【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】
先日生栗をいただいたのですが、いつのまにか皮にカビが生えてしまっていました!
洗ってみたらすぐにカビは落ちたのですが、食べれるのかがわかりません。
不安だったので、以下の項目について調べてみることにしました。
- 栗にカビが生える原因やカビの種類
- カビが生えた栗は食べられる?見分け方
- 栗は腐るとどうなるのか?
- 栗をカビから守る対処法、正しい保存方法
購入した栗ならともかく、子どもが拾ってきた栗など、食べても大丈夫なのか不安になることはありませんか?
これを読めば、どのような状態の栗は食べても大丈夫なのか、その見分け方がわかるようになります。
カビ防止や正しい保存方法もわかるので、なるべくカビを生えさせないようにして食べきれるので、早速確認してみましょう!
管理栄養士・栄養士
目次
生栗の皮にカビが生えたときの対処法は?そもそも食べれるの?
生栗を大量に手に入れた時に、気が付くとカビが生えてしまったことはないでしょうか?
このカビが生えてしまった栗は絶対に食べられないのかというと、カビの種類によっては食べれる場合もあるようです。
カビの種類によって対処法も変わってくるので、詳しく見てみましょう。
生栗にカビが生える原因とカビの種類
まずは、生栗にカビが生える原因から確認しました。
結露や湿気
栗は湿気に弱いので、結露や湿気からカビが生えやすいです。
虫食い
拾ってきた生栗には虫に食べられている場合があり、そこからカビが生えやすくなります。
栗は湿気に弱いのでカビが生えやすいのですが、保存方法に気を付けると長持ちさせることもできるようです。※保存方法は後ほど説明します!
カビの種類は大きく分けると2種類です。
白いカビ |
|
食べられる場合がある |
黒いカビ |
|
食べない方が良い |
このように、洗うと落ちる白いカビの場合は食べられますが、食べられたとしても味は落ちているようですね。
どの程度カビが生えているかにもよるので、見分け方をチェックしてみましょう。
カビが生えても食べれる栗と食べられない栗の見分け方
同じカビでも、食べれる場合と食べられない場合があります。
ただし、食べられたとしても美味しさの保証はありません!
後ほど腐ってる栗の特徴も紹介するので、必ず確認してから食べてくださいね。
食べられる栗
カビが生えていても表面だけとか一部だけなら、問題なく食べられる可能性が高いです。
具体的には以下のような栗です。
皮の表面に白いカビが生えている
白い粉のようなふわふわしたカビで、表面に軽くついているような洗って落ちるカビなら食べても大丈夫!
栗を切ってみて中身にカビが生えていなかったり、虫食いがなければ食べられる可能性が高いです。
<対処法>
カビが生えている部分を切る、洗うなどしてカビを落とした後、熱湯に浸けたり茹でたりして加熱してから早めに食べましょう。
全体が緑色の栗
この緑色はカビではないので食べられます。
天候などで早めに落ちてしまった栗に見られますが、若い栗の証拠で害はないので大丈夫です。
皮がへこんでいる
平らな部分がへこんでいる栗は、中の実が縮んできてしまった栗です。
風味や食感は落ちてしまっているので、美味しく食べられる期間は過ぎていますが、食べても問題はないです。
ただし、黒カビが生えていたり中身にもカビが生えていたら食べないでくださいね。
食べられない栗
黒カビの場合は食べない方が良いです。
外側の一部だけでも、目に見えないカビが発生している可能性があるので食べないようにしましょう。
栗の中身にカビが生えている
栗の中身にカビが生えてしまった場合は、食べるのを控えましょう。
健康被害が出る可能性があるので、残念ですが処分した方が良さそうです。
ちなみに栗を茹でるとが黒っぽくなる場合もありますが、これはカビではありません。
食べられないことはないですが、味は美味しくはないでしょう。
また、こちらの画像のように加熱した栗にも、白カビが発生することがあります。
カビの生えた栗 #限界弁当 pic.twitter.com/ftDG3PoWlL
— ワンぬ (@nyuseihin___) 2018年11月16日
こちらも残念ですが食べない方が良いですね。
洗ってもカビが落ちない栗
洗ってもカビが落ちない場合は、目に見えないカビが生えている可能性があります。
全体的にカビが生えている場合も避けた方が無難です。
虫食いがある栗
白いカビでも虫食いがある場合は食べるのをやめましょう。
虫自体に害はありませんが、カビが生えやすくなったりしていますし、気分がいいものではないですよね。
悪臭がする栗
臭いがする栗は、カビがなくても中身がスカスカだったり、食感が悪かったりします。
虫が湧いている場合もあるので、食べない方が良いでしょう。
カビが生えて食べられない栗の目安はわかりましたが、もっと具体的に腐るとどうなるのでしょうか?
