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食材・料理のQ&A

めんつゆのカビは大丈夫?白い浮遊物の原因と食べられるかの見分け方

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料理・食材
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【監修者:共立女子大名誉教授・薗田 勝先生】

めんつゆの容器を開けたとき蓋や注ぎ口にカビのような白いものが付いていたり、中に白い浮遊物が見えたりして食べて良いか悩むことがありますが、体に無害なものが原因の場合もあります。

しかしめんつゆには白い以外にも緑や黒色のものが付いたり、保存状態によっては腐ったりする場合もあるので、食べられるかの見分け方を知っておきましょう。

めんつゆ カビ

まためんつゆは開封後は常温を避けて冷蔵庫保存が基本ですが、だしが入って水分が多く傷みやすいため日持ちしにくいのです。

そこでこの記事では、めんつゆのカビが気になる方にぜひ知っておいていただきたい次の項目について解説します。

この記事を読むと、めんつゆにカビっぽいものがある場合の対処法や劣化を防ぐ扱い方・保管のコツがわかり、傷まないうちに美味しく食べきれるようになりますよ。

鮮度を保つだけでなく使うときにより便利になる保存法もご紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
 

記事監修者・共立女子大名誉教授・薗田 勝先生記事監修・薗田 勝先生
共立女子大名誉教授
共立女子大名誉教授・医学博士・薬剤師/ 生化学・基礎栄養学分野の教育と生体酸化ストレス・抗酸化の研究に埋没してきた共立女子大名誉教授。看護師の卵たちや外国人留学生らと、非常勤講師として現在も勉強を続けている。その分野は微生物・感染症、公衆衛生学に食品衛生学ではあるが、栄養生化学の勉強も怠らないよう努力している。著書には『栄養科学イラストレイテッド 生化学』『基礎栄養学』『食品機能学』『マンガで分かる栄養学』『管理栄養士国家試験解答と解説』 など多数。2018年度まで、日本フードスペシャリスト協会専門委員会委員、日本生化学会、日本ビタミン学会、酸化ストレス学会評議員も務める。
薗田勝先生の書籍情報

   

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めんつゆにカビっぽいものが?食べられるか見分け方のポイント

そうめんつゆ・そばつゆなどの市販のめんつゆを使おうと思ったとき、カビっぽいものが付いていたり何か浮いていたりしたら、食べられるのか判断に困りますよね。

そこで、めんつゆに現れたカビっぽいものの正体や食べて良いかの見分け方と対処法を解説していきます。

蓋や注ぎ口がカビっぽいときの食べて良いかの見分け方

瓶やペットボトルなどに入っているめんつゆのキャップや注ぎ口にカビのようなものが付いていたら、中に異変がなくても食べない方が良い状態です。

めんつゆ 蓋 カビ

目には見えなくても空気中にはカビや菌などの微生物が存在し、家の壁や食べ物などに付いて温度・湿度・栄養などの条件が合うと繁殖することがあります。(※1)

市販のめんつゆは未開封の状態なら直射日光を避けて賞味期限まで常温保存できますが、開封後は冷蔵庫で保存し早めに消費するよう表示されている場合が多いです。

めんつゆの蓋や注ぎ口も開閉時に空気中のカビの胞子が付くと、つゆの成分が栄養となり、常温保存だと温度の条件もそろって繁殖しやすくなります。

こちらは容器に入れて使っためんつゆですが、そのまま室温で放置したため、表面がびっしりとカビで覆われたようです。

同じようにペットボトル容器のめんつゆにカビが繁殖すると、表面だけでなくもやもやした白いものが現れたり底に白い沈殿が見られたりすることもあります。(※2)

稀にきのこのような大きな塊ができることもありますが、やはりカビが増殖したものなので迷わず廃棄しましょう。(※3)

またカビには種類が多く、めんつゆにも白だけでなく緑や黒に見える青カビや黒カビが付く場合もあります。

カビが生えたのが蓋や注ぎ口の周りだけで中身の見た目や味に異変がない場合でも、カビの胞子や菌糸が中にも侵入している可能性があるため、食べない方が無難です。

カビは胞子を飛ばしたり菌糸を伸ばしたりして増え、中にはカビ毒を産生して中毒症状を引き起こしたり、アレルギーの原因になったりするものもあります。(※4)

カビ毒には熱に強いものもあるため、めんつゆに限らずカビの生えた食品は加熱しても食べない方が良いです。

とはいえ、もしめんつゆにカビが生えているのに気付かずに食べたとしても、一度食事に使ったくらいの量で症状が出る心配はあまりないので慌てなくても大丈夫ですよ。(※5)

