【監修者:管理栄養士 南寿華】
れんこん(レンコン・蓮根)が紫や黒をしていても、含有成分であるポリフェノールが酸化や鉄との結合によって変色したものの場合、問題なく食べられます。
しかし中には、傷んだり腐ったりして食べられない場合もあるので正しい見極めが必要です。
れんこんは調理で必ずしも変色するわけではなく、予防する方法もあります。
そこでこの記事では、傷んだものを見分け正しく処理をして、きれいで美味しいれんこんを食べられる方法を以下の項目について紹介しています。
変色させないために、水・酢水につけるなどの対処方法や、すでに変色してしまったれんこんの色を戻す方法もあるので覚えておくと良いでしょう。
さらにれんこんの状態別の正しい保存方法も解説しますので、きれいに長持ちさせられるようになりますよ。
少しの工夫でれんこんの変色を防いで美味しく調理できるようになるので、ぜひ参考にしてください。
管理栄養士・栄養士
目次
紫色になったれんこんは食べられる?変色の原因とは
新鮮なれんこんの切り口は白っぽいので、紫や黒をしていると「腐っているのかも」と不安になりますが、調理の際に変色した場合は基本的に食べても大丈夫です。
ただし、全体が真っ黒に変色している場合や、カビが生えている、表面にヌメリがある、異臭がする場合は、腐っている可能性があるため要注意です。
まずは変色していても問題なく食べられる状態なのか、画像を見ながら見極めていきましょう。
紫色や黒の変色は食べられる!変色の理由とは
れんこんが紫色に変色するのは、れんこんのアクの成分・タンニン系のポリフェノールが酸化したからだと考えられます。
酸化反応による変色は見た目の変化はあるものの、食べても問題はありません。
皮を剥いたり切ったりすることで、れんこん自体に含まれているポリフェノールが、ポリフェノールオキシターゼという酵素に触れて酸化され、褐変が起こりやすくなるのです。(※1)
また、加熱調理段階でれんこんが変色する場合もあるので注意が必要ですよ。
また連携できてなかった(´・ω・`)今週の作り置き。鉄鍋で作ったれんこんきんぴらが予想以上に黒くなった… pic.twitter.com/ncNMjTjwa3
— わかめ (@peaceflavor) March 3, 2019
鉄鍋で調理したことで黒く変色したようですね。
鉄鍋調理によって黒や紫に変色してしまう理由は、れんこんが鉄に触れて酸化しているからです。
れんこんを鉄製の包丁で切ったり、鉄鍋で茹でる・煮るなどの調理をすると、れんこんのタンニン系ポリフェノールと鉄が結合し、色が黒くなることがあります。(※3)
黒色や紫以外にも、ピンクや赤に変色する場合もあります。
なぜ変色するのかや、食べられるのかどうかを解説しますね。
ピンク色や赤色に変色しても問題なく食べられる!
