晴れて大学に進学すると決まったら、新生活の準備でバタバタしますよね。特に1人暮らしを始める方は、入学の手続きだけでなく新居の準備や支払い関連の手続きも増えますし、親子で奔走しているんじゃないでしょうか。
私の妹が大学に入学する際には、親から「大学生協の保険の案内がきてるんだけど、入った方がいいの?」と相談を受けました。大学生ともなると子供の行動範囲も広がるので保険には入っておいた方が良さそうと思うものの、学費などで出費もかさみますし、むやみに加入するわけにもいかないから悩みますよね。
当時私は保険業界に身を置いていたので厳しい目で案内用紙を眺めてみたのですが、掛け金の割に内容が手厚いものが多く、「なんてコストパフォーマンスの高い保険なんだ!」と驚いたのを覚えています。
そこで今回は、実際に保険営業をしていたノウハウを活かし、
- 大学生協の保険に加入すべきか見分けるポイントは?
- 保険に入らない場合のリスクや注意点は?
- 入学のわずかな間で決めなくちゃダメ?期限後には加入できないの?
- やっぱり大学生協の保険にしておくべき?他にもオススメはある?
といった疑問をわかりやすく解説します。
保険はよくわからないという方や、大学生協には馴染みが無くてイメージがわかないという方でも大丈夫!新生活の準備で忙しい中でも焦らずじっくり選べるように、保険を検討する時に押さえておくべきポイントをあげています。
大学生協の保険に入るか否かで悩んでいる親御さんたちは、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
大学生協の保険って入らなくても大丈夫?保険なしの注意点は?
大学生協の保険は、正しくは学生総合共済という名前です。安心して学生生活を送ることを目的とした学生のための保険で、ラインナップは
- 生命共済
- 火災共済
の2種類です。掛け捨てタイプとなっていますし、加入は任意なので入らないといけないわけではないです。ですが、学生向けに掛け金も保障内容も大変おトクな設定となっているんですよ。
また保障は大学卒業までが基本ですが、手続きをすれば休学や留年などによる期間の延長、卒業後の契約継続なども可能です。
出資金は卒業時に全額戻ってくる
大学生協の保険を契約する際には、まず大学生協に加入する必要があります。加入にあたって出資金として20,000円を求められますが、これは卒業時に全額戻ってくるので安心してくださいね。
大学生協の保険と一言で言っても、火災共済や生命保険、扶養者死亡保障保険など様々な内容がありますから、我が子の今後の生活に必要な保障内容は何なのか、ここからは具体的に考えてみましょう。
火災共済は断然オススメ
もしお子さんが大学進学と一緒に一人暮らしを始めるのであれば、この火災共済を活用しましょう。実家から大学に通う場合は不要の保障ですが、一人暮らしで部屋を借りる際に不動産屋さんからも紹介されるので、火災保険への加入自体を決めている方は多いと思います。
不動産屋で紹介される一般的な火災保険は、通常2年間契約で2万円前後が相場となっています。それに対して大学生協の火災共済は1年間の掛け金が2,000円で、学生の一人暮らしには十分な内容なのでとってもおトクに出来ています。
ただし大家さんや不動産会社によっては、指定した保険への加入を入居の条件としたり、「借家人賠償責任保険は○○○万円以上のプランで」と条件をつけている場合もありますので、保険に加入する際は確認が必要です。
ちなみに大学生協の火災共済では1,200万円が賠償保障の上限となっていますので、保障内容としては十分ですよ。
◆火災保険は二重では入れないので注意!◆
1つの住まいにつき、かけられる火災保険は1つまでと決まっていますので、大学生協の火災共済と民間の火災保険の2つを二重でかけることはやめましょう。
生命保険や医療保険は複数の会社で加入していてもそれぞれ給付金を受け取ることができますが、火災保険はそうはいきません。もし火災や盗難が発生したとしても、どちらか片方の会社からしか支払いはされません。
無駄な保険料を支払うことになってしまうので、「言われたから加入した」を繰り返していたら二重になっていた…なんてことにならないよう、注意しましょうね。
生命共済は今の加入状況で判断
生命共済は病気や怪我をした時に役立つ保険です。入院や手術はもちろんのこと、怪我をして通院をした場合にも給付金を受け取れます。こういった内容の保険は子供が大きくなったから必要になるというわけではないので、既に医療保険などをかけていて充分だという場合も多いでしょう。もちろん、今の加入状況で十分ならば、大学生協で新たな保険に加入する必要はありません。
