【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
美容と健康のために毎日飲むヨーグルトを飲んでいますが、美味しくてつい飲み過ぎると下痢をすることがあります。
何度かこんな経験を繰り返しているのですが、下痢をするってことは体に良くないのでは?と思ったので、飲むヨーグルトを飲み過ぎると体に良くないのか調べてみることにしました。
- 飲むヨーグルトの飲み過ぎで下痢を引き起こす理由
- 下痢だけではなく、便秘や太る原因にもなる理由
- 体調不良を引き起こさない!正しい飲み方
- 乳酸菌の種類によって違う!商品別に期待できる効果
飲むヨーグルトのパッケージには「お腹の調子を整える」と書いてあるので、便秘を解消したいと思っている方は特に飲み過ぎる傾向があると思います。
でも、下痢になるどころか便秘が悪化する人や、太る人もいるそうなので、改めて正しい飲み方についても確認してみました。
また、「ブルガリア」や「R1」などの商品によって乳酸菌などの種類が異なることから、期待できる効果・効能の違いについても調べています。
この記事で紹介している内容をしっかり確認していただけると正しい飲むヨーグルトの飲み方がわかるので、ぜひ参考にしてください♪
管理栄養士・栄養士
目次
飲むヨーグルトの飲み過ぎで下痢になる?便秘や太るデメリットも!
体に良いと思っていたのに飲むヨーグルトの飲み過ぎで下痢などの体調不良を引き起こす例も少なくありません。
まずは、下痢を引き起こす原因について確認してみましょう。
飲み過ぎで下痢を引き起こす原因
何事も過剰に摂り過ぎなのは体に良くないものですが、飲むヨーグルトの飲み過ぎで下痢を引き起こすのは体質が関係していると考えられています。
日本人には牛乳に多く含まれる乳糖(ラクトース)を分解する酵素であるラクターゼ(βーガラクトシダーゼ)の活性が低い、あるいは欠損している場合が多いそうです。
これを乳糖不耐症といい、乳製品をとると吐き気や腹痛、下痢症状を引き起こしてしまうそうなんです。
簡単に言えば、日本人には乳製品が(お腹の事情的に)苦手な人が多いってことでしょう。
アレルギーとは別物なので、乳製品を飲んじゃダメー!って言われてるわけではないですよ。
乳製品によって症状が出ない場合もある
乳糖不耐症が軽度の人だと、牛乳はアウトなのに飲むヨーグルトが平気という場合もあります。
- 牛乳とヨーグルトでは牛乳の方が症状が出やすい
- 冷たい乳製品は冷たい刺激と乳糖のダブルパンチで下痢しやすい
常温や温めた状態で飲む事で下痢症状が出ない場合もあるみたいなので、「冷蔵庫でキンキンに冷やすと下痢になるけど、常温の飲むヨーグルトは平気♪」って人もいるかもしれませんね(笑)
飲むヨーグルトと同じように、乳酸菌が含まれるヤクルトやカルピスも飲み過ぎると下痢を引き起こすおそれがあるので注意しましょう。
飲むヨーグルトと食べるヨーグルトの違いとは?
飲むヨーグルトでは下痢をしやすいけど、食べるヨーグルトなら問題なく食べられるという方もいます。
液体、固形ヨーグルトの3つの違い
- 乳酸菌が大腸に届くのは飲むヨーグルトの方が早い
- 飲むヨーグルトの方が糖分が多い
- 食べるヨーグルトは咀嚼してゆっくり食べられる
飲むヨーグルトは、冷蔵庫で冷やしたまま一気にお腹に入れてしまうことが影響しているのかもしれませんね。
便秘が悪化したり太る場合も!
飲むヨーグルトを便秘解消の目的で飲んでいる方も多いと思いますが、飲み過ぎると便秘が悪化するおそれもあるといわれています。
ヨーグルトなどの乳製品には動物性タンパク質を多く含まれていますが、日本人の体質では消化しきれず、便秘の原因になる場合があります。
また、 飲むヨーグルトに含まれる糖分が太る原因になることも忘れてはいけません。
ダイエット目的なら糖分が含まれていないプレーンタイプが良さそうですね!
つまり、飲むヨーグルトの飲み過ぎは下痢になることもあれば、便秘が悪化したり、太る原因にもなるのです。
では、このようなリスクを引き起こさないようにするためには、どのような飲み方が良いのか考えてみましょう。
飲み過ぎるのは禁物!飲むヨーグルトの正しい飲み方
飲むヨーグルトを飲み過ぎるとお腹の調子が悪くなる可能性があるからといって、美容や健康に悪いわけではありません。
飲むタイミングや量を気をつければ、下痢しがちな人でも大丈夫なんですよ!
飲むタイミングはいつ飲むのがベスト?
飲むヨーグルトは朝と夜どっちがいいのか、食前食後のどちらがいいのかなど飲むタイミングに悩む方も多いですが、目的に応じて飲むタイミングを見極めるのがおすすめです。
飲むタイミング | 目的 | 理由 |
朝食として | 美容 健康維持 |
しっかり栄養素を補給できるため |
食後 | 便秘解消 | 乳酸菌が胃酸の影響を受けないようにするため |
食前 | ダイエット | 満腹感が得られて食事の量を減らせるため |
骨を丈夫にする | カルシウムの吸収率が高まるため | |
夜寝る前 | 美容 健康維持 |
寝ている間に腸が活発に働き代謝機能や免疫力がアップするため |
乳酸菌やビフィズス菌はオリゴ糖や食物繊維をエサにします。
食後にヨーグルトを飲むなら、食事で乳酸菌のエサであるオリゴ糖や食物繊維を摂取して、乳酸菌を増やす手助けもできますね。
飲む量はどのくらいがベスト?