ピンク色に変色しているれんこんは、見た目に驚いてしまいますが、問題なく食べられます。
れんこんのタンニンは鉄と結合すると、タンニン鉄となりピンク色に変化します。(※4)
#晩ごはん#料理好きな人と繋がりたい
圧力鍋で #むかごご飯 を炊きました。お焦げが欲しいので、少しだけ醤油を入れるレシピにしてます。
花レンコンはピンクになっちゃったけど、可愛いからヨシとします🤗💕
某フォロワー様の真似をしたエリンギのグリルがめっぽう美味でした✨和食 ええのぅ🍀 pic.twitter.com/OLXLECfBcU
— 蛇団子 堕落の海を行く。 (@dansyarimosuki) December 3, 2020
れんこんが古くなって変色したわけではなく、食べても体に害はないため安心して食べられますよ。
また、れんこんの表面が赤くなるのは、泥の中で酸化鉄の赤さび色が皮につくためです。(※5)
表面の皮に赤っぽい斑点があるものを「赤しぶ」と呼び、黒・紫っぽい斑点があるものを「黒しぶ」と呼びます。
いずれも酸化鉄による斑点なので、品質には何も問題はありませんよ。
このように変色しても食べられる場合もありますが、傷んでいて食べられない場合もあります。
全体が黒や茶色になっているれんこんは要注意
全体に黒ずんでいるなど広い範囲が変色していることを含め、次のようなれんこんは傷んでいる・腐っている可能性が高いので食べないようにしましょう。
- 全体的に黒ずむなどの変色がある
- 真ん中の穴が茶色くなっている
- すっぱい臭いがする
- ヌメリがある
- カビが生えている
たとえば次のような状態のれんこんは要注意です。
今日買ったのに
蓮根洗って切ったらカビってた
最悪 pic.twitter.com/dE3Al6F2ex— ⛄️🎄🎅❄🎁🍄きのこ🍄🐕🐈🛍 (@sumomo_0903) February 9, 2020
皮が赤っぽく変色しているのも見えますし、カットした内部まで広い範囲で色が変わっているのが分かりますね。
穴の中にはふわふわしたカビも見られます。
食べられるきれいなれんこんの画像と比較すると、その差は歴然です。
れんこんは泥がついた状態で売られているので、1本のものを購入して家でいざ調理しようと洗浄して切ったところで、変色に気付く場合もあります。
カットしてこのような状態が判明した場合は、残念ですが諦めましょう。
腐ったれんこんを食べた場合の対処法
もし、体に害がある変色をしたれんこんを食べてしまった時のために、対処方法を知っておくと安心です。
悪くなったれんこんを食べた後に嘔吐や下痢などの食中毒症状が出た場合、しっかりと水分補給をしましょう。
特に子供の場合は脱水症状になりやすいので注意して経過を観察する必要があります。
変色したれんこんでも食べられることが多いとわかったところで、変色を元に戻す方法や変色を防止する方法を覚えておきましょう!
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紫色になったれんこんを元に戻すには?変色の防止方法は
下処理や調理の際の工夫によって、紫色になったれんこんの色を元に戻したり、変色を防いだりできます。
まずは、変色してしまったれんこんの色を元に戻す方法を確認しましょう。
変色したれんこんの色を元に戻す方法
酸化して紫色に変色したれんこんは、酢水につけることで元の色に戻せます。
- 水1カップに対して酢小さじ1/2の酢水を作る
- れんこんをカットして酢水につけておく
アク抜きにもなり、水気をきってそのまま調理に使えて便利ですよ♪
ただしこの方法で色を戻せるのは、酸化して変色したれんこんだけです。
傷んだり腐ったりして色が変わっているれんこんは、酢水につけても色は戻りませんし、体への害もなくならないので注意しましょう。
酢水につけるのは、変色を防ぐ方法にもなりますよ!
変色を防ぐ方法は2つ!
れんこんの変色を防ぐ方法は、水や酢水にさらしておくこと、鉄製の調理器具を使わないようにすることが挙げられます。
水や酢水にさらす
れんこんを水や酢水にさらすと、変色を抑えられます。
蓮根 れんこん(Lotus root)
冬になると粘りが出て甘みが増す
切ってすぐに水に浸け、空気に触れないようにするとアク抜きできる
酢水を使う事により、より白くなる(使う料理によって酢水を使うとよい)
酢水に長くつけていると、風味や粘りがなくなってしまうので注意 pic.twitter.com/191Qj4FnWY— おかだけ (@dile2oka8) November 5, 2021
レシピに合わせて、下処理を使い分けるとより美味しく食べられますよ♪
水につけるとほっくりとした食感になるので、筑前煮などの煮物の下処理におすすめです。
酢水(水2カップに対し、酢小さじ1程度が目安)につけるとシャキシャキとした食感になるため、天ぷらにしたり、素揚げにする際におすすめです。
ちらし寿司など、れんこんの白さを料理に生かしたい場合も酢水につけましょう。
上手に使い分けておいしさを引き出せるといいですね!