ただ大学生協の生命共済および学生賠償責任保険は、学内・学外のみならず、国内・海外も問わずで、それぞれの保障を受けることができます。大学在学中に留学や海外旅行を考えているのであれば、進学を機に大学生協の保険へ切り替えるのも1つの手段ですね。
◆学生賠償責任保険は入らなくてもいいことが多い◆
学生賠償責任保険は、例えば「自転車で他人にぶつかって怪我をさせてしまった」「インターンシップ先で借りていたPCを落として壊してしまった」等、他人に対する賠償責任が発生した際に有効な保険です。
実はこの「賠償責任」の特約は、火災保険や自動車保険についていることが多いです。もし実家の火災保険や家族のうちの誰かの自動車保険に「賠償責任特約」がついていれば、その効果はお子さんにも適用されるため、わざわざ学生賠償責任には入らなくてもいいのです。
まずはご自身の火災保険や自動車保険を確認してみて、賠償責任特約がついていない場合は加入を検討しましょう。
インターンシップの際には、賠償責任保険の加入が企業側から求められるというケースも多いようです。会社側も、備品が壊れるなどのトラブルが発生すると困ってしまいますものね。ただインターンシップに必要というだけならば、大学生協以外にも学校で申し込める保険はありますから、申し込みをする前にキャリアセンターで相談してみましょう。
大学生協の保険に入らなかった場合のリスクは?
大学生協は必ずしも加入する必要はありませんが、ここではこれらの保険に加入していなかった場合のリスクをご紹介します。
- 学生賠償責任保険
- 学業継続費用保険/扶養者死亡保障保険
- 火災保険
①学生賠償責任保険
日常生活における、他人や借りたものなどに対する賠償責任を保障するための保険です。
自転車で移動中に人にぶつかったり、スキーでぶつかって相手に骨折をさせてしまうなど、他人に怪我を負わせてしまうことで多額の賠償金が発生するケースがあります。
自転車事故での賠償責任は、一時期世間を騒がせましたね。「子供が自転車で他人にぶつかってしまった際に相手が意識不明状態になり、その親に対して約9,500万円の賠償が請求された」という実例もあるくらいなので、不安な方は加入しておくと良いでしょう。
また学生が事故の際に1人で対応するのは不安ですが、大学生協の保険でも示談交渉サービスがついているので、そういう面でも安心ですね。
②学業継続費用保険/扶養者死亡保障保険
この2つの保険は、親に何かがあって金銭的に苦しくなっても子供の学費は払い続けられるように作られています。
- 学業継続費用保険:保護者が病気やケガにより入院・自宅療養で仕事ができなくなったとき、毎月10万円を最長12ヶ月(合計120万円)受け取ることができる
- 扶養者死亡保障保険:保護者が死亡してしまった場合、卒業予定年まで学費を負担してくれる
例えば「父親が56歳でくも膜下出血で亡くなった」という場合はもちろんですが、「母親が交通事故に遭い、自宅療養になった」という場合も、学費の支払いを続けていく上ではダメージは大きいはず。
実際に「実際に怪我をして働けないときには助かる」「お守り代わりにと思って加入したが、まさか使うことになるとは思わなかった」という声は意外と多く、
自営業で収入が不安定な方には特にオススメです。
③火災共済
火災や水漏れによる大家さんへの賠償、家財の盗難被害などの損害を保障する保険です。お子さんが一人暮らしをする場合には、必ず何かしらの火災保険に加入しましょう。
- 自室の洗濯機のホースから水が漏れ、階下の他人宅に漏水
- 盗難被害に遭った際、窓の鍵が壊されていた
- 凍結により水道管が破裂した
など、一人暮らしには様々なリスクが発生します。特に水漏れによる共済金の支払い実績件数は多いのですが、場合によっては大家さんに弁償を要求されることがあります。
また盗難の被害に遭うケースもありますが、大学生協の火災共済は盗難にも対応した保障内容となっているので安心ですよ。民間の火災保険の場合は盗難に対応していないプランもありますので、保障内容をきちんと確認してから加入しましょうね。
また火災共済では風水害によって住まいが全壊した際にも見舞金が出ますから、被害に遭った後に新しい住まいを探すのに、このお見舞金は大変ありがたいものになりそうですね。
子供がバイクに乗るようになったら?
