母子家庭で心配なのは、何と言っても経済的なことですよね。
私も母子家庭で育ちましたが、私の子供時代(30年ほど前)は母子家庭に対する公的な援助もしっかりと整備されておらず、負のイメージがつきまとっていました。実際に生活が苦しくて給食費が未払いになったり、子供の衣服などにお金をかけられなかったりする家庭も多く見られたものです。
他方で、今は3人に1人が離婚をすると言われている時代。母子家庭のために公的な援助を拡充する働きかけが政治の世界でも少しづつ行われています。
でも、今ひとつ周知されておらず、一人で苦しんでいる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、そんなあなたの生活が少しでも良くなることを願い、以下のことについて詳しくご紹介します。
- 母子家庭になってからの生活見直しポイント
- 母子家庭がフル活用したい公的扶助や支援制度
- 手取り収入10万円の、母子家庭の家計簿
- 母子家庭になってから仕事を探す方法
- 母子家庭を苦しめる、借金からの脱出方法
母子家庭で私と妹を育ててくれた母は強い人でした。実は妹も10年程前に離婚して母子家庭になったのですが、離婚するかどうか悩んでいた妹に、このひと言。
「親の数は重要じゃない。親の質が大切。」
母として強く賢く、子供を守って幸せにするための指南ですね。このひと言が妹を立派な母にしているのだなと、つくづく思います。今回は、同じ悩みを抱えている方に、どうしても知っていただきたいことをまとめました。
早速、母子家庭で生活ができないと悩むときに見直したいポイントからお話ししていきますね!
目次
母子家庭で生活できないとき、みんなはどうやりくりしてる?
母子家庭だからといって、恥じることはありません!
でも、お金のことで現実的に苦しい状況になると、ネガティブな気持ちになりがちですよね・・・。
そこで、子供の教育費や自分の老後の資金など、将来のお金のこともきちんと設計できるように、世の中にある全ての方法を活用して、賢く生活していきましょう!
まずはこんなことを見直してみて下さい。
母子家庭で生活が苦しいときの5つの見直しポイント
- 母子家庭のための公的扶助や支援制度は活用できているか?
- 金利が高い業者から借金をしていないか?
- 家賃は高すぎないか?
- 収入と生活水準は合っているか?
- 離婚した夫からの養育費はどうなっているか?
では1つずつ詳しくご紹介していきます。
母子家庭のための公的扶助や支援制度は活用できているか?
私は税理士事務所で働いていたことがあるので、国や自治体とお金のやり取りをした経験が多々あります。母子家庭になったときに、公的扶助について自治体が知らせてくれればいいのですが…。基本的に国や自治体は、お金を支払うことに関しては、お金を受け取る人からの申し込みや請求がなければ、動いてくれません。
受け取れるはずの公的扶助を受け取っていなかったとしても、国や自治体が親切に「申請を忘れていますよ。」なんてアナウンスはしてくれません。
後ほど公的扶助や様々な支援制度について詳しくご紹介しますので、ご自身が公的扶助や支援制度を受け取る対象になっているかどうかをチェックしてみて下さいね!
住居費は高すぎないか?
一般的に
「家賃は手取り収入の3割程度を目安に不動産物件を探すといい。」
と言われています。・・・が、
生活が苦しい場合は、家賃は安いに越したことはないですよね。
たとえば、
・手取り収入30万円の方が、家賃9万円(手取り収入の3割)の物件に住んだ場合は、残り21万円を生活費に使うことができます。
・手取り収入15万円の方が、家賃4万5千円(手取り収入の3割)の物件に住んだ場合は、生活費に使えるお金は105,000円です。お子さんがいる家庭の生活費としては、かなり厳しい金額です。
手取り収入から家賃を引いたときの手元に残るお金のことを考えて、”手取り収入の3割”にこだわらずに不動産物件を決めることをおすすめします。ちなみに、大家さんによっては値引き交渉に応じてくれる方もいらっしゃいますので、不動産会社に事情を話して交渉してもらう価値はあります!
