ネット通販で買い物をした時や公的書類に住所を書く場合、「都道府県」や「市区町村」の項目に分けて住所を書かなければいけないと「市区町村」の項目にどこまでの住所を書けば良いのか迷いますよね。
私も迷いながら書いた経験があるので、意外と知っているようで知らない、正しい住所の書き方を以下の項目を中心に徹底調査しました!
これであなたも市区町村の書き方で迷うことがなくなりますよ。
- 市区町村の項目は住所のどこまで書いたらいいの?
- そもそも市区町村ってどういう意味?
- 市区町村のわかりやすい書き方が知りたい!
- 住所を省略して書いても良い?都道府県から書かないとだめ?
- 住所を書く際には建物名や部屋番号まで全部書く必要がある?
今回は住所の書き方、特に迷いがちな市区町村の正しい書き方などの悩みについて一緒に解決していきたいと思います。
住所を記入する欄には、「住所」とあるだけで指定がないものや、「都道府県」「市区町村」「町名番地」と細かく指定されていることもあります。
書き間違えたものをその場で直すならまだしも、後日再提出やそれで手続きが遅れたりしたら面倒ですよね!
そんなことにならないためにも、住所の書き方をしっかりマスターしていきましょう。
目次
「市区町村」の欄には、住所のどこまでを書いたらいいの?
自分の住所を全て記載する形式の場合は迷うことなく書けると思いますが、「都道府県」「市区町村」「番地」という項目で分けている場合に「市区町村」の欄にどこまでの住所を書けば良いのか迷うものです。
そもそも、「市区町村」とはどんな定義なのか確認してみましょう!
「市区町村」の定義とは
「市区町村」とは、法律で定められた区分けのことです。
それぞれが住む地域で市長や町長や議会議員を公的選挙で選びますよね。
それは地域運営が地方自治体(地方公共団体)に任されているからですが、この最小単位が「市区町村」です。
例えば愛知県という囲いの中に、名古屋市や豊橋市といった区分けされた地方自治体があるというイメージです。
この場合、名古屋市や豊橋市が「市区町村」の「市」に該当します。
では町村はというと、○郡○町、または○郡○村が「市区町村」の「町村」に当てはまります。
でも「市区町村」と言われても、ひとつの住所に「市」や「区」や「町村」が入っているとどこまでのことなのか混乱しますよね。
これについては次の項目で具体例をあげてご紹介しますね。
また、「市区町村」の「区」は東京23区のことを指しています。
なぜ東京だけ?と思ったでしょうが、これについても後程しっかり解説します!
「市区町村」の市は○市まで!郡は○郡○町○村まで!
先程例に出した名古屋市は「政令指定都市」に指定されています。
政令指定都市は全国に20都市あり、人口50万人以上であることや都市としての機能があるかで決められます。
政令指定都市は「行政区」と呼ばれる「区制」をとることで、円滑な自治運営を行います。
そのため、名古屋市内には中区や中村区といった行政区が存在するのですね。
しかし行政区は独立した自治体ではないので「市区町村」に記入するのは「名古屋市」までとなります。
ここでいくつか具体例を挙げて見ていきましょう。
政令指定都市の場合
- 神奈川県横浜市中区・・・横浜市
- 大阪府大阪市中央区・・・大阪市
政令指定都市以外の「市」の場合
- 群馬県前橋市大手町・・・前橋市
- 茨城県水戸市笠原町・・・水戸市
となり、どちらも○市が「市区町村」に当てはまります。
「市」ではなく「郡」の場合
- 長野県諏訪郡富士見町・・・諏訪郡富士見町
- 岐阜県加茂郡東白川村・・・加茂郡東白川村
となります。
郡は町村がある区域のひとつの単位となるので、市区町村で記入する場合は○郡○町または○郡○村と書くのが正解となります。
東京だけは「特別区」なので、東京都○区までを記載する!
東京都の23区は市町村がつきませんよね。
23区は市に準ずる基礎自治体として法律で定められた区分けで、特別区として指定されています。
「市区町村」の「区」は特別区を指しますので、23区が該当するというわけですね。
そのため「市区町村」を記入する時は、○区と記入するのが正しいということになります。
また東京都では人口最多が市ではなく区なので、公的に「区市町村」と呼ばれています。
東京都の区市町村具体例
- 東京都千代田区・・・千代田区
- 東京都八王子市・・・八王子市
- 東京都西多摩郡瑞穂町・・・西多摩郡瑞穂町
- 東京都大島町・・・大島町
となります。
伊豆諸島や小笠原諸島の大島町や小笠原村は、町村の前に郡がつかないため、「市区町村」欄に記載するのは「大島町」「小笠原村」になります。
市区町村の区分けについてはなんとなくわかってきましたか?
