【執筆者:編集部 鍛治千草】
ナチュラルチーズにカビが生えた場合、多少であれば取り除くと食べられることもありますが、体に害を及ぼす危険もあるので注意が必要です。
またチーズの種類によっては、変色していても問題なく食べられることもあります。
食べられない状態との見分け方を知るためにも、この記事では以下について詳しくご紹介していきます。
ナチュラルチーズのこと
- 食べられるカビの状態
- 食べられない場合の見分け方
- カビを防ぐ保存方法と日持ち
- 冷凍と解凍の注意点
チーズにカビが生えて食べられるか悩んでいる人や、冷凍できるか悩んでいる人はぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
カビが生えたナチュラルチーズは食べられるか|状態をよく確認
ナチュラルチーズにはカビが生えることがありますが、内部にまで繁殖しにくいため、表面上に多少発生したくらいなら取り除くと食べられることもあります。
ただし食べると危険なカビもあるので、注意が必要です。
食べられる | ・もとから生えているカビ (白カビ・青カビタイプ) ・表面に生えている少量のカビ |
---|---|
食べられない | ・新しく生えたカビ (特に黒カビや赤カビ) ・白、黒、ピンクなどのフワフワしたカビ ・全体に広がったカビ ・中まで浸透したカビ |
購入後に新しく生えたカビや中まで侵食している場合は食べられませんが、チーズを熟成させるためにもとから利用されているカビや少量の場合は、食べられることもあります。
もとからある白カビや青カビは安全|取り除くと食べられることも
ナチュラルチーズの中でも、カマンベールチーズに代表される白カビタイプや青カビタイプのゴルゴンゾーラなどは、体に害のないカビを利用しているため、食べても全く問題ありません。
どちらのタイプも熟成が進むと変色することもありますが、クセが強くなるものの食べても大丈夫です。
- 白カビタイプ→表面が茶色に変色
- 青カビタイプ→オレンジ色に変色
こんなカマンベール初めて見たから、変色?てびっくりしたけど熟成がより進むと茶色くなるのね。濃厚でむしろ美味しかった。 pic.twitter.com/S7QUPh5ElI
— JRIN (@JRIN_5rainbow) December 19, 2014
このように茶色く変色しても食べられますよ。
ただし熟成が進むと香りが強くなり、最終的には食べられなくなるので、臭いや味に違和感がないかよく確認してくださいね。
そのほかのナチュラルチーズは乳酸菌や凝乳酵素などを利用して熟成させており、これらの菌や酵素の力で内部にまでカビが繁殖しにくいため、表面上にある多少のカビなら取り除けば食べられることもあります。
ナチュラルチーズの種類について
ナチュラルチーズは下記の7タイプに分けられます。
・青カビ → ゴルゴンゾーラ、ロックフォールなど
・白カビ → カマンベール、ブリーなど
・フレッシュ → モッツァレラ、カッテージ、クリームなど
・ウォッシュ → エポワス、ポン・レヴェックマンスティールなど
・セミハード → マリボー、サムソー・コンテ、ラクレットなど
・ハード → エメンタール、グリュイエール、エダム、チェダー、パルミジャーノ・レッジャーノなど
・シェーブル → ピラミッド、バノン、ヴァランセ、サント・モールなど
取り除く場合は、カビの部分と周り5mmほどを削ってくださいね。
広範囲や内部にまでカビが繁殖しているような場合に加え、臭いや味に違和感がある場合も食べると危険なので注意が必要です。
食べられない状態の見分け方|とろけるチーズのカビはNG
購入後に新しいカビが広範囲に生えていたり、味や臭いに違和感があったりする場合は、チーズが傷んで食べられない可能性があります。
見た目 変色 |
赤や黒カビが生えている |
---|---|
臭い 匂い におい |
きついアンモニア臭 |
味 食感 触感など |
・ピリピリとした刺激がある ・苦みがある |
たとえ目に見える範囲でカビを取り除いたとしても、臭いや味に違和感がある場合は食べないようにしましょう。
