【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
なかなか出会えない、生のいちじくを頂きました。
日持ちや保存方法について、全くわからない状態です。
それもそのはず。いちじくがスーパーや八百屋で売っているのを、見たことが無いんです。
私と同じようにいちじくの取り扱いがわからない方は、たくさんいらっしゃると思います。
今回は、いちじくについてわからないことを全て調べてみます!
- 生いちじくの日持ち、市販品の賞味期限をご紹介
- いちじくが腐るとどうなる?
- いちじくの保存方法が知りたい!常温?冷蔵庫?冷凍?長持ちさせるコツはあるの?
- いちじくの食べ頃、選び方、レシピ
頂いたいちじくは柔らかくて、”カットする”という感じではありません。
手で皮をむいてみるといかにも完熟で、食べるとあの不思議な歯ごたえが楽しめました。
この状態って、食べ頃だったのかな?
1~2日置いたらどうなったのでしょう?
疑問はたくさんあるものの、ドライフルーツのいちじくしか食べたことがなかった私は、生のいちじくの上品な味に魅了されました。
早速お取り寄せの値段を調べると、5個1パック1,000円以上!
やっぱり高級品&相当デリケートなフルーツのようですよ!
早速ご一緒に、いちじくを徹底解剖していきましょう。
管理栄養士・栄養士
目次
いちじくの日持ち期間や賞味期限はいつまで?生や調理後など調査!
私は「生のいちじくの日持ち期間は短い」と予想しています。
加工品はどうでしょう?
手作りの日持ちと市販品の賞味期限を調べてみました!
手作り、市販品など | 日持ち、賞味期限 |
生(自分で保存) | 常温:1~2日 冷蔵庫:3~5日 冷凍:1ヶ月 |
生(市販の冷凍品) | 1年 |
コンポート | 手作り:冷蔵2~3週間 市販品:半年~1年 |
ジャム | |
シロップ漬け | |
甘露煮 | |
ドライフルーツ | 手作り:様子を見ながら1年 市販品:数か月~半年 |
目安の日数をご紹介しました。
下記の点にご注意下さい。
- 日持ち:作り方などによって腐るのが早くなる可能性があります
- 賞味期限:保存方法などによって期限内でも傷んでしまう可能性があります
上記の表でご紹介した生の日持ちは、完熟した状態からの日持ちです。
スーパーで売っているいちじくは早めに収穫して販売している可能性があり、消費期限なども書かれていません。
ご自分で完熟かどうかを見極めて、食べられる日数の目安をつけて下さいね。
*食べ頃の見極め方については、後ほど詳しくご紹介します!
冒頭でお話しした私が頂いたいちじくは、カットしたら崩れそうなほど柔らかくなっていました。
美味しく食べられましたが、食べ頃は過ぎていたのかもしれません。
次に、いちじくが腐った時の見分け方をご紹介します。
いちじくは腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方や目安がコレ!
いちじくが腐るとどうなるかをご紹介します。
下記を参考に判断してみて下さい。
色など見た目
- 水分がとんで皮にシワできている
- 溶けている
- カビ
臭い
- 生ゴミのような臭い
味・食感
- 酸っぱい
- 強い炭酸を飲んだときのようなピリピリする感じ
傷み始めの目安は、皮のシワシワです。
シワシワがひどくなり、上記のような状態になったら食べられません。
ただし、食べて口のなかがピリピリしたりかゆくなったりする場合は、ラテックス・フルーツ症候群の可能性も考える必要があります。
豆知識:ラテックス・フルーツ症候群
いちじくを含む一部のフルーツを食べると、アレルギー症状が出る場合があります。
- 症状・・・じんましん、呼吸困難など
- いちじく以外の要注意フルーツ・・・キウイ、桃、メロンなど
花粉症やラテックスアレルギーの原因になるアレルゲンは、いちじくを含むフルーツと似た構造です。
花粉症やラテックスアレルギーの方は、症状が出やすいのでご注意下さいね。
ご紹介したようなフルーツを食べて変な感じがする場合は、無理して食べずに医師に相談するようおすすめします。
次に、いちじくの保存方法をご紹介します。
せっかくのいちじくを無駄にせず、美味しく長持ちさせましょう!
いちじくの正しい保存方法とは?農家さんから聞いた長持ちさせるコツ!
いちじく農家さんから直接いちじくを買える通販ページを調査すると、こんなことが書いてありました。
ベテラン農家さんでも収穫のタイミングが難しくて、予約販売や配送日時の指定もできないフルーツだそうです。
そんな食べ物が手に入ったら、大事に食べたいですよね。
農家さん直伝の保存方法で、いちじくを美味しく長持ちさせましょう!
