【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
私は以前、海苔の賞味期限を気にしていませんでした。
賞味期限をチェックしたこともなかったので、賞味期限切れの海苔を、気づかずに食べたこともあるかもしれません。
ところが、家族で帰省して帰る時に、実家の母が「車の中で食べて」と言って、持たせてくれたおにぎりが変だったんです!
いざ食べようと思って見ると、海苔が紫に変色していて、ギョッとしました。
開封後の海苔はすぐに湿気を吸いますし、母の保存方法が悪くて、そんな状態になったのかもしれません。
今回は、賞味期限切れの海苔について、詳しく調べていきます!
- 賞味期限切れの海苔は、いつまで食べられる?
- 海苔の正しい保存方法
- 海苔の包装タイプで保存方法が違う!?
- 古くなった海苔のアレンジレシピ
すぐに母に電話をしました。すると、
「実はずっと前から戸棚にあった海苔なの。5年ってことはないと思うけど、1年以上は経っているかも。
半年前くらいに食べたら平気だったけどー」と呑気な母。
未開封ならまだしも、冷蔵庫や冷凍庫に入れていたならまだしも・・・!
”開封済み&数年物&常温保存の海苔は、さすがに腐るでしょ!”と思ったのですが、時すでに遅し。
空腹の夫が、気にせずに食べてしまいました。
運よくお腹は壊しませんでしたが、”子どもたちが食べて食中毒にでもなっていたら”と思うと怖いです。
今回は、特に開封後の海苔について、徹底的に調べていきます!
開封後の保存方法がよくわからない、プラスチック容器や缶入りの海苔についても、保存方法をご紹介しますね。
管理栄養士・栄養士
目次
海苔の賞味期限切れ!いつまでなら食べても大丈夫?
以前の私のように、「海苔が賞味期限切れになっても、未開封なら気にしにない」という方も多いと思います。
この機会に、海苔の元々の賞味期限をチェックしてみましょう!
海苔の賞味期限はどのくらい?
さまざまな産地や製造メーカーの海苔の賞味期限を調査すると、下記のとおりでした。
寿司用などの味がついていない海苔
3ヶ月~15ヶ月
味付け海苔
半年~1年
韓国海苔
半年~1年
味付けしていても、賞味期限はあまり違わないんですね。
賞味期限の期間にひらきがあるのは、容器の違いのように感じました。
袋入りのものは賞味期限が短め、缶入りのものは長めのようです。
ここで、賞味期限の正しい意味も確認しておきたいと思います。
農林水産省の子ども向けのホームページに、わかりやすい説明がありました。
賞味期限とは?
未開封のままで保存方法を守ったときの、美味しく食べられる期限のこと。
賞味期限を決めているのは製造者や販売者。
さまざまな検査をして、余裕をもって決められるのが一般的。
海苔の製造販売メーカーのホームページにも、こんな情報がありました。
Q.賞味期限が切れた海苔を食べても大丈夫ですか?
A.未開封の状態であれば期限が過ぎたからといってすぐに衛生上問題になるということは考えにくい食品ですが、
海苔の味や風味が落ち、湿気ていることも考えられますので、期限内にお召し上がり下さい。
やはり、賞味期限が過ぎても食べられる可能性が高い食品のようです。
では、賞味期限が切れた後の海苔がいつまで食べられるのかを、さらに深堀してみます!
賞味期限切れの海苔が食べられる期間はどのくらい?
口コミなどで、実際に”賞味期限切れの海苔を食べた”という情報を集めて、まとめました。
- 賞味期限切れ後2ヶ月~3ヶ月くらいなら、味も変わらず美味しく食べられる
- 賞味期限切れ後半年の海苔を美味しく食べている
- 賞味期限が1年過ぎた海苔を佃煮にして食べた。美味しかった
- きちんと密閉していない海苔の賞味期限が3年過ぎていた。歯ごたえは悪いが、食べられた
- 賞味期限が5年過ぎた未開封の海苔を食べたが、普通に食べられた
- 海苔を見て、湿気を吸った感じや変色がなければ、いつまででも食べる
海苔が腐るという情報はありませんでした。
「賞味期限切れ後数年が経って、食感や味が落ちても気にしない」という声が多くありました。
賞味期限切れでも食べられることはわかったのですが、保存方法によって美味しさも長持ちさせる方法はあるのでしょうか?
