【執筆者:編集部 杉田このみ】
1000ルーメンの明るさは部屋の照明には暗く不十分ですが、目安として玄関や洗面所のような狭い空間に適しています。
従来明るさの単位として使われてきた『ワット』は消費電力を表すため、光のパワーを表す『ルーメン』に換算すると明るさの目安が分かりやすくなります。
ランタンをキャンプや防災のために使用する場合、1000ルーメン以上あるとメインランタンとして活躍できます。
屋内・屋外で快適に過ごすための照明の選び方について調べたことを次のようにまとめて解説します。
1000ルーメンの明るさ のこと
- 1000ルーメンの明るさの目安
- 照明に関する単位の特徴と違い
- LEDは白熱電球よりも優れた省エネ効果があるのか
- キャンプで使うランタンのおすすめな明るさや特徴
部屋の照明をLEDに買い替えたいけど何ルーメンが何ワットなのか、どれくらいの明るさが今の部屋に合うかわからない人や、キャンプ・防災のためのランタンは充電式・電池式どちらがいいのかを悩んでいる人はぜひ参考にしてくださいね。
目次
1000ルーメンの明るさ目安は2.5畳|広い部屋ならどれくらいか
部屋の広さに合う明るさの選び方として、『部屋の畳数×400ルーメン』が目安になります。
この計算を参考にすると、1000ルーメンの照明は2.5畳程度の部屋に適しており、リビングやダイニングのような広い部屋で使用するには明るさが不十分でおすすめできません。
畳数 | 間取り例 (最小の目安) |
明るさの目安 (ルーメン) |
---|---|---|
~3畳 | 脱衣所兼 洗面所兼 洗濯室 |
~1200 |
~4.5畳 | キッチン | 2200~3200 |
~6畳 | 子供部屋・書斎 | 2700~3700 |
~8畳 | 寝室 | 3300~4300 |
~10畳 | ダイニングキッチン | 3900~4900 |
~12畳 | ワンルーム | 4500~5500 |
~14畳 | リビングキッチン | 5100~6100 |
同じ畳数でもカーテンや壁の色で明るさの感じ方が変わるほか、若年者と高齢者によっても明るさの目安が変わります。
光の色と広がりについて(※1)
【光の色】
◎電球色:温かみのある光色
リビングや寝室のようなくつろいでリラックスする目的の部屋に適している
◎温白色:明るく落ち着きのある光色
リビングやダイニングのような団らんできる様々な場所に適している
◎昼白色:自然に近い生き生きとした光色
キッチンやダイニング・メイクをする洗面台に適している
◎昼光色:青みがかったすがすがしい光色
勉強や読書をする書斎・子供部屋に適している
【光の広がり方】
◎全方向が明るい:カバー全体にも光が広がる、ペンダントライト・シャンデリア・ブラケットライト・フロアスタンドに適している
◎下方向が明るい:一方向に光が必要な、ダウンライト・スポットライトに適している
1000ルーメン以下の明るさに関してはこちらの記事をチェックしてくださいね。
同時にこの記事も読まれています
明るさを比較する際にワットやルクスをよく耳にしていると思いますが、単位によって表現するものが違います。
ワット数は消費電力|照明の単位と特徴比較一覧表
従来明るさの目安にしていたワット数とは消費電力の単位であるため、明るさそのものはルーメン値で表します。
単位 | 意味・特徴 |
---|---|
ワット(W) | 【消費電力】 高いと明るさが強くなる性質 |
ルーメン(lm) | 【光束】 ・光源から放射される光の総量 ・光のパワー、明るさ |
ルクス(lx) | 【照度】 ・照らされた面の明るさ ・その位置にどれだけ光が入っているか |
カンデラ(cd) | 【光度】 ある方向にギュッとまとめた光の強さ |
ケルビン(K) | 【色温度】 ・光の色を決定する ・高い→青白い、低い→赤っぽい |
ルーメンをワット換算するには早見表を使うとわかりやすくて便利ですよ。
1000ルーメンは何ワットか|LED電球のワット換算早見表
電球の種類や形状にもよりますが、日本電球工業会の基準を参考にすると、1000ルーメンは75~80ワット相当です。
白熱電球サイズ | |||
---|---|---|---|
口金E26 | 小形E17 | ||
区分 | 40形 | 485ルーメン以上 | 440ルーメン以上 |
60形 | 810ルーメン以上 | 760ルーメン以上 | |
100形 | 1520ルーメン以上 | 1430ルーメン以上 |
同じワット数でもメーカーによって明るさが異なるため、電球購入の際にはルーメン値を参考に購入すると良いでしょう。
家庭用照明を白熱電球からLEDに変えることが増えてきましたが、LEDが普及したのはどうしてでしょうか。
LEDは従来の電球より省エネ効果が高く寿命が長い