次は「市区町村」欄の具体的な書き方を解説していきますね!
「市区町村」記入欄の書き方をわかりやすく解説!
いざ記入を始める前に、まず自分の住所で「市区町村」の区切りがどこかを理解しましょう。
住所の中に○市という名称があれば、市区町村に記入するのは○市となります。
住所の中に郡があれば、○郡○町または○郡○村となります。
そして東京都の特別区であれば、○区という区切りになるとわかれば、「市区町村」を書く時にもう迷いませんね。
それでは、住所全体の区切る場合の考え方について確認してみましょう。
「市区町村」以下の住所の区切り方は?
住所は決められたパーツによる組み合わせで構成されています。
このパーツによる区切りで住所を見ると、わかりやすいでしょう。
住所は4つのパーツで構成されています。
- 都道府県
- 市区町村
- 町名番地
- 集合住宅の場合、建物名と部屋番号
①の都道府県は東京都、北海道、大阪府、愛知県などです。
②の市区町村は、これまで説明してきた○市、○郡○町(または○村)や、東京23区になりますね。
③の町名番地が住所の続きです。
住所を区切る具体例
【群馬県庁】
群馬県前橋市大手町1丁目1-1・・・①群馬県②前橋市③大手町1丁目1-1
【葉山町役場】
神奈川県三浦郡葉山町堀内2135・・・①神奈川県②三浦郡葉山町③堀内2135
【東京都庁舎】
東京都新宿区西新宿2丁目8-1・・・①東京都②新宿区③西新宿2丁目8-1
となります。
住所をパーツで区切って考えれば、あとは記入用紙の項目に従って書いていけばOKです。
ここで記入時のチェックポイントを挙げておきましょう。
- 記入用紙の項目をよく見てから書き始める
- 住所は「都道府県」、「市区町村」、「町名番地」に分けられる
- 郡がついていない町や村は「市区町村」には含まれない
- 市のあとに続く町は「市区町村」には含まれない
- 東京都23区は区が「市区町村」でその後が「町名番地」になる
ここまで読み進めてきて、「町名番地」の町名がない場合はや「大字(おおあざ)」や「字(あざ)」がついた住所の区分はどうなるの?と、さらに疑問が深まった人もいると思います。
あなたの住所に町名がない場合、または「大字」や「字」が付く場合に知っておきたい正しい住所の書き方を解説します!
町名がない場合、大字(おおあざ)や字(あざ)の区分は?
「市区町村」の後に続く「町名番地」は便宜上そう呼ばれているだけで、すべての住所が○町○番地となっているわけではありません。
シンプルな住所だと「○市○町1丁目1番地」のようになりますが、「○町」の「町」の字がない住所や、「1丁目」のような区分ではなく漢字の地名が続く場合もあります。
例えば
岐阜県岐阜市薮田南2丁目1番1号は、町名に該当するのが「薮田南」となります。
また
愛知県岡崎市伊賀町字西郷中86の場合、字西郷中が町に続く区分けを意味しています。
大字(おおあざ)や字(あざ)は、かつて複数の町村が合併した時に、旧町村の区分けのためにつけられました。
大字や字はその後ろに続く地名にかかる単語なので、例えば福島県喜多方市字長面という住所の場合、市区町村が「喜多方市」で町名が「字長面」となります。
記入欄が「市区町村」と「番地」の場合は?
なかには記入欄が「市区町村」と「町名番地」ではなく、「市区町村」と「番地」に分かれているケースもあります。
この場合、市区町村に続く町名は番地には該当しないので、市区町村の項目に○市○町まで記入しましょう。
記入するフォーマットによって区分が変わるので、しっかり確認することが必要だということですね。
市区町村以外の住所の区分けもわかってきましたが、住所を記入する必要が生じた時に実際どこまでの住所を記入するのが正しいのでしょうか。
住所の記載は「都道府県」から書いた方がいいの?建物名まで書く?
ちょっとしたアンケートに答えた時に「簡単でいいので住所もお願いします」と言われたら、どこまで書いたら良いのか迷いませんか?
