【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】
冷蔵庫の野菜室で保存していた人参が、白いひげが生えてきたり、しなびて柔らかくなったらもう食べられないのでしょうか。
人参には賞味期限が記載されていないので、いつまで日持ちするのかわかりにくいですよね。
私はまだ目の当たりにしていませんが、保存方法を間違えると人参の表面がぬるぬるして変なにおいがしたり、芽が伸びたり花まで咲くこともあるようです。
そこで今回は、人参の賞味期限をできるだけ伸ばせる正しい保存方法を含め、以下の項目について調べてみました。
この記事でわかること
- 保存方法別・人参の賞味期限の目安
- 食べられる人参と食べられない人参の見分け方
- 人参の正しい保存方法(冷蔵庫の野菜室・常温)
- 人参を冷凍保存する方法
- 新鮮な人参の見分け方
人によって保存方法は異なると思いますが、我が家では暑い時期は冷蔵庫、寒い時期は常温で保存しています。
(ただ、我が家の場合、住まいが北海道なので冬場は暖房がない玄関などでは温度が一桁やマイナスになり、冷蔵庫とほぼ変わりありません。)
人参の美味しさを維持するには、ちょっとしたひと手間を加えるだけで上手に保存できることがわかったので、詳しく紹介します。
「こんな人参は食べられる?」「人参はいつもダメにしてしまうのよね~」という方は必見の内容となっていますので、ぜひ参考にしてみて下さいね。
管理栄養士・栄養士
目次
人参の賞味期限は冷蔵庫や常温でどれくらい?いつまでなら大丈夫なの?
大半の食べ物には、賞味期限(美味しく食べられる期限)や消費期限(品質が劣化せず安全に食べられる期限)が記載されていますよね?
しかし、スーパーなどで売られている人参には賞味期限や消費期限の記載がありません。
もっと言ってしまえば、賞味期限などを記載する義務がないのです。
要は、消費者の判断で腐っていなければいつまでも食べられるものだといえますね。
では、人参は冷蔵庫や常温で保存した場合、いつまで食べられるのでしょうか?
人参を冷蔵庫で保存した場合の賞味期限
人参は、冷蔵庫の野菜室(約3~8℃)で保存した場合、約1ヶ月程度は保存できます。
時間が経つにつれて、ひげのような芽や根が出ることもありますが、取り除けば食べられますよ。
ごくまれに人参から花が咲くこともありますが、その部分を取り除けば食べられます。
実際、私もコストコで大量の人参を購入し、冷蔵庫の野菜室で保存していましたが1ヶ月程度はもちました。
冷蔵庫で保存する場合は、新聞紙やキッチンペーパーなどに包み、立てて保存すると鮮度を保つことができ、賞味期限も長くなりますよ。
人参を常温で保管した場合の賞味期限
人参を常温で正しく保存した場合は、1週間程度日持ちします。
常温での正しい保存方法は、冷蔵庫での保存で触れたのと同じく、新聞紙などで包み立てて保存するという方法です。
ただし、気温が高くなる夏場などは早く痛んでしまう可能性があるので、常温での保存を避け、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
家庭菜園や畑などで収穫した人参の賞味期限は?
スーパーなどで購入したきれいな状態の人参は、上記で紹介した賞味期限となります。
家の畑で自家栽培した人参は収穫後、畑や庭に穴を掘って人参を入れ、軽く土をかぶせて保存すると長持ちします(冬~春先くらいの時期に限る)。
また、この時、もともと畑に生えていた状態と同じく「縦」にして保存してあげると、さらに鮮度がキープされますよ。
ただ、私のママ友が畑で育てていた人参を冬場に大量におすそ分けしてくれた時、それを土付きのままダンボールに入れて寒い玄関で保存していたところ、余裕で1~2ヶ月程度は日持ちしました。
このように、畑で育てていた人参を収穫して土の中で保存したり、洗わずに土付きのまま寒い所で保存したりすると、スーパーで購入する人参よりも日持ちしますよ。
スーパーでは基本的に洗い人参が売られていますが、稀に土付き人参が入荷している場合もあるので、土付き人参を購入して上手に保存すると長持ちします!
人参の賞味期限は、冷蔵庫で1ヶ月、常温で1週間といったところですが、もし腐ってしまった場合はどのようになるのでしょうか?
次項では、「腐った人参の見分け方」をご紹介していきます。
人参は腐るとどうなるの?こんな人参は食べてはいけない!
あなたは人参が腐った姿を見たことがありますか?
私はあります!
その時は、茶色く変色し、柔らかくなっていました。
人参は、出荷時に機械で念入りに洗われることによって薄皮が剥けてしまい、腐りやすくなっています。
人参が腐ってしまうと、私が目の当たりにした状態の他にもいくつか特徴があるんです。
それをこちらでご紹介していきます。
人参が腐るとこうなる!!腐った人参の特徴とは?