家賃の値引き交渉をする際のポイント
- 長く住むことを約束する。
- 「値引き交渉に応じてくれたらその不動産に即決する」と伝える。
これは母子家庭だった私が、家庭の事情で約30回引っ越しした経験から学んだポイントです!
母子家庭になってからの収入と生活水準は合っているか?
母子家庭になって収入が減ったからといって、すぐに生活水準を下げることは難しいと思います。どうしてかって、今までの生活でしみついた意識を変えることが難しいからです!
例えば私の母の話ですが、バブル当時に自営業をしていて派手な生活を送っていたのですが、病気になって働けない時期がありました。
当然、しみついてしまったバブル当時の華やかな生活ぶりを変えることができず、家計はすぐに火の車になりました。親戚や友人からお金を借りまくり、その返済は私達子供世代まで続いています。
生活水準は、上げるのは簡単ですが、下げるのはとても難しいです。でも、生活水準を収入とのバランスを考えないと、子供の代の生活にまで影響する可能性があります。頑張って収入と合った生活水準で生活しましょう。
離婚した夫からの養育費はどうなっているか?
離婚した後に決まった養育費を払わない夫に対しては、社会的制裁という意味でも給料差し押さえなどをし続けて、きちんと養育費を支払ってもらうことが理想です。
とはいえ…離婚時に養育費についてきちんと定めていても、払わない人は払いませんよね。養育費を請求し続けること自体が、精神的負担になるという方も少なくありません。
そこで、養育費でお悩みのあなたのために、公的な支援を活用する方法を詳しくご紹介していきますね!
ご自身とお子さんが精神的に健康に過ごせる方法を選ぶのが、結局は一番良いことなのだと思います。
お住まいの地域によって支援内容は違いますが、気になるものがあったら問い合わせをする価値はあります!
「知らなかった」ではもったいない!手当など公的な支援もしっかり活用!!
まずは公的扶助からご紹介していきます。チェックしてみて「自分には当てはまらないかも…。」と不安になった場合も、ご家庭の状況によって公的扶助の支給の条件等が変わることもありますので、一度自治体に相談してみることをおすすめします。
母子家庭の方が利用できる公的扶助をチェック!
意外と聞きなれない公的扶助があるかもしれません。母子家庭の場合に利用できる、4種類の公的扶助をご紹介します。
ぜひ確認していただき、気になるものがあれば問い合わせをしてみて下さいね。
児童扶養手当(問い合わせ先:お住まいの自治体)
ひとり親家庭、配偶者が重度の障害のある家庭に支給されます。次にご紹介する、児童育成手当と同時に支給してもらうことも可能です。
【支給される子供の年齢】
18歳まで。障害がある場合は、20歳まで支給を受けられる場合もあります。
【支給額】
1家庭 約10,000円~約42,000円
*所得と子供の人数によって金額が変わります。
*H30年7月から、支給要件が緩和されました。年収160万円まで・子供1人の母子家庭は月約42,000円を支給されることになります。
支給を受けるのに必要な条件 | 支給されない場合 |
以下のような事情の児童を養育していること。 ・死亡・離婚・行方不明などによってひとり親になった ・両親のうちどちらかに重度の障害がある。 ・虐待などが原因で、親の保護をうけることができない。 ・両親がもともと結婚していない。・自治体が定めている所得額以上の所得がある。 ・申請する本人か子供のどちらかが海外に住んでいる。 ・子供を里親に預けている。 ・子供が児童福祉施設等に入所している。 ・申請する本人が再婚している。 |
・自治体が定めている所得額以上の所得がある。 ・申請する本人か子供のどちらかが海外に住んでいる。 ・子供を里親に預けている。 ・子供が児童福祉施設等に入所している。 ・申請する本人が再婚している。 |
次は、必要な条件を満たしている場合に一定額の支給を受けることができる公的扶助です。
児童育成手当(問い合わせ先:お住まいの自治体)
