家庭菜園の経験がある方はわかると思いますが、せっかく育てた植物に虫がついていると本当にがっかりしますよね。
とくに野菜などで多いのがアブラムシ。
ぎゅうぎゅうに寄り集まっている姿は、苦手な方には絶叫ものです。
私も先日、順調に育っていたきゅうりに、アブラムシがついているのを見つけてしまいました。
「えー! どっから来たのー!」という気持ちを抑えながら、ピンセットなどで駆除を試みましたが、数の多さと見た目のインパクトから早々に断念。
もっと簡単にきゅうりについたアブラムシを駆除する方法がないか、調べてみようと思います。
- きゅうりについたアブラムシの駆除方法!牛乳が効果的なの?
- きゅうりがアブラムシの被害を受けるとどうなるの?
- 今すぐ試して!きゅうりにアブラムシがつかなくなる予防対策は?
- アブラムシの他にも!きゅうりを食害する害虫はまだまだいる!
- 害虫や病気に強くなる!正しいきゅうりの栽培方法とは?
牛乳をかけると良いなどと聞いたことがありますが、実際の効果のほどはどうなのでしょうか?
被害が広がる前に良い方法を見つけて、なんとか駆除したいと思います。
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目次
きゅうりについたアブラムシの駆除方法!牛乳が効果的なの?
アブラムシの発生が少量であれば、手で獲ったり水で流したりすることも可能です。
しかし、たいていアブラムシが発生する場合は、大量にびっしりとついていることが多く、さらに見た目が気持ち悪い…。
手間をかけずに、凝視せずに、さっと駆除できる方法がないか調べてみました。
牛乳で駆除する方法
ネットを見ていると、素人でも簡単にできるおすすめの方法は、やはり「牛乳」のようです。
アブラムシのついた植物に、霧吹きに入れた牛乳をスプレーすると、被膜がアブラムシを覆って酸素不足で死んでしまいます。
この方法なら、100均などで霧吹きを購入すればすぐできるためお金もかかりません。
しかも、全体的にスプレーするだけなので、あっという間に終わりますね。
また、農薬を使わず駆除できるので、無農薬にこだわっている方にもおすすめの方法です。
牛乳の被膜は植物の気孔も塞いでしまう
牛乳でアブラムシを駆除する方法は、ベストな方法に思えますが、じつは植物自体の気孔も塞いでしまうため、そのままにしておくと枯れてしまう危険があります。
牛乳が乾く頃には植物も呼吸できずに弱っているので、スプレーして1時間ほど経ったら必ず水で洗い流しましょう。
洗い残しがあるとすす病になってしまう危険性があるため、葉や茎を痛めないよう注意しながら、ていねいに落とします。
さらにその後、インスタントコ-ヒを溶かした液体をスプレーすると、新たなアブラムシの予防になるのでぜひやっておきましょう。
牛乳のほかに、酢を水で薄めたものでも効果があるので、試してみることをおすすめします。
また鉢植えであれば、丸ごと袋で覆って、蚊取り線香で1時間ほど燻すのも効果的です。
液体の散布には、範囲が広い場合は、農業用の動噴を使ってスプレーすると効果が高まり、時間も短縮できます。
ただし、あまりにも多くのアブラムシが発生した場合は、修復不可能な状態になる前に農薬や殺虫剤を利用した方が良いでしょう。
そのときは、同時にアブラムシ退治してくれる虫(てんとう虫など)まで殺さないように注意する必要があります。
きゅうりがアブラムシの被害を受けるとどうなるの?
きゅうりに限らず、植物を育てるのが初めての方やあまり経験がない方だと、アブラムシにすぐに気づけない場合があります。
もしすぐに気づくことができず、アブラムシがついたままだとどうなってしまうのでしょうか?
アブラムシってなに?
「そもそもアブラムシってなに?」という方のために、アブラムシについてまとめてみます。
漢字では「油虫」と書き、分類上はカメムシの仲間の昆虫です。
体長は2~4mmと小さく、集団で維管束に口針を突き刺して栄養を吸い取って生きています。
日本だけでも700種以上もいて、新芽や枝、葉、茎など、いろいろなところに群棲しています。
よく見かけるのは緑や黒いアブラムシですが、赤、桃、黄、白、茶などさまざまな種類がいます。
アブラムシを放っておくとどうなる?
