【監修者:管理栄養士 山田美穂】
モンスターエナジーを飲み過ぎると、カフェインの摂取過剰で頭痛などの中毒症状を起こす危険性があります。
また重篤なカフェイン中毒の場合は死亡することもあるため、カフェインを多く含むモンエナの飲み過ぎには注意が必要です。
それ以外のエナジードリンクやコーヒーなどにもカフェインは多く含まれているため飲み過ぎはよくありませんが、適量であればメリットもあります。
そこで本記事はモンスターエナジーは何本までなら大丈夫なのかなど、以下の情報について調べてみました。
モンスターのエナジードリンクと、とても効果がありそうなネーミングですが、飲み過ぎると体に悪い影響もあるので注意しなければなりません。
特に子供が飲む場合の注意点なども説明するので、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
管理栄養士・栄養士
目次
モンスターエナジーの飲み過ぎは体に悪い!死亡事例や症状とは
モンスターエナジー(通称「モンエナ」「Monster」)はアメリカ発祥のエナジードリンクで日本でも人気がありますが、飲み過ぎるとカフェインの過剰摂取により頭痛などの中毒症状を起こすことがあります。
またモンエナは糖分(炭水化物)が低いとは言えないため、飲み過ぎると太る可能性もあるかもしれません。
ドリンク | 内容量 | カフェイン量 (100mlあたり量) |
炭水化物【糖質】 (100mlあたり量) |
---|---|---|---|
モンスターエナジー(※1) | 355ml | 142mg (40mg) |
44.73g (12.6g) |
レッドブル (※2) |
250ml | 80mg (32mg) |
27g (10.8g) |
ZONe (※3) |
500ml | 150mg (30mg) |
65.5g (13.1g) |
ドリップコーヒー (※4) |
250ml | 150mg (60mg) |
1.75g (0.7g) |
※糖分は炭水化物から食物繊維を引いたものですが、ここで上げたドリンクには食物繊維が含まれていないため、炭水化物量を糖分量としています。
このように、モンエナだけでなくレッドブルやZONeなどほかのエナジードリンクにもコーヒー並みのカフェイン量が含まれているのがわかります。
コーヒーよりも手軽に飲みやすいことから、カフェインの過剰摂取に繋がることもあるので、注意してくださいね。
ではカフェイン中毒になるとどのような症状が出るのか、詳しくご紹介していきます。
カフェイン中毒の危険性とは|死亡する可能性はある?
カフェイン中毒になると、イライラするなどの精神的な症状のほか、頭痛や下痢などの身体的な症状が起こります。(※5)
精神的な症状 | 身体的な症状 |
---|---|
興奮 イライラ 緊張 不安 あせり 不眠 ※重症時は幻想や幻聴など |
頭痛 吐き気、嘔吐 下痢などの腹痛 不整脈 手足の震え ※重症時はけいれんなど |
カフェインを摂取すると眠気が覚めてスッキリするといったメリットがある反面、摂り過ぎると上記のような副作用が起こる可能性もあるので注意してください。
病気だからどうしようもないのわかってるけど眠気がひどすぎるのでモンエナと無糖コーヒーのコンボ。しばらくするとカフェイン中毒で気持ちわるくなるやつ。
— ズミ (@zumi_yumyum) October 14, 2021
気持ち悪いとわかっていても、ついついカフェインを摂り過ぎてしまうようですね。
最近モンエナやめた…なんかお腹痛くなる…🥺(必要な時飲みたいけど笑)
— 夢迷🎀 (@mmineunan) October 15, 2021
モンエナを飲み過ぎるとお腹が痛い、胃腸の調子が悪くなるというのは、割とよくあるようです。
重篤なカフェイン中毒だと命の危険もありますが、モンスターエナジーの飲み過ぎだけで死亡する可能性は低いと思われます。
カフェインの致死量は5gなので、モンスターエナジー355mlで摂取しようとすると35缶分(12.5l)飲まなければならないため、あまり現実的ではありません。(※6)
いずれにせよ飲み過ぎるとカフェイン中毒だけでなく、脳みその神経に作用してカフェイン依存になる恐れもあるので気を付けましょうね。(※7)
またそのほかにも、糖分の摂り過ぎで病気になる可能性などもあるので、注意が必要です。
心臓や肝臓への影響は?糖分の摂り過ぎにも要注意!
