【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
我が家の子どもはさつまいもが大好きなので、よく購入して冷蔵庫の野菜室に保存していましたが、友達から「冷蔵庫で保存すると腐るのが早い」と聞いてびっくりしました!
でも常温だとすぐに腐ってあまり日持ちしないイメージもあり、どちらがいいのかよくわかりません…。
そこで、さつまいもはどういう状態だと腐りやすいのか、腐るとどうなるか見分け方を調べてみることにしました。
- さつまいもが腐るとどうなる?なぜ傷むの?
- 生や調理後のさつまいもの日持ちはどれくらいか?
- さつまいもが長持ちする正しい保存方法とは?
さつまいもが変色して、食べられるのか迷ったことはありませんか?
私はさつまいもの天ぷらが緑色になってしまったときに、不安になって結局捨ててしまいました…。
腐っているかどうか見分けることができれば、こんな時もきちんと判断できるようになりますよね!
そのほか保存方法も解説するので、常温と冷蔵、どちらが良いのかもわかるようになりますよ。
さっそく確認していきましょう!
管理栄養士・栄養士
目次
さつまいもは腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方や目安がコレ!
さつまいもは腐っているかどうかは、見た目や感触、臭いなどが判断の基準になります。
腐るとどうなるのか、具体的な見分け方を説明します。
腐ったさつまいもの特徴
- 柔らかい(ドロドロの状態)
- シワシワで触るとへこむ
- 酸っぱい臭いがする
- 全体的にカビが生えている
- 中身がスカスカになっている
- 異常なべたつき、粘りがある
- 味に違和感がある
※変色している(黒、茶色、赤いなど)場合も腐っていることがあります。
注意してほしいのが「カビ」の場合です。
皮だけについている白カビや中の一部程度なら、洗ったりその部分を切り落として食べられます。
しかし、全体的に黒カビや青カビが生えていたら諦めましょう。
カビ臭くないかなど、そのほかの腐っている目安を参考に判断してみてください。
ただ単に「黒い」というだけでは、カビではなくて食べられる場合も結構あるのです!
腐ると何色になるのか、食べても問題ない変色はどのような場合か詳しく説明していきますね。
さつまいもの変色について
基本さつまいもは表面が紫色、中身は生の場合は黄色がかった白っぽい色、加熱した場合は黄色ですよね。
これが他の色に変色することがあり、食べられる場合とそうでない場合があります。
色ごとに詳しく見ていきましょう。
黒い場合
さつまいもが黒くなる原因は主に4つあります。
状態を見ながら判断してみてください。
全体的に黒い斑点(茶色も含む)
カビの可能性が高いので、カビ臭くないかなど他の目安も参考に判断してください。
切った断面が黒い
低温障害になったさつまいもです。
一部分だけなからその部分を切り落として食べられますが、全体的に黒いなら食べられません。
両端が黒い
さつまいもに含まれる「ヤラピン」という成分が固まったものなので、腐っているわけではありません。
切った時に白い液体のようなものが出ることがあるかと思いますが、あれがヤラピンです。
ギョギョ!?
さつまいもに変な文字が!
これはわざと書いたヤラセではなく、ヤラピンなのです(*^^*)ヤラピンは腸の運動を活性化し便秘に効くと言われています。
そしてヤラピンが出ているさつまいもは、甘くて美味しいのです。
なるべく黒色のさつまいもを見つけて食べてください! pic.twitter.com/T8GOqO1e7s— 焼きイモ職人 (@33yakiimo) March 13, 2019
酸化すると黒くなる性質があり、これが表面上に染み出てくると黒いかさぶたにような状態になります。
便秘解消に役立ち、甘いさつまいもに多く含まれるので、むしろ積極的に選びたいさつまいもですね。
ただし黒くなっている部分は苦いので、切り落として食べてください。
加熱すると黒、もしくは緑色になる
クロロゲン酸という、さつまいもに含まれているポリフェノールの一種が原因です。
アルカリ性のものと反応すると黒や緑色に変色するのですが、これも食べても問題はありません。
しかし苦みを感じることもあるので調理前に水でアク抜きしておくと、変色を抑えることができます。
ピンク、オレンジ、紫色の場合
紅芋や紫芋など品種によって、切った断面がピンク色やオレンジ色、紫色の場合があります。
これらは変色というわけでなないので、もちろん食べても問題ないです。
オレンジ色がまぶしいさつまいも【アヤコマチ】の特徴https://t.co/hC0XhkU9FO
— オリーブオイルをひとまわし【食の知識】 (@olihito_food) July 28, 2019
このように、全体的に色がオレンジや紫色になっている場合は問題ないです。
しかし、一部だけがピンクや赤い場合は、カビの可能性もあります。
半分だけ残しておいたさつまいもが保存途中で変色したという場合などは、とても危険です。
臭いや感触など、他に腐っている目安がないか確認してくださいね。
腐ったさつまいもを食べると、腹痛や下痢、嘔吐など食中毒のような症状が起こることがあります!
