【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
私は、大の長芋好きです!
そのままで食べるのはもちろん!煮ても焼いても楽しみます。
ところが、友達は買った長芋を冷蔵庫に入れたまま余らせてしまっているとか。
「美味しく食べられる賞味期限って、いつくらいまでなの?」と聞かれても・・・
余らせることがない私には、よくわかりません。
そこで今回は、長芋について詳しく調べてみました。
- 長芋の賞味期限はいつまで?
- 長芋の正しい保存方法は常温or冷蔵庫?
- 長芋の冷凍方法と日持ち期間
- 長芋を食べて、体に異変が出る原因をご紹介
実は私、長芋の出荷量が日本一の、青森県の出身なのです。
長芋は、子供の頃から当たり前のように食卓に並んでいたので、朝も夜も食べていました。
あっさりした味わいとシャキシャキとした食感は、頻繁に食べても飽きがきません。
とろろのねっとり感もよし、煮物は煮物で、他の野菜では味わえないホクホク感はもう、感動的です♪
ぜひみなさまにも、長芋を最後まで美味しく楽しんでいただきたい!
ということで、早速、長芋について詳しくご紹介していきます。
管理栄養士・栄養士
目次
長芋の賞味期限はいつまで?冷蔵庫や常温で違いはあるの?
聞かれてみないと気にしないものですが、長芋の賞味期限って、表示されていましたっけ?
私は見たことがありません。
調べてみると、こんなことがわかりました。
まず、正確な定義が意外と知られていない、「賞味期限」から確認しましょう。
賞味期限とは?
未開封&正しい保存方法を守ったときの、美味しく食べられる期間のこと。主に、加工品で腐りにくいものに表示されます。
ただし、賞味期限や消費期限は、”全ての食品に表示する”と法律で決まっているわけではありません。
生鮮食品では、下記の食品以外は表示義務がないことになっています。
・生肉や魚介類など
・果物のうち、かんきつ類とバナナ
長芋を含む野菜は、賞味期限や消費期限の表示義務がない食品です。
野菜は収穫されてからも生きていて、流通している間も育ち続けます。どの段階から数えて賞味期限や消費期限を決めればいいのかが難しいという理由のようです。
なるほど。
では、ネット通販の場合はどうだろう?
調べてみると、賞味期限が記載されている長芋がありました!
長芋生産者が表示している賞味期限は1ヶ月以内
賞味期限の表示が必要ないとされる長いもですが、ネット通販では、賞味期限が表示されている長芋が多くありました。
やはり、ネット通販は、顔を見ずに取引するものですからね。
”安心して買ってもらえるように”という、生産者の配慮で表示しているのだと思います。
生産者の方が表示している文章の例をご紹介しますね。
- 野菜室で保存 1週間程度 *なるべく早くお召し上がりください
- 冷暗所で保存の場合、1ヶ月
- おがくずに入れたままか、新聞紙にくるんで冷蔵保存 20日
他にも賞味期限が表示されている長芋がいくつかありましたが、どれも1ヶ月以内。
賞味期限を表示するからには、責任が伴いますので、短めに設定していることが予想されます。
長芋は長期保存が可能な野菜ですが、買い手の保存方法などによって早く腐る可能性もありますからね。
”賞味期限”とは記載がないものの、保存期間が記載されている場合もありました。
- 冷蔵庫に入れますと、3ヶ月は保存可能だと思います
- 冷暗所で保管、1ヶ月は保存可能
- 秋~冬はお届け時のおがくずに入った状態で冷暗所で保管。貯蔵性のある野菜ですが、早めにお召し上がりください
- 夏~秋は新聞紙にくるみ、冷蔵庫で保管。貯蔵性のある野菜ですが、早めにお召し上がりください。
- 冷蔵庫で2週間、野菜室で1週間
- 冬場はおがくずに入れたまま、凍らない程度の冷暗所で保存。3月末まではそのままでOK
- 夏場はおがくずに入れたまま、冷暗所に保存。8月末まではそのままでOK
長芋農家から直送で購入する場合は、参考になりますよね。
でも実際はやはり、スーパーなどで長芋を購入する方が大半かと思われます。
賞味期限が表示されていない長芋を、みなさまはどれくらいの期間、保存しているのでしょうか?
長芋に関する口コミを、大調査しました!
長芋購入者が目安にしている賞味期限は、長くて3週間
スーパーなどでは、長芋をおがくずに入れて販売しているのを見たことがある方もいらっしゃるのでは?