離婚等の事情によるひとり親家庭に支給されます。上記の児童扶養手当と同時に支給してもらうことも可能です。
【支給される子供の年齢】
18歳まで。
【支給額】
子供1人につき13,500円
支給を受けるのに必要な条件 | 支給されない場合 |
・死亡・離婚・行方不明などによってひとり親になった。 ・両親のうちどちらかに重度の障害がある。 ・虐待などが原因で、親の保護をうけることができない。 ・両親がもともと結婚していない。 |
・自治体が定めている所得額以上の所得がある。 ・子供を里親に預けている。 ・子供が児童福祉施設等に入所している。 ・申請する本人が再婚している。 |
次は、母子家庭かどうかに関わらず、生活を助けてほしい場合に利用できる公的扶助です。
生活保護(問い合わせ先:お住まいの自治体)
生活が困窮している全ての方が受ける権利のある公的扶助です。
【支給される子供の年齢】
子供の年齢に関係なく、病気などにより生活保護が必要な状況が続けば支給を受けることができます。
【支給額】
住んでいる地域・家族構成・家庭の状況などによって様々です。
支給を受けるのに必要な条件 | 支給されない場合 |
・援助してくれる人がいない。 ・貯金・家・車などの資産を持っていない。 ・働くことができない。 |
・左記以外の方。 |
次に、母子家庭にとって負担の大きい、医療費の公的扶助です。
医療費助成制度(ひとり親)(問い合わせ先:お住まいの自治体)
ひとり親家庭でなくても子供がいる家庭には医療費助成制度がありますが、ひとり親家庭が対象の医療費助成制度は、年齢枠が広げられています。
【支給される子供の年齢】
18歳まで。
【支給額】
自治体によって様々です。
支給を受けるのに必要な条件 | 支給されない場合 |
・健康保険に加入している。 ・死亡・離婚・行方不明などによってひとり親になった。 ・両親のうちどちらかに重度の障害がある。 ・虐待などが原因で、親の保護を受けることができない。 ・両親がもともと結婚していない。 |
・自治体が定めている所得額以上の所得がある。 ・生活保護を受けている。 |
生活保護はまず相談!
上記の表でご紹介した生活保護は、憲法にもあるように『健康的で文化的な最低限度の生活』をしたくてもできない方のための公的扶助です。誰でも生活保護を申請する権利があります。
母子家庭で起きる様々な事情で生活が苦しくなった場合には、先ほどの表でご紹介した受給条件を確認した上で、お住まいの自治体に相談してみて下さい。
なお、生活保護を受けると、受給中に不正に収入を得ていないかなども定期的にチェックされますし、親族には”生活保護を受けている人を援助できるかどうかの確認書類”が1年に1回送付されます。この点は、くれぐれも気をつけて生活しましょう。
その他の支援制度についてご紹介!
公的扶助の他にも、母子家庭の生活を助ける制度はまだまだありますよ~!お住まいの地域によって無い制度もありますが、問い合わせをしてみることをおすすめします。
まずは生活のための8つの支援制度をご紹介します。
名称・概要 | 問い合わせ先 |
住宅確保支援事業 賃貸物件などを借りるための保証人がいない場合、保証協会に支払う費用を一部助成してくれます。 |
お住まいの自治体 |
母子生活支援施設 住まいを確保すること・子供を養育することが困難な方に、一時的に住まいを提供してくれます。 |
お住まいの自治体 |
住宅手当 民間の賃貸住宅に6か月以上住んでいて、住民票にその住所を登録している場合は、一定額を支給してくれます。 |
お住まいの自治体 |
水道料金・下水道料金の減額・免除 | お住まいの地域の水道局 |
粗大ごみ処理手数料の減額・免除 | お住まいの地域の粗大ゴミセンター |
バスなどの公共交通料金の優遇 | 各交通会社 |
国民年金・国民健康保険の減額・免除 | お住まいの自治体 |
ひとり親家庭休養ホーム あらかじめ決められた宿泊施設を利用するときに、宿泊料の一部を助成してくれます。 |
お住まいの自治体 |
次に、母子家庭を対象としている貸付金をご紹介します。
名称・概要 | 問い合わせ先 |