モンスターエナジーには炭水化物(糖分)も多く含まれているため、あまり飲み過ぎると太ったり糖尿病などの病気になったりする可能性があります。(※8)
1日の炭水化物(糖分)の摂取目安はだいたい250~325gですが、モンスターエナジー(355ml)の糖分量は44.73gなので、1本でおよそ20%もの摂取量に相当します。(※9)
炭水化物はほかの食品でも多く摂取するため、モンエナを飲み過ぎると炭水化物(糖分)の過剰摂取に繋がり、病気などの要因になる可能性があるので注意しましょう。
このようにモンスターエナジーは飲み過ぎると体に悪い影響を及ぼすこともあるので、適量を飲むことが大切です。
そこでモンスターエナジーはどのくらいなら体に負担が少ないのか、詳しく調べてみました。
モンスターエナジーは1日何本までOK?メリットも解説
モンスターエナジーの飲み過ぎはカフェインの過剰摂取に繋がるため、1日1本程度がおすすめです。
特に毎日コーヒーなどのカフェインを摂るのが習慣になっている人は、知らずにカフェインの過剰摂取に繋がる恐れがあるので気を付けましょう。
カフェインの摂取量から1日1本までが理想
カフェインの1日の摂取量とモンスターエナジーに含まれるカフェイン量から考えると、1日1本にとどめておくと安心です。
モンエナのカフェイン量 | カフェインの適切な摂取量(※11) | |
---|---|---|
142mg | 1回あたり | 1日あたり |
約200mg | 約400mg |
カフェインを一度に摂取する量は1㎏あたり3mgが推奨されているので、上記の200mgというのは、体重70㎏の場合が目安です。
つまりもっと体重が軽い50㎏などの場合は、「50×3mg=150mg」となります。
またカフェインの1日の上限が400mgなので、コーヒーなどのほかの食品からもカフェインを摂取することを考えると1本までにしておくと良いでしょう。
1日1本程度の適量であれば、体に良い影響をもたらしてくれますよ。
適量なら眠気覚ましや疲労回復など体に良い影響も
モンスターエナジーは魔剤(「魔(法のように力が出るドリンク)剤」)とも呼ばれており、カフェインによる眠気覚ましや疲労を感じさせない効果などを期待できます。(※12)
高麗人参エキスも含まれているので、疲労回復や食欲不振、虚弱体質の方などにも良さそうです。(※13)
ただしあくまでも清涼飲料水に分類され、医薬品に分類される栄養ドリンクではないので注意してくださいね。
もっとモンスターエナジーの効果を知りたい場合は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
\ こちらの記事も参考にどうぞ /
上記の記事に詳しく記載されていますが、モンスターエナジーには定番の緑だけでなくピンクや青などさまざまな種類があるので、通販などで比較して購入するのもおすすめです。
カフェインの摂り過ぎには注意が必要なので、飲み過ぎることなく効果を感じたいですよね。
そこで、より効果を期待できるモンスターエナジーの飲み方や、特に子供などが飲む場合の注意点などもお伝えしていきます。
モンスターエナジーの効果的な飲み方と注意点
モンスターエナジーの効果を得るには飲むタイミングが重要なので、以下にまとめてみました。
胃液が分泌され栄養が吸収されやすいのは食後30分以内なので、栄養補給のためなら食後がおすすめです。
反対にカフェインの効果が出るのは30分後くらいなので、仕事や勉強で頭をスッキリさせたいなら、そのタイミングの30分前に飲んでおくと効果を期待できます。
ただし、効果が欲しいからと言って何本も飲むと前述したようなデメリットがあるので、ここぞというタイミングで飲むようにしましょうね。
また、カフェイン耐性が低い子供にはそもそもおすすめできませんし、妊婦は飲む量に特に注意が必要です。
特に子供や妊婦は気を付けよう!知っておきたい注意点
モンスターエナジーなどのエナジードリンクは、カフェイン中毒の恐れなどから子供や妊婦は飲むのを控えた方が良いでしょう。
海外ではカフェイン中毒による子供の死亡事例なども報告されているので、十分注意してくださいね。
参考として、カナダで推奨されている子供のカフェインの摂取量をまとめてみました。
年齢 | カフェイン量 |
---|---|
4~6歳 | 45mg |
7~9歳 | 62.5mg |
10~12歳 | 85mg |
13歳以上 | 2.5mg/1kg |
中学生以上の子供の場合は、1㎏あたり2.5mgを参考にカフェインを摂取しましょう。
また妊婦や授乳中の場合は、カフェインを摂り過ぎると胎児や乳児に影響を及ぼす可能性があるため、1日200mgまでの摂取が推奨されています。(※15)
いずれにせよ、カフェイン中毒の恐れがより強くなる子供や妊婦、カフェインに弱い人には、モンスターエナジーはあまりおすすめできません。
どうしてもと言う場合は、自己責任のもと上記の情報を参考に少しだけ摂取するようにしてくださいね。
結論|モンスターエナジーを飲み過ぎると危険
モンスターエナジーを飲み過ぎると、カフェインの過剰摂取により頭痛などの中毒症状を起こす可能性があります。
重篤なカフェイン中毒の場合は命の危険があるため、エナジードリンクだけで死亡する可能性は高くないものの、飲み過ぎには注意が必要です。
カフェイン中毒のほかに糖分の摂り過ぎなどを防ぐためにも、1日1本程度の引用にとどめるのが良いでしょう。
ただし、子供や妊婦などには飲用自体おすすめできないので十分注意してくださいね。
飲むタイミングや量などを工夫して、健康的かつ効果的にモンスターエナジーを活用しましょう!
参考資料
※をクリックすると元の位置へ戻ります。
※1 アサヒ飲料 モンスターエナジー 缶355ml|アスクル
※2 レッドブル エナジードリンク 250ml|ゼビオホールディングス
※3 ZONe Ver.2.0.0(500ml*24本入)【ZONe(ゾーン)】|楽天市場
※4 コーヒーの成分|UCC上島珈琲株式会社
※5 カフェイン中毒について|メディカルノート
※6 急性カフェイン中毒|医療法人 徳洲会 湘南鎌倉総合病院
※7 コーヒーの飲みすぎは危険?カフェイン依存症|株式会社オプテージ
※8 高カフェインの「エナジードリンク」で健康被害が 摂取の制限を検討|一般社団法人 日本生活習慣病予防協会
※9 炭水化物の働き・摂取目安量を解説。多く含む食べ物や糖質との違いを紹介|森永製菓株式会社
※10 食品中のカフェイン|内閣府 食品安全委員会
※11 欧州食品安全機関(EFSA)、カフェインの安全性に関する科学的意見書を公表|内閣府 食品安全委員会
※12 カフェインの効果|大正製薬株式会社
※13 高麗人参とは|クラシエホールディングス株式会社
※14 カフェインを多く添加した清涼飲料水(いわゆるエナジードリンクを含む)の表示に関するガイドライン|
一般社団法人 全国清涼飲料連合会
※15 カフェインの過剰摂取について|農林水産省