暑い夏が過ぎて涼しくなってくると、疲れていた体もラクになって食欲が湧いてきますよね。秋は比較的安く手に入る旬の食材も美味しいものが豊富ですし、子供もたくさん食べてくれる時期なので、私にとっては料理を頑張る季節でもあります。
秋が旬の食材と言えば秋刀魚が思い浮かびますが、私は魚を自分で料理するのは苦手です。
三枚おろしなんて無理!という私でも簡単に、美味しい秋刀魚の塩焼きを作るにはどうしたらいいでしょうか?
そんなわけで、今回は「秋刀魚の鱗(うろこ)取りはどうしたらいいの?下処理のコツは?」というテーマです。
実は秋刀魚の下処理は、三枚おろしも綺麗にできないような料理スキルの私でも大丈夫なくらい簡単なんですよ。その他にも
- 秋刀魚をさばく時のコツ
- 鮮度の良い秋刀魚の見分け方
- 美味しい塩焼きの作り方
など、秋刀魚を美味しく食べるために必要な情報を分かりやすく解説していきます。普段あまり料理をしないという方でも失敗しない簡単な方法をご紹介しますので、ぜひ最後までご覧下さいね。
目次
秋刀魚の鱗(うろこ)はどうやって取ったらいいの?簡単にできるの?
魚の下処理と言えば、まずは鱗(うろこ)を取るイメージがないですか?私は祖父が釣った魚をさばく祖母の姿をよく覚えていますが、包丁でガリガリ、ゴリゴリ…と大変な作業に見えました。
ですが秋刀魚の場合、その大変な鱗取り作業はあまり必要ありません。
秋刀魚のうろこは非常に取れやすく、漁で捕った時に鱗がほとんど落ちてしまっています。
ちなみに秋刀魚の鱗は小さな青色で、稀に残っていることもあるので表面に残っていないか見ておくと良いでしょう。もし残っていても、包丁の先の方で秋刀魚の表面をなでるだけでポロっと簡単に取れてしまいますよ。
また塩焼きにするなら、そのまま焼いてしまっても気になりません。私も今まで何度も秋刀魚を焼いていますが、一度も鱗取りをしたことがなく、食べていて気になったこともありません。
時々網で追い込まれている間に他の秋刀魚の鱗を飲みこんでしまったらしい秋刀魚がいて、腹の中から鱗が出てくるという珍事が起こることもあるそうですよ。私はまだ見たことはないですが。
秋刀魚の下処理のコツは?さばき方のポイントも解説!
<秋刀魚の下処理:基本の手順>
- 秋刀魚を塩水(水1リットルに対し塩は大さじ1)で洗う
- 水けをよく拭き取る
- はらわた(内臓)を取る
秋刀魚を水洗いして”ぬめり”を取るのですが、ここで塩水を使うと魚の鮮度を保ちながら生臭さも取ることができます。秋刀魚は身が崩れやすいので、軽くでいいですよ。
その後はキッチンペーパーを使ってしっかり水けを拭き取りましょう。水けが残っていると臭くて美味しくないですし、焼き魚にする時は仕上がりが水っぽくなってしまいますから、しっかり拭き取ってくださいね。
次は内臓を取り除きます。新鮮な秋刀魚でワタも食べたいという時は必要ないですが、あまり鮮度が良くない場合は取り除いておきましょう。
私は結婚して自炊を始めた手の頃、「魚の内臓をグチャグチャと手でかき出すなんて、気持ち悪くって無理だぁ~!!」と思っていました。けれど気持ちよくスルッ!と処理できちゃう方法があるので、そちらをお試しくださいね。
ゆっくり引き出すことがコツですが、これが難しい方は
お腹の穴から1センチくらい頭側に少し切れ目を入れてから引き出すと、もっと簡単にスルッ!と抜けますよ。
大きすぎる時は、身を真っ二つに切ってしまいます。よく見かける状態ですが、切る時は真ん中あたりでナナメに切るとうまくいきます。
また調理によっては三枚おろしの方が向いている場合があります。とっても難しそうな気がしますが、こちらの動画はとても丁寧に解説されていて、料理初心者でもわかりやすいのでチャレンジしたい方は参考にしてくださいね。
秋刀魚が一番美味しい時期はいつ?店頭で鮮度を見分けるには?