では、このアブラムシを放っておくと、どのような害があるのでしょうか。
アブラムシは植物の栄養を吸いとってしまうので、植物は栄養が足りずにどんどん弱ってきてしまいます。
オカボノアカアブラムシという種類は、植物の根に寄生するため、株が弱り、次第に枯れてしまう被害が出ます。
また、アブラムシの中でもとくに多いのがワタアブラムシで、この種類は植物の葉の裏に群棲するため、生育が悪くなったり、最悪の場合は枯れてしまうこともあります。
栄養を取られるだけであればうまく駆除すれば問題ありませんが、アブラムシの排泄物によってすす病になり、葉や果実が黒くなる症状も起こります。
さらにアブラムシは、ウイルスを媒介したり、ほかの病気の原因にもなるため、見つけたらすぐに駆除する必要があるのです。
とくにきゅうりは、キュウリモザイクウイルスを媒介するアブラムシがいるため要注意。
もし感染してしまうと、葉が濃淡のあるモザイク状になり、縮れたり、萎縮したり、奇形化したり、波打ったりしてきます。
きゅうりの表面にも同じような症状が出て、最悪の場合株ごと枯死してしまうこともある恐ろしいウイルスです。
症状が出たきゅうりは食べることはできますが、見た目も悪く、栄養が足りていないため味も落ちるでしょう。
また、感染したきゅうりの株をそのままにしておくと、ほかのきゅうりの株や植物が感染してしまう恐れがあるので速やかに処分することをおすすめします。
今すぐ試して!きゅうりにアブラムシがつかなくなる予防対策は?
見た目とは違い、植物に大ダメージを与えることが分かったアブラムシですが、そもそも発生させないことはできるのでしょうか?
予防策があれば、大切に育てているきゅうりが枯れる心配もありませんよね。
アブラムシの発生時期
アブラムシは、日本では春から秋にかけて植物に寄生します。
とくに、暖かくなりはじめた春頃に繁殖し、大発生しやすいようです。
アブラムシは、メスだけで子どもを生むことができる「単為生殖」の生物なので、春頃になると毎日数匹から数十匹の卵を生み続けます。
しかもその幼虫は、自分のクローンと言えるほど同じ生体で、すでに胎内に子どもを宿している状態で生まれてきて、10日もすれば成虫になりまた同じように卵を生みます。
これを繰り返すため、爆発的に、本当にあっという間に大繁殖しているのです。
成虫は越冬せずに死滅しますが、秋から冬にかけて生まれた卵はすぐにかえらず冬を越して暖かくなってからかえります。
そしてまた、春頃には大量に繁殖するのです。
うーん、苦手な私には想像するだけでも鳥肌ものです…! ぎょえ〜!
これは大量発生がはじまる前に、なんとしても予防しなければなりません。
アブラムシを予防する方法
アブラムシは、太陽の光を感じながら移動する生体です。
そのため、太陽の光と勘違いさせれば、自然と別の方向へ誘導することが可能です。
きゅうりの周りに、何かキラキラ光るものを置いておくと良いでしょう。
反射するテープでも良いですし、アルミホイルを張り巡らせたり、CDを吊るしておくのも効果的です。
また、天敵を増やすことで、自然に駆除してもらう方法もあります。
一番捕まえやすく簡単に集められるのが、アブラムシを捕食するナナホシテントウ。
見た目も可愛いので、子どもと一緒に捕まえるのも楽しそうです。
このナナホシテントウをきゅうりの株に放しておくだけでも、かなり効果が期待できます。
家庭菜園のプランターなど狭い範囲で苗を育てている場合は、ネットなどをしててんとう虫が逃げないようにしておきましょう。
また、すでに葉にアブラムシがついてしまっている場合は効果はありません。
アブラムシの他にも!きゅうりを食害する害虫はまだまだいる!
アブラムシは、暖かくなりはじめたら要注意で、できればその前から対策をしておくと良さそうですね。
では、きゅうりの栽培ではアブラムシに気をつけていれば問題ないのでしょうか?