そのまま食べる 保存方法
少し手間がかかりますが、丁寧な保存が必要です。
- いちじくをパックから出す
- 汚れを拭き取る
- 1個ずつラップに包む
- ビニール袋に入れる
- 冷蔵室に、つぶれないように保存
- 食べるときに洗って皮をむく
低温保存でOK!
いちじくは暖かい時期に収穫されるフルーツなのですが、低温で高湿度の場所の方が長持ちします。
- 最適温度:0~3℃
- 最適湿度:90~95%
野菜室は7度ほどで温度が高すぎますので、冷蔵室に入れてくださいね!
【野菜やフルーツは、低温障害を起こすから野菜室に入れる】と考えるのが一般的なのですが、いちじくは違います。
常温保存できるの?
上記と同じ方法で、常温保存もできます。
いちじくは乾燥にとても弱いので、しっかり包むのをお忘れなく!
ただし、常温保存すると腐るのがとても早いので、やはり冷蔵庫での保存がおすすめです。
お好みで常温で食べたい方は、食べる3時間ほど前に冷蔵室から出しておいて下さいね。
冷凍方法
いちじくを3日以上食べない場合や、保存していて少し傷んできたと感じたら、すぐに冷凍するのがおすすめです。
冷凍方法
- いちじくの皮をむく
- 傷んでいる部分を取り除く
- お好みの大きさにカットする
- 重ならないようにラップで包む
- ジップつきの保存袋に入れて冷凍庫に入れる
なるべく早く凍らせた方がいいので、金属製のトレーやバットがあれば活用しましょう。
注意:冷凍しても腐る可能性アリ!
先ほどの表で、【市販品の冷凍いちじくの賞味期限が1年】とご紹介しました。
これは、真空パックで冷凍している商品でした。
真空パックは空気を遮断する力が強いので、食品の劣化が遅くなります。
家庭でジップつきの保存袋を使う場合は、冷凍していてもカビが生えるなどして腐る可能性があります。
- 冷凍庫の開けっ放しで一旦溶けて、水滴が原因で腐る
- まだ温かい食品を冷凍するときの温度変化で水滴が出て腐る など
長期間保存すると、腐る以外にも冷凍やけ、臭いうつりなどで美味しさが損なわれます。
冷凍しても安心せず、なるべく【1ヶ月以内に食べきるor調理】しましょう!
ドライフルーツにする方法
食品が腐るのを予防するために、乾燥させるのも良い対策です!
菌は水分を栄養にして増殖するので、水分を徹底的に抜けば長期保存可能になります。
ドライフルーツの作り方を2つご紹介します。
1.乾物用のネットを使う
時間はかかりますが、置いておくだけなので簡単です。
我が家でも使っていますが、買うと高い干しシイタケなどを自分で作れて重宝しています!
- 太陽が出る日を選んで作業する(できれば1週間くらい)
- いちじくを洗って、水分をしっかり拭き取る
- 皮ごと4つか6つに切る(いちじくの大きさに合わせてお好みで)
- 乾物用ネットに重ならないように置く
- 1週間を目安に、完全に乾燥します
完全に乾燥しなくても食べられるので、1日ごとに味見して、好みの状態で乾燥をやめてもOKです。
乾物用ネットは、こんな感じの商品です。
↓ ↓ ↓
2.オーブンを使う
焦げないように見守りながら、オーブンで焼きます。
- いちじくをお好みの大きさに切る
- オーブンの天板にクッキングシートをひく
- いちじくを重ならないように並べる
- 120℃で1時間焼く
- 裏返してもう1時間焼く
焦げてきた場合は、アルミホイルを乗せると焦げを防げます。
上記の方法で、柔らかさが残るくらいの仕上がり(セミドライ)かと思います。
完全に水分を抜きたい場合は、【温度を上げずに時間を長く】して下さいね。
先ほどの表では【様子を見ながら1年】保存できるとご紹介しました。
ドライフルーツは、乾燥度合いと保存状態によって日持ちが左右されることにご注意下さい。
最後に、いちじくを食べるベストタイミングや選び方をご紹介します。
あの食感を美味しく味わうために、ご一緒に確認しましょう!
いちじくの旬や食べ頃は?上手な選び方や美味しい食べ方も紹介!
高級品のいちじくを食べるなら、やっぱり良いものを選んで良い時期に食べたいですよね。
”目からうろこ”のレシピもご紹介します。
食べ頃の見分け方
いちじくの食べ頃は、ぽってりと丸くなったおしりを見ると簡単にわかります。
おしりの部分が閉じているいちじくは?
