【執筆者:編集部 高田ゆみ】
冷凍しめ鯖が賞味期限切れになっても、未開封で冷凍保存したままなら多少過ぎても大丈夫です。
ただし解凍後や、消費期限が表示されているスーパーで買った刺身、自家製などは早めに食べきらなければいけません。
この記事では、酢や塩を使っているので日持ちしそうでも、実はあまり保存期間が長くないしめ鯖を安全に食べきるために知っておきたい以下の項目を紹介します。
しめ鯖のこと
- 市販品の賞味期限目安
- あまり日持ちしない理由
- 賞味期限切れの見分け方
- 冷凍保存・解凍のポイント
しめ鯖が食べきれなくて困っている人や、新鮮な鯖が手に入ったので自分で作ってみたい人にも役立つので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
冷凍しめ鯖は賞味期限切れでも大丈夫|要冷蔵で消費期限ならダメ
賞味期限が設定される冷凍しめ鯖なら、未開封で冷凍したままなら賞味期限切れから多少過ぎても食べられます。
ただし、解凍・開封後は賞味期限の日付に関わらず数日中に食べきらないと、風味が落ちるだけでなく安全性にも問題が生じるため注意しましょう。
また、消費期限が記載された要冷蔵のしめ鯖や、手作りした場合はあまり日持ちしないので早めに食べきったほうがいいです。
冷凍 | 冷蔵 | ||
---|---|---|---|
市販品 の一例 |
未開封 | 2ヶ月程度 | 5日程度 |
開封後 | お早めに | ||
手作り | 2週間程度 | お早めに |
冷凍しめ鯖は比較的長い賞味期限が設定されますが、解凍後は思っていたほど日持ちしません。
たとえば、三富産業(築地丸中)のしめ鯖は、冷凍なら製造日起算で60日・解凍後は要冷蔵で5日です。
しめ鯖は傷みやすい食材なので、適切に取り扱わなければいけません。
しめ鯖があまり日持ちしない理由
しめ鯖が日持ちしないのは、多く含まれる消化酵素が死後に分解されて腐りやすくなる特徴があるためです。
塩や酢を使って保存性を高めたのがしめ鯖のルーツですが、それでも冷蔵では長期間保存できません。(※1)
冷凍しめ鯖が比較的長いのは徹底した衛生管理下で製造され、冷凍保存でほとんどの細菌が増殖できない環境が保たれるからです。(※2)
解凍後の冷凍しめ鯖や、スーパーで買ったしめ鯖の刺身、手作りしたものなどは細菌が増殖しやすいので注意しましょう。
腐る・食中毒の注意点と見分け方
しめ鯖の保存状態が悪くて腐ると、見た目や臭いで食べられない状態だと判断できます。
見た目 変色 |
ぬめりがひどい |
---|---|
臭い 匂い におい |
不快な腐敗臭 |
味 食感 触感など |
身が崩れる |
このような異変を感じなくても、保存状態によっては食中毒を引き起こすこともあります。
- ヒスタミン中毒
- アニサキス症
鯖に多く含まれるアミノ酸のヒスチジンは、保存状態が悪いと細菌の影響でヒスタミンに変わります。
ヒスタミンが多く含まれる食品を食べると、じんましんや吐き気などのアレルギー様症状を引き起こすことがあり、しめ鯖でも注意が必要です。(※3)
また、市販の冷凍しめ鯖ならあまり心配ありませんが、手作りの場合はアニサキス症に注意しなければいけません。
作り方が悪いと、鯖に寄生していたアニサキスが生きた状態で食べてしまい、激しい腹痛や嘔吐などの食中毒症状を引き起こすこともあります。(※4)
このような食中毒を防いで美味しさを維持するためにも、正しく保存することが大切です。
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しめ鯖の賞味期限切れを防ぐ冷凍保存と日持ちの目安
