先日姉の家に遊びに行くと、パティシエを目指す高校生の姪っ子が、お菓子作りをしていました。
見慣れないかたまりがあったので「これ何?」と聞くと、「ココアバターだよ。お菓子にも使えるけど、私は石鹸とかも手作りしてる」とのこと。
すると5歳の娘がすっかり影響されて、「私も作りたい!」と言い始めました。
さっそく、ココアバターについて詳しく調べて、娘と一緒にお菓子やスキンケアアイテムの手作りにチャレンジしてみたいと思います!
- ココアバターとは?カカオバターとの違いと成分や味の特徴
- ココアバターを食べるとどんな効能があるの?レシピも紹介
- ココアバターのスキンケア効果とは?使い方を紹介
- ココアバターはどこで買えるの?おすすめ商品も紹介
スーパーにココアバターが売っていなかったので、お取り寄せで注文をしたのですが、5歳の娘は「今すぐにお菓子を作りたい!」と…。クッキーを作る予定なのですが、何かで代用できるのでしょうか?
また、「バター」と名がつくからには「乳製品?アレルギー物質は大丈夫?」と気になる方もいらっしゃると思います。
ボディクリームなどのスキンケアアイテムの素材としても人気のココアバターですが、さまざまな疑問を解消して上手に使いこなす方法をご紹介していくので、ぜひ最後までチェックしてみてください!
目次
ココアバターとは?カカオバターとの違いや成分、特徴などを調査!
ひょんなことからココアバターを手に入れましたが、実はココアバターとは何なのかよく知りません…。
そこで、ココアバターはどんなものなのか調べてみると、2014年の日本結晶学会誌に、ココアバターについて詳しく書かれている文献を見つけました。
わかりやすくまとめてご紹介します!
ココアバターとは?
ココアバターの原料となる「カカオ豆」を焙煎して皮を取り除くと、胚乳が出てきます。この胚乳をすりつぶしたものがカカオマスで、カカオマスの55%は油脂です。そして、この油脂がココアバターなんです!
ココアバターとカカオバターの違いは何?
お菓子の原料をチェックすると、「カカオバター」と表記されていることがありますが、ココアバターと違うものなのか気になっていました。
調べてみると、ココアバターとカカオバターは、同じものなんですね!
原産地では「カカップ」と呼ばれていたそうですが、その後「カカオ」に変化してヨーロッパに広まりました。ただし、イギリスだけは「ココア」と呼ぶようになり、日本でも「ココア」の呼び名が定着したようです。
今日はロピアでたんまりお肉(^^)
イベリコとラムを大量に〜 帰り道に富澤でカカオマスと例のカカオバター😍 pic.twitter.com/Cou7rni1jm
— おけい (@okei_kaiun) March 3, 2020
通販などでは「ココアバター」「カカオバター」どちらの呼び名でも販売されていますが、呼び名が違っても迷わず購入してOKです。
ココアバターの栄養成分とは?
ココアバターは油脂なので脂肪分100%で、ビタミンなどの栄養成分は含まれていません。また、有塩バターと比較してみるとカロリーも高めです。
- ココアバター100g:約885kcal
- 有塩バター100g:約750kcal
こう聞くと「特別な栄養がないうえにカロリーが高ければ食べる意味がないのでは…」と思ってしまいますよね。
でも実は、ココアバターにはさまざまな種類の脂肪が含まれていて、適量の摂取は体に必要で健康に良い効能があるとされています。
*後ほど「ココアバターを食べる効能とは?!クッキーなど人気レシピも紹介」以下で、ココアバターから得られる効能・効果をご紹介します!
【豆知識:安いチョコレートは体に悪い?!】
チョコレートは本来ココアバターから作るのですが、ココアバターは高価です。
そこでココアバターの量を少なくして、かわりにトランス脂肪酸を含む植物性油脂や添加物が配合されているチョコレートが、安い値段で販売されています。
トランス脂肪酸は”がん”や”糖尿病”を引き起こす危険性がありますので、なるべく植物性油脂が含まれていないチョコレートを食べるのがおすすめです!