傷んでいるか見分ける方法を詳しく解説します!
栗は腐るとどうなるの?カビが生えていなくても傷んだ時の見分け方
生栗にカビが生えている場合は、食べられる場合と食べられない場合があるとわかりましたが、カビが生えていなくても傷んでいる場合もあるので注意が必要です。
見た目や臭いで判断できる、傷んだ状態の見分け方を確認しておきましょう!
- 中身が黒く変色している
- 異臭がする
- 苦い、酸っぱい味がする
- 中身がべたべた、ぬるぬるしている
- 水に入れた時に浮かんでくる
- 栗のお尻部分に穴がある
- 底に粉状のものがついている
中身が黒く変色しているのは、先ほど説明した黒カビによるものが大きいですね。
中身が黒いと、苦いし変な臭いがするので食べられたものではありません。
カビ臭いものや異様にべたべたしているものも避けた方が良さそうです。
虫食いを見分ける方法としては、「水に入れる」「お尻部分チェック」「粉状のものがついているか」などがあります。
水に入れて浮かんできたものは、中身が未熟か虫に食われた後なので、食べない方が良いとされています。
お尻部分に穴が空いていたり、粉が付いているものは虫がいる可能性が高いので避けましょう。
また、先ほども説明しましたが、平面部分がへこむものは実が痩せてきています。
それだけなら食べられますが、中身にカビが生えていないか切って確認した方が良いかもしれませんね。
逆に、新鮮な栗の見分け方はこの通りです。
新鮮な栗の特徴
- 皮にハリとツヤがある
- 皮が濃い茶色
- 栗の頭がとんがっている
せっかくなら、新鮮な栗を手に入れたいですよね。
カビが生えた栗を食べた場合、腹痛や下痢などの食中毒の症状がでることもあるので注意してくださいね。
カビ毒について
一部のカビから派生する天然毒素をカビ毒と言います。
カビ自体は加熱すると死滅しますが、カビ毒になってしまうと熱に強く、加工しても完全に取り除くことは難しいです。
急性の症状は少なく、多くは慢性的な健康被害に結びつきますが、免疫が弱い子供やお年寄りは特に注意が必要です。
それでは、なるべくカビが生えないようにするにはどうしたらいいのか、防止策も調べてみました!
栗のカビ防止法!身近にあるもので簡単に予防できます!
栗にカビが生えるのを防止するには、湿気対策と虫食い対策が重要ですね。
まず初めにやることは、「水で洗う」ということです。
汚れがついているとカビの原因になるので、まずは水洗いをしてから以下の対策をしてみてください。
家庭にあるもので手軽にできるので、順番に説明していきます。
カビ対策は消毒用エタノールを使う
湿気の対策に有効です。
栗だけじゃなく家に生えてくるカビの防止にもなるので、掃除をしたあとに噴射しておくと家中のカビ予防になりますよ!
- ドラックストアなどで売られている「消毒用エタノール」を用意する
- 霧吹きに消毒用エタノールを入れ、栗にまんべんなく吹きかける
- 乾いたら袋に入れて冷蔵庫に保存
小さなカビはこれで対処できます。
途中でカビが生えた場合にも吹きかけると効果があります。
エタノールを吹きかけると、とてもアルコール臭くなるのでなるべく屋外でやる方が良いです。
火気厳禁なので気を付けてくださいね。
虫対策は唐辛子の水に浸ける
虫対策にはこちらです。
唐辛子を入れた水に浸けると、虫がいた場合これで全て出てきます。
栗の味には影響しないので安心してくださいね。
水の中に唐辛子を2~3本入れ、2時間以上浸けるといいです。
何もせずに保存するのではなく、上記の対策をしておくだけでカビが生えにくくなります。
それでは次に、そのあとの保存方法についても確認しておきましょう!
栗の正しい保存方法とは?長持ちさせるコツを紹介!
