ブロッコリーの花蕾(からい)が紫や赤紫色・少し黒っぽく見えても、ポリフェノールの色素が原因なので問題なく食べられます。
ブロッコリーが赤く変色するとむしろ風味が良くなり、うまく調理すれば鮮やかな緑色に戻せるので好んで買うという人もいます。
しかし蕾(つぼみ)が黄色や茶色に変色すると鮮度が落ちて傷み始めている場合が多いので、食べられるかの見分け方を覚えておくと便利です。
またブロッコリーは変色するだけでなく、カビが生えたり腐ったりして、食べると体に悪影響を及ぼす場合もあるので劣化にも注意しましょう。
そこでこの記事では、ブロッコリーの花蕾の色が気になるときに知っておきたい次の項目について解説します。
赤くなったブロッコリーを美味しく調理するコツやおすすめのレシピもご紹介しているので、ぜひ活用してみてください!
料理に使いやすく鮮度を落とさない正しい保存方法を覚えて、ブロッコリーの栄養と風味をムダなく美味しく食べきりましょう。
目次
ブロッコリーの赤い部分は食べられる?変色の原因とは
ブロッコリーの花蕾の表面が生育中に赤くなったり赤紫や黒っぽくなったりしても、ポリフェノールの赤い色素が原因なので、食べても全く問題ありません。
しかし黄色や茶色に変色したり、傷んで不快な臭いやぬめりが出て食べられなくなったりする場合もあるので、見分け方を覚えましょう。
まずは、ブロッコリーが赤く変色する原因や食べられる理由について解説しますね。
蕾が赤紫や赤くなる理由はポリフェノール色素
ブロッコリーは生育中に寒さにあたると身を守ろうとしてポリフェノールの一種・アントシアニンの赤い色素を作るため、冬季に栽培されると花蕾が黒っぽい色や紫色・赤紫色になります。(※1)
ポリフェノールは植物に含まれる色素や苦味の素で、抗酸化作用があるため健康に良い効果が期待でき、特にアントシアニンは目の疲れを和らげるはたらきを持つことで知られる成分です。(※2)
新鮮なブロッコリーと言えば、房の蕾が深緑色をしているものを思い浮かべる方が多いですよね。
そのためブロッコリーは赤い色になると見た目で古いものと勘違いされがちですが、色素と同時に内側では糖分も作り出されているため、赤い程甘みが増して風味が良いと言われます。
また紫ブロッコリーという品種はアントシアニンを多く含み、花蕾や茎の表面が鮮やかな紫色ですが、中の芯は白く、冬季の赤いブロッコリーと同じように甘みが強いのが特徴です。(※3)
見るだけでも楽しめるので、家庭菜園で育てる方も増えていますよ。
ところが、鮮やかな緑色だった蕾が収穫後に時間が経つにつれて黄色や茶色になった場合は、鮮度が落ちているので要注意です。
鮮度が落ちると蕾が黄色や茶色に変色
ブロッコリーは鮮度が落ちると緑色だった花蕾が次第に黄色になりますが、さらに茶色に変色すると傷みはじめているサインなので食べるのはおすすめできません。
収穫後も呼吸を続け、水分や栄養分を使いながら1つ1つの蕾から黄色い花を咲かせようとするため、房の外側の方から少しずつ膨らみ、黄色っぽく変色していきます。(※4)
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これとオニオンスープ🧅
ご馳走様でした🙏🏻✨ブロッコリーが変色し始めてる🤔笑
茹でた冷蔵保存を使ってるけど、新鮮なうちに使い切る工夫も必要だと改めて感じる…🥦勉強も終わり!受かる気がしない😭 pic.twitter.com/fJzsRv1OSH
— 蝶子@159cm産後記録/食欲コントロール勉強中 (@GeronicaOmochi) March 17, 2021
ブロッコリーはこちらのように房が広がって黄色い部分があってもまだ食べられますが、全体的に茶色がかってくると味や栄養も落ち、カビや腐敗の可能性もあるので食べない方が良い状態です。
ただし収穫したてでぽつぽつと黄緑色の部分や点々と茶色い蕾が見える場合は、キャッツアイ、ブラウンビーズと呼ばれる生理障害が原因で、ほかに異変がなければ食べても大丈夫ですよ。(※5)
