【執筆者:編集部 井上ゆうこ】
塩昆布に設定されている賞味期限は安全性ではなくおいしさを保証する期限なので、未開封で正しく保存していれば賞味期限切れでもすぐに腐るわけではありません。
期限内でも保存状態が悪い、期限を大幅に過ぎている、開封後などは傷むこともあるので、食べられるのか都度判断する必要があります。
この記事では、塩昆布を最後までおいしく安全に食べ切るために、次の項目を紹介します。
塩昆布のこと
- 賞味期限切れ後の日持ちの目安
- 変色しても食べられる場合
- 未開封・開封後の正しい保存方法
- 早めに消費できる活用法
保存していた塩昆布のカビやダニを不安に感じる、変色を見つけて食べるのを迷っている、開封後の塩昆布をいつも余らせてしまう人は、解決のヒントが得られる内容なのでぜひ参考にしてください。
目次
塩昆布は賞味期限切れでもすぐ腐るとは限らない
未開封の塩昆布は、正しく保存していれば賞味期限が切れても食べられる可能性はあります。
賞味期間は品質の低下が緩やかな商品に設定されるおいしく食べられる期間なので、期限後すぐに安全性に問題が生じるわけではありません。
消費期限:安全に食べられる期限
市販の塩昆布には、表面に白い粉が吹いた乾燥タイプと、粉が吹いていないしっとりタイプがあります。
市販品 | 未開封 | 乾燥タイプ:3〜10ヶ月 しっとりタイプ:1〜5ヶ月 |
---|---|---|
開封後 | お早めに | |
手作り |
例えば、乾燥タイプのフジッコ「ふじっ子塩こんぶ」は製造日より10ヶ月の賞味期限です。
しっとりタイプの神宗「塩昆布」は購入より約1ヶ月の賞味期限です。
賞味期限が無効になる開封後や、日持ちの保証がない手作り品は、安全のためになるべく早く食べるようにしてください。
未開封で賞味期限が切れてからいつまで食べられるかは、賞味期間からおおよその見当をつけることができます。
賞味期限後の日持ち目安|1年過ぎたら?
メーカーは試験結果で決めた「品質を保持できる期間」に安全係数(1未満)をかけて賞味期間としているので、「品質を保持できる期間」は推測できます。
「くらこん塩昆布」と前述の「神宗 塩昆布」を例に、安全係数を0.8、1ヶ月を30日として「品質を保持できる期間」を計算してみました。
商品例 | くらこん 塩こんぶ |
神宗 塩昆布 |
---|---|---|
賞味期間 | 300日 | 30日 |
試験で得られた 「品質保持期間」 (推測値) |
375日 (300日÷0.8) |
37日 (30日÷0.8) |
賞味期限後の 日持ち(推測値) |
75日 (375日−300日) |
7日 (37日−30日) |
計算した期限後も食べられる期間は、未開封で正しく保存していた場合の目安なので過信は禁物です。
メーカーも賞味期限切れを食べることは推奨していないので、食べられるかどうかは自分で判断する必要があります。
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茶色の変色は大丈夫|カビ・ダニを見つけたら処分
塩昆布は茶色に変色しても食べられますが、カビ・ダニが発生したら食べるのは控えましょう。
・昆布の色素の差で茶褐色のものが混ざっている
・昆布に煮含めた調味料がにじみ出て、表面の塩や調味料が茶色に変色している
どちらの変色も安全性には問題ないので食べても大丈夫です。
塩昆布をはじめとした佃煮は、原料の水分を減らして濃いめに味付けすることで保存性を高めていますが、開封後の保存状態が悪かったり、長期間放置したりすると、カビやダニが発生する可能性があります。
塩昆布ってカビるんかな……なんかカビっぽい味がするから捨てたほうがいいかな……
— のらみ🍜🍺 (@norami_423) August 21, 2019
乾燥タイプの塩昆布は、まぶしてある塩や調味料とカビの見分けがつきにくいかもしれませんが、視覚と嗅覚で見分けることが可能です。
カビは表面がふかふかした丸いかたまりで、においを嗅ぐとカビ臭いので、怪しいと感じたら食べずに処分しましょう。
開封後、長期間常温保存している間にダニが侵入した粉製品を食べて、アレルギーを発症する事例が国内外で報告されています。(※3)
食品を餌にするコナダニは、粉類以外にもかつお節・味噌・チーズ・チョコレートなど幅広い食品に湧くので、開封後の塩昆布に混入する可能性もゼロではありません。
ダニは小さく肉眼で発見することは難しいので、正しく保存して侵入を防ぐことが大事です。(※4)
塩昆布の保存は常温・冷蔵|冷凍NG
乾燥タイプの塩昆布は未開封・開封後ともに常温で、しっとりタイプは未開封は常温、開封後は冷蔵で保存しましょう。
乾燥タイプ | しっとりタイプ | |
---|---|---|
常温 | ・開封後は密閉する ・直射日光と高温多湿を 避ける |
・未開封のみ可 ・直射日光と高温多湿を 避ける |
冷蔵 | 不可 | 開封後は要冷蔵 |
冷凍 | ー | 推奨しない |
乾燥タイプの塩昆布は、結露による湿気防止のため冷蔵保存はやめましょう。
開封後の常温保存は、ダニの侵入を防ぐため袋のチャックをしっかり閉めるか、密閉容器に移し替えてください。
冷凍すると日持ち期間が長くなりそうですが、しっとりタイプは解凍時に風味や食感が悪くなるので、メーカーも冷凍保存はおすすめしていません。
日持ち期間が過ぎそうな塩昆布を食べ切れそうになかったら、調理してから冷凍保存するのも手です。
風味の低下を防ぐ冷凍保存の工夫
しっとりタイプの塩昆布は、品質が低下するのでそのままの冷凍保存はおすすめしませんが、料理に使って冷凍すれば風味も落ちにくいですし、日持ち期間も延ばせます。
野菜の塩昆布炒め~弁当用冷凍~ by うさぎのうちゃこ♪
塩昆布で味がしっかり決まります。冷凍庫で3〜4週間保存可能。
お弁当にも♪豚こまと塩昆布のまんまる焼き by ★おぺこ★
作り置きで朝のお弁当作りもラクラク♪ 冷凍庫で2週間程度保存可能。
もちろん、しっとりタイプだけでなく乾燥タイプの塩昆布でも作れますよ。
時間のある時にまとめて作って冷凍しておけば、忙しい時に便利なのでお試しください。
結論|食べ切れない塩昆布は調理後に冷凍しよう
- 賞味期限後もすぐには腐らない
- 茶色の変色は食べてもOK
- 乾燥タイプは冷蔵庫に入れず密閉して常温保存
- しっとりタイプは開封したら要冷蔵|冷凍はNG
- 日持ち期間が過ぎそうなら調理してから冷凍保存
塩昆布は比較的日持ちする食品ですが、開封後は乾燥タイプとしっとりタイプで保存方法が異なるので要注意です。
それぞれに適した温度帯を守り、ダニ・カビに注意して品質の劣化を防ぎましょう。
冷凍保存するなら、冷凍前に一手間加えると風味が落ちにくいので試してみてくださいね。