福祉資金貸付 無利子~約1.0%の利子で、様々な用途の資金を貸し付けしてもらえます。 |
お住まいの自治体 |
次に、子供の教育資金の支援制度6つをご紹介します。
名称・概要 | 問い合わせ先 |
就学援助制度 小・中学校に入学するときにかかる学用品などの経費の一部を援助してくれます。 |
お住まいの自治体 |
幼稚園の入園料・保育料などの減額・免除 | お住まいの自治体 |
受験チャレンジ制度 高校・大学の受験費用を貸付してもらえます。 |
お住まいの地域の社会福祉協議会 |
各種奨学金 日本学生機構が有名ですが、奨学金制度を出している民間の企業もあります。 |
各奨学金団体 |
教育一般貸付 母子家庭の場合は、金利が低くなります。 |
日本政策金融公庫 |
ベビーシッター利用料助成 自宅でベビーシッターをお願いしたときの料金の一部を助成してもらえます。 |
お住まいの自治体 |
次に、働くための6つの支援制度をご紹介します。
名称・概要 | お問い合わせ先 |
自立支援教育訓練給付金 働くために職業訓練を受ける場合の給付金です。 |
お住まいの自治体 |
高等技能訓練促進給付金 今現在働いていて、働くのにもっと有利な資格をとるための資金を給付してくれます。 |
お住まいの自治体 |
マザーズハローワーク キッズスペースや託児があるハローワークです。 |
お近くのマザーズハローワーク |
高等学校卒業程度認定試験合格支援事業 この試験を受けるための講座を受けて試験に合格した場合に、受講料の一部が支給されます。 |
お住まいの自治体 |
求職者支援制度 雇用保険を受給できない場合の、無料の求職者支援訓練・訓練中の生活費の支援や貸付をしてくれます。 |
お近くのハローワーク |
教育訓練給付金 雇用保険に加入している方・加入していた方が、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講・終了した場合に受講料の一部を給付してくれます。 |
お近くのハローワーク |
次に、配偶者が亡くなって母子家庭になった場合の年金をご紹介します。
名称・概要 | お問い合わせ先 |
遺族基礎年金 亡くなった方が国民年金に加入していた場合の遺族年金です。 |
お住まいの自治体 |
遺族厚生年金 亡くなった方が厚生年金に加入していた場合の遺族年金です。 |
日本年金機構 |
最後に、民間のサポートをご紹介します。
名称・概要 | お問い合わせ先 |
病児保育 あらかじめ病児保育に登録しておけば、保育園では預かってくれない高熱などの症状が出ている場合にも看護師などのいる保育施設で子供を預かってもらえます。 |
お住まいの自治体 |
おてらおやつクラブ おてらおやつクラブに参加しているお寺のお供えものなどを、おすそ分けしてくれます。 |
おてらおやつクラブ事務局 |
しんぐる・まざーず・ふぉーらむ 関東を中心とした全国規模のNPO法人です。ママを勇気づけ、社会で活躍できる支援をしています。 |
しんぐる・まざーず・ふぉーらむ |
リトルワンズ 母子家庭のための交流会・イベント・お部屋探しなど様々な活動をしていて、法律知識が必要な相談も受け付けています。 |
リトルワンズ |
このほか、”子供が朝食を食べることができる食堂を商店街が運営している”などという情報をTVなどで見掛けることがあります。小規模の活動が全国各地にあります。 自治体に問い合わせて、お住まいの地域で母子家庭を支援するような活動があるかどうか聞いてみるという手もありますが、ポストに入っているチラシや、商店街などでの張り紙広告などもチェックしておきたいものです。 |
次に、先ほどお話しした”収入と生活水準を合わせる”ということについて、他の母子家庭の皆さんはどうしているのかを詳しくご紹介します。
母子家庭生活の参考になる!現実的な隣の家計簿
他の家庭がどんな生活をしているのかというのは、意外に想像がつかないものです。実際、母子家庭の方々はどれくらい収入を得ていて、どんな風に生活しているのでしょう?調査してみました!