飲む目安量については、各商品に記載されている目安量を守ってください。
成分表や内容量と一緒に書いてあることが多いので、チェックしてみてください。
最近は飲むヨーグルトにしてるんだけど……1日の摂取目安量が100mlって、コップ1杯よりも少ないんじゃね?🤔
尚、1日で1本飲み切る。 pic.twitter.com/qysQMsrDzK
— くろうど🌈🏰🌊👨💻 (@kuroudo119) September 1, 2019
私はダイエット中に普通の食事に置き換えてヨーグルトを一日500g食べてお腹を壊した経験がありますが、食べ過ぎだったようですね・・・。
空腹時に食べると胃酸に負けやすいので、あの時の乳酸菌やビフィズス菌はさほど腸に届いていなかったかもしれませんね。
飲むヨーグルトについて調べるうちに乳酸菌の種類に違いがある事がわかりました。
種類によって効能が違いますので、こちらもヨーグルト選びの重要なポイントになりそうですよね。
商品によって乳酸菌の種類が違うから期待できる効果も違う!
飲むヨーグルトはいろんな会社から発売されていますが、配合されている菌の種類が違うため、期待できる効果・効能も違います。
製品名、菌の種類、効能をまとめたので、まずはご覧ください!
明治ブルガリア飲むヨーグルトLB81
特定保健用食品(腸内細菌のバランスを整える・おなかの調子を良好に保つ)に指定されています。
菌の種類 | ブルガリカス・LB81株 |
期待できる効果・効能 | ・整腸作用 ・肌荒れ改善 |
雪印メグミルク 恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト ドリンクタイプ
機能性表示食品(内臓脂肪を減らす)です。
菌の種類 | ガセリ菌SP株 |
期待できる効果・効能 | 内臓脂肪低減効果 |
明治プロビオヨーグルトR1ドリンクタイプ
特定保健用食品や機能性表示食品ではありませんが、インフルエンザの予防効果が期待できるとして話題になっている商品です。
菌の種類 | 1073R-1乳酸菌 |
期待できる効果・効能 | ・免疫力の向上 ・風邪にかかるリスクの低下 ・インフルエンザの抑制 |
ヤクルト
ヤクルトの飲むヨーグルトは複数の種類がラインアップされています。特にジョアは乳酸菌、ミルミルはビフィズス菌が含まれているので、2種類を飲むと良いといわれています。
ジョア | ミルミル | BF-1 | |
菌の種類 | 乳酸菌シロタ株 | ビフィズス菌・BY株 | B.ビフィダム Y株(B.ビフィダム YIT 10347) |
期待できる効果・効能 | 小腸で腸内環境を整える | 大腸で腸内環境を整える | 食後の胃の負担をやわらげる |
この他にも「日清 十勝のむヨーグルト プレーン」には「L.カゼイ菌(NY1301株)」、「セブンイレブン のむヨーグルト」には「HN019菌」が含まれており、それぞれ腸内環境を整えてくれます。
また、「森永アロエヨーグルト アロエの力」のように、肌の保湿力を高めて水分量を増やす機能性がプラスされているのもおすすめです。
菌の種類や効果が解れば、自分の欲しい効果に合わせて商品を選べるので便利ですよね♪
乳酸菌やビフィズス菌は人の腸内環境によって合う・合わないがあって即効性もありませんが、しばらく続けて変化がないなと思ったら違う商品に変えてみるのもおすすめです!
ダイエット効果を重視したい方へのアドバイス
参考までに、飲むヨーグルトで腸内環境を整えて代謝機能を高めてダイエットを成功させたい方が気をつけるべき4つの事がこちらです。
- 適度な運動
- 快便
- 水分摂取
- 糖質制限
冷蔵庫から出したばかりの飲むヨーグルトは、お腹を冷やして腸の機能を低下させる原因になるので、温めて飲むと良いみたいです。
なんと、温める事でカルシウムの吸収もよくなるみたいですよ!
痩せやすい体質づくりを目的に飲む場合も、温める方が効果があるそうです。
まとめ
飲むヨーグルトの飲み過ぎで下痢を引き起こす理由などを調べた結果をまとめます。
- 日本人は体質的に飲むヨーグルトなどの乳製品が合わない人が多い
- 乳糖を分解する酵素が少ない乳糖不耐症の人は下痢や腹痛を起こしやすい
- 飲むヨーグルトはダメでも食べるヨーグルトなら大丈夫な人もいる
- 便秘が悪化したり太る原因にもなるので飲み過ぎは禁物!
- 目的に応じて飲むタイミングを見極めるのがおすすめ
- 商品に記載されている目安量をしっかり守る
- 商品によって使用される乳酸菌・ビフィズス菌が違う
- 菌が違うと期待できる効果・効能も変わる
乳酸菌はずっと体内にいる訳ではないので毎日摂取しないと、なかなか効果が出ないんです。
一度にたくさん飲んで一気に結果を出そうとせず、毎日、適量を飲むことを習慣にして、体の調子を整えていきたいものですね。
ガブガブと一気に飲み干してしまうと、下痢にもなりやすいし、味にも飽きやすいですから。
調理がいらない飲むヨーグルトなら、健康習慣として始めやすいですよね!
私も明日から、旦那と子どもに毎日1杯ずつの飲むヨーグルトを朝食に出してみようかなぁ…。