【執筆者:栄養士 佐々木彩】
市販のアップルパイは常温保存できるものもありますが、手作りや開封後に常温放置すると、腐る原因となる雑菌が繁殖しやすくなります。
最終的には食中毒の恐れもあるので、すぐに消費できないときは冷蔵庫に入れるか冷凍保存を活用しましょう。
この記事ではアップルパイを長く楽しむためにチェックしておきたい、以下のポイントをお伝えします。
アップルパイのこと
- 市販品と手作りの日持ち目安
- 常温保存できない理由
- 腐るとどうなるのか
- 冷蔵・冷凍保存と解凍のポイント
市販品や手作りの日持ちがどれぐらいか知りたい人や、買ってきたまま忘れていたアップルパイがまだ食べられるか心配な人は参考にしてみてください。
目次
アップルパイの常温保存は大丈夫?市販品や手作りの日持ち
市販のアップルパイは、常温保存できる商品もあります。
賞味期限は製造日から4~30日くらいとメーカーによって異なります。
常温 | 冷蔵 | 冷凍 | |
---|---|---|---|
手作り | お早めに | 約2日 | 約1ヶ月 |
市販品 | 製造日から 約4~30日 |
製造日から 約4日 |
製造日から 約1~12ヶ月 |
市販品は保存料が入っている商品もあるので賞味期限が長めに設定されていますが、未開封で適切に保存していた場合に限ります。
開封後や手作りが常温保存できない理由は、水分が関係しています。
手作りや開封後に常温保存NGな理由|食中毒のリスクも
手作りや開封後のアップルパイを長時間常温保存すると、傷むスピードが早まり、間違えて食べると食中毒を引き起こす可能性があります。
フィリングに使われているりんごには水分が多く含まれているため、腐る原因となる雑菌が増殖しやすいからです。
雑菌は20~50℃で増殖しやすいので、夏場の管理は特に気を付けましょう。(※2)
また、フィリングにカスタードクリームなどを使っていると、さらに傷みやすくなるのでより注意が必要です。
もしも常温放置してしまい、食べられるか迷ったときのために見分け方をチェックしておきましょう。
腐るとどうなる?カビに注意
アップルパイが腐るとカビや異臭などの変化が見られます。
見た目 変色 |
・カビが発生する ・袋が膨張する ・ねばり、糸を引く |
---|---|
臭い 匂い におい |
・腐敗臭 ・アルコール臭 |
味 食感 触感など |
普段と違う味 |
上記のような異変が見られなくても、常温放置していると雑菌が繁殖している可能性は十分あります。
特にカビは、健康被害をもたらすカビ毒を発生させる種類もあり大変危険です。(※3)
また、カビが発生した部分を取り除いても菌糸や胞子によって汚染されている恐れもあります。
新規開拓でとあるケーキ屋さんでアップルパイ買ったんだけどさ
これカビだよね?? pic.twitter.com/SpNXVxEjTC
— 蒼穹 (@soukyuu333) December 13, 2019
このようにカビが生えると完全に除去することは難しいので、少しでも怪しいと思ったら迷わず捨てることをおすすめします。
アップルパイを安全に楽しむためにも、冷蔵や冷凍を活用して正しく保存しましょう。
アップルパイの保存方法|冷蔵・冷凍保存や解凍のコツ
アップルパイは空気に触れないようにラップで包んでから保存してください。
常温 | 高温多湿・直射日光を避けて保存 (パッケージ記載の方法で保存する) |
---|---|
冷蔵 | 1.小分けにしてラップで包む 2.清潔な保存袋や容器に入れて保存 |
冷凍 |
手作りの場合は、きちんと粗熱を取ってからラップに包みましょう。
温かいまま包むと水滴が発生して、雑菌が増殖する原因となります。
また、焼く前のアップルパイは冷凍保存しましょう。
保存の注意点|焼く前と焼いた後の違い
焼く前のアップルパイは冷凍保存がおすすめです。
冷蔵庫で保存するとフィリングから水分が出て、パイ生地が水っぽくなるからです。
また、焼いた後のアップルパイは冷蔵・冷凍どちらもOKです。
冷凍保存の際は、小さめにカットしてから冷凍すると冷凍時間の短縮となり、傷みも最小限に抑えられますよ。
解凍方法は焼く前と焼いた後で異なります。
上手な焼き方と解凍方法|翌日もサクサクに!
冷凍した焼く前のアップルパイは、解凍せずにそのままオーブンで焼きます。
焼いた後の解凍方法は自然解凍と電子レンジを使う方法があります。
常温解凍は雑菌が繁殖するので、前日から冷蔵庫に移して自然解凍してください。
すぐに食べたいときは電子レンジを使いましょう。
- 自然解凍(冷蔵庫)か、様子を見ながら電子レンジで温める
- アルミホイルをふんわりと被せる
- 170~180℃に予熱したオーブンで3分くらい焼く
市販のアップルパイにも応用できるので、翌日もサクサク食感を味わいたいときは是非挑戦してみてくださいね。
アップルパイの保存についてさらに知りたい人はこちらの記事もご覧ください。
詳しくはこの記事をチェック!
結論|開封後や手作りのアップルパイは冷蔵・冷凍保存しよう
- 手作りや開封後は早めに食べる
- 水分が多いため常温下では雑菌が繁殖しやすい
- 市販品や焼いた後はラップで包んでから保存する
- 焼く前は冷凍保存で生焼けを防ぐ
- 自然解凍は常温ではなく冷蔵庫で
市販のアップルパイは未開封なら常温保存できるものもありますが、開封後や手作り品は雑菌が繁殖しやすいため注意が必要です。
余りそうなときは冷蔵・冷凍保存して腐敗を防ぎましょう。
記事を参考にアップルパイを上手に保存して楽しんでくださいね。