来客時にお茶出しをする際には正しい作法を守ることが社会人として身につけておくべきマナーの一つです。
夏場は冷たい飲み物が好まれるのでアイスコーヒーを出す機会が増えますが、あなたはアイスコーヒーの正しい出し方をご存知でしょうか?
いざという時に役立つアイスコーヒーの正しい出し方を以下の項目でわかりやすく説明します。
- アイスコーヒーの出し方の基本的なマナーと必要なもの
- その他、準備しておいたほうがいいものとは?
- おかわりの準備はするべき?するならなにを準備する?
- アイスコーヒーはインスタントでもOK?どんなものがふさわしい?
数ある社会人のマナー。本で読んで勉強していても、いざ会社へ入ってみると本にも載っていない細かいことにもマナーがあったりしますよね。
お茶出しも、その一つ。初めてのお茶出しの際は、細かく教えてもらうこともあるでしょうが、数回もすれば1人でするようになると思います。
私も新人のときはそうでした。
昔話になりますが、会社にも慣れ、1人でお茶を出すのに慣れてきたころ…上司から「今日はアイスコーヒーをお出しするように」と言われたことがありました。
簡単にアイスコーヒーの置き場所や、グラスなどの説明は受けましたが、あとは1人でよろしくね、と立ち去っていく上司…。
あたふたと準備しましたが、結局コースターを忘れてアイスコーヒーを出してしまいました。
こちらの記事をお読みの方の中にも、アイスコーヒーの出し方のマナーについて、よくわからない、ちゃんと確認したいと考えている方がいらっしゃると思います。
私のような失敗をしないためにも、この機会にぜひ一緒にアイスコーヒーを出すときのマナーを確認していきましょう!
目次
アイスコーヒーの正しい出し方!失礼にならないマナーとは?
それでは、さっそくアイスコーヒーの出し方の基本的なマナーをご紹介していきまます!
意外と知らないマナーがあるかも…?
アイスコーヒーを出すときに必要なもの
初夏になると、お客様へお出しする飲み物を暖かいものから冷たいものに変える会社はたくさんあります。アイスコーヒーを出す会社もめずらしくありません。
アイスコーヒーを出す時に必要なものは以下の通りです。
- グラス
- コースター
- ガムシロップ
- フレッシュポーション
- 冷たいおしぼり(一緒に出すと喜ばれる)
- ストロー(必要に応じて)
・アイスコーヒーを出す前の準備
まず、お盆に人数分のコースターを重ね、コースターの横に人数分のアイスコーヒーを入れたグラスと ストロー、フレッシュポーションを乗せて持っていきます。
お盆に乗せて運ぶ際は、不測の事態に備えてシミや黒ずみのない乾いた綺麗な布巾も持っていくと、いざというとき手際よく片付けられます。
一度に数個のグラスをお盆で運ぶのは、慣れないうちは緊張します。
私は、学生のころに飲食店でアルバイトをしていたので、お盆でグラス等を運ぶのには慣れていました。それでも新人という立場からお茶出しは大変緊張しました。
家で一度でも練習しておくと、要領が分かり会社で安心できますよ!
さて、アイスコーヒーの準備はできましたが、どうやってお出しするのがマナーなのでしょうか?
先にシロップなどを置くのが正解?それともコースターを先に並べて置く?
こちらも、マナーに沿った出し方がありますので確認していきましょう!
アイスコーヒーの出し方はコーヒー&コースターのセットから
多くの会社の来客室には、メインのテーブルとは別にサイドテーブルがあると思います。
今回は、サイドテーブルがある前提でアイスコーヒーの出し方を説明していきますね!
・1人で1人に対して配る場合は、どうする?
アイスコーヒーを出すのに必要なものをお盆に準備したら、声をかけ部屋に入室して、サイドテーブルにお盆を置きます。
最初にお客様に差し出すのは、コースターとグラスです。
コースターを先に置いて、グラスをあとで載せましょう。
グラスとコースターの持ち方は、コースターは左手、グラスは右手で乗せた状態で素早く置いていきます。
ガムシロップ、フレッシュポーションを片手にのせ、余った手は手の平から溢れ落ちないように支え、グラスの横に添えます。
ガムシロップ・フレッシュはテーブルに直に置かず、紙ナプキンを敷くか陶器やガラスの器などに入れて出すと品が良い感じになりますが、会社によってやり方が違うので上司に確認しておいたほうがいいでしょう!