新鮮なブロッコリーの茎は中が白くてみずみずしいですが、内側が茶色や黒に変色したりぬめりや汁気が出たりすると、腐って体に悪影響を及ぼす可能性があるので食べられません。
- 全体的に茶色や黒に変色する
- 酸っぱい臭いや不快臭がする
- ぬめり・ねっとりした汁気がある
- カビが生えている
- 溶けている部分がある
しかし、ブロッコリーが赤い色になるだけでなく茎の表面に黒い粉のような斑点が付いていても、カビや腐敗ではなく、生育中に低温が続いたためにホウ素欠乏の症状を起こしただけで、問題なく食べられる場合もあります。(※7)
【悲報】昨日溶けたニラと合わせて発掘されたブロッコリー、カビてた pic.twitter.com/tHMU40hwyg
— kakakaya(止) (@kakakaya) May 6, 2020
こちらのように購入時は異変がなく、保管中に花蕾にふわっとした白っぽいものが付いているときは、カビが生えている可能性が高く食べない方が良い状態です。
ブロッコリーのカビについてはこちらの記事で特徴や見分け方などを詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
\ こちらの記事も参考にどうぞ /
もしカビに気付かず食べてしまっても、すぐに中毒症状が出ることはあまりありませんが、カビには人体に有毒なカビ毒を作るものもあるので、カビの生えた食品は極力食べないようにしましょう。(※8)
以上のように、ブロッコリーは色変わりして赤や紫になっていても甘みがあって美味しく食べられるので、黄色や茶色に変色しないうちに食べきりましょう。
そこで、赤くなったブロッコリーの色を戻す方法や栄養を逃さず美味しく食べられるおすすめレシピをご紹介します。
赤いブロッコリーの色を戻す方法はある?おすすめレシピも紹介
ブロッコリーが赤いアントシアニンの色で変色していても、茹でる・蒸すなど加熱をすると鮮やかな緑色になり、通常通り美味しく食べられます。
アントシアニンは水に溶けやすいため茹で水に流れ出たり、加熱で壊れたりするので、調理後は緑色のブロッコリーの場合と変わらない見た目になるのです。(※10)
そこでブロッコリーの赤い色を緑に戻し、せっかくの栄養成分が減るのを防ぐ調理のコツを覚えましょう。
色良く仕上げ栄養を逃さない調理のコツとレシピ例
ブロッコリーの房が赤いときは短時間で加熱すると鮮やかな緑色に戻るので、栄養を減らさないために水を使わない調理法や、下茹でなしで使えたり煮汁ごと食べたりするレシピがおすすめです。
そこで、ブロッコリーの変色や栄養が減るのを防ぐ調理のコツをレシピ例とともにご紹介しますね。
レンジを使って蒸す
ブロッコリーの栄養成分が茹で水に流れ出さないように、茹でるよりも蒸したりレンジ加熱したりする方法がおすすめです。
サラダにする場合は、加熱後のブロッコリーにレモン汁をかけておくと、ポリフェノールの酸化を防ぐはたらきがあるため茶色に変色するのを防げますよ。(※12)
煮汁ごと食べる
汁物や煮込み料理などの煮汁ごと食べるレシピなら、ブロッコリーの水に溶けやすい栄養素も丸ごと食べられます。
人気のシチューやグラタン、ポタージュはもちろんですが、みそ汁に入れても美味しいですよ。
ブロッコリーは煮過ぎないように下茹でなしで最後に加えるのがポイントです。牛乳を加えてシチュー風にしても美味しいですよ。
下茹でなしで油で揚げる
ブロッコリーは、天ぷらや唐揚げのように油で揚げたり炒めたりする場合は下茹でなしで調理できますよ。
余分な衣を落として薄くし、サッと短時間で揚げてサクサク食感を楽しみましょう。
ブロッコリーは赤い色になっていても下茹でなしで調理できますが、虫が付いている場合もあるので、小房に分けたらボウルに入れた水で振り洗いをしてしっかり汚れを落としましょう。
このようにブロッコリーは短時間で加熱すると鮮やかな緑色に調理できますが、食べきれない場合や少しずつ使いたい場合は、変色や劣化を防いで保存する方法を覚えましょう。