カビの中には体に悪影響を及ぼすカビ毒を発生するものもあるため、判断がつかない場合は食べない方が無難です。
またとろけるチーズのように、細かくカットしたチーズにカビが生えた場合は、カビの部分を取り除くことが難しく、袋中にカビの菌糸が充満している可能性があるので、食べないようにしましょう。
今朝普通に食べたチーズ、カビてる箇所あるの今更見つけて萎え pic.twitter.com/kXCCnC0ES7
— も (@momo_smsk03) October 4, 2022
このように、新たに青カビの塊や黒カビが発生した場合は食べられない可能性が高いです。
ナチュラルチーズにカビを生やさないためにも、保存期間や保存方法を確認しておきましょう。
ナチュラルチーズの保存期間|カビと劣化を防ぐ正しい保存方法
ナチュラルチーズは乾燥を防いで冷蔵庫が保存するのが基本で、日持ちは数日~数ヶ月と商品によってまちまちです。
チーズの種類 | 冷蔵庫での保存方法 |
---|---|
フレッシュ | ・チーズが入っていた 保存容器や密閉容器で保存 ・冷蔵室がおすすめ 【日持ち:3~4日程度】 |
白カビ・青カビ・ ウォッシュ・シェーブル (ソフトタイプ) |
・ラップやチーズペーパーに 包んでジッパー付きの袋で保存 ・野菜室がおすすめ 【日持ち:1~2週間程度】 |
ハード・セミハード | ・ラップで包むか密閉容器 に入れて保存 ・野菜室がおすすめ 【日持ち:1週間~1ヶ月程度】 |
ラップで包んでも大丈夫ですが、ポリエチレンの臭いが付くことがあるので、気になる人はチーズペーパーやオーブン用シート、キッチンペーパーなどを利用すると良いでしょう。
チーズの種類によっては、冷凍保存も可能です。
冷凍保存のコツと解凍方法|加熱調理に使うのがおすすめ
チーズを冷凍すると風味が落ちるため、基本的には冷蔵保存がおすすめですが、種類によっては冷凍保存もできます。
チーズの種類 | 冷凍方法 | 解凍方法 |
---|---|---|
ハード セミハード |
1.外側の皮を切り取る 2.ラップに包む |
凍ったまま加熱 |
青カビ モッツァレラ カマンベールなど |
1.使いやすい大きさにカット 2.一つずつラップに包む 3.冷凍用保存袋に入れる |
凍ったまま加熱 (冷蔵庫で解凍) |
クリームチーズ | 1.小分けにしてラップに包む 2.冷凍用保存袋に入れる |
・凍ったまま加熱 ・冷蔵庫で解凍 |
とろけるチーズ (シュレッドチーズ) |
袋のまま冷凍 | 凍ったまま加熱 |
水分の少ないハードタイプが一番冷凍に適しており、水分が多めのチーズはあまり適していませんが、食べきれない場合は冷凍を利用するのもひとつの方法です。
1度冷凍したチーズは風味や食感が変わるので、基本的に加熱調理に使うのがおすすめですが、お菓子作りに利用する場合は冷蔵庫で解凍してくださいね。
- ブルーチーズ:ピザ、パスタ、
- パルミジャーノ:グラタン、ピザ
- カマンベール:チーズフォンデュ、フライ、ハンバーグの生地で包んで焼く
- クリームチーズ:チーズケーキ、クッキー、パスタ
そのほかナチュラルチーズについて詳しく知りたい場合は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてくださいね。
詳しくはこの記事をチェック!
結論|ナチュラルチーズのカビを取り除くと食べられることも
- もとから生えているカビは安全
- 多少のカビであれば取り除くと食べられることも
- 広範囲や中までカビが生えるとNG
- 乾燥を避けて冷蔵庫で保存を
- 種類によっては冷凍保存可能
ナチュラルチーズにカビが生えても、味や臭いに違和感がなかれば取り除くと食べられることもあります。
ただし中までカビが侵食していたり、とろけるチーズのようなシュレッドタイプの場合は食べられないので注意が必要です。
開封後はなるべく早めに食べるのが基本ですが、乾燥をさけて冷蔵や冷凍で保存しましょう。
上手にナチュラルチーズを保存して、安全においしく最後まで食べきってくださいね。