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食材・料理のQ&A

パクチーとカメムシの匂い成分は同じ? 好き嫌いは遺伝子で決まる!

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料理・食材
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パクチー カメムシ

監修者1:野菜ソムリエプロ みつはしさなこ
監修者2:管理栄養士 中山沙折

パクチーとカメムシの匂いは似ているとよく言われている理由は科学的に証明できます。パクチーとカメムシには、同じ匂い成分が含まれているためです。

さらに、パクチーの好き嫌いは遺伝子由来という衝撃的な発表があります。ご存知でしたか?

今回は以下のようなことを解説していきます。

パクチー好きの方にも嫌いな方にも、この記事を読んでパクチーのおもしろさを知ってもらえれば嬉しいです。それでは見ていきましょう!

野菜ソムリエプロ・みつはしさなこ先生記事監修者1
みつはしさなこ先生
野菜ソムリエプロ
野菜ソムリエプロ冷凍生活アドバイザーつくりおきマイスター離乳食アドバイザー/ 八百屋業や訪問料理で延べ50件以上のキッチンで料理を経験し、野菜の特徴を活かした、手軽に作れる料理を身につける。ワーキングマザー×子育て×食をテーマに、「食卓時間を幸せにするための、料理をラクにするコツ」を発信中。
みつはし先生の公式ブログTwitterInstagram
記事監修者・管理栄養士・中山沙折先生記事監修者2
中山沙折先生
管理栄養士
管理栄養士/ 一部上場企業にて食品研究に6年間従事。摂食障害を克服した経験から、現在はフリーの栄養士として特定保健指導を軸に栄養指導やダイエット指導をしている。「食は楽しい」の考えのもと食と健康のさまざまな分野に挑戦中。栄養に関する記事執筆や監修(大正製薬様DoctorsMe様)、レシピ開発にも携わっている。
   
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パクチーの匂い成分はカメムシとほぼ同じ

パクチーとカメムシには、特有の匂いを発する同じ成分が含まれます。そのためとても近しい匂いになるのです。

しかし「パクチーの匂い=カメムシの匂い」と感じるのは日本人だけなのでしょうか。

いいえ、それらは世界でのパクチーの名前からわかります。

カメムシ

パクチーの名前はカメムシ由来なのは本当?

パクチーの呼び方は国によってさまざまで、日本人は「パクチー」と呼ぶことが多いですが、別名で「カメムシ草」(カメムシソウ)とも呼ばれます。

この呼び名、和名と言われていますが実はデマで、正確な和名(学術名)は「コエンドロ」と言います。

「カメムシ草」は匂いのままに定着してしまった俗名といえるでしょう。

それだけカメムシの印象が強かったということですね。

実際「カメムシソウ」という単語で論文検索をしても該当文献はなく、学術名でないことがわかります。

そしてカメムシの印象を持っているのは日本だけではないようで、英語圏での呼び方「コリアンダー」はカメムシ由来でついた名前です。

世界の「パクチー」の呼び方
エリア 呼び方
タイ パクチー
英語圏 コリアンダー(コリアンダーリーフ)
中国 香菜(シャンツァイ)
メキシコ・スペイン語圏の中南米 シラントロ
ベトナム ザムウイ
日本(正式和名) コエンドロ

英語圏の呼び方の「コリアンダー」は、ギリシャ語でカメムシを意味する「KORIS」とアニスという実を指す「ANNON」を合わせてできた「KORIANNON」が由来なのだとか。(※1)

西洋の人も日本人も、昔からパクチーの匂いはカメムシだと思っていたということですね。

カメムシ臭いと毛嫌いする人も多いパクチーですが、一方で美容効果を期待する女性などからの人気もあります。では、どんな効果があるのでしょうか?

パクチーはどんな植物?栄養成分・効果など

パクチー

美容効果が高いと言われるパクチーはセリ科の植物で、エスニック料理の香草としてよく使われています。

抗酸化作用が強いとされるビタミンA・C・E(※2)や、皮膚の新陳代謝を助けるビタミンB2も多く含みます。(※3)

パクチー概要
属性 セリ科コエンドロ族の一年草
原産地 地中海沿岸
主な栄養成分 ビタミンA・B2・C・Eなど

その他にも、体内に蓄積される重金属を排出する効果(デトックス効果)も期待されています。 (※4)

さまざまな成分を含んでおり美容・健康に是非取り入れたい食材ですね!

成分といえば、本記事タイトルにもある匂い成分のほうが気になりますね。

パクチーとカメムシには同じ匂い成分が含まれる

パクチーとカメムシには同じ匂い成分が含まれ、科学的にも実際似ていると言えます。

科学

両者の匂い成分で特徴的なのは、カメムシにもパクチーにも多く含まれるアルデヒドが特有の匂いを形成していることです。

カメムシの種類によって異なる場合もありますが、匂い成分の(E)-2-decenal(E)-2-hexenalがそれぞれ共通しているため同じに感じられます。(※5)

アルデヒドとはアルデヒド基(-CHO)を持つ有機化合物で、「アルデヒドの香り」は「脂肪臭」とも呼ばれる脂っこく鼻に残る香りです。

アルデヒド類の一部は人からも出る香りもあり、最近では香水にも使われています。(※6)