私も昔、真夏のお弁当に入っていたさつまいもを食べて、見事にお腹を壊してしまったことがあります…。
さつまいもでお腹壊した😂多分ちょっと腐ってたっぽい🤔
二、三日止まりません😭🙇♂️— 筋トレ悟飯 (@wgg0) March 22, 2019
腐ったさつまいもを食べないよう、気をつけましょう…。
では次に、どうしてさつまいもが腐るのか、どのような状態だと腐りやすいのかを解説していきます!
さつまいもが腐る原因!常温と冷蔵庫ならどちらが腐りやすいのか?
さつまいもは10月頃に収穫したものを貯蔵し、1年を通して販売されていることが多いです。
つまり収穫後に上手に保存できれば日持ちするのですが、すぐに腐る場合は何が原因なのでしょうか?
さつまいもが腐る原因
- 低温
- 水分が多い
さつまいもは温暖で水はけのよい土地で作られるので、寒さと湿度(水分)にとても弱い作物です。
温度は13℃~16℃が適温とされており、それより低くなると低温障害になり食べられなくなってしまいます。
ということは、冷蔵庫での保存は適していないということになりますね!!
今までずっと冷蔵庫の野菜室に入れていた私としては、とても衝撃的な事実でした…。
なんでも冷やせばいいというわけではないようです。
しかし、20℃以上になると発芽してしまいますし、これ以上の高温になると腐敗が進みます。
そして水分が多いと雑菌が繁殖するので、これもまた腐る原因になります。
つまり、温度と湿度に気を付けて常温保存するということですね。
※詳しい保存方法は「さつまいもの正しい保存方法とは?長持ちさせるコツも紹介!」で後ほど解説します。
さつまいもが腐りやすい状態
わかりやすいように、腐りやすい状態をまとめてみました。
さつまいもが腐りやすい状態
- 冷蔵庫(低温)で保存する
- 高温多湿の場所で保存する
- 購入したままビニール袋に入れて(密閉して)保存する
- 洗ってから保存する
- 傷がついている
※調理後は常温放置すると普通に腐ります!
さつまいもは収穫後も成長を続けており、呼吸をしています。
購入したままビニール袋に入れておくと、呼吸で吐き出された水分で内部が湿気ってしまいます。
また、洗うと水分を吸収したり傷がついてしまう可能性があります。
傷がつくと雑菌や病原菌が入り込みやすくなってしまうので気を付けてくださいね。
ちなみに、低温だと腐りやすいのは生の場合です。
調理後は常温保存すると腐るので、冷蔵庫に入れましょう!
さつまいもは、保存方法によって腐りやすさがとても変わってくるんですね。
とはいえ、だいだいの日持ちは知っておきたいですよね?
続いて、日持ち期間の目安をご紹介します!
さつまいもの日持ち期間は?生のさつまいもや煮物など調査!
生鮮食品であるさつまいもには、賞味期限や消費期限はついていません。
食べられるかどうかは最終的に自分で判断することになりますが、だいたいの日持ちをまとめてみました。
生のさつまいもの日持ち期間
まずは生のさつまいもを、1本まるごと保存した場合と切った場合の日持ち期間です。
さつまいもの状態 | 保存方法 | 日持ちの目安 | |
1本まるごと | 洗浄済・土付き | 冷蔵庫(野菜室) | 2週間~1ヶ月程度 |
洗浄済 | 常温 | 1ヶ月程度 | |
土付き | 1~3ヶ月程度 | ||
洗ってからカット | 冷蔵庫(野菜室) | 1~2日程度 | |
洗わずにカット | 常温・冷蔵庫(野菜室) | 1週間程度 |
1本まるごとの常温保存日数は、先ほどお伝えしたように保存状態によって大きく変わってきます。
土がついていても、その土が湿っていたりすると数週間で腐ったり芽が出てきたりします。
スーパーで購入したさつまいもはたいてい既に洗ってあるので、1ヶ月程度を目安にした方が良いでしょう。
常温保存のほうが長持ちしますが、冷蔵したい場合は野菜室で保存しましょう。
これらの期間はあくまでも目安なので、状態をよく確認して食べられるか判断してくださいね。
カットするとあまり日持ちしなくなります。
洗っていなければ常温保存できなくもありませんが、洗ってある場合は冷蔵庫で保存しましょう。
腐るのを防ぎたい場合は、加熱して冷凍すると1ヶ月くらい日持ちします。
ちなみに生のまま冷凍すると食感が非常に悪くなるので、加熱してから冷凍しましょうね。
続いてさつまいも料理の日持ちも調べてみました。
さつまいも料理の日持ち期間
これらは全て冷蔵庫で保存した場合の日持ちです。
味噌汁などの汁もの | 1~2日程度 |
茹でた・焼いた・ふかした後、大学芋、スイートポテトなど | 3日程度 |
甘煮(甘露煮)、レモン煮、きんぴらなど | 5日程度 |
味噌汁など汁ものはもともとあまり日持ちしないので、早めに食べてしまいましょうね。
定番のふかし芋に、大学芋・スイートポテトなどのスイーツ系は3日程度の日持ちです。
煮物系は味を少し濃いめにしてあげると、日持ちがよくなります。
さつまいもの簡単日持ちレシピを1つご紹介しておきますね!