ココアバターの特徴とは?どんな使い方をすればいいの?
ココアバターの特徴は、下記のとおりです。
- テンパリングをするとココアバターの結晶が変化して融点が33℃になる。常温では溶けずに口の中では溶ける
- そのまま食べるとほんのりココアの香りがするが、味はほとんどない
- 乳製品ではないので、乳アレルギーの方も食べてOK
- カフェインが入っていない(UCDA:アメリカ農務省 発表データより)
【テンパリングとは?】
ココアバターの結晶を口溶けよく変化させるための作業で、「ココアバターを50℃ほどに温め→27℃ほどに冷ます→31℃ほどに温め」という工程で行います
ココアバターの使い方は、大きく分けて次の2パターンあります。
- チョコレート・クッキーなどのお菓子
- スキンケアクリームなどスキンケアアイテム
では、ココアバターの使い方を具体的に確認していきましょう!まずはココアバターを食べる方法からご紹介します。
ココアバターを食べる効能とは?!クッキーなど人気レシピも紹介
先程お話ししたとおり、ココアバターに含まれる脂肪分は、適量を食べることで体に良い効能があります。まずは、脂肪分の種類と効能の一例をご紹介しますね!
ココアバターに含まれる脂肪分の一例
<パルチミン酸などの飽和脂肪酸>
体を動かすエネルギー源で、適量を食べると生活習慣病予防の効能が期待できる
<リノール酸>
植物からとる必要がある油で、血中コレステロールの上昇を抑える効能が期待できる
<オレイン酸>
酸化しにくい油で、悪玉コレステロールの上昇を予防する効能が期待できる
*コレステロールとは体の中にある脂肪の一種で、悪玉コレステロールが増えると、動脈硬化や心筋梗塞などを発症する危険性が高まります
「適量を食べるとよい」と言われても、どれくらいが適量なのか難しいですが、日本チョコレート・ココア協会のホームページによると、ビターチョコレートなら1日に1〜2片を毎日食べるのが目安とのことでした。
では次に、ココアバターのレシピをご紹介していきます。
ココアバターの食べ方とは?レシピを紹介
ココアバターといえば、やはりチョコレートが代表メニューです。まず、ココアバターから作る本格チョコレートのレシピをみていきましょう!
ココアバターから作るチョコレート
小さいサイズのミルクチョコレート12個分のレシピを紹介します。
*後ほど動画をご紹介するので、文章でチェックするのが苦手な方は動画を参考になさってください!
- ココアバター40gを刻み、ボウルに入れる
- 50℃のお湯でココアバターを湯煎して、溶かす
- ココアパウダー20gを加える(*ココアパウダーを加えない場合はホワイトチョコになります)
- 砂糖大さじ1を加えてよく混ぜる
- 牛乳(または生クリーム)20gを温め、(4)に加えてよく混ぜる(固い仕上がりになりますが、加えなくてもOKです。乳成分アレルギーの方は省いてください)
- ボウルを湯煎からはずし、混ぜながら27℃くらいまで冷ます(とろみが強くなるまで)
- 31℃くらいのお湯で(6)を再び湯煎する
- チョコレート型に入れて、冷やし固める(凝固点が27℃くらいなので、室温でもOKです)
- 完全に固まったら、型からはずして完成!
上記レシピのわかりやすい動画は、こちらです!
チョコレート型は、100円ショップでも販売されていますが、扱いやすいシリコン型がおすすめです!
また、ご紹介したレシピで温度を計る工程がありましたが、ココアバターを含め、お菓子作りには温度管理が重要な場面が多々あります。
そこで、料理用の温度計を準備するのがおすすめです。
次は、もう一つの代表メニュー「クッキー」のレシピもご紹介します。こちらはもっと簡単ですよ♪
ココアバターのクッキー
- 「薄力粉:ココアバター:砂糖=2:1:1」の割合で材料を用意する
- ココアバターを50℃のお湯で湯煎して溶かす
- (2)にふるった薄力粉と砂糖を加えて、よく混ぜる
- 冷ます
- 触れるくらいの温度になったら、めん棒で伸ばす
- お好みの型を使って型抜きをする
- 200℃のオーブンで5分〜8分焼いて完成です!