生栗は常温保存できますがカビや虫が発生しやすくなるので、できれば冷蔵庫での保存がおすすめです。
冷凍や茹でた状態でも保存できるので、調理方法に合わせて保存してみてください。
生栗の保存方法
基本的には冷蔵庫への保存がおすすめですが、冷蔵庫に入らないので常温保存する場合は正しい方法を守りましょう。
常温保存の方法
皮つきのまま新聞紙で包んで冷暗所で保存、もしくは鍋などに水を入れその中によく洗った栗を入れ、冷暗所で保存します。
これは乾燥や虫食いを防ぐ効果があります。
水は毎日取り換えてくださいね。
日持ちは1週間が限度だと思っていてください。
ただし、常温保存をするとカビも発生しやすいですし、栗が呼吸のため糖分を消費し、甘みが抜けてしまうのであまりおすすめしません。
冷蔵保存の方法
栗は寒いところだと自分を守るため糖度を上げるため、甘味が強くなります。
0℃に近い環境になるほど糖度が上がるので、冷蔵が一番おすすめの保存方法ということになります。
生栗の保存方法
- 1~2%の塩水に皮のまま10時間くらい漬けて1日天日干しをして水分を抜く
- 新聞紙に包んでからビニール袋に入れて冷蔵庫のチルド室で保存
日持ちは1週間~3週間ほどです。
冷蔵だと栗が呼吸しているので、密閉にならないよう、ビニール袋に穴をあけておくか、口を緩くしておくと良いです。
湿気がたまるとカビが生えるので、新聞紙が濡れたら取り換えましょう。
浸けるのは水でも構いませんが、塩水だと虫の増殖を防いだり皮も柔らかくしてくれるので、その後の皮むきが楽になりますよ!
冷凍保存の方法
まずは冷蔵保存をして糖度を上げてから冷凍するのがおすすめです。
できれば、冷凍専用のフリーザーバックに入れて、空気をしっかり抜いて冷凍庫にいれます。
鬼皮は剥いても剥かなくても構いませんが、皮を剥いた後に冷凍保存するとかさばりませんし、その後の調理もしやすいです。
皮つきのまま冷凍すると、およそ半年ほど日持ちするようです。
茹でるなどの下処理をしてから冷凍するのもおすすめです。
茹で栗や加工品などの保存方法
茹で栗や蒸し栗を保存する場合は、フリーザーバックや密閉容器に入れて保存します。
粗熱をしっかり取ってから保存してくださいね。
栗の茹で方
- 洗った栗を一晩水に浸けておく
- 鍋に塩やミョウバンを少し入れ沸騰させる
- 沸騰したら栗を入れ、火を弱め、30~50分ほど茹でる
- 火を止めたら、お湯が冷めるまでそのまま浸しておく
ミョウバンを加えておくことで、後で渋皮が剥きやすくなりますよ!
常温保存はなるべく避けて、冷蔵庫で保存するようにしてください。
日持ちはあまりしないので、3日程を目安に食べきってしまいましょう。
これ以上長いと、水分が抜けて食感や味が悪くなってしまいますので、冷凍することをおすすめします!
冷凍保存するときの注意
茹で栗を冷凍保存する場合は、固めにゆでてから鬼皮と渋皮を取り除いて、表面の水分を取り除きます。
重ならないようにラップに包み、フリーザーバックに入れて冷凍します。
調理に利用する場合は凍ったまま使うことができます。
解凍する場合は自然解凍でも電子レンジでも構いませんが、再度加熱してから食べるようにしましょう。
茹で栗の冷凍の場合は、1ヶ月程度の日持ちになるようです。
渋皮煮など調理済みの場合
渋皮煮や甘露煮などすでに調理済みの場合についても説明します!
これらを保存するときは瓶や密閉容器で大丈夫です。
長期保存させたい場合は、煮沸消毒した瓶を使用します。
渋皮煮の長期保存方法
- 煮沸消毒した瓶に渋皮煮を入れて、たっぷりシロップを入れる
- さらに瓶ごともう一度20分ほど煮沸消毒する
- 鍋から出して、瓶の蓋を閉めたらすぐに上下にひっくり返す
- 冷めた時に蓋の中央がへこんでいたら成功
冷蔵保存なら1週間程度の日持ちですが、この状態で冷凍すると、半年から1年ほどは大丈夫です。
ちなみに甘露煮の場合は、冷蔵保存で2週間、冷凍だと3ヶ月程度です。
まとめ
以上、食べられる栗の見分け方や保存方法など解説してきましたが、いかがでしたか?内容をまとめてみます。
- 栗にカビが生える原因は湿気と虫食い
- 洗えば落ちる白いカビが生えていても食べられる
- 黒いカビが生えている栗は食べられない
- 虫食いや異臭がする栗は食べられない
- エタノールや唐辛子水を利用するとカビを防止できる
- 冷蔵保存すると甘味がでて美味しくなる
- 冷凍保存すると日持ちする
カビが生えているものはすぐに食べられないかと思っていましたが、白いカビなら食べられる場合があるとは驚きでした!
逆に黒カビは見えないカビがあるかもしれないので注意ですね。
下処理すると日持ちするようなので、これからはきちんとすぐに処理をしてなるべく日持ちさせたいと思います。
すぐに食べられない場合は、冷凍や加工して乗り切りたいですね。
皆さんもぜひ賢い保存方法で、せっかくの栗を無駄にしないように食べきってください!