ヨセミテ 編集部
ヨセミテ
編集部
もし何か症状が現れ、長く続いたり心配になったりした場合はかかりつけ医への相談も検討してくださいね。

めんつゆに付いたカビっぽいものが白い色のときはカビ以外の微生物が原因の場合もあるので、その正体や見分け方と対処法をご紹介します。

白い浮遊物があるときの原因と対処法

めんつゆの液表面に白い膜が張ったり白い浮遊物が発生したりするのは、カビのほかにも、空気中の酵母が入り込んで増殖したのが原因の場合があります。(※6)

酵母は植物をはじめ自然界に広く存在する微生物で、発酵というはたらきをすることからしょうゆ・味噌・パン・ビールなどのさまざまな食品作りに利用されてきました。(※7)

酵母は体に害がないので取り除いたあとのめんつゆは食べても問題ないですが、栄養や風味が落ちているうえカビが混ざっていないかを見分けるのも難しく、無理に食べないことをおすすめします。

こちらは白い浮遊物がありますが、見た目だけでは酵母かカビかの判断が難しいですね。

容器にポツっと小さな白い点状のものが付いていますが、カビのようにも見えます。

写真を見ると白い色で、こちらも酵母の可能性もあるかもしれませんが、匂いや酸味などのほかの状況もしっかりチェックして判断する必要があります。

ヨセミテ 編集部
ヨセミテ
編集部
ちなみに酵母が増殖しためんつゆはアルコール臭やつんとした独特な匂いがしますが、カビ臭さはありません。

にんべんの「つゆの素」のように3倍に希釈して使うめんつゆは、ストレートタイプより塩分濃度が高くカビが生えにくいですが、保存料無添加の場合は傷みやすいので取り扱いに注意が必要です。

めんつゆは以上のようにカビや酵母が増殖するほかにも明らかに腐って食べられない場合があるので、見分け方を覚えましょう。

 

めんつゆが腐るとどうなる?カビ以外に食べたら危険な状態の見分け方

めんつゆはカビ以外にも腐ると濁りや底に白い塊・沈殿物が現れたり、白いシュワシュワした泡が出たりすることがあり、胃腸炎や食中毒の危険性があるため食べられません。

めんつゆ 酸っぱい

開封したての新鮮なめんつゆは、さらっとして透き通った褐色の液体で、しょうゆやだしの良い香りがしますよね。

しかし開封後の扱い方や保存状態により、空気中のカビや細菌などの微生物が入り込み、増殖したり発酵が進んだりして鮮度が落ちていきます。

傷んだ状態を見分けられるよう、明らかに腐って食べられないめんつゆの特徴を覚えておきましょう。

めんつゆが腐ったときの特徴(※8)
  • 濁っている
  • もやもやしたものや沈殿物・塊ができている
  • 泡立っている
  • シュワシュワとした泡が出ている
  • 酸っぱいような匂いや不快臭がある
  • カビが生えている
  • 食べると酸味がある

めんつゆは容器の外側からは見た目に異変がなくても、開けてみたときに嫌な匂いがしたり、少量口に入れてみたときに酸っぱい味がすると、傷んでいる可能性が高いです。

めんつゆに上のような特徴があるときは、腐敗と同時にさまざまな細菌類が増殖し食中毒の原因になる可能性もあるので、残念ですが処分しましょう。(※9)

ただし開封したばかりなのに濁って見えるときは、製法によって原材料のだしの成分が小さな浮遊物となっているだけと考えられるので、商品の表示をチェックしてみてください。

また保管中に酸化して、色が濃くなったりしょうゆの強い臭いを感じたりするようになると風味が損なわれますが、ほかに異変がなければまだ食べられます。(※10)

以上のような開封後のめんつゆにカビや腐敗などの異変が現れた場合のほか、未開封のまま賞味期限を過ぎた場合も食べて良いか悩みますよね。

賞味期限とは「美味しく食べられる期限」で、比較的日持ちできる食品に対して、ある程度余裕を持たせて設定されます。(※11)

めんつゆの賞味期限は食べられなくなるまでの余裕を持たせてあり、未開封半年過ぎのものでも異変がなければ食べて大丈夫という意見もありますが、保管状況にもよるためおすすめはできません。

めんつゆを販売する有名メーカーの賞味期限が知りたい方は、こちらも併せてご覧ください。

いずれにしても食べるかどうかを決めるには、見た目・匂い・味などの状況から自己判断しなければならず、自信が持てない場合もありますよね。

そこで、めんつゆにカビが生えたり発酵が進んだりして腐る寸前まで劣化させないように、正しい保存方法も覚えましょう。

 

