【監修者:管理栄養士 辻智子】
じゃがいも(ばれいしょ)が緑っぽい場合は、皮を厚くむくと食べられる可能性があります。
でも中身まで黄緑っぽい場合は、有毒なソラニンやチャコニンの影響で食中毒を引き起こすおそれがあるため注意が必要です。
緑色の部分がどの程度なら大丈夫なのか見分けるためには、色をよく確認することが大切です。
そこでこの記事では、さまざまな緑色のじゃがいも画像を比較しながら、以下の項目について紹介します。
じゃがいもは緑色になった部分に天然毒素を含んでいますが、しっかり取り除いて水にさらすなど調理法の工夫次第で食べられるようになることもあります。
この記事を読むと、じゃがいもを食べる際の注意点や正しい管理の仕方がわかるので、ぜひ参考にして料理を楽しみましょう♪
目次
緑色っぽいじゃがいもは食べられる?変色の原因と比較画像
じゃがいもの緑っぽい色になった部分には、毒性のある成分が含まれています。
皮を厚くむいて緑色の部分を取り除くと食べられますが、中身まで緑になっている場合は食べられません。
じゃがいもが緑色になった原因と合わせて、どの程度の変色なら食べられると判断しても良いのか確認してみましょう。
芽や緑化した皮には毒がある!食べるとどうなる?
じゃがいもの芽や緑化した皮には、傷や日光・蛍光灯などの光が原因で生成された、有毒物質のグリコアルカロイド(ソラニンやチャコニン)が含まれています。
【お知らせ】新じゃがが出回り、肉じゃがやカレーなど、いろいろな料理をおいしく楽しめる時期です。でも、じゃがいもの皮や芽には天然毒素が含まれていることがあります。芽や緑色に変化した皮は取り除き、食べないようにしましょう。詳細はこちらhttps://t.co/uhZXHRRfOE pic.twitter.com/8esSgRgU6M
— 農林水産省 (@MAFF_JAPAN) May 10, 2019
比較した画像をみるとよくわかりますが、全体的に皮が緑になっているのがわかりますよね。これが要注意な状態です。
スーパーなどでは光を通す透明なビニール袋に小分けして販売されていることが多いため、よく見て購入しないと買ったばかりでも緑色になっている可能性もあります。
また、完熟する前に収穫されることが多い新じゃがいもなどの小芋にも、ソラニンやチャコニンが多く含まれている可能性があるので注意が必要です。(※1)
じゃがいもの有毒物質が原因と考えられる食中毒事例はとても多く、重症化すると昏睡状態や死亡する例もあります。(※2)
緑化したじゃがいもを食べてしまった場合で、数分後~遅くても数日後に異変を感じたら、すぐに病院を受診してください。
ちなみに、じゃがいもの花が咲いた後になる緑色の実にも毒性のある成分が含まれています。(※3)
一見するとトマトのようで美味しそうに思えますが、食べないでください。
では、どれくらいの変色なら食べられると判断できるのか、見分け方のポイントを確認してみましょう。
中身まで黄緑色なのは要注意!食べられる状態の見分け方
皮が緑色になったじゃがいもが食べられるか見分け方のポイントは、切った中身の色を確認することです。
ジャガイモを買って剥いたら皮、中身共々緑色…これってヤバいやつだったような…ちなみに品種はマチルダというの pic.twitter.com/Ot0E9Ab4Pu
— エルチャムさん@PSO2復帰 (@Eruchamu_plant) December 12, 2017
この方は「マチルダ」という品種のじゃがいもの皮だけをむいて緑色だったようですが、中身を切ってみると以下の画像のように問題ない場合が多いです。
新じゃがいもは皮が緑色になっていることが多いので中身をよく確認しましょう。
この新じゃが、食べても大丈夫❓
緑のじゃがいもは中毒になるって言うよね😱😱😱 pic.twitter.com/8AULHeexg6— あお (@aoiyume1116) January 18, 2020
このように皮が緑がかった状態でも、中身は普通に黄色っぽい状態なので大丈夫そうですね。
注意が必要なのは、中身まで黄緑っぽい場合です。
長崎産の新じゃがが緑色❗️買ってしばらく放置していたからかな?食べられないんだよね⁉︎ #新じゃが #緑 pic.twitter.com/632iQvVvAV
— イリー (@icecream_music1) February 27, 2021
このように、中身が黄緑色で未熟な可能性がある新じゃがの場合は、食べない方がよさそうですね。
ただし、じゃがいもは品種ごとに色が違い、光の加減によって緑色っぽく見える場合もあります。
じゃがいもの断面。
右上から 北海こがね・ディンキー・アンデスレッド 左上から ノーザンルビー・メークイーンこれから両面ローストしてみます。 pic.twitter.com/TdRfcjxz
— 華 Kana.Makiyama (@sp8881) July 23, 2012
淡黄色の「北海こがね」や、黄白色の「マチルダ」などの品種は、光の当たり方で緑色や青い色に見える場合もあるのでよく観察して判断しましょう。
また、「さやか」という品種は緑化しにくいのが特徴なので、お店で見かけたら試してみてはいかがでしょうか?(※4)
