私も男の子のママですが、息子は4月生まれなので「鯉のぼり」に関しては、おじいちゃん、おばあちゃんが盛り上がって準備をしてくれました。
当時まるっきり受け身で過ごしてしまい、青空に泳ぐ鯉のぼりを見て「元気に育ってくれたらいいな~」と思ったくらいで、鯉のぼりの意味って?
遅ればせながら一緒に一から勉強してみようと思います。
もちろん、息子にはこのことは内緒です(笑)
目次
まず、鯉のぼりの歴史をチェック!!
江戸時代中期に武家が男の子の誕生を祝って「幟(のぼり)」を立てている事にあやかって、庶民が中国の故事「登竜門」に習い子供の無病息災、立身出世を願って紙に描いた鯉を幟にしたのが始まりです。
武家に男の子が生まれると「幟」を立てるのは、天の神様に「男の子が生まれました」という報告と、「どうか子供を守って下さい」という願いが込められています。
中国の故事「登竜門」とは?
昔の中国では、黄河に「竜門」という非常に流れが急な滝があって、その滝を登り切った魚だけが「竜」になれると言われていました。
どの魚も竜門の滝を登り切れなかったなか、「鯉」だけが登り切って「竜」になったというお話です。
「幟」と「登竜門」の良いところをとったのが「鯉のぼり」なのですね。
【出典:http://pixzbay.com/】
鯉のぼりの吹き流しはどうしてついているの?
吹き流しは戦国時代から「魔除け」として使われていました。
戦が終わった後に「もう災厄が来ないように」と幟につけていました。
五色の色それぞれに意味があり、由来は古代中国の「五行説」から来ています。
全ての物は「木」「火」「土」「金」「水」の元素からつくられている。その5つの元素が影響を与え合う事によって変化をおこし「魔を祓う(はらう)」と考えられています。
他に「神道の五色絹」(神道の五色は五行説と同じ色)「仏教の仏旗の色」(青・黄・赤・白・橙)もあります。
「幟」には、天の神様に子供の存在を報告する役目があります。
「魔を祓う」だけでなく、目立つ色彩で神様に「気づいてもらう」役目もあります。
吹き流しには子供を守るだけではなく、「家」も守って欲しいと願いを込めています。
吹き流しに「家紋」を入れるのは子供とともに「家」もお守りくださいと願っているのです。
【出典:http://www.photo-ac.com/】
私の住んで居る所(北関東)は、旗竿を「嫁ぎ先」が、鯉のぼりは「実家」が用意しました。
吹き流しには「両家」の家紋をいれて「家」の繁栄もお願いしました。
鯉のぼりの矢車、一番上の球体の役割って?
鯉のぼり
鯉のぼりの各部分にはそれぞれ意味があります。
まずは、動画の鯉のぼりの上部をご覧くださいね。
旗竿のてっぺんについているピカピカした球体(回転球)は神様への「目印」であり、「駕籠玉(かごだま)」と呼ばれています。
この球体は、「ここに神様に守って頂きたい子供がいます」とアピールするためのもので、天に向けて差し出すと神様を呼び込めると言われています。
駕籠玉に金箔を貼って、もっと神様に気付いてもらえるようにしたのが、最近の鯉のぼりで観られるキラキラの球体ですね。
また、球体の下部にある「矢車」も神様に気付いてもらう為のもので、矢車の「矢」は魔を祓う意味もあります。
奇数が重なる5月5日は、縁起が悪いと言われており、大切な子供に災厄が降りかからないように、鯉のぼりは「魔除け」の機能を備えているのですね。
「吹き流し」も「魔除け」と「家」の繁栄を祈願するものであり、「鯉」は「登竜門」の故事に習って子供の無病息災・立身出世を願っています。
子供への「親」や「親族」の愛情が込められたものが「鯉のぼり」なのですね。
どうして、お母さんの鯉のぼりは居ないのか・・・?
5月5日は「田植え」の時期と重なります。
「田植え」は女性の仕事とされ、女性は仕事をしているので「鯉のぼり」には「おかあさん」は仕事でいないことになっているとか・・・
そういえば「早乙女」など、女性が田植えをする行事がありますよね。
また、農繁期の忙しい時期に5月5日だけは女性が仕事を休める日として、ゆっくり休んだり遊んだり出来る日だからと、「鯉のぼり」に「おかあさん」が参加していないという説もあります。
男女平等の世の中、「おかあさん」だけがいないのはおかしい・・・という意見もあり、「子供の日」だから「男の子」だけ祝うのもおかしい・・・というわけで赤い鯉は「おかあさん」、ピンクの鯉は「女の子」としているケースもあるとか。
家族みんなの納得できる説明が「家族円満」ひいては「家」の安泰にも繋がるので、家族で相談してお子さんに説明してあげるのも良いのかなと思います。
【出典:http://www.ac-illust.com/】
鯉のぼりはいつからいつまであげるの?
鯉のぼりをあげる時期は二十四節気の「清明」(4月5日頃)~二十四節気の「小満」(5月21日頃)と言われています。
旧暦の5月5日(2015年だと6月20日)まで飾っても良いとも言われます。
せっかくなので旧暦の5月5日までお祝いの気持ちを込めて「鯉のぼり」を楽しんでも良いのではないでしょうか?
ただ、お天気が心配になってきます。
鯉のぼりもきちんとお手入れをして片づけたいですよね。
《鯉のぼりの片付けの仕方》
・天気が良く、空気が乾燥した日を選んで片付けをしましょう。
①軽く水ですすぐか、濡れた雑巾で拭く。
②気になる頑固な汚れはかなり薄めた中性洗剤で濡らした雑巾を硬く絞って拭きながら汚れを取る。
(鯉のぼりは洗剤に弱い場合があるので、使用上の注意をチェックしておきましょう)
(汚れを取る時に強くゴシゴシとこすると金箔が取れてしまう事があるので気をつけましょう)
③鯉のぼりの口は針金やワイヤーで出来ています。
サビや変形に気をつけましょう。変形が気になったら手で形を整えましょう。
④鯉のぼりをたたむときには十分に乾燥させましょう。
湿気が残っているとカビの原因になります。
⑤鯉のぼりのたたみ方
・鯉のぼりの口の大きさに合わせて、お腹と背中を内側に折りたたむ。
・口の大きさを基準にして「頭」から「しっぽ」へたたんでいく。
来年も「鯉のぼり」を楽しめるように、片付けもバッチリマスターしましょう!
「鯉のぼり」は立身出世のシンボルのようなものかしら・・・なんて思っていましたが、子どもへの「親」の思いがたくさんたくさん詰まった物だったのですね。
我が家の「鯉のぼり」は旗竿の寿命がきてしまい、今は「鯉のぼり」をあげることが出来なくなりましたが、次に「鯉のぼり」をあげる機会があった時にはたくさんの「思い」を込めて丁寧に「鯉のぼり」をあげようと思いました。
ライター:なみたま