学生総合共済・学生賠償責任保険・扶養者死亡保障保険には、バイク用の保障はありません。例えば自動車・バイク(原付を含む)による第三者への賠償責任は学生賠償責任保険の対象外ですので、原付で通学している方には学生賠償責任保険だけではカバーしきれないということになります。
生協が勧める「バイク自賠責保険」「バイク・自動車・ドライバー保険」がありますので、こちらを検討するのもいいでしょう。
自賠責保険には必ず加入しなくてはなりませんが、もしお子さんの乗るバイクが125cc以下のミニバイクだった場合、親の自動車保険に「ファミリーバイク特約」を付加することで、お子さんのバイク保険とすることができます。
どちらが値段が手頃なのか、自分の入っている自動車保険会社に問い合わせた上で比較検討することをオススメします。
いざ入ろうと思ったら加入受付時期が過ぎている!もう保険に入れないの?
大学から配られる保険の案内には、加入受付の期日が設定されています。他の保険と比較しているうちに日にちが経ってしまい、いざ入ろうとすると加入受付時期が過ぎていた…なんていうことになるかもしれません。
ですが、ご安心ください♡実は、加入受付時期が過ぎていても大学生協の保険には入れるんです。
大学生協の保険の加入受付期日は入学日より前に設定されているのですが、これは事務処理の都合によるものです。
大学生協の保険は、どうしても新入生たちが入学する時期に申し込みが集中してしまいます。そのためどうしたって事務処理に時間がかかってしまうので、入学時から速やかに保障を開始できるよう、前もって期日を設定しているというわけなんです。
なので、入学した後でも新規の申し込みは可能です。保障開始は最短で申込み日(掛金・保険料払込日)の翌日からとなります。万一「加入し忘れていた!」という場合でも、これなら安心ですね。
ほかの保険にすでに加入しているなら、あえて入る必要はないけれど…
これまで、大学生協の保険の内容をご紹介しながら、「加入しなくても良い場合」も一緒にご案内してきました。それは主に「既になんからの保険に入っており、保障内容が被っている場合」です。
しかし生命保険や医療保険では、通院だけでは給付金を受け取れないことがあります。その点、怪我での通院でも給付金のおりる生命共済にはメリットがあると言えるでしょう。万一お子さんが入院なんてことになってしまった場合に、生命共済と他の保険の両方から給付金を受け取ることも出来ます。
学生総合共済の生命共済は、年間の保険料が12,800円です。月々で考えると約1,067円と非常に安価ですので、お子さんが他の生命保険や医療保険に入っている場合でも、保障内容を見直して切り替えたり、プラスで加入して補強したりという検討をしてみても良いと思いますよ。
またお子さんの学生生活の様子をご覧になった上で「アクティブに過ごしているから大学生の間だけは保障を手厚くしておこう」と判断した場合にも、追加で支払える金額に収まってくれるのが嬉しいですね。
生協以外にもオススメの保険は?