ほかにもきゅうりの大敵がいないか調べてみました。
きゅうりを荒らす害虫としてウリハムシが有名
ウリハムシとは、その名の通りウリ科の植物に付く甲虫で、カブトムシを小さく、黄色っぽくしたような見た目です。
このウリハムシの幼虫は、春から夏にかけて出現し、きゅうりなどのウリ科植物の根を食害します。
食害が進むと根がスポンジ状になり、スカスカで栄養が取り込めなくなりやがて枯れてしまいます。
さらに幼虫は、きゅうりなどの実がなっている場合にはこれも食べてしまうことがあります。
さらに、7月頃になり気温がぐっと上がってくると、今度はウリハムシの成虫が出現しはじめます。
成虫は葉を食害するため、幼虫と同じようにやがて株が弱って枯れてしまうのです。
ウリハムシからきゅうりを守るには?
一番簡単な対策としては、ウリハムシが飛来してこないようにビニールやホットキャップなどを設置することです。
ウリハムシの成虫は、土の中で越冬し、春頃になると土から出て行動を開始します。
成虫はウリ科の植物の近くに卵を生みつけるため、何も対策していないきゅうりの場合、知らない間に根が食い荒らされてしまうのです。
これを防ぐためには、きゅうりの近くに卵を生ませない対策が必要。
そのため、株ごと囲ってウリハムシの侵入を阻止しましょう。
しかし、夏に向かってどんどん気温が上がってくると、ビニールやホットキャップ内の温度が高温になってしまいます。
必ず小さな穴を開けて、内部の温度が上がらないようにしてあげましょう。
害虫退治の殺虫剤を散布することもできますが、殺虫剤効かないウリハムシもいるので手で捕まえて殺傷するのが一番効果的と言えます。
アブラムシと比べると数が少ないため、ペットボトルなどを使用して効率よく捕まえましょう。
ウリハムシのほかにも、ワタヘリクロノメイガ、ウリキンウワバ、チャノホコリダニなど、きゅうりを狙った害虫はたくさんいます。
植物を育てる際は、しっかり毎日状態をチェックして、異常がないか確認してあげましょう。
害虫や病気に強くなる!正しいきゅうりの栽培方法とは?
害虫対策をしっかりしていても、根本的なきゅうり自体の元気がなければしっかり成長することはできません。
改めて、強く元気なきゅうりに育つ、正しい栽培方法を確認してみましょう。
正しいきゅうりの栽培方法
きゅうり栽培は、発芽から収穫まで約60日ほどかかります。
約2か月ほどですから、しっかり付き合ってあげることが大前提です。
- 植える前に苦土石灰と堆肥を混ぜて、よく耕しておく。
- さらに、マルチフィルムを張っておくと病気にかかりにくくなる。
- きゅうりの葉は、大きく風の影響を受けやすいので必ず支柱を立てる。
- きゅうりは乾燥に弱いので毎日水やりをする。夏場は気温が下がる夕方以降に水やりする。
- 植え付けてから、2週間に1回は追肥する。
- 生育中盤には、下の方にある古くなった葉をしっかり摘み取る。
このような点に注意するだけで、栄養を吸収しやすくなったり風通しが良くなったりして、病気の発生を防ぐことに繋がります。
まとめ
ガーデニングが身近になった今、2階のベランダや駐車場わきのプランターなどできゅうりを栽培する方はたくさんいますよね。
でも、こんなに危険な害虫がたくさんいることは意識していないのではないでしょうか?
せっかく大きくなってきた実を台無しにされてしまう前に、しっかり対策をしておきましょう。
では、今回調べたポイントをまとめてみます。
- アブラムシが数匹程度なら手やガムテープで獲ったり、水で流す
- 大量発生した場合は、牛乳や薄めた酢をスプレーすると駆除できる
- 牛乳をスプレーした後は、乾いた後に必ず水で洗い流す
- あまり効果がない場合は、枯れてしまう前に農薬や殺虫剤を使う
- キラキラしたものを付けておくと、太陽の光と勘違いしてアブラムシが近寄らなくなる
- てんとう虫をきゅうりの株に離しておくとアブラムシを食べてくれる
- アブラムシ以外の害虫や病気にも注意して正しく育てる
植物を育てるには、しっかりとした準備と手入れが必要です。
軽い気持ちではじめたとしても、おいしい収穫までもっていけるように、きちんとお世話してあげたいですね。