人参が腐っているかどうかを見分けるには、主に見た目やにおい、触感で判断します。
腐った人参の特徴
- 柔らかくドロドロの状態になって溶ける
- 茶色く変色し悪臭がする
こういった状態の場合は、腐っている可能性が高いです。
ただ、この他にも「腐っている?」と疑問に思う状態があるので、そちらも確認しておきましょう。
この人参は腐っているの?食べられる?
人参が完全に腐っていると、見た目やにおいで判断することができますが、判断に困る時がありませんか?
こちらでは、私が体験した2つの人参あるあるをご紹介します。
人参の表面(皮)がぬるぬるしている
人参の表面がぬるぬるしていることはありませんか?
私は洗って加熱調理して食べたのですが、特になんともありませんでした。
実は、このぬめりは雑菌が繁殖している証拠だったんです!!
人参は、糖質やでんぷんが多いため、雑菌が繁殖しやすいんですよね。
しかし、ぬるぬるしているだけで捨てるのはもったいないです!!
しっかりと洗い、加熱調理すれば食べられますよ。
ただし、あまりにも柔らかいとか、異臭がするなら腐っているので捨てましょう。
人参や人参が入っている袋に水分が付着しているとぬめりの原因になりますので、人参は新聞紙やキッチンペーパーに包んで保存しましょう。
人参の中心が白い!?
人参を輪切りにした時に、「なんだか中心が白っぽい…」と感じたことはありませんか?
特に腐ったような感じもないのですが、やはりいつもと違う様子だと不安になりますよね。
中心部分が少し白っぽくても、基本的には食べられます。
私もこのような人参を何度も料理に使っていますが、健康状態に異変はありませんでした。
ただし、中の白い部分が完全に周りから孤立しているような場合は、捨てましょう。
これは「とう立ち」といって、芯の部分が成長しすぎた時に起こる現象です。
この場合、その周りの部分もぶよぶよになっていたり、柔らかくなっていたりするのですぐに気づくと思いますよ!
人参がしなびて柔らかい
きちんと正しく保存しておけば日持ちする人参も、保存方法を間違えると急激に品質が劣化します。
スーパーから買ってきたばかりの人参は固かったのに、冷蔵庫の野菜室にそのまま数日保存していたらしなびて柔らかい状態になります。
これは腐ったわけではなく、人参の水分が抜けてしまったためで、まだ食べられますが風味や食感は落ちてしまいます。
しなしなになった人参は、水に漬けて元の固さを取り戻しましょう!
人参全体を水に漬けても、頭だけ漬けても良いので、毎日水を取り替えて2~3日置いてください。
たったこれだけで以前のみずみずしさを取り戻せますが、最初から面倒くさがらずにきちんと保存した方が良いですね!
人参が腐ると見た目やにおいですぐに気づきます。
明らかに腐っている人参は、食べずに捨てましょう。
人参は、野菜の中でも比較的日持ちする食材ですので、上手に保存すれば、日持ちする期間も長くなりますよ。
次項では、「人参の正しい保存方法」をご紹介していきます。
湿気や乾燥は大敵!人参の正しい保存方法とは?
人参の賞味期限の箇所でも少し触れましたが、人参は正しい保存方法で保存すれば鮮度がキープでき、長持ちしてくれます。
こちらでは、人参の正しい保存方法を具体的にお伝えしていきますね!
人参の正しい保存方法をマスターしよう!
人参の正しい保存方法をマスターすれば、日持ちさせることができますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
新聞に包む
スーパーなどで購入した人参がビニール袋に入っている場合は、必ずビニール袋から出してください。
新聞で包むことによって、乾燥から守れます。
縦に保存する
野菜は、自然で育った状態と同じ状態で保存すると、長持ちします。
人参であれば、地面から縦に生えているので縦に立てて保存しましょう。
りんごと一緒に保存しない
エチレンガスを発するりんごと一緒に保存してしまうと、人参が苦くなります。
りんごとは別で保存しましょう。
葉っぱは別に保存する
人参に葉っぱがついている場合は、葉が栄養を奪ってしまうので、カットして別々に保存しましょう。
人参の葉っぱは、ジップロックなどに入れて冷蔵庫の野菜室に立てて保存すると長持ちします。
実際、私も自家栽培した人参の葉っぱを冷蔵庫で保存したとき、上記の方法で保存しました。
すると、この方法では3日以上は日持ちしましたよ!