めんつゆをカビさせない対策とは?劣化を防ぐ保存方法

めんつゆのカビの繁殖や劣化を防ぐには、開封後の保管場所は冷蔵庫が基本です。

そしてめんつゆには2倍・3倍濃縮やストレートタイプなどの種類があり、開封後いつまで保存できるかの目安期間が異なります。

ストレートタイプはそのまま使えるようだしを多く含むため風味豊かですが、水分の割合が高いため特に傷みやすく、当日中に使いきるよう推奨されているものもあります。

めんつゆのタイプ別保存できる期間
めんつゆの種類 保存期間の目安
ストレートタイプ 1~3日
2倍希釈タイプ 1~2週間
3倍希釈タイプ 1~3週間

2・3倍濃縮の希釈して使うめんつゆは、水分量の違いや塩分濃度の高さからストレートタイプよりカビが生えにくく、開封後に保存できる期間も長いです。(※12)

とはいえどちらも保存期間は扱い方や保存状態により短くなる場合もあるため、鮮度を落とさない保存のコツを覚えましょう。

開封前は常温でOK!開封後は手早く冷蔵庫で保存しよう

めんつゆは製造時に加熱殺菌されるので開封前は賞味期限まで常温保存できますが、開封後は蓋をしっかり締めて速やかに冷蔵庫で保存し、早めに消費しましょう。

めんつゆ カビ 冷蔵庫

めんつゆは保存料無添加のものが多く、開封して空気に触れるとカビや雑菌が付く可能性があり日持ちしません。

残ったときのために、めんつゆの鮮度を落とさず保存できるコツを実践しましょう!

めんつゆのカビや劣化を防ぐコツ
  • 注ぎ口に汚れが付かないよう衛生的に扱う
  • 開閉の頻度を少なくしできるだけ素早く行う
  • 使用後は蓋をしっかり締めてすぐに冷蔵庫に入れる
  • 保存期間を守り早めに使いきる

使用後にテーブルやコンロ周りに出したままにして高温状態になると、その後冷蔵庫に入れても腐りやすいので要注意です。

ヨセミテ 編集部
ヨセミテ
編集部
保存期限を忘れないために、容器や冷蔵庫の扉などに開封日をメモしておくと便利ですよ。

また1回に使う量を考え大き過ぎないサイズを選んだり、少量タイプを常備しておいたりする方法もおすすめです。

そのほか、余っためんつゆは冷凍しておくと使うときに便利になりますよ♪

冷凍保存が便利!長期保存も可能に

めんつゆは製氷器で凍らせ、冷凍用の保存袋・容器に入れて冷凍庫で保存すると、雑菌が繁殖しにくく1~2ヵ月間日持ちします。

めんつゆ 日持ち

1個ずつ必要な分だけ取り出して使えて手軽なうえ、そのまま自然解凍すれば氷を入れずに冷たい付けつゆになり薄まりません。

ヨセミテ 編集部
ヨセミテ
編集部
家庭で手作りしためんつゆも日持ちしにくいので冷凍保存がおすすめですよ。

めんつゆはカビや腐敗を防ぐのはもちろん、便利に使える保存方法を活用し、ムダなく上手に使いきりましょう。

結論|めんつゆのカビに注意!保存期間も気を付けよう

めんつゆは開封したとたんに空気に触れて傷みやすくなり、カビが生えたり酵母が増殖したりすることがあります。

劣化が進んで腐ると食べたら危険な状態になる場合もあるので、見た目や匂いなどからの食べられるかの見分け方を覚えておくと便利です。

めんつゆを開封したら、カビや腐敗の防止法として冷蔵庫を活用し、手早く正しく保存して鮮度を保つこともできます。

賞味期限や開封後の保存期間にも気を付けて、めんつゆを美味しく安全に使いきりましょう。

共立女子大名誉教授 薗田 勝
共立女子大
名誉教授
薗田 勝先生
「だし」を取って「つゆ」を作る。和食の基本ですが奥は深そうですね。さて、「だし」や「つゆ」、そして「めんつゆ」などがお店に並んでいます。昆布や魚を煮出して醤油や砂糖などを加えていますので、微生物にとっても美味しいご馳走に違いありません。ボトルを開封。すると、空気中を漂っているカビや酵母などがそれっとばかりに飛び込んできますから困ったものです。あとは暖かくしてあげれば彼らはどんどん増殖してきます。記事を読み返していただければと思いますが、カビは大丈夫ではありません。白い浮遊物が認められるなら棄てましょう。保存するのなら冷蔵庫に。低温ですと増殖は遅くなります。それでは、美味なる旨味をいただきます。

 

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