ストローはグラスの前なら横、右横なら縦に置きます。
文章にするとややこしく感じるかもしれませんが、やってみると簡単なことなので一度家で試してみるといいかもしれません!
もし、上記のマナーから少し間違えても慌てず、静かに間違いを訂正するか、場合によってはそのままにしておきます。
・ワンポイントアドバイス
サイドテーブルがない場合は、アイスコーヒーをお出しするテーブルの端(下座の方)に置いてください。
また、立ったままアイスコーヒーをだすのではなく、少し腰を下げて出すようにすると印象がよいです。
以上を踏まえれば、マナーに則ったアイスコーヒーの出し方が出来るかと思います!
さて、さきほど「おしぼりを出すと喜ばれる」とお伝えしましたが、おしぼりを出す場合はどのタイミングでお渡しするのがベストなのでしょうか?
実は、おしぼりを出す順番にもきちんとマナーがあります。
おしぼりを一緒に出すなら何よりも先に!
暑い夏、おしぼりはなんのために出すのかと言えば…「暑かった」「手が汗でべたつく」「汗を拭きたい」と考える来客の方に一息ついてもらうためなので、おしぼりは最初にお出ししましょう!
袋入りならお客様の手前に横向きで置きます。漢字の「一」になるような置き方です。
おしぼりとして小さいタオルを用意している場合は、おしぼり受けに乗せた状態で手前に置くようにしましょう。置く向きは先ほどと同じです。
おしぼり一つにも、置く向きがあったんですね!本当に、マナーの世界は奥が深いです。
お客様が1人ということを想定していましたが、人数が多い場合はどうしたらいいのでしょう?
人数が多い場合、小物は器に入れて差し出せばグッと印象があがる!
1人で配るのも大変なくらい来客が複数人で訪れた場合は、2人で配るのが一般的です。
1名がお盆を持って、他の1名が一客ずつアイスコーヒーを配ります。
あるいは、出来るだけドアに近いテーブルの端あたりに一旦お盆を置き、そこから一人分づつ差し出していくという方法もあります。
アイスコーヒーに添える小物(ガムシロップ、フレッシュなど)は、陶器やガラスの器にまとめて入れておき、その器を皆が取りやすい位置に置くと見栄えもよく、使い勝手が良いです。
こちらも、会社などでやり方が変わってくるかと思いますので、一緒にお出しする人と事前に確認しておくといいですね!
おかわりはアイスコーヒー以外のものを用意すべし
お客様によっては長い時間、商談等される場合もあると思います。
そのときは、おかわりを用意して差し上げるのが、おもてなしのマナーです。
2杯目はアイスコーヒーを差し出さず、麦茶か煎茶に変えて出す方が良いでしょう。
2杯目を出す場合は、使用していたアイスコーヒーの入っていたグラスと使っていたコースターも引き下げ、新しいものを準備してください。
もしかしたら、おかわりを出すことで恐縮されるお客様もいるかもしれませんし、冷たい飲み物だからお腹が冷えるのでこれ以上飲みたくない!と思う方もいます。
2杯目を出す際は、とくに笑顔で応対するよう心がけ、無理に勧めずに相手の負担にならないようにしましょう!
ここまで、アイスコーヒーを出すときのマナーについて書いてきましたが…。
そもそも、来客にお出しするアイスコーヒーはどんなアイスコーヒーを出していますか?
ペットボトル入りのもの?それとも、豆から淹れて冷やしたもの?まさか、インスタントコーヒーで作ったもの、ということはないでしょうか。
来客用のアイスコーヒーをきちんと用意しておくことも社会人として知っておくべきマナーの一つです。
インスタントの粉でアイスコーヒーを出すのはNG?