母子家庭になる前に専業主婦で、仕事経験にもブランクがある場合は、子供を育てながら多くの収入を稼ぐ働き方をするのは難しいのが現状です。離婚後、まずは育児をしながら近所でパートをして働き始める方が多いようです。
口コミなどを調査した結果、これから母子家庭になるみなさんの目標手取り収入額は、月10万円が多いことがわかりました。
口コミをもとにした、詳しい家計簿をご紹介します。是非参考になさってみて下さい。
母子家庭 手取り収入月10万円の家計簿
(子供1人・離婚時の子供の年齢4歳)
こちらのお宅は、児童扶養手当は丸々貯金、元夫からの養育費についても一部貯金。ご自分の実家の援助は一切受けずに生活しています。
項目 | 金額 | |
手取り収入額 | パート(午前・午後かけもち) | 100,000円 |
生活費 | 食費 | 20,000円 |
家賃(市営住宅) | 15,000円 | |
水道光熱費(水道料は減免されています。) | 10,000円 | |
雑費(生活用品や化粧品など) | 10,000円 | |
通信費(格安スマホ・プロバイダー料) | 9,000円 | |
保険料(学資保険・生命保険・車の保険) | 25,000円 | |
保育料(保育料・主食費) | 10,000円 | |
(手取り収入額)-(生活費) | 1,000円 |
こちらのご家庭では、お子さんが4才です。子供が成長して、月々決まったお小遣いを渡すようになったり、自分のスマホを持つようになったりしたときに現在と同じ収入でも、児童扶養手当を貯金せずに生活費に使えば、なんとか家計は成り立ちます。
ただ、子供がお習い事をしたり、部活動などのための費用がかかったりするようになると、10万円での生活は難しくなります。
他の母子家庭の方の口コミなどを調査しても、食費や雑費などは大体同じような金額でした。手取り収入10万円の生活をしている場合、子供が成長することで生活費のバランスが変わって生活が苦しくなったときには、こんなことをポイントに生活費の見直しをしてみて下さい。
- 保険料の内容を見直すことはできるか?
- 児童扶養手当をどう使うか?(生活費に使うか・貯金するか)
- 養育費をもらえるかどうか?
- 養育費をもらった場合に、生活費に使うか・貯金するか?
- 子供の学費は奨学金を利用するかどうか?
母子家庭がスタートした当初は、まずは新しい生活をスタートさせることが重要です。今回ご紹介した家計簿を参考にすると、手取り収入が月10万円という場合でも、公的扶助や支援制度をフル活用して、努力すれば生活は成り立っていくことがわかりました。
ここで将来のことも考えたいと思います。家族の生活が自分の腕一本にかかっていると思うと、なるべくいい条件で働きたいですし、将来的には収入を伸ばしていきたいですよね。
ここからは、母子家庭になってから仕事を探す具体的な方法についてご紹介していきます。
パートでも正社員でも、仕事を探したい!生活保護を受ける前にできること
先ほどご紹介した通り、母子家庭になって生活が苦しければ、生活保護を受ける権利があります。病気などの事情がある場合は、なおさらです。
でもその前に、生活保護を受けずに自分の力で生活を成り立たせたいと希望する方も多いと思います。仕事を探す方法は数多くありますので、ご紹介します!フル活用してみて下さい。
”社会保険に加入したい”、”育児の都合でお休みを取ることがある”などの条件を、前もって伝えて仕事探しをする方法
- マザーズハローワークに行く。
- 派遣会社に登録する。
- 仕事アプリを利用する。
- 仕事情報サイトを利用する。
上記のほかに、自分で仕事探しをする方法
- 仕事情報誌を利用する。
- 近所のお店に求人の張り紙がないかチェックする。
自分で何か事業を始めてみようと思う場合には、
- 地域の創業支援センターに行ってみる。
*創業支援センターでは、事業を始めるための、銀行借り入れの段取りまで指導してくれます。「現在生活が困窮しているので事業をすぐに始めたい」という相談にものってくれます。
将来を見据えて資格を取りたいなどの希望がある場合は、先ほどの表の、『働くための支援制度』という部分を参考になさってみて下さい。今生活が苦しくても、あなたの行動力と努力は必ず将来につながります!
