【執筆者:管理栄養士 栗本ひろみ】
醤油麹の賞味期限は市販品の場合6ヶ月程度のものが多く、手作りの場合は出来上がりから3ヶ月程度です。
醤油と米麹を発酵させて作る醤油麹は、塩分濃度が高いため比較的長い保存期間が設定されています。
常温でも保存できるか冷蔵庫に入れるべきかは、市販品を開封したかどうか、自家製醤油麹の熟成が終わったかどうかで異なります。
醤油麹のこと
- 市販品・手作り品の賞味期限
- 手作りの方法|食べられない特徴
- 日持ちさせる保存方法
- 炊飯器で時短|基本的な使い方
醤油麹を手作りしてみたい人や、発酵調味料に興味のある人は参考にしてください。
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目次
醤油麹の賞味期限|市販品・手作りの保存期間
醤油麹の賞味期限は未開封の場合、製造日から6ヶ月程度に設定されている市販品が多いです。
市販品 | 未開封 | 製造日から6~12ヶ月 |
---|---|---|
開封後 | 2ヶ月程度 | |
手作り | 完成から1~3ヶ月程度 |
醤油麹は塩分濃度が10%程度あるので比較的長期保存できますが、開封後や手作り品は冷蔵庫で保存し、数ヶ月以内に食べ切りましょう。(※1)
手作り品の日持ちは完成後1~3ヶ月|出来上がりの見分け方
醤油麹を手作りした場合の賞味期限は3ヶ月程度ですが、冷蔵庫に保存しても少しずつ熟成は進むので、美味しさのピークは1ヶ月程度だと思ってください。
作り方はとても簡単ですよ!
- フタつきの清潔な容器にほぐした米麹・醤油を同じ重量分入れる
- フタを軽く閉めて常温に置く
- 麹が水分を吸っているので翌日だけヒタヒタになるまで醤油を足す
- 清潔なスプーンで1日1回上下を入れかえるように混ぜる
- 7~10日程で完成
麹とは蒸した米や麦、豆類に、微生物であるこうじ菌(コウジカビ)を付けて繁殖させたもので、醤油麹に使用するのは米麹です。
麹:中国からきた漢字。
蒸して丸めた穀物にコウジカビが繁殖する様子を表した
糀:日本で作られた国字。
花が咲くようにコウジカビが繁殖する様子を表した
手作りに慣れてきたらみりんを入れてまろやかにしたり、昆布を入れてうま味を増したりもできます。
季節で熟成期間は変わるので混ぜるときに観察して仕上がりを見極め、完成したらフタをしっかり閉めて必ず冷蔵庫で保存しましょう。
また麹には生麹と乾燥麹があり異なる特徴を持っています。
生麹 | 乾燥麹 | |
---|---|---|
日持ち | 短い | 長い |
麹の風味 | ある | ない |
発酵させる力 | 強い | やや弱い |
生麹を使用するときは麹:醤油=1:1、乾燥麹を使用するときは麹:醤油=1:2で混ぜてください。
▼生麹(風味を感じたい人におすすめ)
▼乾燥麹(パラパラタイプでほぐす必要がない)
白い膜はカビ?食べられない状態の見分け方
醤油麹は塩分濃度が高い発酵食品なので腐りにくいと考えられますが、保存状態によってはカビが生える可能性があります。
食べられない | 食べられる | |
---|---|---|
見た目 変色 |
カビが生えている | ・白い膜がはっている ・白い斑点 |
臭い 匂い におい |
・酢っぱい臭い ・アルコール臭 |
― |
味 食感 触感など |
酸っぱい | ― |
表面に白い膜がはったときは、産膜酵母が発生している可能性があり、無害ですが食べるときには取り除くことをおすすめします。
しかし、白いフワフワしたものや、黒・青など色が付いて立体的なものはカビなので食べられません。
それに対して酸っぱい臭いやアルコール臭がするときは腐っているとは限りませんが、過発酵しているので食べないほうが無難です。
正しい保存方法を知ってカビを予防し、長持ちさせましょう。
醤油麹を日持ちさせる保存方法|常温・冷蔵庫では
醤油麹をできるだけ日持ちさせるために、市販品の開封後や手作り品の完成後は冷蔵庫で保存しましょう。
市販品 | 未開封 | 直射日光を避け冷暗所 (夏場は冷蔵庫推奨) |
---|---|---|
開封後 | しっかりフタをして冷蔵庫 | |
手作り | 熟成中 | 常温 |
完成後 | しっかりフタをして冷蔵庫 |
炊飯器を使って時短に|失敗しないコツ
炊飯器の保温機能を使うと数時間で醤油麹がつくれます。
- 炊飯器にほぐした米麹を入れる
- 60℃くらいに温めた醤油を入れる
- フタを開けたままで布巾を被せるor完全に閉めないで隙間を開ける
- 炊飯器を保温にする
- 清潔なスプーンで1時間おきに混ぜる
- 3~4時間程で完成
麹は70℃前後で発酵させる力を失うので、温度を上げ過ぎないようにフタを開け60℃くらいを保つのがポイントです。
基本的には2つの材料を混ぜるだけで失敗の少ない醤油麹ですが、失敗しないためには、使用する醤油の選び方が大切です。
- 丸大豆醤油・無添加の醤油を使う
- 毎日混ぜる
添加物は発酵の邪魔をするので、醤油は保存料・酒精(アルコール)・アミノ酸等が不使用のものを使いましょう。
減塩醤油は塩分濃度が低く、カビや雑菌が繁殖する可能性が高いので使用しない方が良いです。
醤油に浸かっていない部分にカビが生えやすいので、上下を入れ替えるように混ぜてください。
出来上がった醤油麹を使った簡単なレシピをご紹介します。
基本的な使い方|漬ける・和える・漬物も
素材の10%程度の醤油麹を使い漬け込み料理ができます。
- 鶏もも肉200g・醤油麹20gを保存袋に入れよく揉み込む
- 冷蔵庫で1日浸ける
- 焦げ付かないように注意してフライパンでじっくり焼く
肉や魚を漬けると酵素の力でやわらかくなると同時に旨味も増し、また醤油で味付けるよりも減塩になります。(※2)
きゅうりは1時間ほど醤油麹に漬けるだけで浅漬けの完成です。
- 茄子3~4本(400g)を横半分に切り6等分のくし形に切る
- ごま油小さじ2を入れたフライパンにフタをして柔らかくなるまで蒸し焼きにする
- 醤油麹小さじ2とすりごま大さじ1を混ぜる
いつもと一味違ったごま和えになりますよ。
手作り味噌や塩麴についてはコチラを確認してください。
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結論|醤油麹の賞味期限は未開封で6ヶ月程度・開封後は冷蔵庫へ
- 開封後・手作り品は数ヶ月で消費
- カビの発生予防にも清潔なスプーンで取り出そう
- 手作り品の熟成中は常温保存・完成後は冷蔵保存
- 米麹が指で潰せたら出来上がり
- 旨味が強いので醤油より減塩に
醤油麹は米麹と醤油を混ぜるだけで簡単に作れる発酵調味料ですが、醤油選びは重要なのでよく原材料表示を確認しましょう。
肉や魚、漬物にと幅広く使えるのでまだ使ったことがないという人は、是非食生活に取り入れてみてください。