【執筆者:編集部 山上由利子】
ポテトチップスは体に悪いと言われるのは、食べ過ぎにより脂質・塩分・カロリーの過剰摂取となり健康を害するおそれがあるからです。
そのほかにも発がん性の懸念のある物質や添加物を含むため、体に悪い説がいっきに広まっています。
そこでこの記事では安全にポテトチップスを楽しむために押さえておきたい事柄をご紹介します。
ポテトチップスのこと
- 体に悪いデメリット
- 発がん性について
- 体に良い栄養面のメリット
- 体に悪い影響がでない適量とは
大好きなポテトチップスを食べてはいけないと我慢している人にも読んでもらいたい内容です。
この記事を読めばポテトチップスが体に悪いのは本当か嘘か、正しく理解できますよ ♪
目次
ポテトチップスが体に悪いとされる嘘とホント|適量なら問題ない
ポテトチップスが体に悪いと言われるのは、発がん性を懸念されているアクリルアミドを多く含むとされているからです。
ほかにも、食べ過ぎるとカロリー・脂質・塩分の摂り過ぎとなり健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
発がん性 | アクリルアミドを含有 |
---|---|
肥満 生活習慣病 |
高カロリー 脂質の摂り過ぎ |
高血圧・腎臓病の悪化 | 塩分の摂り過ぎ |
食品添加物 | 調味料として通常の使用量なら問題なし 摂り過ぎによる健康被害の可能性 |
炭水化物を多く含む食品を120℃以上の高温で加熱処理すると、食品中のアミノ酸の一種のアスパラギンとブドウ糖・果糖が反応してアクリルアミドに変化します。
国際がん研究機関では人に対しおそらく発がん性があると評価されており、できる限り低減する必要があるとされています。
食品安全委員会では発がんのリスクについては、動物実験の結果や公衆衛生上の観点から、懸念がないとは言えないとし低減に努める必要があると評価しています。
アクリルアミドの毒性が気になりますが、誤解が多いのも事実です。
毒性のあるアクリルアミドを含むのはポテトチップスだけではない
ポテトチップスの重量当たりのアクリルアミドの濃度は他の食品にくらべて多いのは事実です。
しかし他の食品にも少なからず含まれています。
- じゃがいもを揚げたスナック・フライドポテト
- 穀物を原料とする焼き菓子
- コーヒー豆・ほうじ茶葉
- 野菜炒め
農林水産省によるアクリルアミドの含有実態調査委の結果は以下の通りです。
ポテトチップスは菓子類のポテトスナックに分類されています。
ポテトスナック | 0.61 | ||
---|---|---|---|
フライドポテト | 0.23 | ||
ビスケット類 | 0.15 | ||
ほうじ茶(茶葉) | 0.25 |
計算するとLサイズのフライドポテトのアクリルアミドの含有量はポテトチップス1袋(60g)より多くなりました。
なにもポテトチップスだけに問題があるというわけではないようです。
家庭での揚げる・焼く・炒めるなど調理した食品にも含まれるので、アクリルアミドの摂取をゼロにすることは不可能です。
アクリルアミドは麦茶・ほうじ茶・コーヒーにも含まれています。
詳しくはこの記事をチェック!