最後に、多くの母子家庭の方が悩まされている”借金”のことについてご紹介します。
借金まみれだと自己破産しかないの?生活苦からの脱出方法をご紹介!
母子家庭の方が、生活資金を色々なところから借入して借金まみれになるということは、決して珍しいことではありません。とにかく借金から逃れたいという思いで一杯ではないでしょうか?
自己破産のことについては後ほどお話しすることにして、まずは借金の負担を少なくする方法からご紹介します。母子家庭の方に一番おすすめしたいのは福祉資金貸付、次が法テラスを利用して弁護士・司法書士などの専門家に相談することです。
福祉資金貸付も借金の1つですが、消費者金融からの借金とは違って、母子家庭の生活を助けるためのものです。消費者金融から借金をせず、福祉資金貸付を上手に利用して生活することで、最終的には借金総額を減らすことにつながる可能性が高いです。
母子家庭の方が借金するなら一番のおすすめ。福祉資金貸付について
自治体によって福祉資金貸付の呼び名は様々です。お住まいの自治体に問い合わせるときは、「母子家庭の福祉資金貸付について相談したい」と言えば、どの自治体でも福祉資金貸付の係に案内してくれます。
先ほどの表でもご紹介しましたが、福祉資金貸付を利用する最大のメリットは、金利が低いということです。自治体や家庭の状況によって金利は違いますが、無利子~約1%ほどです。
手軽にお金を借りることができる、クレジットカードのキャッシングなどの消費者金融を利用している方も多いと思いますが、消費者金融の金利は一般的に14%ほどです。
30万円を借りて月5,000円くらいずつ返済すると仮定して、福祉資金貸付と消費者金融からの借入ではどれくらいの差が出るのかを表で見てみましょう。
福祉資金(金利1%) | キャッシング(金利14%) | |
借入金額 | 30万円 | 30万円 |
月々の返済額 | 5,046円 | 5,098円 |
月々の返済額のうち、元本返済分 | 4,796円 | 1,598円 |
月々の返済額のうち、利息支払い分 | 250円 | 3,500円 |
返済し終わるまでにかかる期間 | 5年1ヶ月 | 8年4ヶ月 |
返済総額 | 307,815円 | 509,842円 |
表を見ていただくとわかる通り、福祉資金貸付を利用した場合は月々の返済額がほとんど元本返済にまわります。消費者金融のような高金利の借入を利用すると、月々の返済額ではほとんど元本は返済されません。
その結果、消費者金融からの借入では当初30万円だけを借りたはずなのに、最終的には20万円以上も多い509,842円を支払わなければならないことになります。返済期間も福祉貸付を利用した場合の返済期間と3年以上の違いが出ます。
福祉資金貸付を利用するためには審査を受ける必要がありますし、お金を受け取るまでに1ヶ月以上の期間がかかるというデメリットがありますが、返済のことを考えると是非使うべき支援制度です。
法テラスを利用して、弁護士や司法書士などの専門家に借金のことを相談する
法テラスを運営しているのは、国です。法律的なことを相談したい人と法律家をつなぐ役割をしていて、問題解決まで、様々な支援をしてくれます。
「借金を減額することはできるか?」「借金の支払い方法を優遇してもらうことはできるか?」などを法律家に相談したい母子家庭の方には、ぜひ法テラスを利用することをおすすめしたいと思います。
法テラスが相談者にしてくれること。
- 相談者と法律家をつないでくれる。
- 必要があれば、無料法律相談も受けてくれる。
- 必要があれば、弁護士費用などを立て替えてくれる。
- 法テラスが立て替てくれた費用は、分割払いが可能。
- それぞれの法律家が法テラス利用の場合の特別料金を設けていることが多く、弁護士費用などが普通よりも安いことが多い。
母子家庭の方が抱えている借金の事情は様々です。例えば、私の知り合いは元夫に無理矢理クレジットカードを作らされて、ショッピング・キャッシングの両方を元夫が満額利用した状態で離婚しました。
元夫がその支払いをすることはなく、利用金額の未払いが理由で停止となったクレジットカードだけが手元に残りました。こんなとき、「本当に自分が支払う必要があるのか?」「支払うにしても、月々の支払金額や金利を考慮してもらえないか?」などの疑問がわきます。
直接弁護士に相談したくても、相談料がかかります。生活が苦しい母子家庭にとっては、相談料を払うことは厳しいのが現実です。
そんなとき、法テラスは強い味方です。
法テラスを利用する方法
1.法テラスに電話をし、相談内容を話す。
2.法テラスが法律家に連絡をとって、相談を受けてくれるかどうかを打診してくれる。
3.法律家から相談を受けてくれるという返事が来たら、法テラスから相談者に連絡が来る。そのときに、相談にのってくれる専門家の名前や連絡先も知らされる。
4.相談者は、「法テラスの紹介で電話をしました。」と法律家に連絡する。
5.実際の相談となる。
自己破産も1つの方法。でもメリット・デメリットをよく知って!
