【執筆者:編集部 高田ゆみ】
アイスは基本的に腐ることがない食品ですが、長期間冷凍庫に入れていると劣化して風味が落ちることはよくあります。
賞味期限が書いてない商品も多いため、保存期間の目安を知っておくことも大切ですよね。
アイスのこと
- アイスが腐らない理由
- 賞味期限が書いてない理由
- 保存期間の目安
- 風味が落ちたアイスの食べ方
アイスは冷凍保存していれば腐らないのですが、製造過程で菌に汚染されると食中毒を引き起こす場合もあるので注意が必要です。
安心して美味しいアイスを食べたい人は、ぜひこの記事を参考にしてください。
目次
アイスは腐るのか?賞味期限が書いてない理由
アイスは冷凍保存していれば腐ることはありませんが、保存状態によっては品質が劣化して本来の美味しさを楽しめなくなる場合があります。
見た目 変色 |
溶けてドロドロ 霜だらけ |
---|---|
匂い | 冷凍庫臭い |
味・食感 | 舌触り、口溶けが悪い |
また、アイスの賞味期限(美味しく食べられる期間を示す)の見方がわからないという人も多いですよね。
賞味期限が書いてないのは、マイナス18度以下の冷凍庫で保存するのが基本の腐らない食品だからです。
菌が増えないから腐らない!賞味期限の表示義務もない
アイスが腐らないのは、適切な保存温度(マイナス18度以下)の環境では微生物が増えないからです。
また、市販のアイスは賞味期限が表示されていないものが多いのは、食品表示基準により省略することが認められているためです。(※1)
賞味期限を省略する代わりに、保存上の注意として「要冷凍」「マイナス18度以下で保存」などと記載されています。
でも、冷凍庫に入れておくと必ず品質が保たれるわけではないので注意が必要です。
古いアイスにカビが生えた?正体は霜!
長期間冷凍庫に入れっぱなしだと、びっしりと白いカビが生えて腐ったアイスに見える霜(しも)がつく場合もあります。
霜ができる原因は、冷凍庫内の温度が不安定だからです。
家庭の冷凍庫は頻繁に扉を開閉したり、他の食品を冷凍したりする機会が多いため、どうしても霜が発生しやすくなります。
霜がついたアイスは冷凍臭い、舌触りが悪いなど本来の美味しさを楽しめなくなるので、そのまま食べるよりもリメイクして美味しく食べきりましょう♪
また、見た目や匂いでは判断できないのですが、製造の段階で菌が繁殖して食中毒を引き起こすこともあるので注意が必要です。
手作りは要注意!食中毒事例も
アイスクリームは卵や牛乳など菌が繁殖しやすい食材を使用するため、適切に扱わなければ腹痛や嘔吐などの食中毒症状を引き起こす場合があります。
市販のアイスは衛生的な環境で作られるためほとんど心配ありませんが、過去にはサルモネラ菌に汚染されたアイスクリームによる食中毒事例もあるようです。
とくに手作りする場合は衛生管理に十分注意し、正しい保存方法を守って品質の劣化を防ぎましょう。
腐ることがないアイスでも要注意!正しい保存のコツ
アイスが腐ることがないのは、あくまでも冷凍保存していた場合に限られます。
冷凍庫と間違えて冷蔵庫で長期間放置したり、手作りの場合は材料を常温放置したりすると腐ることがあるかもしれません。
常温 | NG! |
---|---|
冷蔵 | |
冷凍 (マイナス18度以下) |
未開封:1カ月以内 開封後:お早めに |
アイスは冷凍保存しているなら理論上は10年でも、100年でも腐らずに食べられますが、家庭の冷凍庫では温度変化の影響で半年でも風味が劣化する可能性があるので早めに食べきりましょう。
未開封・食べかけの保存方法
市販のアイスはお店で購入後に冷凍庫で保存してから1カ月以内に食べきりましょう。
家庭でのアイスの保存温度は、マイナス18度以下が推奨されています。
しかし、扉の開閉頻度や、他に保管している物が多いほど冷凍庫内の温度が不安定になり、長期間保存すると霜が生じて風味が落ちてしまうので1カ月以内を目安にしてください。
食べかけや、大容量のアイスは空気に触れてしまうと急激に劣化するので、ラップで密閉してからできるだけ早めに食べきりましょう。
ちなみに、本来なら賞味期限表示の義務はありませんが、最近ではあえて賞味期限を設定してある商品も存在しています。
賞味期限表示があれば期限内に食べきろう
市販のアイスは賞味期限を省略できるため日付がない商品が多いなかで、明治やシャトレーゼなど一部メーカーでは賞味期限がある商品も存在しています。
あえて賞味期限を設定している理由は、「安心して美味しく食べられる目安を示したい」との意図があるもので、賞味期限があるから腐りやすいわけではないです。
美味しく食べられる期間の目安として、できるだけ早めに食べることをおすすめします。
すでに霜がついて冷凍臭い、溶けてしまったなど本来の美味しさを楽しめなくなった場合は、他の料理にアレンジして有効活用しましょう!
腐らないが再冷凍は不可!溶けたアイスの食べ方
腐らないからいつまで経っても大丈夫!と思い込んで長期間冷凍庫で放置していた古いアイスや、一度溶けたアイスを再冷凍すると本来の美味しさを楽しめません。
風味が落ちたアイスは、原材料の特性を活かして他の料理にアレンジして食べきりましょう!
乳固形分 | うち乳脂肪分 | |
---|---|---|
アイスクリーム | 15%以上 | 8%以上 |
アイスミルク | 10%以上 | 3%以上 |
ラクトアイス | 3%以上 | - |
氷菓 | 上記以外 |
乳固形分、乳脂肪分の量によって味わいが違うので、それぞれの特性を活かしたアレンジ方法を紹介します。
アイスの種類別・おすすめレシピ
乳固形分や乳脂肪分が多いアイスクリームはミルクの風味を強く感じられるのが特徴なので、フレンチトーストにアレンジしましょう。
パンを牛乳に浸す際に、溶けたアイスクリームを一緒に入れるだけでOKです。
アイスミルクやラクトアイスには植物油脂が使われることもあり、乳固形分や乳脂肪分が少なめなのでシェイクにアレンジしましょう。
霜がついている場合は洗い流すと冷凍臭さが気にならなくなるはずです。
溶けたアイスと、牛乳・炭酸ジュースなどお好みでアレンジしてください。
氷菓には乳固形分や乳脂肪分がほとんど含まれず、果汁や水などを凍らせた商品が多いです。
たとえば、小豆の風味を楽しめる「あずきバー」は、電子レンジで1分半ほど加熱するだけでおしるこにアレンジできます。
このように、アイデア次第で風味が落ちたアイスも上手にリメイクできるので、ぜひ参考にしてください!
結論 | アイスは腐らないが風味は落ちるのでお早めに
- アイスは冷凍保存が基本なので本来は腐らない
- マイナス18度以下は腐敗の原因菌が繁殖しない
- 製造過程で菌に汚染される場合もあるので注意
- 賞味期限表示義務もないが一部商品は表示がある
- 風味が劣化したらアレンジ次第で美味しく食べられる
アイスはマイナス18度以下で冷凍保存する食品なので、腐ることはありません。
しかし、家庭の冷凍庫は一定の温度を保ちにくいため、長期間保存していると霜がついて本来の風味を楽しめなくなります。
家庭では購入後1カ月以内を目安にして早めに食べきりましょう。
いつ買ったのかわからないアイスでもアレンジ次第で美味しく食べられる可能性があるので、捨てずにリメイクしてみることをおすすめします。