【執筆者:編集部 佐々木なるみ】
グレープフルーツは食べ過ぎると下痢のような体に悪い影響が出るおそれがあります。
さらに、体に良いといわれる栄養成分であっても、過剰摂取すると思わぬ危険を引き起こす可能性があるため、正しく理解しなければなりません。
この記事では、グレープフルーツを食べる上で覚えておきたいデメリットやメリットについて詳しく紹介します。
グレープフルーツのこと
- 健康に悪いといわれる理由
- 食べ過ぎるとどうなる
- ダイエット中に食べてもいいのか
- 栄養成分について
グレープフルーツを食べると痩せるのか太るのか、気になる人はぜひこの記事を参考にしてくださいね。
目次
グレープフルーツは健康に悪い?デメリットや副作用を紹介
グレープフルーツを食べ過ぎると、糖質が原因で体に悪い影響を及ぼすおそれがあります。
下痢 | 水分の摂り過ぎ |
---|---|
中性脂肪の増加 | 糖質の摂り過ぎ |
心臓に負荷がかかる | カリウムの摂り過ぎ (肝臓機能が低下している人の場合) |
体に良いといわれるミネラルであっても、場合によっては健康に悪い影響を与える危険性もあります。
肝臓機能が低下している人は、医師の判断のもとグレープフルーツを摂取してください。
水分量が関係?食べ過ぎは慢性的な下痢になる
体調を崩して下痢気味の時は、グレープフルーツを食べない方がいいでしょう。
グレープフルーツ100gに対して約89gの水分が含まれており、水分の過剰摂取で下痢症状が長引く可能性があります。(※1)
また、グレープフルーツに含まれる糖分も、過剰摂取すると腸の消化・吸収がうまくできず、下痢を引き起こす可能性があると考えられています。
いずれにしても、もともとお腹を壊しやすい人や、体調を崩している人は食べないのが望ましいです。
カロリーと糖質量をチェック!ダイエット中に食べていいのか
グレープフルーツはカロリーが高くないので、痩せる効果はありませんが、適量であればダイエット中に食べても問題ないでしょう。
しかし、注意しておきたいのが糖質量で、糖質の中でも特に果糖は、キウイやみかんよりも多く含まれています。
ブドウ糖や果糖、ショ糖などの単糖類、砂糖のような二糖類、でんぷんやオリゴ糖などの多糖類を総称して糖質といいます。
果糖とは糖質の最小単位である単糖類であり、主に甘さに関係する成分です。(※2)
通常、この果糖はブドウ糖のようにエネルギーとして使われますが、過剰摂取するとエネルギーとして使われずに余った分が、肝臓で中性脂肪に変換されます。
果糖はブドウ糖と違い血糖値の上昇に直接関係しているわけではないので、適量であれば体に良い効果をもたらすと考えられています。
しかし、過剰摂取すると太る可能性もあるのです。
近年、太るからという安易な考え方で、糖質抜きの食事をする人が増えています。
そういった誤った食事法を見直そうと、あくまでも糖質をきちんと摂取する「健康的な糖質制限」を意味するロカボ(Low Carbohydrate)という考え方が提唱されています。
(1食20〜40gの3食分+間食は10g)
健康的な人であればそれほど気にする必要はありませんが、糖質オフを心がけていた人は、上記の数値をもとに、いま一度、糖質量を見直してみましょう。
あくまでも、糖質ゼロと糖質の過剰摂取に注意することを心がけてくださいね。
肝臓に悪いのは本当?カリウムの過剰摂取に要注意
腎臓機能が低下している人は、カリウムを上手く排出できないため、カリウムの摂取量を制限する必要があります。
そのため、可食部100gに対してカリウムが約140mg含まれているグレープフルーツの食べ過ぎは危険でしょう。
健康的な人であっても、高カリウム血症のような症状も懸念されるため、下記の数値を目安にしておくといいですよ。(※3)
男性:1日2,500㎎
女性:2,000㎎
高カリウム血症について、より詳しく知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。
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どんな成分であっても過剰摂取は健康を害する可能性があります。
ただ、カリウムには健康効果も期待できますよ。
グレープフルーツは体に悪いだけじゃない!栄養素について
グレープフルーツには、健康効果が期待できるβ-カロテンやビタミンCなどが多く含まれています。
カリウム | ナトリウムとのバランスを取る |
---|---|
果糖 | アルコール分解をサポート |
β-カロテン | 体内でビタミンAに変換 |
ビタミンC | 体の機能を正常に保つ |
肝臓機能が低下している人は、カリウムの摂取量に注意しなければなりません。
しかし、高血圧や高血圧予備軍の人であれば、カリウム摂取によるうれしいメリットが期待できます。
高血圧やむくみ対策になる?効果的な食べ方を紹介
適量のカリウム摂取であれば、血中ナトリウムとのバランスが保たれ、高血圧やむくみに対して効果的に働くでしょう。
さらに、果糖はアルコールの代謝をサポートする働きがあります。
おすすめの食べ方は、朝や昼にそのまま食べることです。
生クリームや砂糖のようなものをプラスすると、糖質だけでなく脂質が増えます。
さらに、グレープフルーツに含まれる糖質を夜に摂ると吸収されやすくなるため、夜の摂取は控えたほうがいいでしょう。
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注意しておきたいのが、薬との飲み合わせです。
血圧の薬を飲んでいる場合は、グレープフルーツ摂取によって血圧低下作用を強めてしまう危険性があります。
結論|下痢気味や肝臓の悪い人はグレープフルーツ摂取を控えよう
- 食べ過ぎると下痢が慢性化する
- ダイエット中に食べても大丈夫
- 食べ過ぎると中性脂肪が増える
- 腎臓機能が低下している人はカリウム摂取量に注意
- 高血圧やむくみ予防に期待できる栄養素も豊富
グレープフルーツを食べ過ぎると下痢になったり中性脂肪が増えたり、体に悪い影響が出る可能性があります。
しかし、高血圧やむくみに対して効果的な働きが期待できることから、適量を守れば大丈夫でしょう。
体調を崩して下痢気味状態の人や、肝臓機能が低下している人は摂取を控えてくださいね。
参考資料
※1 果実類/(かんきつ類)/グレープフルーツ/白肉種/砂じょう/生 | 食品データベース
※2 果物 | 厚生労働省
※3 カリウム | 厚生労働省