借金のために生活苦が続くと、自己破産を考える方も少なくないと思います。自己破産は、もちろん借金生活からの脱出方法の1つではあるのですが、自己破産をする前に知っていただきたいことがあります。
自己破産をするとこんなメリット・デメリットがあります。
メリット
- 借金が帳消しになる。
デメリット
- 最低限生活に必要な資産を残して、資産が没収される(車など)。
- 連帯保証人の方に借金支払いの請求がいくので、迷惑がかかる。
- 最低5年はクレジットカードを作れなくなる。
- 一定の仕事に就けなくなる。(保険外交員・警備員など)
- 自己破産の手続きのための弁護士費用なども必要。
デメリットの影響は大きいので、まずは先ほどの法テラスを利用して法律家によく相談することをおすすめします。そのうえで自己破産を本当にするかどうかを考える必要があります。
母子家庭での生活が苦しい上に借金もあったら、心も体も苦しい生活をなさっていると思います。私の家も借金まみれで、自己破産の話もよく出ていました。
母はバブルの頃、自営業でとても稼いでいましたので、そのときは一般家庭には考えられないような華やかな生活をさせてもらいました。バブルがはじけて自営業がダメになったときに残ったのは、残高がほとんどない通帳と借金だけ。
最終的に自己破産はしませんでしたが、自治体や法律家に相談し、そのときにできることを全てやって、家族全員で何とか乗り越えてきました。
この記事を通して、同じようなことで悩み苦しんでいるあなたを応援したい私の気持ちが届けば幸いです!
まとめ
母子家庭で生活ができないというようなときに役立つ情報をご紹介していきました。いかがでしたでしょうか?
ポイントをまとめてみます。
- 母子家庭で生活できないと悩んだときには、5つのポイントを見直す。
- 公的扶助や支援制度は沢山ある。フル活用しないと損!
- 手取り収入10万円でも、色々な制度を利用すればきちんと生活できる!
- 生活保護を受ける権利がある。
- 仕事を探したいと思ったら、色々な方法があることを忘れずに!
- 借金苦から脱出する方法もチェック!
”母子家庭・借金がある・生活できない”と暗くなる方もいらっしゃると思います。1人で子育てをしながら生活を成り立たせていくことは、並大抵のことではありません。
だからこそ利用できる公的扶助や支援制度はフル活用して、協力してくれる人の手は全てかりて、少しずつでも前に進むことをおすすめします。子供はそんなお母さんの姿を見ています!
子供は、成長するにつれて少しずつお母さんの助けになってくれるものです。お手伝いをしたり、お母さんを精神的に支えたりして、家族の一員として立派に成長してくれます。
お話してきたとおり、私も様々な苦難を実際に乗り越えてきました。この記事がきっとあなたの役に立つと信じています!
母子家庭であることを不安に思わず、今回のご紹介した内容を参考にしていただければ幸いです。