しめ鯖は食べる直前なら冷蔵保存で、賞味期限切れを防いで日持ちさせたい場合は冷凍保存にしましょう。
常温 | 不可 | |
---|---|---|
冷蔵 | 冷凍の市販品を解凍後 | お早めに (推奨期間は商品によって異なる) |
要冷蔵の市販品 (消費期限記載) |
商品記載の日付まで | |
手作り | お早めに | |
冷凍 | 要冷蔵の市販品 一度解凍した市販品 |
非推奨 |
要冷凍の市販品 (賞味期限記載) |
商品記載の日付+α (多少過ぎても大丈夫) |
|
手作り | 2週間程度 |
冷凍しめ鯖は未開封のまま冷凍庫に入れておけば、賞味期限の日付が何日か過ぎても問題ありません。
食べ切れそうもない自家製しめ鯖も、風味が落ちないうちに冷凍保存しましょう。
自家製しめ鯖は冷凍保存で保存期間を延ばそう
自家製しめ鯖は、食中毒を防ぐためにも新鮮な鯖を手早く調理して冷凍保存することをおすすめします。
ヒスタミン中毒は保存状態が悪くて鮮度が落ちると起こりやすいと言われています。
- ハリや弾力がある(とくにお腹をチェック)
- 表面にツヤがある
- 目が澄んで濁っていない
冷凍方法は、臭みの原因になる余分な水分を拭き取ってからラップを密着させて冷凍保存袋に入れましょう。
乾燥や酸化で冷凍焼けしないように、しっかり空気を抜くのがコツです。
家庭用の真空パック機があると重宝しますよ♪
家庭の冷蔵庫は開閉で冷凍庫内の温度が不安定になりやすいため、長くても2週間程度を目安に食べきりましょう。
冷凍保存後の解凍方法と加熱調理のアレンジ
冷凍保存後は、食べる5時間くらい前に冷蔵庫に入れておくか、30分ほど流水解凍すると美味しく食べられます。
ただし、自家製しめ鯖に関しては冷凍保存だけだとアニサキス症予防として万全な方法とはいえません。
- -20℃で24時間以上冷凍する
- 70℃以上、または60℃で1分加熱する
※酢や塩では死滅しません!目視で取り除くのも大事です。
家庭用冷蔵庫の冷凍室は、-18℃前後で設定されるものが多くて温度も不安定になりやすいため、冷凍だけでは不十分な可能性があります。
確実にアニサキス症を防ぎたい場合は、加熱調理するのがおすすめです。
ごま油をひいてからフライパンで焼くだけでも、香ばしい炙りしめ鯖風に仕上げることもできますよ。
#炙りとろしめさば
お気に入りのしめさばの、皮目を炙ってみたら美味しさが倍増しました😍
バーナーがないので熱々フライパンに焼き付けるのですが、とろさばの脂がじゅわ~と出てきて最高です✨これで炙りサバ棒寿司とかも良さそうです😊#魚食 #マサバ pic.twitter.com/qUGEZsENRa— 🐟ゆずきのお魚大好き日記🐟 (@osakanasuki_yz) January 21, 2022
バーナーがなくても簡単に居酒屋メニューを再現できるので、ぜひお試しください♪
結論|しめ鯖の賞味期限切れを防ぐには冷凍が最適
- 未開封・冷凍したままなら多少賞味期限切れでも大丈夫
- 解凍後・消費期限記載・自家製は早めに食べきる
- 腐りやすくて食中毒のリスクもあるので正しく保存する
- 日持ちさせるなら冷凍保存しよう
- 解凍後は加熱調理がおすすめ
しめ鯖は酢や塩を使っていますが、傷みやすい食材でもあるため冷蔵保存ではあまり日持ちしません。
できるだけ日持ちさせたい場合は、冷凍保存するのがベストです。
未開封で冷凍したままのしめ鯖なら、賞味期限切れから数日経ったくらいでは問題なく食べられるので安心してください。
ただし解凍後は賞味期限の日付に関わらず早めに食べきらなければならず、再冷凍すると品質が著しく劣化するのでおすすめできません。
食べられそうもない場合は、加熱調理すると変化を楽しめることや、アニサキス症予防にも役立つのでお試しください。