9月~10月いっぱいくらいが秋刀魚の旬なので、その頃には山積みになった生の秋刀魚をよく見かけるようになります。旬の魚は脂がのっていて美味しいですよね。
実は冷凍で売られている秋刀魚は一番旬の時期に捕れた魚を急速冷凍しているので、旬の終わり頃になると、生魚よりも冷凍の方が美味しかったりします。
美味しい生の秋刀魚が出回る季節でも、スーパーで山積みにされている中から「より活きの良い美味しい秋刀魚を買いたい!」という時に気をつけるポイントはこちらの3つです。
- 目が濁っていないもの
- 丸々と太っている
- 全体に光沢がある
- 下あごの先端がほんのり黄色いこと
下あごの黄色は秋刀魚ならではの特徴ですが、「目が濁らず澄んでいる」「丸々と太っている」「光沢がある」は他の魚の鮮度を見極める時にも使える基準ですので、この機会にぜひ覚えておいてください。
ちなみに秋刀魚についている血や傷は水揚げの時についてしまうものなので、鮮度で選ぶ時にはあまり気にしなくて良いです。見た目を気にするなら傷は避けたいかなぁというくらいですね。
~秋刀魚の刺身はお店で食べるもの!~
秋刀魚の刺身は、飲食店でもなかなかお目にかかることがない料理です。最近では冷凍技術の進歩などによって100円の回転寿司でも秋刀魚が食べられたりしますが、本来は素人が手を出さない方がいいものなんです。なので、よほど調理に自信がないかぎりやめておきましょう。
秋刀魚には寄生虫アニサキスの危険が潜んでいるので、スーパーなども、旬で新鮮な状態であっても刺身としての販売はしないところがほとんどです。アニサキスの特徴は
- アニサキスの食中毒は激しい腹痛や嘔吐が起こって辛い
- 半透明の糸のような寄生虫で、肉眼で見つけることもある
の2つ。寄生虫は内臓にいるので、新鮮な秋刀魚を手に入れて刺身で食べたいと思っている場合は、買って来たら早めに内臓を取り除くと良いでしょう。
また加熱すれば問題ないので、普通にスーパーで買ってきて塩焼きにする場合は神経質にならなくても大丈夫ですよ。あくまで気をつけるべきなのは刺身にする時です。
日持ちさせたい!秋刀魚の冷凍保存はどうすればいい?
生の魚は基本的に買ってきた当日の調理をオススメします。どうしたって鮮度が落ちやすく、生臭くなってしまいますから。どうしてもという場合は、一度冷凍してしまいましょう。
<秋刀魚を冷凍保存するコツ>
- 血抜き(血をきれいに洗い流す)をしてから保存
- 頭も取った方が鮮度が保たれる
- キッチンペーパーで水けをよく拭き取ってラップで1匹ずつ包む
- 金属トレイの上に重ならないように並べて急速冷凍にするとよい
- 保存に向いているのは旬の9~10月頃に出回る生の秋刀魚のみ
血が生臭さの一番の原因!なのできちんと洗い流し、水けをしっかり拭き取ってから保存しましょう。頭の部分は血が多いため、冷蔵・冷凍どちらの場合でも頭を取っておいた方が鮮度が保たれます。
旬の時期以外に出回る秋刀魚は、旬の時期に捕れた魚を冷凍したものです。冷凍食品で購入して冷凍状態のまま保存するならかまいませんが、生の状態に解凍されてしまった魚を再冷凍すると味がかなり落ちてしまうので冷凍保存には向いていないんです。
なるべく鮮度を保ちたいので、早く凍るように金属トレイに並べてから冷凍庫に入れるのがオススメです。
いきなりジップロックなどの密閉袋に入れて冷凍庫に放り込んでしまうと、中で魚がくねっと曲がった状態で凍ってしまうことがあります。平らなところで凍ってから袋に移し替えてくださいね。
塩焼きをこんな方法で作ります!とっておきの裏技を紹介!
秋刀魚の塩焼きを作る時の裏ワザや、私が過去に失敗した時を参考に失敗しやすいポイントについてもまとめてみました。項目別にどんどん出していきますので、気になる情報をピックアップしていってくださいね!
私の塩焼きって、なんだか生臭い…
- 水けをキッチンペーパーでしっかり拭き取る
- 血をしっかり洗い流しておく
私も雑な性格なのでやったことがありますが、水けを拭き取りきっていないと塩焼きが水っぽくなり、生臭さを強く感じる仕上がりになってしまいます。
見た目が悪くなっちゃう…
- 半分に切る時は、身の真ん中あたりをナナメに切る
- フライパンで焼く時はこびりつかないようにホイルシートを敷くと良い
- エラとしっぽに骨だけ残した切り込みを入れておくと、焼いた後に頭を引っ張れば骨が抜ける
みりんで焼き時間を短縮!
- 10倍に希釈したみりんをサンマ全体にハケで塗る
- 塩をふる
- 予熱した魚焼きグリルで焼く
この3ステップでOKの簡単な方法です。焼き時間はご家庭のグリルの特性に合わせて調整してくださいね。
【焼き時間の目安】
- 両面焼きグリルの場合は強火で7分
- IHグリルの場合、200gを超える大きな秋刀魚は8分加熱
- 片面焼きグリルの場合は表5分+ひっくり返して4分
目安を参考にグリルで焼いたら、取り出してから皿の上で2分ほど余熱を入れてくださいね。
フライパン派でもグリル派でもOKな裏ワザ!