また、もっと長持ちさせたい場合は、空き瓶などに水を入れ、そこに人参の葉っぱをさしておく方法がオススメです。
この保存方法の場合は、1日1回お水を換えると1週間ほど日持ちしてくれます。
冬場は常温保存でもOK
室温が低い冬場などは人参を新聞で包み、ダンボールなどに立てて保存できます。
部屋の中でもなるべく室温が低い場所を選びましょう。
切った人参は冷蔵庫で保存する
使いかけの人参はラップでしっかりと包み、冷蔵庫で保存しましょう。
できれば、3~4日程度で使い切って下さいね。
人参は、基本的には冷蔵庫で保存するのがオススメですが、私は冬場なら玄関と居間の間の廊下で保存しています。
冬場は畑でとれた土付きの人参をダンボールにごろっと入れた状態で寒い廊下に置いていけば、余裕で1ヶ月は日持ちします。
これは、私が実践済みです!!ただ、住まいが北海道ということをお忘れなく~!
量が多くて立てて保存するのが面倒だったため寝かせて保存していたのですが、おそらく立てて保存した方がもっと日持ちするでしょう。
人参は冷蔵で保存できますが、やはり使い切れないこともありますよね。
そんな時は、冷凍庫で保存するのがオススメです♪
次項では、「人参の正しい冷凍方法」をご紹介していきます。
人参は冷凍すれば長持ちする!正しい冷凍保存の方法がコレ!
人参は冷凍庫でも保存できますよ!
私は消費しきれなかった人参をよく使う形に切って一回量ごとにラップで小分けし、それらをジップロックでまとめて保存しています。
そうすると、すぐに調理に使えるのでとても楽チンですよ!
本項では、「人参を冷凍したことがない」という方のために、詳しい冷凍方法や解凍方法をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
人参はどうやって冷凍するの?
人参は炒めたりせず、生のまま冷凍保存できます。
ただ、一本丸ごとの状態で冷凍保存すると使う時に不便なので、あらかじめよく調理に使う形にカットして、ジップロックなどに入れて冷凍しましょう。
カットの方法は…私の場合は、千切りやいちょう切り、拍子切りなどが多いですね~。
ただし、厚めに切って冷凍すると食感が悪くなってしまうので、厚切りや乱切りなどはオススメできません。
冷凍した人参はどうやって解凍する?
冷凍した人参の解凍方法は、電子レンジ、自然解凍、凍ったまま調理に使うという方法があります。
どの解凍方法でも良いのですが、私個人としては凍ったまま調理に持ち込むのがベストです。
電子レンジで解凍すると、水分が抜けてしまいふにゃっとしてしまうこともあります。
また、自然解凍の場合も水分が抜けてしまい食感が変わってしまうのです。
ですので、私は冷凍した人参をお味噌汁か炒め物にそのまま放り込むようにしていますよ。
冷凍した人参はどれくらい日持ちする?
冷凍した人参は、2ヶ月程度は保存できます。
どうしても消費しきれない場合は、冷凍するのがオススメです。
さて、ここまでは人参の保存方法についてご紹介してきましたが、最後に美味しい人参の見分け方をご紹介していきたいと思います。
店頭に並んでいる人参を選ぶときに、ぜひ参考にして下さいね!
知って得する!新鮮で美味しい人参の見分け方とは?
あなたは買い物の時に、適当に人参を選んではいませんか?
どれも大きな違いなどはないような気がしますが、実は美味しい人参が混じっています!!
それを見分ける方法を伝授しますね♪
美味しい人参はどうやって見つける!?
同じ値段で同じ量が入っているのであれば、できるだけ美味しい人参を購入したいですよね?
美味しい人参を見分ける方法は、以下の通りです!
色 | 全体的に赤みがあり鮮やかな色 |
---|---|
皮 | 表面が滑らか |
頭 | 軸が小さくて、緑色(春や夏の場合) ※軸が黒ずんだり茶色に変色したものは選ばない |
人参を選ぶときは、上記の内容と照らし合わせながら選ぶと、美味しい人参に出会えますよ。
まとめ
人参を美味しく食べられる賞味期限の目安について調べてわかったポイントをまとめておきましょう。
- 人参は冷蔵庫の野菜室で約1ヶ月は保存できる
- 人参は常温で約1週間は保存できる
- 人参は新聞紙に包んで立てて保存すると長持ちする
- 畑で収穫した人参は土を取らずにそのまま保存する
- においがする、茶色いなどの人参は腐っている
- 葉付きの人参は葉をカットして別々に保存する
- 人参は使いやすくカットして冷凍保存できる
- 冷凍した人参は凍ったまま調理がおすすめ
- 新鮮な人参は色や皮の触感、頭などで見分けられる
人参の保存方法や賞味期限はしっかりと確認できましたね!
正しく保存することは、人参の賞味期限を延ばすことにも繋がりますので、ぜひ実践してみて下さい。
基本的に人参は、腐らない限りは食べられる野菜です。
私は毎回コストコで2kg入りの人参を一袋買ってきては、1ヶ月ちょっと使っています。
ただ、冷蔵庫の野菜室がいっぱいになる時は、使いやすい大きさにカットして冷凍しています。
そうすることで、賞味期限が延びるだけでなく、調理の時短にもなるので一石二鳥ですね♪
あなたも今日から人参を正しく保存してみましょう!