうめんの正しい保存方法とは?茹でた後はどうしたらいいの?
キッチンに収納スペースが少ない我が家では、そうめんを流しの下などに保存しています。
ところが、そうめん製造メーカー各社のホームページを見ると、この保存方法は最もNGな方法だそうです。
そうめんの品質を低下させずに美味しく食べるには、どんな保存方法が正しいのか確認してみましょう。
そうめんが美味しく長持ちする保存方法
まずは、乾麺のままで日持ちする保存する方法をご紹介します。
- 通気性の良い直射日光が当たらない場所に未開封か完全密封して保存
- 冷蔵庫(野菜室)に未開封か完全密封して保存
- 天気のいい日に時々そうめんを出して陰干しする
- 箱入りのそうめんは箱から出して保存容器か保存袋に入れ、密封して冷蔵庫で保存
- 床に直接置かずに通気ができるような台に乗せて保存
冒頭でもご紹介したとおり、我が家では毎年大量のそうめんを頂きます。
開封した後きちんと密閉せずに冷蔵庫で保存したときは、湿気を吸って麺が情けなくシナシナの状態になってしまいました。
食べることはできしたが、ツルっとしたのど越しは失われていました。
茹でた後のそうめんの保存方法
そうめんは、ゆでると予想外に膨らみますよね。
量の加減がわからずに、茹ですぎてしまうこともあると思います。
そんなときの、正しい保存方法です。
冷蔵保存
- ジップつきの保存袋に入れ、しっかり密封して冷蔵保存
- 2~3日保存可能
冷凍保存
- しっかりと水気を切って、ジップつきの保存袋に平らにして入れ、空気を抜かずに冷凍保存
- 2~3週間保存可能
*空気を抜いて冷凍すると、解凍したときに、麺がつぶれてしまうそうです。
私もそうめんを冷凍したことがあります。
離乳食に使うときに、半解凍の状態だと細かく刻みやすいので、気に入っていました。
解凍は下記のどの方法でもOKです。
- 保存袋に入れたまま流水解凍
- 保存袋から出して流水解凍
- 冷蔵庫に入れて自然解凍
とはいえ、茹でた後のそうめんは、時間が経つとどう頑張っても美味しさは損なわれてしまいます。
どうしても余ったときの、救済措置と思っていた方がいいかもしれませんね。
次章では賞味期限切れで油が酸化した臭いが気になるそうめんを美味しく食べるレシピを紹介します。
賞味期限切れのそうめんが臭い!そんな時におすすめのアレンジレシピとは?
そうめんを作っている映像をTVなどで見ると、何度も何度も引き延ばして細くしていきますよね。
その工程で、麺どうしがくっつかないようにするためや、麺の乾燥を防ぐために、食用油を少量塗ります。
その油が、時間の経過とともに酸化して、油臭いにおいがすることがあります。
そんなそうめんは、腐っているわけではありません。
アレンジレシピで美味しく食べきりましょう!
お好み焼き
そうめんもお好み焼きも、小麦粉からできているものですよね。
出来上がりの味には全く違和感がないので、おすすすめです。
そうめんのモチモチ感で、弾力のあるお好み焼きになりますよ。チヂミでもOKです。
私は、そうめんお好み焼きを、よく離乳食にしていました。
外出時のご飯するのが一番おすすめで、ご飯とおかずを分けて作る必要がなく、重宝していましたよ!
温麺
”そうめんは、冷たくして食べるもの”という先入観がある方もいらっしゃると思います。
温かくしても、美味しいですよ。
そばつゆを使った和風の味付けのにゅうめんでも、もちろんOKですが、私がおススメなのは、韓国風です。
カルビクッパのスープを作り、ご飯の代わりに茹でたそうめんを入れます。
海外の韓国料理店では、このメニューが”温麺”として提供されているのを見たこともあります。
食欲不振のときに、ピッタリのメニューです。
冷製のカッペリーニ風
カッペリーニとは、パスタの中でもそうめんと同じくらいに細い麺です。
当然、そうめんで代用することが可能です!
このレシピは簡単で、少し硬めに茹でたそうめんを、冷水でキリっとしめます。
カットしたトマトをのせ、オリーブオイルを回しかけて、塩で味を調整するだけで出来上がりです。
この要領で、お好みの具材を乗せても美味しいですよ。
味付けは、オリーブオイル以外にも、そばつゆ、ごまだれ、フレンチドレッシングなど、アレンジは無限大です。
あんかけかた焼きそば風
茹でたそうめんを小さい塊にして、揚げてしまいます。
お好みの具材を炒めて、あんかけにすると、食感もよくて、箸が止まりません!
ビーフン風
そうめんを炒めるアレンジレシピです。
コツは、そうめんを硬めに茹でることと、しっかりヌメリを取りながら、水でしめることです。
ヌメリを取らないと、炒めた時に麺どうしがくっついてしまいます。
具材や味付けはお好みで。
ビーフンのようにナンプラーを使ってもいいですし、ごま油とそばつゆだけでも、失敗なく味付けをすることができます。
そうめんは、ゆでてつゆにつけて食べれば手軽な料理ですよね。
ひと手間かけることに、”ちょっと面倒くさい”という気持ちになるのは、私も同感です。
でも実際に料理してみれば、味に飽きがち・余りがちなそうめんも、ご家庭の人気食材になりますよ!
まとめ
賞味期限切れのそうめんについて、詳しく調べてきました。
賞味期限が切れても、長く保存できることがわかりましたね。
ポイントをまとめてみます。
- そうめんは賞味期限が切れても3年程は食べられる
- 保存状態が悪いと賞味期限内でも食べられなくなる
- そうめんはカビが生えたり虫がわいたらすぐに捨てた方がいい
- そうめんは風通しのよい、直射日光の当たらない場所で保存する
- 冷蔵庫(野菜室)での保存が安心
- 茹でた後のそうめんは冷蔵で3日ほど保存可能、冷凍保存も可能
- そうめんの風味が落ちたらアレンジレシピで楽しむことができる
日本人なら誰でも、小さい頃からそうめんに親しんでいるのではないでしょうか?
夏の風物詩の流しそうめんも、今年、我が家ではこんなものを購入しました。
これが、子供も大人も、相当盛り上がります!
賞味期限切れのそうめんが、正しい保存方法で3年も保存可能とは、知りませんでした。
正直、冒頭でお話しした大量の高級そうめんを、過去には捨てたこともあり、もったいないことをしたかもしれません。
正しい保存方法を実践して、最後まで美味しく食べきるようにしたいと思います!