おがくずごと買って、持って帰る方は、多分いらっしゃらないと思います。
*おがくずでの保存については、後ほどご紹介します
スーパーなどで長芋を買った場合、保存も人それぞれ。
当然、賞味期限も保存方法に左右されます。
口コミなどを調査すると、長芋を買った方々は長くても2週間~3週間を目安に、長芋を保存しているようです。
- 新聞紙に包んで袋に入れ、冷暗所か野菜室で2~3週間が目安
- 切り口が茶色くなっても、その部分を切り落として白くてみずみずしければ、食べられる
- 切り口に酢を塗って、ラップで包んで1週間が目安
- 真空パックで売られている時は、未開封で2週間、開封後は1週間
購入者は、生産者が表示するよりも、短い期間で判断しているようですね。
長芋は、本来は長期保存が可能な野菜です。
保存方法を守れば、1ヶ月以上の保存も可能ですよ!
次に、長芋の正しい保存方法をご紹介します。
長芋の正しい保存方法とは?日持ちさせるコツがコレ!
長芋は、地面から1m程下の、深い土の中で育つ野菜です。
土の養分を存分に吸って育つ長芋は、正しく保存すれば、みずみずしいままで長く保存できますよ!
長芋農家がおしえてくれた正しい保存方法
長芋農家のホームページに、長芋の正しい保存方法が詳しく紹介されていました。
箱入り&おがくず入りの長芋の場合
箱のふたをして、そのまま冷暗所に保存します。
温度変化などの環境が悪くない限りは、3ヶ月ほど保存できます。
食べる時は、食べる分だけカットし、またおがくずの中に戻して保存します。
このとき、すぐに食べきりそうな場合は、長芋をそのまま戻して構いません。
1週間以上保存しそうなときは、切り口をラップでしっかり密封し、輪ゴムなどで止めておがくずに戻して下さい。
豆知識:長芋の保存におがくずを使う理由
農家から直送で長芋を買うと、必ずと言っていいほど、おがくずに包まれた状態で届きます。
スーパーなどでも、おがくずが少しついた状態で販売されていることが多いですよね。
長芋をおがくずに入れる理由とは?
- 空気に触れさせないため(空気に触れると黒くなる)
- 配送時のクッションとしての役割
もみがらなど、おがくずに代わるものを試したこともあるそうですが、おがくずよりも鮮度を保持できるものはないという結果になったとのことでした。
土付きで売っている長芋の場合
土付きで買ってきた長芋の場合は、基本的に、新聞紙にくるんで冷暗所に保存します。
下記のような場合は、冷蔵庫(野菜室)に入れましょう
- 保存場所が0℃以下になるとき
- 保存場所が15℃以上になるとき
この方法を実際に試したという実体験を調査すると、3ヶ月後もみずみずしいまま保存できていたという声がありました。
カットした長芋の場合
長芋を丸ごと1本、一度に使うということは、あまり考えられませんよね。
使う分だけカットして余った長芋、すでにカットされて真空パックで売っている長芋は、下記のように保存します。
- 切り口に、酢水をつける
- ラップで切り口をピッタリと包む
- 野菜室で保存する
酢水をつける理由は、長芋の切り口が酸化して茶色くなるのを防ぐためです。
酢水につけない場合は、私の経験上、1~2週間程で切り口が茶色くなります。
その場合でも、茶色い部分を切り落とせば大丈夫!
みずみずしい白い部分が出てきますので、美味しく食べることができます。
ちなみに、口コミなどを調査すると、「長芋を立てて保存する」という声が多くありました。
立てて保存することで、2週間程日持ちするとのことでした。
この点について、私の実体験では、寝せて保存しても問題ありません。
長芋は寝た状態で育つ野菜です。
農家からの直送便で買う時も、寝せた状態で梱包されて届きます。
立てて長期間保存できたという声がある以上は、その方法を否定しませんが、個人的にはあまりこだわらなくていいと感じます。
次に、長芋の冷凍保存についてご紹介します。
長いもは冷凍保存できる?どれくらい日持ちするの?
最近、とろろは冷凍食品としても販売されていますよね。でも、冷凍の場合の保存期間って、ご存じですか?
ご一緒に、正しい冷凍保存方法と、保存期間を確認してみましょう!
皮付きのまま冷凍保存が可能!
長芋は、カットせず、皮付きのまま冷凍することが可能です。
- 土を洗って水分をしっかり拭き取る
- 皮付きのままラップに包んで密封する
- 保存袋に入れて、冷凍庫に入れる
冷凍した長芋を使う時は、解凍を待って調理する必要はありません。
使う分だけカットし、皮をむいて使うことができます。
特に、冷凍した長芋をすり下ろすと、より細かくすり下ろすことができます。
生の長芋よりもなめらかな食感になりますよ!
皮をむいて、一回分ずつ冷凍するのもOK!