*焼き時間は生地の厚さによります。焦げないようにご注意下さい
チョコレート・クッキーの他にも、ケーキやスコーンなどさまざまなお菓子に活用できます!
ところで、ココアバターを通販で注文しましたが、届くまでにまだ時間がかかりそうです。「早く作りたい!」と娘にせかされたので、ココアバターはほかのもので代用できないか調べてみました。
ココアバターの代用品はあるの?
ココアバターは手に入りにくいので、手軽に買えるもので代用できないかが知りたいですよね。
なるべく風味が似ているものとして、ココナッツオイルをお試しください。また、乳製品アレルギーがない方なら、無塩バターでも代用できます。
ただし「ココアバターの風味を完全に再現するのは難しい」という点をふまえて、使っていただけると幸いです。
ちなみに、ココアバターを何かの代用品にできるのかも調べてみると、バターコーヒ−に使うグラスフェッドバターに代用できるという情報がありました。
「コーヒーカップ1杯+ココアバター10g+ココナッツオイル(MCTオイル)大さじ1」を合わせると出来上がりです。興味のある方は試してみてくださいね!
乳成分アレルギーがあってバターを使ったお菓子を諦めていた方は、ぜひココアバターを活用してみてください!
【注意!カカオアレルギーについて】
カカオには金属のニッケルが含まれているため、金属アレルギーのある方がカカオを含む食品(チョコレートなど)食べると、アレルギー症状が出る可能性があります。
またアトピー性皮膚炎の方も、ニッケルなどの金属にアレルギー反応を示す可能性があるのでご注意ください。
万が一、かゆみなどの症状が出た場合は、医療機関で受診することをおすすめします。
次に、スキンケアアイテムとしてココアバターを活用する方法と効果をご紹介します。
ココアバターのスキンケア効果とは?ボディクリームなどに活用できる!
”自然の成分を使っている”とアピールする化粧品などがは多いですが、ココアバターも食べる以外の用途として、スキンケアアイテムに活用されています。
ココアバターをスキンケアに使う主な効果は、下記の2つです。
- 保湿効果
- 抗酸化作用
抗酸化作用は、先程ご紹介したオレイン酸が持つ効果で、オレイン酸はオリーブオイルにも含まれている脂肪分です。
オリーブオイルは身近な場所で買えるので、スキンケアやヘアケアなどに活用した経験がある方も多いと思います。効果が何となくイメージできるのではないでしょうか?
ココアバターが使われている商品例として、以下のようなものがあります。
- 石鹸
- ボディクリーム
- リップクリーム など
他にも歯科医院向け医療品としても使用されています。歯に詰め物をするときに、ココアバターとワセリンが主成分のペーストを塗ることで水分を遮断して、接着しやすくなるようです。
また、ココアバターを使ったスキンケア用品を、手作りする方もいらっしゃいます。
お好みのオイルと混ぜることで、問題なく作れるスキンケアアイテムもあるのですが、石鹸を手作りする場合は安全の確保をしっかりしていただきたいので、注意点をご紹介します。
手作り石鹸の材料・苛性ソーダに注意!
石鹸を手作りする際は、石鹸を固める役割として苛性ソーダを使うのが一般的です。しかし苛性ソーダは、飲み込むと死亡する危険性もある劇薬です。
苛性ソーダを水分に混ぜると、温度が100℃位になって刺激臭もします。また、目に入ると失明の恐れがあるため、換気をしながらゴーグルやマスク、ゴム手袋などを着用して作業する必要があります。
苛性ソーダを使う場合は商品表示をよく確認したうえで、安全を確保しながら使ったり保存したりするようにしてください!
