【執筆者:管理栄養士 宍戸恵】
賞味期限が長い市販品と違い、手作りゼリーは日持ちしません。
出来上がり後は長く置かず、2日程度を目安に食べ切りましょう。
冷凍保存すると日持ちが延び、口当たりも変わって別の楽しみ方ができますよ♪
腐るとどうなるのか、正しい保存方法、冷凍保存の注意点等をまとめています。
手作りゼリー のこと
- 賞味期限の目安
- 食べられない状態の見分け方
- 冷凍保存の注意点
- ゼリーが固まらない原因
思いの外大量に作ってしまい悩んでいる人や、以前作ったものが冷蔵庫から出てきた人もぜひ参考にしてくださいね。
目次
手作りゼリーの賞味期限|常温・冷蔵・冷凍では
市販品と比べて衛生面の管理が難しく保存料も入っていない為、傷みやすいです。
型に流し入れたゼリーを冷蔵保存した後、うっかり食べ忘れていた…。ということがないように気を付けてくださいね。
常温 | NG |
---|---|
冷蔵 | 2日程度 |
冷凍 | 2~3週間程度 |
作り方・材料によっても傷みやすさが変わります。
いずれも2日程度の冷蔵保存で腐ることは考えにくいですが、基本はやはり出来立てを堪能し、時間が経ったものは扱いに注意しましょう。
牛乳や生のフルーツ入りは注意
栄養分が豊富なほど傷みやすいです。
空気中に潜む微生物は温度・栄養分・水分が発育に適した環境になると爆発的に増殖します。(※1)
また生のフルーツを入れて作るゼリーは、固まらないことがあります。
詳しくはこちらを参考にしてください。
微生物は発育の条件が揃っていても、冷蔵保存(10℃以下)の環境では動きが鈍く、2日程度なら日持ちすると期待できます。
しかし手作りゼリーの中でも特に傷みやすいので、慎重に扱いましょう。
牛乳やフルーツの鮮度にも気を付けてくださいね。
食べるときに見た目や臭い等を確認してください。
腐るとどうなる?常温放置は避けて
微生物による汚染が進むと食品を腐らせる原因となり、長期の冷蔵保存でもやんわりと劣化は進みます。
菌は高温多湿な場所を好み増殖する為、夏場の常温保存は特に危険です。
以下のような異変が現れたら処分してください。
見た目 変色 |
カビが生えている |
---|---|
臭い 匂い におい |
・酸っぱい臭い ・カビ臭い |
味 食感 触感など |
・酸味や苦味 ・粘り気がある |
コーヒーゼリーや牛乳寒天を作った人は、こちらの記事も参考になりますよ。
なるべく古いものは使わないようにしましょう。
同時にこの記事も読まれています
手作りゼリーの中にカビ生えてて気持ち悪さ越してもはや綺麗だわ pic.twitter.com/qkMW742MJy
— 奏良 (@so6ra24) September 9, 2018
こちらの人のように全体的にカビが生えている場合は処分一択ですが、 部分的なカビを取り除いて食べるのも避けましょう。
既にゼリー全体が、カビの菌糸に汚染されている可能性があるからです。
カビの中にはカビ毒を作るものもあり、体に害を及ぼす危険性があります。(※2)
せっかく作ったゼリーを無駄にしない為にも、冷凍保存を候補に入れつつ正しく保存しましょう。
手作りゼリーの正しい保存方法|冷凍保存のメリット・注意点
使用する凝固剤にもよりますが、固める為にも、冷たく美味しい状態で食べる為にも、冷蔵庫なら2時間近く入れる必要があります。
またゼラチンで作ったゼリーは夏場常温に戻すと液体になるので、注意してください。
常温 | NG |
---|---|
冷蔵 | 10℃以下の環境を保つ (開け閉めを極力減らす) |
冷凍 | ・製氷皿や耐冷性のある 容器を使用する ・完全に解凍すると 水っぽくなるので注意 (半解凍程度で食べる) |
冷凍保存した場合、完全に解凍すると離水して滑らかな食感が損なわれるので、半解凍程度でシャーベットのように楽しむのがおすすめです。
凝固剤それぞれの特徴も把握しておきましょう。
寒天・ゼラチン・アガーいずれの凝固剤でも冷凍できるのか
比較的定番な凝固剤ですが、上記のいずれで冷凍しても品質に大きく差が生じることはありません。
しかし前述の通り、解凍後は水っぽくなり食感が変わる点も共通しているので、冷凍~半解凍の状態で食べるようにしてください。
アガーなら冷凍保存向きの商品があります。
解凍後の離水を抑え、ゼリー特有の食感を維持できるそうですよ。
一方で失敗して固まらなかった…!という場合も、冷凍する術が活用できます♪
う〜ん、ゼリー作り失敗して、固まらないので、小分けにして冷凍庫で凍らせてシャーベットにする
— shigudora (@shiguretont) May 30, 2020
本来の目的とは異なる食べ方となりますが、1つの手段として参考にしてみてください。
この場合作業工程に問題があったかもしれません。
手作りゼリーが固まらない原因
冷蔵庫に長く置いても固まらなかった場合は、主に以下の原因が考えられます。
- 液に対する凝固剤の量が少ない
- 溶かす温度帯が合っていない
- 食材の組み合わせが良くない 等
(ゼラチン×生のパイナップルやキウイフルーツ等)
手元の凝固剤に注意書きや案内がある場合は、記載通りに作ってくださいね。
ゼラチンは水でふやかす工程が必要なもの、不要なものがありますよ。
ゼラチン | ・沸騰させると主成分のたんぱく質が 熱で変性し、固まりにくい (溶解温度:50~60℃) ・たんぱく質分解酵素を含む 生の果物と合わせると固まりにくい |
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寒天 | ・沸騰させてしっかり煮溶かす ・酸に弱く、レモン汁や ジュースでは固まりにくい |
アガー | ・沸騰すると固まりにくい (溶解温度:約90℃) ・酸に弱く、レモン汁や ジュースでは固まりにくい |
アガーはダマになりやすい為、予め砂糖と合わせたり最初に少量の液体で溶いたりするのがコツです。
初心者は寒天ゼリーが失敗も少なく作りやすいですよ。
また市販の素を使うのも良いですね。
味の調整や材料の自由度が高く楽しみ方の幅が広い手作りゼリーですが、日持ちに悩む人や失敗してしまった人は冷凍保存を活用してみてください。
結論|手作りゼリーは冷凍して保存期間を延ばせる
- 冷蔵では2日以内に消費を
- 牛乳入り・生の果実入りは傷みやすいので慎重に
- カビが生えたものは処分
- 冷凍保存は食感が変わる
- それぞれの凝固剤の特徴で固まらないことがある
お菓子作りでも人気な手作りゼリーですが、市販品と比べて日持ちしません。
食感は変わってしまいますが「すぐには食べ切れないな」と判断した場合は、冷凍保存を候補に入れてみてください。
容器が耐冷性かどうかを確認してくださいね♪