コーヒーと一口に言っても種類がたくさんあり、缶やペットボトル入り、インスタイントコーヒー、コーヒーマシンで淹れたもの、コーヒーチェーンから会議用に配達してもらう場合もあると思います。
社員が日常的に飲むコーヒーについては、どんなものでもかまいませんが、やはりお客様にお出しするなら、それなりのものを準備しておくのがマナーかと思います。
来客用のアイスコーヒーを用意するのがマナー
いつも社員が飲んでいるインスタントの粉コーヒーを少しのお湯と水道水、氷を入れてお客様に出すということをしているなら、今すぐにやめておきましょう。
来客用と社員用は分けるべきです。
アイスコーヒーを作る手間を省くためにも、市販のアイスコーヒーパックを冷蔵庫に入れておくと便利ですしお客様にも失礼になりません。
来客用にぴったりのアイスコーヒーを紹介しますのでぜひ参考にしてください!
・アイスコーヒー用のグラスなどが無い場合
また、グラスが紙コップしかない会社もあると思います。
親しい間柄の取引先ならそれも許されるかもしれませんが、新しい取引先として来客したお客様だと会社の質が低いと見られてしまいます。
やはり、飲み物をお出しするなら、きちんとしたグラスにコースター、そしてガムシロップ、フレッシュじゃ小さなトレイにのせて出す方が、おもてなしになるかと思います。
コースターがなければ、紙ナプキンを敷くか、1人用のトレイにのせて出すのもいいでしょう。
小物を置く陶器やガラスコップは安くても見栄えのいい業務用が100均ショップでも売られているので、買い揃えてもらうよう上司にお願いすつのも手だと思います。
また、どうしてもグラスがなくコップが陶器しかない場合、アイスコーヒーが入っているのがわかるように氷を浮かべるとか、一言「アイスコーヒーです」と伝えて出すと良いと思います。
陶器に入っている飲み物は、通常は熱いものが入っていると思われるため、口をつけて驚かせてしまうこともあります。
ないものはないなりに気を遣ってフォローすると、心遣いの印象が強く残るかと思います。
ストローひとつとっても、袋に入っていないストローは、お客様の立場になれば人が触って置いたストローを使うということになります。
アイスコーヒーに予めさしてお出ししても、安っぽく扱われたような印象を持たれてしまうことも。
せめてお客様用は安くても袋入りのストローを揃えるようにしましょう。
たかがお茶出し、と思う人もいるかもしれません。
でも、お茶を出すときの備品の有無や出す際のしぐさややり方で、会社の質も見られていることは忘れないようにしたいですね!
まとめ
社会人として生活するなら、避けては通れない会社でのマナー。その数は、あまりに多く全てを把握するのは難しいと思います。
お客様にアイスコーヒーを出す、という一見すると簡単なことにさえ、こんなにもたくさんのマナーがあります。
なかなか覚えられないかもしれませんが、簡単にアイスコーヒーを出す際のマナーについてまとめましたのでご覧ください。
- アイスコーヒーを出す際に必要なものをお盆に乗せる。
- おしぼりやストロー、小物を入れるお皿など細部まで見栄えよくすることを心がける。
- アイスコーヒーを出すときは、コースターとグラスをセットにして置く。小物はそのあとに置く。
- おかわりは、アイスコーヒー以外の飲み物を準備しておく。
- グラスなど必要なものはきちんと揃えておく。
- インスタントコーヒーは出さない。
- お茶出しから、会社の評価がされることもあると、肝に銘じておく。
たかがお茶出し、されどお茶出し。大きな仕事ではありませんが、会社の本質が現れるものであり、来客の目は厳しいものです。
私も、来客として会社に招かれることがありましたが、こういったお茶出しの際は、出してくれた人の雰囲気やマナー、備品の質までチェックしていたこともあります。
遊びでなく仕事できていますので、信頼できる会社か判断するのも、仕事の一つなのです。
こういったお茶出しなどの仕事は、普段の生活でしているわけではありません。すぐにさりげなくスマートにできるものではないので、できれば家で練習はしておいた方が良いと思います。
また、ホテルのレストランなどでどう出されているか、給仕さんの立ち振る舞いからコースターの出し方までチェックしておくと参考になるかと思います。
大変だな、と思うかもしれませんが、一度身に着けてしまえば一生役立つマナーです。
今回の記事を参考に、マナーを体得していただければ、と思います!