冒頭でもお話しましたが、我が家の姪っ子も石鹸を手作りしているとのことだったので、苛性ソーダの危険性について話してみようと思います。
こんな危険性があるなら、5歳の娘と一緒に石鹸を作ることは諦めるしかありません…。
今回は、下記のような手作り石鹸キット(ココアバターは使っていませんが…)を使って満足してもらうことにしました。
【豆知識:ココアバターとシアバターの違い】
ココアバターと同じくオレイン酸が含まれているシアバターですが、使用感が違います。
それぞれの使用感は次の通りです。
- ココアバター:一度塗ったら長時間乾燥の心配がないくらい、肌に油脂が残る感じが強い
- シアバター:塗ってしばらく経つと肌がサラサラになるのを感じる
乾燥がひどい場合の就寝前にはココアバター、事務仕事の前にはシアバターなど、状況に応じて使い分けをするといいですね♪
*ココアバター・シアバターどちらも、体質によって合わない可能性があることもお忘れなく!
例えば、「顔に塗ったら油が強すぎたためかニキビができた」という口コミもあったので、肌に異常を感じた場合はすぐに使うのをやめましょう。
ここまでで、ココアバターについて成分や使い方などを確認してきました。
最後に、ココアバターとココアバタ−を使ったスキンケアアイテムをご紹介するので、ぜひチェックしてみてください!
ココアバターは通販で買える!おすすめのオーガニック商品などを紹介!
我が家の近くのスーパーにはココアバターがなかったので、どこで買えるのかを口コミで調べてみました。すると「製菓材料店に置いているかも…」とのこと。
ですが、製菓材料店自体が少ないですよね。やはり、身近な場所で手に入れるのは難しいようです。
通販ではさまざまな商品が手に入るので、いくつかご紹介したいと思います!
ココアバター
有機(オーガニック)ココアバターです。食用・スキンケアアイテムどちらにも使えます。それにしても、100gの値段を計算すると約600円!高級品ですね。
妊娠線ケアクリーム
海外の妊婦さんに人気のフォーミュラ商品です。「保湿力が抜群!」という口コミがありましたよ♪
ベビーローション
赤ちゃんの肌にも使えることで有名な「ジョンソン&ジョンソン」のボディーローションです。
リップクリーム
あらゆるスキンケア商品で人気のワセリンです。こちらの商品はココアバター配合で、ココアを思わせる甘い香りです。
ワセリンは全身に使えるので、大きなサイズを購入してハンドクリーム・ボディクリームなどにしてもOKですよ!
ボディクリームで、下記のようなスティックタイプの商品もあります。輸入品ならではの可愛い見た目ですが、「かたくて使い勝手がイマイチ」という口コミが多数ありました。
ココアバターは凝固点以下の温度になるとすごくかたくなるので、市販品を買うときは、形状のチェックも必須ですね!
まとめ
ココアバターについての疑問を、丸ごと解決してきましたが、最後にポイントをまとめてみます!
- ココアバター(カカオバター)はカカオから抽出できる油脂
- ココアバターは100%脂肪分
- 適量を食べるのが大切
- ココアバターは加工法によって口溶けがよくなることが特徴
- ココアバターでお菓子作りができる
- ココアバターはスキンケアアイテムにも使われる
- 手作り石鹸に使う苛性ソーダの取り扱いに注意
- ココアバター、ココアバター関連商品の購入は通販がおすすめ
ココアバターに含まれる脂肪分は、適量なら健康に良い影響があります。ただしカロリーが高いなどの理由で、食べすぎにはくれぐれもご注意ください。
私は今まで「チョコレートを手作りする」と言えば、市販のチョコレートを溶かして加工するものだと思っていました。
ですが、今回「ココアバターから作るレシピ」もわかったので、テンパリングの温度管理を頑張りながら、本格的な味と口溶けを目指してみたいと思います!
ココアバターをスキンケアに使っている方の中には、使うたびに湯煎しているというツワモノもいらっしゃいました。
ご紹介した情報を参考に、ココアバターを手に入れてぜひ楽しんでみてください!