LEDは価格が高いものの消費電力が少なく、優れた省エネ効果をもたらすことから、白熱電球からLEDにシフトするという政府の方針により2010年代頃から普及しています。
- 消費電力が少ない分、CO2排出量も減るため環境にやさしい
- 電球の寿命が長いためトータルコストがお得
- ON/OFFを頻繁に繰り返しても寿命に影響しない
- 熱や紫外線が含まれないため物を傷めにくく、虫が寄り付きにくい
- 有害な水銀を含まないため環境に配慮されている
従来の電球とLEDの寿命・消費電力の違いを見ていきましょう。
種類 | 寿命 | 消費電力 |
---|---|---|
白熱電球 | 約1000時間 | – |
蛍光灯 | 約6000~10000時間 | 白熱電球の1/4 |
LED | 約40000時間 | 蛍光灯の3/4 |
長期間使用できることから、キャンプや防災のために使用するランタンもLEDがおすすめです。
キャンプで使うランタンは明るさが1000ルーメン以上あると安心
キャンプで使うメインランタンの場合、夜の屋外を明るく照らすには1000ルーメン以上あるとキャンプサイト全体を照らすことができます。
タイプ | 目安 | 用途・特徴 |
---|---|---|
メイン ランタン |
1000 ルーメン 以上 |
・足もとやテント周りまで照らす ・光量が大きいランタンが良い ・吊り下げると全体が明るくなる |
テント ランタン |
100~400 ルーメン |
・テント内で過ごすときに照らす ・小光量で調光機能つきが多い |
テーブル ランタン |
・虫が寄ってくるため 明るすぎないものが良い ・テーブルの雰囲気作り にもおすすめ |
これからキャンプをはじめたいけど、どんなランタンを選んでいいかわからないと思っている人もいますよね。
ランタンの種類と選び方|雰囲気作りにも効果的
ランタンはキャンプの夜の雰囲気作りに一役買ってくれる重要なアイテムですが、種類によって明るさや燃料・メンテナンス方法に違いがあります。
種類 | 特徴 |
---|---|
LED ランタン |
・電気をエネルギーとする(電池・充電) ・火を使わないためテント内でも安心 ・光の色を変えられる商品もある |
オイル(灯油) ランタン |
・灯油やパラフィンオイルを使う ・燃料の値段が安く長持ちする ・炎が揺らめくのが魅力 ・灯油独特のにおいがある |
ガソリン ランタン |
・燃料はホワイトガソリン ・光量が大きく明るい ・メンテナンスに手間がかかる ・テント内では使用不可 |
ガス ランタン |
・燃料はOD缶やCB缶 ・光量が大きいが燃焼時間が短い ・寒冷地では点火しづらい |
キャンプ好きでガソリンランタンを使っている人はこんな意見の人もいますよ。
ガソリンランタンのメンテナンス👌
ジェネレーターも交換です!手間がかかるけどそれがいい!
焚き火とかもそうだけど、それもキャンプの醍醐味だったりしますよね😁 pic.twitter.com/SOv5g3E6GK— ミッチー@キャンプ日和 (@campcajon) September 16, 2019
これからキャンプデビューという初心者さんは、メンテナンスや燃料の調達が楽なLEDランタンがおすすめです。
充電式と電池式は双方にメリットデメリットがある
安全で手軽に使えるLEDランタンですが、給電方法でもタイプが違いメリットデメリットがあります。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
充電式 | ・ランニングコストが 安い ・電池交換不要 ・モバイルバッテリー でも給電できる |
・使用前に充電が必要 ・充電に時間がかかる |
電池式 | ・電池交換で使える ・電気の供給が 止まっても使用可能 ・連続で長時間使用可能 |
・交換の電池代が かかる ・予備電池で荷物が 増える |
こちらの動画ではLEDランタンの、充電式と電池式の違いを詳しく説明してあります。
動画で紹介されていたランタンと同じものは、ネットでも購入できますよ。
ランタンの種類は様々ですが、それぞれの明るさの違いやメリットとデメリットを知ったうえで選んでみてくださいね。
結論|屋内照明で1000ルーメンの明るさの目安は2.5畳程度の部屋
- 1000ルーメンは2.5畳程度の部屋なら十分な明るさ
- 部屋の広さに対する明るさの目安は『畳数×400ルーメン』
- ルーメンは光の総量を表す単位
- LEDは寿命が長く消費電力が少ないから省エネ効果が高い
- キャンプのメインランタンには1000ルーメン以上必要
1000ルーメンの明るさは、部屋の照明にはやや暗く不十分ですが、目安として2.5畳程度の部屋には適しており、キャンプのメインランタンとしても使えます。
LEDは価格が高いものの消費電力が少なく優れた省エネ効果をもたらすため、今後照明を購入・交換する際はLED電球を選ぶのがおすすめです。
単位の換算表も活用して、快適に過ごせる照明を選んでくださいね。