私の周りでは、【海苔を常温に置く派】、【冷蔵庫に入れる派】、【冷凍庫に入れる派】家庭によって保存方法が違います。
どうやって保存するのが正しいのでしょうか?
海苔の正しい保存方法とは?開封済みはどうしたらいいの?
海苔は、開封後すぐ湿気を吸って、パリパリとした食感が悪くなります。
なるべく美味しく・長く保存できる保存方法はあるのでしょうか?
開封後の海苔を正しく保存する3つのポイント!
海苔の製造販売メーカーの情報を調べたところ、3つのポイントがありました!
- 湿気を防ぐ→冷蔵庫や冷凍庫での保存が最適
- 空気に触れさせない→チャックつきの保存袋に、乾燥材と一緒に入れてしっかり密閉
- 結露による劣化を防ぐ→冷蔵庫や冷凍庫から出したら、常温に戻してから開封する
直射日光が当たらず、高温、多湿にならない場所であれば、常温に置いてもOKだそうです。
我が家では、キッチンやお部屋の温度と湿度を常に一定に保つのは難しいです。
海苔の大きさを考えて、冷凍庫に入れてみようと思います!
海苔の保存方法を調べていると、包装タイプによって保存のポイントが違うことがわかりました。
私がいつも迷うのは、「プラスチック容器や缶に入った海苔を開封したら、別の容器に移した方がいいの?」ということです。
早速確認していきましょう。
包装タイプ別に解説!海苔を長持ちさせるコツとは?
海苔には、さまざまな包装タイプがありますよね。
未開封のときは”直射日光や高温多湿を避けて常温保存”でOKなのですが、開封後は保存のポイントが違うようです。
小分けで袋に入っているタイプ
私は、「小袋には乾燥材も入っているから安心♪」と思っていました。
ところが、外袋を開けると、小袋を開けなくても湿気を吸っていくそうです。
外袋を開けたら、未開封の小袋をチャックつきの保存袋などに入れ、空気を抜いて保存しましょう。
涼しくて湿気が少ない冷暗所か、冷蔵庫や冷凍庫に入れます。
賞味期限にかかわらず、1ヶ月ほどで食べきるのがおすすめです。
フィルムに包装されているタイプ
旅館の朝ご飯などでよく見かける、薄いフイルムに包装されているタイプの海苔です。
薄いフィルムについて調べてみると、湿気を防ぐ効果はなく、すぐに海苔の食感が悪くなってしまうそうです。
薄いフィルムに包装された海苔と乾燥剤を一緒に、チャックつきの保存袋に入れます。
空気を抜いてしっかりと密閉し、冷暗所、冷蔵庫、冷凍庫などに保存します。
賞味期限にかかわらず、1ヶ月ほどで食べきるのがおすすめです。
まとまった枚数が、袋に包装されているタイプ
全型やおにぎり用の3つ切りなど、まとまった枚数が袋に包装されている海苔です。
袋にチャックがついている場合は、チャックをしっかり閉じて、そのまま保存します。
チャックがついていない袋の場合は、チャックつきの袋に、乾燥材と一緒に入れ替えて保存しましょう。
冷暗所、冷蔵庫、冷凍庫などに入れます。
賞味期限にかかわらず、1ヶ月ほどで食べきるのがおすすめです。
プラスチック容器や缶タイプ
プラスチック容器や缶に入っている海苔は、開封したときに入ってきた空気の影響で、すぐに劣化してしまいます。
チャックつきの保存袋に、乾燥材と一緒に入れ替えるのをおすすめします。
こちらも、冷暗所、冷蔵庫、冷凍庫で保存し、賞味期限にかかわらず1ヶ月以内に食べきるのがおすすめです。
先ほどもご紹介したように、冷蔵庫や冷凍庫で保存した場合は、常温に戻してから開封するのを忘れないで下さいね。
豆知識:開封後の海苔は、焼くとパリパリに戻る!?
