【監修者:共立女子大名誉教授・薗田 勝先生】
【執筆者:編集部 高田ゆみ】
塩蔵わかめが腐ると、茶色っぽく変色してドロドロに溶けるなど見た目に異変が生じる可能性があります。
しかし、湯通ししていない生わかめは茶褐色で、もともとぬめりがある海藻なので見た目だけでは判断しにくいものですよね。
塩蔵わかめは消費期限切れになりやすい生わかめとは違い、賞味期限切れ後にすぐ食べられなくなるわけではありません。
そこで、塩蔵わかめの賞味期限はいつまでなのか、保存期間はどのくらいを目安にするべきかなど以下の項目を紹介します。
塩蔵わかめのこと
- 腐るとどうなるか?
- 食べられない状態の見分け方
- 常温・冷蔵・冷凍での賞味期限
- 塩抜き後もOK!冷凍保存のコツ
塩蔵わかめが腐ってしまったのか不安な人は、ぜひ参考にしてくださいね。
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目次
塩蔵わかめが腐るとどうなる?賞味期限切れの見分け方
塩蔵わかめが腐ると、見た目や臭いに異変が生じます。
見た目 | ドロドロに溶けている ぬるぬるして糸を引く ※保存状態に注意 |
---|---|
変色 | 赤い~茶色 ※湯通しの有無に注意 |
臭い | 腐敗臭 ※磯臭さとは違う |
食感 | 弾力がない ※産地に注意 |
ただし、湯通し塩蔵わかめなのか、湯通ししていない生わかめなのか、保存状態によっても見分け方が異なるため、それぞれの違いを確認しておきましょう。
塩抜き前でドロドロの塩蔵わかめは保存状態を要確認
塩蔵わかめの見た目がドロドロに溶けている、ぬめりがあって糸を引いている場合は、保存状態によって食べられない場合と、問題ない場合があります。
開封後しばらく経っている、常温でしばらく放置していたなど保存状態が悪かった塩蔵わかめは腐って食べられない可能性が高いので、色や臭いも確認して判断しましょう。
色や臭いが正常で、塩わかめを塩抜きした後にぬるぬるしているのは水溶性食物繊維なので問題ありません。(※1)
とくに三陸産のわかめは、ぬめりが強いのが特徴です。
赤い~茶色は塩蔵わかめではなく生わかめの可能性も
赤い・茶色っぽいのは塩蔵わかめではなく、生わかめの可能性があるので湯通しの有無をチェックしましょう。
湯通し塩蔵わかめなのに赤茶色に変色している場合は、腐っている可能性が高いです。
生わかめで赤い・茶色の場合は、消費期限切れでない限り問題なく食べられます。自分で塩蔵わかめにしたい場合はこちらを参考にしてください。
わかめの磯臭さと腐敗臭の違いはわかりにくい
わかめは独特の磯臭さがあり、苦手な人もいますよね。
磯臭い原因は魚の腐敗臭や、海に生息しているプランクトンに由来するといわれています。(※2)
わかめが腐るとむせかえるような悪臭を放つ可能性もありますが、磯臭さとの違いがわかりにくいので、見た目や弾力などの異変もよく確認してみましょう。
塩蔵わかめの弾力は産地によって違う可能性も
新鮮なわかめは適度な弾力があるため、食感がない塩蔵わかめは鮮度が落ちかけている可能性も考えられます。
三陸産わかめは肉厚なので弾力があり、鳴門産はどちらかというと肉薄でシャキシャキの食感、韓国産や中国産はさらに肉薄なので弾力があまりないのが特徴です。
塩蔵わかめが腐ったかもしれないと不安な場合は、見た目や臭いの変化をよく確認しましょう。
また、傷まないように正しい保存方法を守ることも大切です。
塩蔵わかめの保存期間はいつまで?正しい保存方法
市販品の塩蔵わかめの賞味期限は、製造元によって製造後3カ月・6カ月・1年など保存期間がまちまちなので、商品ラベルの日付を確認しましょう。
自分で生わかめを塩漬けにして塩蔵わかめにしたい場合は、鮮度が落ちやすいので食べきれる期間を考慮して正しく保存しましょう。
保存方法 | 市販品の一例 (未開封の場合) |
手作り |
---|---|---|
常温 | 1カ月程度 | NG |
冷蔵 | 半年程度 | 1カ月程度 |
冷凍 | 1年程度 | 半年~1年程度 |
未開封なら商品に記載されている賞味期限の日付が過ぎても食べられる可能性はありますが、保存状態が悪いと期限内でも腐る可能性があるので注意が必要です。
塩蔵わかめの常温保存は基本的に市販品のみ!
市販の塩蔵わかめは冷暗所なら常温保存できる商品もありますが、商品ラベルに記載されている賞味期限と、推奨される保存方法を守りましょう。
未開封なら常温保存可能な商品でも、開封後は冷蔵保存が基本です。
なお、手作りの塩蔵わかめをもらって賞味期限が書いてない場合も、必ず冷蔵保存してください。
冷蔵保存と賞味期限の目安
市販品の塩蔵わかめは、賞味期限の日付に関わらず開封後は冷蔵保存で1カ月以内を目安に食べきりましょう。
湯通ししていない生わかめの消費期限は2~3日程度なので、食べきれない場合は自分で塩漬けにして冷蔵保存しておくと1カ月くらいは日持ちします。
ただし、水分や塩分の調整によっては冷蔵保存していても腐敗菌が繁殖するおそれもあるので、手作りの場合は冷凍保存をおすすめします。
冷凍保存と賞味期限の目安
食べきれない塩わかめは冷凍保存しておくと、半年から1年程度は日持ちします。
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家庭の冷凍庫でも1年ほどは日持ちしますが、風味が落ちないように塩を追加すると良いそうです。
塩漬けのまま冷凍保存も可能ですが、塩抜きし食べやすいサイズに切ってから冷凍しておくと凍ったまま調理に使えます。
ただし、塩抜きしてから冷凍する場合は1カ月以内を目安に食べきりましょう。
\ こちらの記事も参考にどうぞ /
結論 | 塩蔵わかめは腐る前に冷凍保存がおすすめ!
- 腐ると見た目や臭いに異変が生じる可能性あり
- 生わかめはもともと茶褐色
- 磯臭さと腐敗臭を見分けるのは難
- 開封後は冷蔵保存が基本
- 食べきれない場合は冷凍保存!
塩蔵わかめは長期保存できるように塩漬けされているため、未開封で冷暗所なら常温保存できる市販品もあります。
保存状態が悪いと見た目や臭いがおかしくなる場合があるので、複数の状態を確認して腐っているのか判断することをおすすめします。
開封後の市販品や、手作りの塩わかめは冷蔵保存が基本で、もっと日持ちさせるなら冷凍保存にしましょう。
正しく冷凍すると1年くらいは日持ちするので、ぜひ上手に保存してください。
名誉教授