ほかの食品も含めて日本人の場合は、平均しておそらく0.24㎍/kg/日は摂取していると言われています。
かりに体重60kgの人では14.4㎍くらいを一日に摂取していることになります。
ポテトチップスには約0.61mg/kgのアクリルアミドが含まれており、1袋60g中では36.6㎍となります。
ポテトチップス1袋を食べただけで他の食品で摂る量をはるかに超えていしまいます。
脂質・塩分の摂り過ぎは生活習慣病の原因になる
脂質の摂り過ぎは中性脂肪やLDL-コレステロールを増加させ生活習慣病や太る原因となります。
- 脂肪細胞から体に悪影響を与える物質が分泌され、高血圧・糖尿病・脂質異常症にやりやすくなる
- 血管に余分なコレステロールが溜まると動脈硬化になり、心筋梗塞などの心疾患や脳梗塞などの脳血管疾患が起きる原因となる
ポテトチップスの多くはパーム油と米油を使っていますが、パーム油に多く含まれる飽和脂肪酸は特に体に悪いとして摂り過ぎないことが望ましいとされています。(※3)
ポテトチップスの中には不飽和脂肪酸の米油のみを使用したものもあります。
同じくポテトチップスの食べ過ぎで注意したいのが塩分です。
ポテトチップス1袋60gには約0.6gの塩分が含まれています。
高血圧や腎臓病で塩分を制限している人は特に食べ過ぎに注意が必要です。
塩分の多い食品は胃の粘膜を刺激し、脂っこいものは消化に悪いので、胃痛・腹痛・下痢の原因になることもあります。
じゃがいもは食物繊維が多いので腸内ガスが発生しやすく、おならやお腹が張る原因にもなります。
ポテトチップスを食べるとおならプープーですごいお腹が張る。自重しよ…
— もぎり (@mogiri7) April 8, 2019
味付けとして食塩のほかにうまみ調味料が使用されておりパッケージにはアミノ酸と表示してあります。
多くはグルタミン酸ナトリウムが使われていますが中毒性があるのではないかと言われています。
食品添加物のグルタミン酸ナトリウムは使用量が適切なら問題ない
グルタミン酸ナトリウムが危険だと大きな話題になったのは1960年代のアメリカでした。
チャイナタウンで食事をした人が頭痛や体の痺れなど中毒症状を訴え、その原因がグルタミン酸ナトリウムの使い過ぎとされたことによります。
その後国際的な機関でさまざまな調査が行われましたが、明確な関係は認められないと結論付けられました。
うま味調味料は少量で強い味を感じるため、その味に慣れてしまうと味覚が鈍くなるような気もします。
一説には過剰摂取により亜鉛の吸収を阻害して味覚障害を引き起こす可能性があるとも言われています。
しかし、他の食品添加物と同様に安全性は確認されているので、調味料として通常の量を使用する限りは心配する必要はないとされています。(※4)
ポテトチップスは適量なら健康にうれしいメリットもある
ポテトチップスには水溶性ビタミンやミネラルが含まれています。
おやつの選択肢のひとつとして適量食べる分には栄養も摂れておやつのバリエーションも増えるのでおすすめです。
ポテトチップス | ソフトビスケット | |
カロリー(kcal) | 541 | 512 |
ビタミンB1(mg) | 0.26 | 0.06 |
ナイアシン(mg) | 4.3 | 0.6 |
葉酸(㎍) | 70 | 7 |
パントテン酸(mg) | 0.94 | 0.45 |
ビタミンC(mg) | 15 | 0 |
おやつに食べる分をポテトチップスは60g1袋の1/3、ソフトビスケットは2枚として計算してもポテトチップスのほうがビタミンの含有量が2~11倍多くなりました。
栄養面のメリット|水溶性ビタミンの含有量が多い理由
水溶性ビタミンは熱に弱くフライ加工中に熱分解によって減少します。
しかしポテトチップスに加工する過程で水分が蒸発し栄養素が濃縮し、結果として重量当たりの含有量がじゃがいもよりも多くなっています。
体に悪い影響が出ることなくメリットを活かせる適切な量を確認してみましょう。
健康に良い摂取の目安|カロリーと安全性を考慮
一般的におやつのカロリーとしては200kcal程度が適量といわれています。
食品成分表から換算するとポテトチップスの場合は37g程度が相当し、1袋60gの場合は半分強となりますが、実際にはほかの飲み物なども口にするでしょうから1袋の半分以下にしたほうがいいでしょう。
アクリルアミドの量が気になる人は、緑茶と一緒に食べるようにしましょう。
茶カテキンにはアクリルアミドの発がん性を抑制する効果があるとの報告もあります。
糖尿病の人でもおやつは糖質10g以下であれば食べても血糖値への影響を心配しなくていいそうです。
ポテトチップスの糖質は重量の約半分程度なので、ポテトチップスとして20g(1袋60gの場合1/3)までは食べられる計算になります。
特にカロリーが気になる人にはおすすめの商品があります。
そのほか食塩不使用・無添加など、いろいろな商品があるのでたまに食べるおやつとして楽しんでみてはいかがでしょうか。
結論|ポテトチップスは食べ過ぎなければ体に悪いわけではない
- 食べ過ぎると肥満・生活習慣病になる可能性がある
- 1回量に1袋(60g)は食べ過ぎ
- アクリルアミドの発がんの可能性に注意
- 1回の適量は20g程度
- おやつとしてバランスよく食べれば問題ない
ポテトチップスは食べ過ぎると体に悪いイメージがありますが、適量を守れば問題ありません。
体に良いと言われるものもそればかり食べていたのではバランスが崩れ、健康を害することもあります。
ポテトチップスもメリットを活かして、数あるお菓子のひとつとしてバランスよく取り入れて楽しみましょう ♪