「開封後の海苔が湿気を吸ったら、焼いて湿気を飛ばせば美味しくなる?」
と思い、実際に我が家で保存している海苔を焼いてみました。
すると、パリパリした食感も、開封直後の風味も戻りませんでした。
原因は、「焼いても新鮮な状態には戻らない」という単純なものだと思います。
ただし、ご家庭にあるのが”焼き海苔”ではなくて”乾海苔”の場合は、食べる都度、焼く必要があります。
乾海苔は生の海苔を成型したもので、焼いて水分を飛ばし、パリッとした食感を味わいます。
焼かないと磯くささが口に残りますので、ご注意下さい。
最後に、賞味期限切れの海苔でも美味しく食べきれるレシピをご紹介します!
賞味期限切れの海苔を美味しく食べる裏技レシピを紹介!
お歳暮などでいただいた高級海苔を、”大事にしまいすぎていて賞味期限が切れてしまった”なんてことはありませんか?
そんな海苔を、簡単に捨てるなんてできません!
古くなった海苔を、美味しく食べきるレシピをご紹介します!
海苔の佃煮
海苔のアレンジレシピとして代表的な佃煮の作り方をご紹介します。
- 海苔をさっと洗う
- 包丁で細かく切る
- 鍋に海苔が浸るくらいの量の調味料を入れる
- 火にかけ、全体がトロっとしたら出来上がり!
調味料は作る人によって違うと思います。
一例としては、【しょうゆ、酒、砂糖、みりん】を同量ずつ混ぜてみてください。
少しなめてみて、”甘すぎればしょうゆを足す”といった感じで、お好みの味に仕上げて下さいね。
韓国海苔
韓国海苔も、簡単に作れる海苔のアレンジレシピで
- フライパンにごま油を熱する
- 弱めの中火にする
- 海苔と塩を入れて混ぜ、油がまわったら出来上がり!
そのまま食べても、サラダにかけても楽しめます。
海苔と野菜の肉巻き
お好みの薄切り肉に、海苔と野菜を巻いて焼くだけです!
照り焼きやフライなど、調理法もお好みでOKです。
ふんわりと磯の香りを感じて、ご飯もお酒も進みます♪
古くてもアレンジがきく海苔ですが、変色や手触りがゴワゴワになるなど、あまりにも劣化していたら捨てるのがおすすめです。
また、過去には海苔が原因の食中毒事件がありました。
2016年、5つの都市の小中学校、幼稚園、飲食店で、感染者が2,000人を超える食中毒事件が起こりました。
原因は、海苔加工所で作られた刻みのりでした。
素手で作業した作業員の手から、ノロウィルスが付着したとのことです。
海苔のアレンジレシピを作るときには、手洗いをしっかり行い、清潔な環境で調理して下さいね。
まとめ
賞味期限切れの海苔について、詳しくご紹介してきました。
長く保存するポイントは、保存方法を守ることでしたね。
ポイントをまとめてみます。
- 賞味期限切れの海苔は、”開封済みかどうか”、”開封後に正しく保存しているか”で、食べられる期間が変わる
- 海苔を保存するときのポイントは3つ!【湿気を防ぐ】【空気に触れさせない】【結露を防ぐ】
- 海苔は、包装タイプによって開封後の保存方法が違う
- どの海苔も、開封後は賞味期限にかかわらず1ヶ月以内に食べきるのがおすすめ
- 賞味期限切れの古くなった海苔を美味しく食べる、アレンジレシピがある
海苔の魅力は味だけではありません!実は、栄養価が高い食品でもあるんです。
海苔に含まれる栄養素は、たんぱく質、食物繊維、ビタミンC、葉酸など。
中でも海苔の食物繊維の中には、保水力の高いポラルフィンという成分が豊富で、お肌をしっとりさせる効果があるそうですよ!
パリパリっと手軽に食べられますので、これからは、おやつ代わりに海苔を食べてみようかと思い始めています♪