野菜ソムリエプロ みつはしさなこ
野菜ソムリエプロ
みつはし
(E)-2-hexenal(トランス-2-ヘキセナール)や (E)-2-decenal(トランス-2-デセナール)は、低濃度ではグリーンのフレッシュな香りとも表現されるアルデヒドですが、高濃度では有毒となります。カメムシはこれらの香り成分を高濃度で発散するため、「悪臭」と感じられるのです。(※7)

なるほど確かに、あの特徴的なカメムシ臭は脂っぽさを連想させますね。次はこのカメムシ臭の好き嫌いについて紹介します。

 

カメムシ臭い?パクチーの好き嫌いは遺伝子が原因か

パクチーを好きな人は「大好きでたくさん食べたい!」と言うほどで、逆に嫌いな人は「全然食べられない。無理!まずい!」と、好き嫌いが極端なイメージはありませんか?

パクチーに対する口コミをみてみましょう。

パクチーの好き嫌い口コミ

やはりパクチーが大好きな人と大嫌いな人がいますね。筆者の周りでも「好きでも嫌いでもない」という人はあまり見かけないような気がします。

「パクチスト」と呼ばれるほどパクチーが大好きな人もいて、お店のメニューにもパクチーだけで作られた「パクチーサラダ」を見るようになりました。

実は、きっぱりと分かれるパクチーの好き嫌いは、遺伝子で決まっているという説があります。

パクチーの好き嫌いは遺伝子で決まる!?

遺伝子

パクチーにはっきりした好き嫌いが生じる理由は、OR6A2という遺伝子が関係しているとの研究結果があるのです。

野菜ソムリエプロ みつはしさなこ
野菜ソムリエプロ
みつはし
OR6A2は嗅覚受容体遺伝子内に存在しています。2012年に海外で行われた調査の結果、OR6A2がパクチーの香り成分に対して高い結合変異性があること、さらにこの反応がパクチーの好き嫌いにも関連する可能性があると結論づけられたのです。(※8)

このように、パクチーを「カメムシの匂い」や「石鹸の匂い」と感じて嫌いになってしまうのは、OR6A2の影響だと考えられますね。

遺伝子で既に決まっているなら、親がパクチー嫌いだと子供も嫌いかもしれないですね。

管理栄養士 中山沙折
管理栄養士
中山沙折

パクチーの匂い成分はカメムシとほぼ同じという事実を差し置いても、OR6A2の遺伝子を持っている人はそもそもあの独特な匂いに遺伝子レベルで不快感を感じるのですね。

とはいえ筆者個人の考えでは、好き嫌いは何かの拍子に変わったりすると考えています。

なぜなら私自身、元パクチー嫌い→パクチー大好物に変わった一人だからです!

当初は「こんなもの食べ物じゃない」とまで思っていましたが、美容に効果的という魅惑の言葉と、タイ料理を好む素敵女子感に憧れて食べていると大好きになりました。

ところで匂いについてカメムシに似ていること・好き嫌いには触れましたが、味もカメムシと同じなのでしょうか?

 

パクチーは匂いだけでなく味までカメムシと一緒なの?

パクチーの好き嫌い口コミでも「カメムシの味」と言われていましたが、果たして本当にカメムシと同じなのでしょうか。

海外ではカメムシを食材として利用することもあるので見てみましょう。

カメムシを食べる文化

世の中には昆虫食というものがありますね。東南アジア諸国の屋台ではカメムシが売られていることもあるのだとか。

屋台

海外でカメムシを食べる例は下記のようなものがあります。

ラオス :チェオという香辛料の原料としてカメムシを使用
メキシコ:タコスのスパイスとして生のまま挟む

野菜ソムリエプロ みつはしさなこ
野菜ソムリエプロ
みつはし
日本では考えにくいですが、アジア諸国やアフリカ、南米地域などでは、良質なタンパク源としてカメムシを食べる習慣があるようです。またカメムシを食べる地域とパクチーを食べる地域は相関するとも言われているんですよ。(※9)

カメムシを食べた人の感想

日本でも研究目的や昆虫食マニアが故にカメムシを食べたというツワモノもおり、彼らのネット上記事から「パクチーはカメムシ味なのかどうか」を探ってみました。

(筆者は体験をする勇気はありません)

結論、パクチーと同じ風味のするカメムシもいれば、フルーティーな風味のカメムシもいるようです。

ひょっとしたら、将来的にカメムシを昆虫食としてパクチーの代用で使うことがあるかもしれませんね。

興味のある方は試してみると、世界が広がるかもしれません。(自己責任でお願いします!)

結論|パクチーとカメムシの匂いが近いのは事実

パクチーとカメムシには同じ匂い成分が存在しており、パクチーの匂いをカメムシの匂いと感じるのは科学的にも事実と言えます。

パクチーの匂いの好き嫌いは遺伝子で定められているというデータもありますが、好き嫌いは何かのきっかけで変わることも十分ありえます。

パクチーを食べれるようになればタイ料理など異国料理をより楽しめるのは確実なので、「今パクチーが大嫌いだから」と諦めずに時々口にしてみてはどうでしょうか。

美容や健康へ効果があると考えると食べたい気持ちも強くなるかもしれませんね。

 

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