カルビーポテトのじゃがいも
さやか pic.twitter.com/KqqO1w97MT— はたけっっ (@hatake_mugi_) April 11, 2021
表面の皮が緑になった部分が少しだけ、広範囲でも中身が黄緑っぽい色でなければ食べても大丈夫です。
ただし、調理法には工夫が必要なので注意したいポイントを確認しておきましょう。
緑色のじゃがいもは皮をむけば大丈夫?安全に食べる方法
皮が少し緑っぽいじゃがいもは、緑の部分がどこまで広がっているかよく確認して、中身が問題なければしっかり皮を取り除くと食べられます。
この画像のように皮全体がうっすら緑色になっている場合も、緑の部分を厚くむくことが大事なので、ピーラーではなく包丁を使いましょう。
なお、ソラニンやチャコニンは皮に多く含まれているため、緑色になっていなくても皮ごと食べない方が良いです。
とくにメークインや男爵は含有量が多いため、しっかり皮をむくのがおすすめです。(※5)
でも、新じゃがは皮が柔らかいのでそのまま調理したいところですよね。
できるだけ安全に食べるためには、以下のポイントを抑えておきましょう。
新じゃがや緑のじゃがいもは水にさらすのがおすすめ
新じゃがを皮ごと食べたい、緑色だったけど皮を厚くむいたじゃがいもを食べたい場合は水にさらしてから調理するのがおすすめです。
ソラニンは水溶性なので、調理前に水にさらすと抜け出る可能性があるからです。(※6)
なお、ソラニンやチャコニンは加熱調理に強く、茹でる・煮る場合はほとんど分解されず、揚げる・焼く場合は少し分解されても完全にはなくなりません。(※8)
食中毒を防ぐためには、芽や緑色になった部分をしっかり取り除くことが基本です。
特に子供は大人より少ない量でも症状が出る可能性があるため注意が必要です。
このようにじゃがいもが緑色になるのは保存方法も影響するので、変色しない保存の仕方も覚えておきましょう。
じゃがいもが緑色になるのを防ごう!正しい保存方法
じゃがいもが緑色になるのを防ぐには、光に当てないことが大切です。
密封したビニール袋は湿気が生じてカビが生えやすいので、袋に穴を空ける・新聞紙で包む・紙袋に入れるなど工夫して湿度の低い風通しの良い涼しい場所で保管しましょう。(※9)
通気性・遮光性に優れた専用の保存バックを使用するのもいいですね。
なお、冷蔵庫の野菜室などでじゃがいもを保存するのはおすすめできません。
じゃがいもの冷蔵保存はおすすめできない理由
じゃがいもの冷蔵保存をおすすめできない理由は、還元糖が増えて健康に悪影響を及ぼすと指摘されているアクリルアミドができやすくなるからです。
すでに冷蔵保存していた場合は、1週間ほど常温に置いてから調理するか、「茹でる・蒸す・煮る」など120℃に達しない方法で調理しましょう。
できるだけアクリルアミドを取り入れないようにするには、冷蔵庫に入れず6℃以上で常温保存するのがおすすめです。(※11)
ただし、収穫後3ヶ月以上経過したり、室温が高くなったりすると芽が伸びて有毒なソラニンやチャコニンが生成されてしまいます。
芽が伸びるのを防ぐには、エチレンを発生させるりんごと一緒に保存すると長持ちしますよ。(※12)
また、食べきれないほど大量にじゃがいもがある場合は、冷凍保存するのもおすすめです。
じゃがいもを冷凍するとパサパサになって美味しくないのですが、マッシュポテトならパサパサの食感を有効に活かせますよね。
一食分ずつ箸で跡をつけておくと、使いやすいですよ。
1ヶ月くらいを目安に、コロッケやポテトサラダなどに活用しましょう♪
\ こちらの記事も参考にどうぞ /
結論|じゃがいもの緑色になった部分は取り除くのが大事!
じゃがいもの緑色になった部分には、天然毒素のソラニンやチャコニンが含まれており、食中毒を引き起こすおそれがあります。
緑色の部分や芽はしっかり取り除くようにして皮はできるだけ食べない、中身まで緑になっているなら絶対に食べないことが大切です。
じゃがいもは光に反応して緑色の部分が増えるので、自宅で保管する際には光が当たらない涼しい場所で常温保存しましょう。
もし手元にあるじゃがいもに緑色の部分があったら、この記事を参考にして中身の色はどのくらい変わっているのかよく確認して食べられるか判断してくださいね。
参考資料
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※1 じゃがいもの豆知識|JAきたみらい
※2 ソラニンやチャコニンによる健康影響|農林水産省
※3 じゃがいもの...実?!|じゃがいもDiary(カルビー)
※4 じゃがいもの主要品種紹介|北海道
※5 食品に含まれるソラニンやチャコニン|農林水産省
※6 注意の必要な植物 ジャガイモとソラニン|日本大学 薬学部 薬用植物園
※7 野菜を水にさらす時間|cookpad
※8 ソラニンやチャコニンの加熱調理による影響|農林水産省
※9 【野菜のマメ知識】玉ねぎとじゃがいもの保存方法|JAきたみらい
※10 家庭調理でできること|農林水産省
※11 食品中のアクリルアミド低減に向けた取組み|農林水産省
※12 じゃがいもの芽止め法|JAひだ