さつまいものレモン甘煮
- さつまいも(1本)を輪切りにして、10分ほど水にさらす
- 薄切りしたレモン(半分)と1を鍋に入れ、さつまいもが浸るくらいに水をいれる
- 砂糖(大さじ2)と塩少々を入れ、落し蓋をして水から沸騰させる
- 弱火にして10分ほど煮る
余った煮汁やレモンは一緒に保存しておくと、さらに味が染みて美味しくなりますよ!
さつまいもが日持ちするかどうかは、保存方法が大事だということはご理解いただいたと思います。
最後に、その肝心な保存方法も詳しくご説明します!
さつまいもの正しい保存方法とは?長持ちさせるコツも紹介!
さつまいもは寒さと湿気に弱いため、冷蔵庫ではなく常温保存が良いのですが、常温保存とはどのような状態を指すのか説明します。
長期保存に適した保存環境とは?
さつまいも農家さんが保存方法を説明しているブログで、このような説明を見つけました。
収穫後のさつまいもの保存環境について
- 暗闇であること
- 温度は13℃~16℃
- 湿度は90%程度
※温度や湿度は一定で、洗わずに土つきのまま。
このような貯蔵庫で6ヶ月ほど保存しているとのことでした。
家の中でこれに近い環境と言えば床下収納ですが、そんな場所ないよ!という場合は、段ボールや発泡スチロールなどに入れて風通しの良い場所に置くと良いですね。
次に具体的な保存方法を説明します。
できるだけ長持ちさせる正しい保存方法
さつまいもを保存するときは絶対に水で洗わないようにしましょう。
土がついている場合は、土を乾燥させてから保存しほうが長持ちします。
1本丸ごとの保存方法
- さつまいもを1本ずつ新聞紙で包む
- 冷暗所に保存
さつまいもは20℃以上になると発芽してしまうので、気温が上がる夏は常温だと温度が上がり過ぎて危険です。
冷暗所が用意できないようであれば、日持ちは短くなりますが、冷蔵庫の野菜室で保存しておきましょう。
野菜室以外は温度が低くなりすぎるのでNGです。
逆に寒冷地の冬だと、温度が下がり過ぎてしまう場合があるので注意してくださいね。
夏と冬という季節や室温など、その時の環境に合わせて保存方法を変えると、長持ちさせることができますよ!
切った場合の保存方法
<洗っていない場合>
- 断面のみラップで包み、全体を新聞紙で包む
- 冷暗所、もしくは冷蔵庫(野菜室)
<洗ってある場合>
- 水にさらして冷蔵保存
洗わず切った場合は、断面のみラップで包んで保存しましょう。
洗ってあればボウルやタッパーなどに水を張り、そのなかにさらして保存します。
カットすると日持ちしませんので、なるべく早く調理してしまいましょう。
調理できない場合は、冷凍してしまうといいですよ!
冷凍したい場合
先ほど少し触れましたが、さつまいもは生のままだと冷凍に向いていません。
冷凍する場合は、加熱してから冷凍するようにしてくださいね。
その後の調理に合わせてカットしてから加熱したり、マッシュしておくと便利です。
カットするのが面倒な時は、レンジなどでふかしてから丸ごと冷凍しておきましょう!
また、自分で栽培している場合は、”つる”の処理に困ることもあるかと思います。
土にそのまま埋めてしまうか、天日干しにするとかさが減って捨てやすくなりますよ。
また、少量であれば調理してもいいかもしれません。
きんぴらなどにすると以外と美味しいのでおすすめです!
まとめ
さつもいもが腐るとどうなるのか、日持ちはどれくらいするのかなど説明してきました。
ポイントをまとめます。
- さつまいもが腐ると、カビが生えたり以上に柔らかくなったり、酸っぱい臭いがする
- 変色していても食べられる場合もある
- さつまいもは寒さと湿気に弱い
- 生は上手に常温保存すると数ヶ月日持ちする
- 調理後は数日程度しか日持ちしない
- 新聞紙で包んで冷暗所で保存すると良い
常温保存できるのは知っていましたが、なんだかんだ冷蔵庫の方が日持ちすると思っていたので驚きです!
保存方法によってこんなに日持ちに違いがあるとは思いませんでした。
これからはなるべく長持ちさせるよう、温度や湿度に気を付けて上手に保存してみたいと思います。
みなさんも今回の情報を活用して、無駄なく美味しいさつまいもを食べてくださいね!