ブロッコリーの変色や劣化を防ごう!正しい保存方法
ブロッコリーは赤い色のときも常温だと賞味期限が短くなるため、変色を防いで日持ち期間を長くするには、乾燥と空気に触れるのを避けて冷蔵庫で保存しましょう。
ブロッコリーは丸ごとなら冷蔵庫で4~5日保存できますが、一週間以内に食べきれそうにないときは使いやすくして冷凍もおすすめですよ。
ブロッコリーの鮮度を保つ正しい保存の仕方や保存期間の目安を覚えて、料理に使いやすい方法を実践しましょう。
保存は冷蔵庫が基本!長持ちさせるには冷凍がおすすめ
ブロッコリーの鮮度を保つには冷蔵庫の冷蔵室か野菜室で、乾燥や空気に触れるのを防げるように保存用の容器や袋を活用して保存しましょう。
状態 | 保存方法 | 保存期間 |
---|---|---|
丸ごと | 1.キッチンペーパーか新聞紙で包む 2.ナイロン袋に入れて密封 |
4~5日 |
カット(生) | 1.小房に分けて洗う 2.余分な水分を拭き取る 3.保存用容器・袋に入れる 4.空気を抜いて密閉 |
(早めに消費) |
カット(茹で) | 1.小房に分けて洗う 2.硬めに茹でて冷ます 3.余分な水分を拭き取る 4.保存用容器・袋に入れる 5.空気を抜いて密閉 |
2~3日 |
野菜室に保存した場合は、冷蔵室よりも温度が高めなので早めに消費する方が良いですよ。
丸ごと入れられない場合やすぐ使えるようにしたい場合は、カットして小房に分けて保存もできますが、酸化により変色しやすいので空気に触れないようしっかり密閉しましょう。
さらに、カットしたあと30秒くらいで硬めに下茹でをしてから保存しておくのも便利ですが、傷みやすいのでしっかり密閉して2~3日以内に消費しましょう。
冷凍する場合は小房に分けて洗い、そのまま生か硬めに下茹でをして冷まし、余分な水分を拭き取ってから冷凍用の保存袋に入れ、酸化防止のためしっかり空気を抜いて保存しましょう。
一度に使う分を小分けにしてラップで包んでおくと取り出しやすく、より空気に触れにくくなり変色防止にも役立ちますよ。
結論|ブロッコリーの変色は様々!状況を見極めて判断しよう
寒い時期のブロッコリーは、ポリフェノールの赤い色素が作られるため花蕾が赤紫や黒っぽい色になりますが、甘みが増して美味しく食べられます。
しかしブロッコリーは傷みやすく、蕾が開いて黄色や茶色に変色し腐る場合もあるため、見た目や臭いから食べられるか見分ける方法を覚えましょう。
赤いブロッコリーも加熱すると緑に戻るので、栄養を逃さず色良く調理するコツやおすすめレシピもぜひ活用してくださいね。
鮮度を保ち使いやすくする保存方法を実践し、甘くて栄養たっぷりのブロッコリーを美味しく食べきりましょう。
参考資料
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※1 紫色になったブロッコリーは食べられるの?|NHK出版
※2 わかさの秘密・アントシアニン|わかさ生活
※3 ブロッコリー・3.品種と旬|ハウス食品株式会社
※4 みなとの野菜大辞典・ブロッコリー|HYPONeX
※5 ブロッコリーに発生するブラウンビーズはなぜ問題か|野菜花き試験場
※6 食べ物の腐敗と食中毒|株式会社ウエノフードテクノ
※7 商品Q&A野菜・果物/Q:「ブロッコリー」軸に黒っぽい斑点が|ならコープ
※8 【食品安全FAQ】カビの生えた饅頭を食べてしまいました。食中毒が心配です。|東京都福祉保健局
※9 Q:ブロッコリーに白い異物が付いている|コープこうべ・商品検査センター
※10 野菜に含まれるポリフェノール類やビタミンなどの有効成分は、加熱調理によってどのくらい失われますか?|野菜等健康食生活協議会事務局
※11 [ブロッコリーの栄養]茹でる、無水調理、レンジ加熱で違うの?|KAGOME
※12 科学しちゃうぞ!/なぜ野菜は変色するのか?|imidas