鉄製の鍋や包丁を使わない
鉄製の調理器具を使うとれんこんが変色してしまうため、鉄鍋でれんこんを炒める、焼くなどの調理は避けるべきです。
春と言えば貝🐚あさりの炊き込みごはん弁当だよ〜😆🌸✨あさりとえのき、蓮根で白い具材の炊き込みごはん〜って思ってたのに、うっかり蓮根を鉄鍋で煮てしまって変色してしまったよ〜😭ちゃんと酢水に浸けてたのに〜😭次回から気をつけてよう…
後は昨日と同じおかずです😂#お弁当 pic.twitter.com/CFsr0VkSf0
— テテテ (@otetete10) March 16, 2018
れんこんを加熱する際は鉄製ではない鍋を選ぶといいですね。
れんこんの変色を戻す方法や変色を防ぐ方法がわかったところで、れんこんが変色しないように保存する方法も覚えておきましょう!
れんこんが紫色になるのを防ごう!正しい保存方法
れんこんは正しく冷凍保存することで、紫色になるのを防げます。
泥付きのまま、皮ごと、カットしたものなど、状態別の保存方法を知っておけば、れんこんの変色を防ぐことができますよ。
れんこんの状態別の保存方法を表にまとめますね。
れんこんの 状態 |
保存場所 | 日持ち | 注意点 |
---|---|---|---|
泥付き1本 | ・冷暗所 (10℃以下) ・野菜室 |
約1週間 | ・1節ごとに分ける ・濡らした新聞紙などで包む ・ポリ袋に入れる |
皮つき | 冷蔵庫 | ・新聞紙などで包む ・密閉袋に入れる |
|
カット | 冷蔵庫 | 数日 | ・密閉容器に入れる ・かぶるくらいの水を入れる ・水を毎日変える |
冷凍庫 | 約1ヶ月 | ・水2カップ:酢小さじ1の酢水に浸す ・水気を拭いてラップに包む ・密閉袋に入れる |
冷凍したれんこんは調味液を加えて、レンジ(500Wで3分~3分半ほど)でチンするだけで、簡単にきんぴらを作ることもできます。
薄く切っておけば火を通すのも簡単なので、時短料理には冷凍れんこんが役立ちますよ♪
インターネットでも、真空パックされた新鮮なれんこんを購入でき調理しやすくて便利です。
れんこんは正しく保存して、変色を防ぎ美味しく食べきるようにしたいですね。
結論|れんこんが紫色にならないように注意しよう
れんこんが紫色に変色するのは、アク成分であるタンニン系ポリフェノールが酸化するためです。
紫色や黒色、ピンク色に変色するのは、酸化によるもので体には害がないため、安心して食べることができます。
しかし、全体が真っ黒になっていたり、茶色に変色している場合は傷んでいる可能性があるため食べない方が良いでしょう。
れんこんは冷蔵庫か冷凍庫で保存すると、1週間~1ヶ月ほど日持ちしますが、なるべく早く消費することが好ましいです。
れんこんを正しく下処理・保存して変色を防ぎ、見た目も美味しく食べてくださいね♪
参考資料
※をクリックすると元の位置へ戻ります。
※1 商品Q&A れんこんを煮たら黒っぽく変色した|生活協同組合コープこうべ
※2 抗酸化物質|e-ヘルスネット(厚生労働省)
※3 れんこん料理のポイント|いばらきれんこん広域銘柄化推進協議会
※4 商品Q&A れんこんの中がピンクで赤みがあるが古いものなのか?|生活協同組合コープこうべ
※5 表皮が赤褐色をしたレンコン|鈴木農園
※6 腐ったれんこんの見分け事方|株式会社ヤマシン商事
※7 食中毒の正しい対処法!|よしひさ内科クリニック 原田久医師
※8 [れんこん]栄養を守る保存方法&料理の下ごしらえの基本|カゴメ
※9 れんこんの保存方法|DELISH KITCHEN