1回分の使用量が大体決まっているご家庭では、皮をむく&カットして冷凍することで、調理の時の手間を省くことができますね。
カットした長芋は、ラップに包んで密封し、保存袋に入れます。
ちなみに、すり下ろす場合は、解凍するとネバネバで滑って、扱いにくくなります。
冷たいうちに、サッとすりおろして下さいね。
すり下ろして冷凍しておくと便利!
長芋を食べるときの定番は、すりおろしですよね。
しょうゆ、だし汁、味噌など、さまざまな味で楽しめます。
他にも、”お好み焼きなどの料理に少量使いたい”ということもあると思います。
すりおろして冷凍しておくと、すぐに使えて、とても便利ですよ!
保存袋に入れてから、半分凍った段階で、菜箸などで筋を付けておくと、使いたい時に使いたい分だけ取り出すことができます。
最後に、長芋で体に異変が出ることについて、詳しくご紹介したいと思います。
長いもを食べたら舌やのどがかゆい!腹痛や下痢も!もしかして腐ってたの?
実は、私の夫は長芋アレルギーです。
私が長芋大好きなので、残念な話なのです・・・。
少量でも口に入れたら、食道がかゆくなると言っています。
長男が2歳の頃にも、長芋を食べさせて、1日だけ発疹が出たことがありました。
口コミなどを調査すると、こんな声もありました。
- 今までは平気だったのに、とろろご飯を食べると吐くようになった
- 先日までは普通に長芋を食べていたのに、なぜか突然腹痛や下痢が起きるようになった
- 妊娠中に長芋を食べたら、発疹が出た
- 今までは平気だったが、突然のどのかゆみ、痛み、腹痛、下痢が起きるようになった
こんな症状が出る原因は、大きく分けて2つです。
長芋に含まれる結晶が原因の異変
長芋や里芋のようなネバネバした食品には、シュウ酸カルシウムが多く含まれています。
このシュウ酸カルシウムの結晶の中には、針状の結晶があります。
長芋は、針状の結晶が特に多く含まれている食品です。
喉のかゆみ、痛み、などの症状は、この結晶の影響です。
針状の結晶は胃酸で溶けるそうです。
長男が長芋を食べて発疹が出た時に、1日で収まったのは、胃酸の働きだったということがわかりました。
針状結晶を持つ食べ物は、他にもパイナップル、ほうれん草などがあります。
長芋に含まれている物質が原因の異変
長芋には、アセチルコリンという物質が含まれています。
これは、神経刺激を生じさせる物質です。
具体的な症状は、下記のようなものです。
- 気管支の収縮による息苦しさ
- 動悸
- 血管収縮
- 心拍数低下
- 吐き気
- おう吐
- 下痢や腹痛
症状が出る人と出ない人がいる理由は、調理方法や摂取量のほかに、その人自身の免疫力などもかかわってきます。
厄介なことに、「こんなときは、絶対に症状が出る!」とは、一概に言えません・・・。
体が弱っている時などは、上記のような症状が出てしまう可能性もある、と覚えていただけると幸いです。
また、少量口に入れて、少しでも異変を感じたときは、それ以上は食べないようにしてくださいね。
まとめ
長芋の賞味期限について、詳しく調べてきました。
スーパーで長芋が1本丸ごと売っているときに、
「食べたいけど多すぎる・・・」と諦めていた方も、長期保存が可能とわかって、安心したのではないでしょうか?
ポイントをまとめてみます。
- 長芋は、長期保存が可能
- 基本は常温で保存し、寒すぎるor暑すぎる場合は冷蔵庫(野菜室)に入れる
- 正しい保存方法を守れば、3ヶ月もの長期でも期間保存可能な場合がある
- 長芋は、冷凍保存が可能
- 冷凍保存の方法はさまざまなので、お好みに合わせて選ぶことができる
- 長芋には、体に異変をおこす結晶や、神経に刺激を与える物質が多く含まれている
- 体が弱っている時や、少し食べて異変を感じた時は、食べるのをやめるのがおすすめ
今回詳しく調べたことを、例の友達にも早速伝えました。
すると、保存方法もよく知らなかったし、調理方法も生で食べる以外は知らなかったとのことでした。
生で食べても、もちろん美味しいですが、個人的には加熱して食べるのもぜひおすすめ。
ちなみに、わたしの好物は、エビを大きめにカットしてプリプリの団子を作り、長芋と一緒に煮る料理です。
長芋のホクホク感とエビの食感&旨味で、料亭のような味を家庭で楽しむことができます♪
今回の情報を活用しながら、ぜひ、みなさまにも長芋を美味しく楽しんでいただきたいと思います!