オイルを薄く塗ってから塩をふって焼くと、ふっくらした仕上がりになります。
【材料(秋刀魚3匹分)】
- サラダ油またはお好みのオイル…大さじ1
- 塩…小さじ2
オリーブオイルやグレープシードオイル、えごま油などお好みのオイルでOKです。
いつも同じ塩焼きで飽きちゃった…という方はオリーブオイルなどの香りの良いオイルを使い、付け合わせに大根おろしではなく甘酢漬けを添えるなどして違った味わいにするのも楽しいですよ。
はらわたも食べたい!秋刀魚はここが旨い!
先ほど秋刀魚の内臓を取り出すコツとして動画もご紹介しましたが、秋刀魚の内臓って一本だけズルズル~っと出てきますよね。
実は秋刀魚の内臓は胃や腸の区別のない長い消化管が1本あるだけというシンプルな構造になっていて、消化も早いんです。そのため排泄物なども残っておらず、えぐみのないほろ苦さで美味しく食べられるというわけなんですね。
ですが私自身、食べ慣れている方は「これがうまいんだ~!」と言っているけれど、自分ではそんなに美味しく感じないです。
そういう方は強い苦味やえぐみに感じる原因である血液やその分解物の多い心臓や肝臓の部分を除いてしまえば、美味しく食べられるかもしれませんよ。
秋刀魚の心臓は三角形をしていて分かりやすいですし、よくわからない方は下処理でご紹介した方法を参考に、
頭を取って内臓を前の方3分の1くらいだけ引き出して包丁で切落す
という方法で除去してみてください。
まとめ
- 秋刀魚の鱗はあまりついていないことが多く、塩焼きなら気にならない人も
- 包丁でなでるように軽くこすれば鱗は簡単に落とせる
- 秋刀魚の旬は9~10月いっぱいが目安
<秋刀魚の下処理:基本の手順>
- 秋刀魚を塩水(水1リットルに対し塩は大さじ1)で洗う
- 水けをよく拭き取る
- はらわた(内臓)を取る
<活きの良い秋刀魚の見分け方>
- 目が濁っていないもの
- 丸々と太っている
- 全体に光沢がある
- 下あごの先端がほんのり黄色いこと
<秋刀魚を冷凍保存するコツ>
- 血抜き(血をきれいに洗い流す)をしてから保存
- 頭も取った方が鮮度が保たれる
- キッチンペーパーで水けをよく拭き取ってラップで1匹ずつ包む
- 金属トレイの上に重ならないように並べて急速冷凍にするとよい
- 保存に向いているのは旬の9~10月頃に出回る生の秋刀魚のみ
<秋刀魚の調理のコツ>
- 生臭さの一番の原因は血!きちんと洗い流しておこう
- 特に保存する場合には血をきれいに洗っておくことが大切
- 生臭さや水っぽい仕上がりの原因になるので、水けをよく拭き取ること
- みりんを塗ると焼き時間が半分~3分の2くらいまで短縮できる
- オイルを塗ってから塩をふって焼くと塩焼きがふっくらと仕上がる
- はらわたの苦味が気になる人は、前から3分の1くらい(心臓や肝臓の部分)を取り除くと良い
スーパーで売られている秋刀魚は、頭がある状態のものと、頭を取り除いてパックで売られているものがありますよね。頭が取ってある時は一緒に内蔵も取り除いていて、面倒な下処理をしなくていい状態であることが多いです。
仕事帰りにスーパーに寄って買い求める方などは、一匹まるごとの状態よりも、頭や内臓を取り除いて処理してある方が鮮度が保たれていてオススメです。
「生の魚を触るのは嫌だけど、美味しい秋刀魚が食べたい!」という方は、塩焼きの秋刀魚を買ってきて炊き込み御飯にするのはいかがでしょうか。一度焼いてから冷めた魚を温め直すとパサついたりして美味しくないですが、炊き込み御飯ならしっとり仕上がってくれます。
我が家では毎年リクエストがあって作っているんですが、炊飯器は使わず、土鍋や煮込み鍋に米・こんぶ・調味料・塩焼きの秋刀魚を載せて炊き込み御飯にして食べることが多いです。生姜やネギといった薬味をのせ、好みで醤油をひとたらし…とっても美味しいんですよ。
また今回ご紹介した方法はどれも簡単な手順ですので、この機会にぜひ秋刀魚料理にチャレンジしてみてくださいね。