もしお子さんがまだ何の保険にも加入していないのであれば、これを機に終身の医療保険(一度加入すると、同じ保険料で保障が一生続くタイプ)に加入するのもオススメです。
学生のうちから医療保険に加入することをオススメしたい理由は2つあります。
1.大学生協の保険の保険期間はあくまで大学在学中のみなので、大学を卒業して社会人になったら、また新しく保険に入る必要がある
2.医療保険や生命保険は加入の条件に健康であることが必要なので、学生の間に心身に関わらず病気にかかってしまった場合、以後は保険に加入できない可能性がある
私の友人は大学在学中にうつ病にかかってしまい、以後は保険に入れなくなってしまいました。そのせいで他の病気で入院した時にも給付金を受け取ることが出来ず、とても苦労していました…。このような事がないよう、早めにお子さんを保険に入れておいてあげるのも1つの手ではないでしょうか。
大学入学時点で終身タイプの保険に加入しておいてあげると、安い保険料のままで保障は一生続きます。加入は早めにしておき、お子さんが社会人になったら自分で保険料を払うように契約を変更するのが良いでしょう。
例えば、以下のような医療保険があります。
オリックス生命「新キュア」
入院・手術の際に給付金を受け取れる
という、とてもシンプルでわかりやすい保険です。シンプルな分、値段も安いのが特徴で、
- 18歳男性⇒1,167円〜(終身払)
- 18歳女性⇒1,347円〜(終身払)
で加入することが出来ます。大学生協の保険に比べると月々の保険料は少し高いと感じてしまうかもしれませんが、保障期間が一生涯続くことを考えれば納得ですよね。
また大学生協の保険にはない「先進医療特約」をつけることが出来ます。これは「健康保険の効かない先進医療を受けることになった際、その技術料を2,000万円まで出してくれる」という特約です。これなら安心して、治療の一つの選択肢に先進医療を選ぶことが出来ます。
プロに相談するのも手
今回は「既に入っている保険との兼ね合いによっては大学生協の保険に入る必要はない」とお伝えさせていただきましたが、そうは言っても自分で自分の入っている保険の内容を把握されている方はなかなかいらっしゃらないのではないでしょうか?実際に私が保険の仕事をしていたときも、「自分の入っている内容がよくわからなくて…」とおっしゃるお客様がたくさんいらっしゃいました。
そんな時は一度プロに相談し、自分の入っている保険の内容を確認しておくことをオススメします。その上で、お子さんの保険をどうするか考えてみましょう。
「誰に相談すればいいか分からない…」という方には、こんなサービスもあります。
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こちらは、お金の専門家であるFP(ファイナンシャル・プランナー)が相談に乗ってくれる会社です。担当のFPが家まで来てくれるため、加入している保険の証書を出しておくだけで、どんな保険に入っているかなどを分かりやすく噛み砕いてプロが説明してくれます。在籍しているFPの質の高さは、日経BPコンサルティングの3部門で1位を獲得する折り紙つき。家に来られるのが嫌だという場合は近くのカフェなどでも面談してくれますよ。
しかもなんと、HPで無料相談の予約をすると、厳選黒毛和牛A5クラスを家族分プレゼントしてもらえます。太っ腹…!私は自分の保険はすべて自分で選んで加入したため不明点がないのですが、もしそうでなかったら、A5和牛のために無料相談をしたかったくらいです…。
押し売りなどは一切なく、相談はすべて無料となっています。予約も簡単にできますし、まずは気軽に一度ご相談されてみてはいかがでしょうか?
まとめ
- 学生総合共済には生命共済と火災共済の2種類がある
- 一人暮らしをするなら火災共済には加入した方が良く、学生総合共済の火災共済はオススメ
- 生命共済は現在の加入状況によって必要かどうかを判断しよう
- 賠償責任保険にはなんらかの形で加入しておいたほうが良い
- 学生賠償責任保険では自動車やバイクは対象外なので要注意
- 学業継続費用保険/扶養者死亡保障保険は自営業で収入が不安定な方には特にオススメ
- 未加入の場合のリスクを知った上で、必要な保障を受けられるように保険を選ぼう
- 加入している保険の内容が分からなくなった場合は、気軽にプロに相談できるサービスを利用すると良い
大学生になると、行動範囲は格段に広がります。アルバイトやサークル活動など活発に取り組むほど、交友関係も増え、時には自分で稼いだお金で旅行に出かけることもあるでしょう。その分、怪我のリスクや他人に損害を与えてしまう危険性も、これまでより上がってしまいます。
また一人暮らしをするのであれば、卒業までの数年間を安心して過ごせるように保険に入っておくことは必要です。過失があれば賠償責任も発生しますし、万一に備えて保険に加入しておくことも学費の工面のうちと言えますね。
そう考えると、何か1つ、お子さんの保険に加入しておくのが安心できて良いのではないでしょうか。