果物には、収穫してから熟していく”追熟”をするものがたくさんあります。
例えばバナナ:海外で青いうちに収穫して輸入し、日本で販売前に追熟をして食べ頃で売っています
いちじくは追熟をしないと言われていて、未熟なものを食べるとお腹を壊すこともあるのでご注意下さい。
おしりの部分が開きすぎのいちじくは?
完熟を過ぎています。
完熟度合いのお好みは人それぞれなのですが、買った場合はすぐに食べるか調理してしまいましょう。
美味しいいちじく 目きき方法
いちじくの旬は、6月~10月ごろまでです。(品種によって違います】
形をチェックして、美味しいいちじくを選びましょう!
- おしりにかけてふっくらと丸い形
- 全体が同じ色
- 皮にツヤとハリがある
- 傷がない
パック詰めのいちじくは、パックを持ち上げて下の方も要チェックです!
傷んだ部分を隠して販売しているお店もありますので、ご注意下さいね。
白い液は大丈夫なの?
いちじくの先の方に白い液がついていたら、【茎から切ったばかりで新鮮な証拠】ですのでご安心ください。
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白い液は樹脂なので、手につくとこびりついて取れにくいです。
先ほどご紹介したとおり、ラテックスアレルギーのアレルゲンと同じ構造を持っていて、触るとかゆくなる方もいらっしゃいます。
温かいお湯で洗い流すと取れます。
いちじく 絶品レシピ
生で食べる方法から「なるほど!」というレシピまで、いくつかご紹介します。
生で食べる方法
生のいちじくの食べ方は、おしりの方の開いている部分から手で皮をむいてパクっと食べるだけです。
皮がうすい品種は皮ごと食べてもOKです。
いちじくレシピ 1.サラダ
生ハムと合わせてサラダにすると、塩味と甘みのコントラストが素晴らしいです!
ベビーリーフや水菜のようなクセのない葉物から、みょうがや玉ねぎのような風味が強いものまで、よく合います。
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いちじくレシピ 2.天ぷら
皮も丸ごと天ぷらにしてみて下さい。
フリッターでもOKです。
揚げ衣といちじくの食感がやみつきになります。
いちじくレシピ 3.ピザ
いちじくとブルーチーズをピザ生地に乗せ、オリーブオイルを回しかけて焼きます。
クセが強いですが何となく気になる味で、あっという間に間食です!
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いちじくレシピ 4.いちじくバター
いちじくをラム酒に漬けて一晩待ち、発酵バターと混ぜます。
クッキーにサンドして、(レーズンバターサンドのような)いちじくバターサンドで食べるのが絶品です。
クッキーサンドアイスもおすすめですよ♪
いちじくレシピ 5.和風マリネ
旬が同じ夏野菜と合わせてマリネにすると、いいおつまみになります。
なすやしし唐などを素揚げしておき、いちじくと一緒にマリネ液で和えるだけです。
マリネ液は【レモン汁:オリーブオイル:粒マスタード=3:3:1】の割合で、塩味が足りなければめんつゆで調整します。
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日持ちさせるレシピならジャムやコンポートが一般的ですが、ご紹介したような料理にすると食卓がオシャレに変身しますよ!
まとめ
いちじくの日持ちなどについて、詳しくご紹介してきました。
ポイントをまとめてみます!
- いちじくは常温だと日持ちしない
- 長期保存するなら冷凍か調理してしまうのがおすすめ
- いちじくが腐ると見た目などが変化する
- いちじくが原因のラテックス・フルーツ症候群に注意
- いちじくを生で食べるなら、乾燥を防いで冷蔵室で保存する
- いちじくの食べごろはおしりで見極める
- いちじくの旬は6月~10月で、形で美味しいものを目ききする
- いちじくはいろいろなレシピに使える
いちじくには、私が好きな神話的なエピソードがいくつかあります。
- アダムとイブが食べた禁断の果実は、いちじくだったかもしれない
- お釈迦様は、お母さんがいちじくの木に手を伸ばしたときに、たもとから生まれた
- 古代ローマで不老不死の食べ物と言われていた など
新石器時代の遺跡からも出土されたくらい、歴史の深い果物です。
栄養も豊富で、鉄分、カリウム、ポリフェノールなど、健康と美容に欠かせない成分ばかりです。
また、女性ホルモンに似た働きをしてくれる成分もあり、ホルモンバランスが崩れたときにも食べたいですね。
ただし、カロリーが高くてお腹が緩くなりやすいペクチンも豊富なので注意しましょう!