長い住所を正確に書くのが面倒な場合、省略できるケースもあるので詳しく紹介しますね。
- 「京都府京都市」のように同じ言葉が続くので書くのが面倒
- 建物名や部屋番号まで書くと長すぎて枠に入りきらない
- 自分が住んでいる市役所に出す書類に都道府県まで必要?
- 詳細な住所を書いて個人情報を特定されたくない
などと住所の書き方で悩む人は多いでしょう。
正確な住所を省略してもいいのかダメなのかは、住所を何に使用するために記入するのかによって違います。
住所を正確に書くべき例と省略しても良い例
住所を構成している要素は以下の通りです。
- 都道府県
- 郡
- 市区町村
- 市町村の町名や字などの区域
- 地番(番地)
- 建物名や部屋番号など
確実に郵送物が届いてほしいなら、建物名や部屋番号まで正確に書く必要がありますよね。
郵便番号と省略した住所で郵便物を送る場合
郵便物を送る場合に長い住所を書くのが面倒…という場合は、7ケタの郵便番号と省略した住所で送ることもできます!
郵便番号と省略した住所で郵送する場合の注意点として以下のポイントを抑えておきましょう!
- 郵便番号は正確に記載すること
- 省略できる住所は「市区町村」まで。町域や番地は必須
- 「大字」「字」までも省略可
- 「大字」と「字」の両方が付く場合は「大字」まで省略可
現在使われている7ケタの郵便番号は、昔は地域によって3ケタまたは5ケタだったものに町域番号を追加して設定されています。
7ケタの郵便番号が正しく記入されていれば、配達される町域まで判別できる仕組みになっています。
もし郵便番号を間違えて記入すると正しい町域がわからなくなるため、住所を省略すると宛先不明になる可能性があるので注意しましょう。
正確な住所を省略できる例
【江戸川区役所】
132-8501 東京都江戸川区中央1丁目4-1
↓省略
132-8501 中央1丁目4-1
【茨城県町県庁舎】
310-0852 茨城県水戸市笠原町978-6
↓省略
310-0852 笠原町978-6
【和寒町役場】
098-0192 北海道上川郡和寒町字西町120番地
↓省略
098-0192 西町120番地
【藤崎駅】
038-3802 青森県南津軽郡藤崎町大字藤崎字西村井60
↓省略
038-3802 藤崎字西村井60
公的書類の場合でも、「【市】からで大丈夫ですよ」と言われることもあります。
自治体だけで使用されるような書類であれば都道府県から書く必要もないわけです。
アンケートなどに回答する場合、個人情報を特定されるのを防ぐために都道府県と市区町村や、都道府県だけの記入にすることもあります。
公的な書類や何か契約する場合、住民票どおりの住所の記載を求められることがあります。
住民票どおりに書かないと認められない書類の場合は、住所を省略せずに書く必要がありますね。
建物名や部屋番号なども住民票にそう登録してあるのなら書く必要がありますし、建物名などが登録していないのに書いてしまったら差し戻しになります。
住民票に記載されている住所と現在の住所が違う例
私の住所は「○県○市○町△丁目△番地1」といたってシンプルな住所なのですが、住民票に記載されている住所は「△番地」までで番地のあとの数字の1は登録されていません。
これは住み始めて何年も経ってから土地が分筆されて△番地1と2に分かれたからなのですが、住民票だけでなく書類によって1があったりなかったりで、その都度住所が違いますとか登録されていませんとか面倒なことが起こります。
住所の記入項目も大事ですけど、まずは自分の住所がどうなっているか把握しておくことも大事ということですね。
まとめ
さて、「市区町村」には住所のどこまでを書けばいいかから始まり、住所の構成や何を書くかといったところまでつっこんでご紹介してきましたがいかがでしたか。
改めて自分の住所を見直した人も多いのではないでしょうか。
最後にここまでのポイントをもう一度おさらいしておきましょう。
- 「市区町村」を記入する前に自分の住所の区分けを理解しよう
- 記入欄、記入項目をしっかり確認してから記入しよう
- 住所を書く理由によって、どこまで住所を書くべきなのかが変わる
- 住所を書く必要性を考えて、不必要な項目は書かないことも大事
- 個人情報を守るために「都道府県」や「市区町村」以外の情報が必要か見極める
郵便番号が7桁になってからは、市区町村以下の住所だけでも届くようになりましたよね。
1丁目1番地も1-1で大丈夫など、記入する目的によって臨機応変さが認められているのも住所の面白いところだと思います。
かといって間違えて差し戻しはまた面倒なので、住所の書き方をしっかり把握しておけば安心ですよ。