【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
冷蔵庫に入れた生クリームがいつの間にか賞味期限切れに!ってこと、結構ありませんか?
私はひどいときだと、未開封のまま1ヶ月近くも放置してしまうことがあります。
開封後でも同じで、料理に少量使って冷蔵庫に入れ、賞味期限が切れるまで、忘れてしまうことも。
おそるおそる見てみると・・・
あれ?特に変化はない。
これって、食べたら危険なのでしょうか?
今回は、賞味期限が切れてしまった生クリームについて、詳しく調べていきます!
- 生クリームは、賞味期限が切れても食べられる?
- 生クリームが腐っているかどうかは、どうやって見分けるの?
- 生クリームの正しい保存方法
- 生クリームは冷凍保存可能!
開封後の生クリームを放置しておくと、外側が少し粘りのある固まりになります。
さすがにその部分は食べたくありません。
でも、何の変化もないクリームの部分は、”加熱すれば食べられる?”という期待感があります。どうなのでしょうか?
今回は、違いがよくわからない生クリームとホイップの特徴も一緒に、ご紹介していきますね!
そういえば私は、ケーキ作りに便利な、スプレー式のホイップクリームの扱いも、よくわかりません。
もろもろ合わせて、早速ご一緒に確認していきましょう!
管理栄養士・栄養士
目次
生クリームの賞味期限切れは危険?1週間過ぎても食べられるの?
生クリームと一口に言っても、スーパーに行ってみると、種類はさまざまですよね。
それぞれの商品の特徴も交えながら、賞味期限が切れてから何日くらい食べられるのかをご紹介していきます!
生クリームは、賞味期限が切れたら食べないで!
生クリームとホイップクリームとでは、多少、差があるようです。
が、生クリームは、賞味期限が切れたら食べない!賞味期限内でも開封後はすぐに使い切るべき食品です!
パッケージにこんな言葉を見つけたら、生クリームです!
- 生乳のみ使用
- 純乳脂肪 など
生クリームは、こんな工程で作ります。
- 殺菌していない、牛やヤギの生乳を分離させる
- 脂肪分18%以上の部分だけを取り出して、それぞれの商品にする
生クリームの原材料の配分は、商品によってさまざまです。
乳化剤や水分が含まれていることもあります。
賞味期限切れに特に気をつけたいのが、乳脂肪分の純度がより高く、無添加の商品です。
実際に生クリームを製造・販売しているメーカーのホームページなどを調べると、こんなことが記載されていました。
- 未開封であっても、賞味期限後に食べるのはおすすめしない
- 一度で使い切るのがベター
- 開封後は、なるべく早く使い切って下さい
ここで、「賞味期限って、少しくらい切れても大丈夫な食品じゃないの?」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
賞味期限とは
未開封で正しい保存方法を守ったとき、美味しく食べられる期限。
主に腐りにくい加工食品に表示されている。
農林水産省のホームページには、上記のように記載されています。
腐りにくい食品のはずですよね。
でも、思い出してみて下さい。経験がある方が多いかと思います・・・
乳製品でお腹を壊すと、すさまじい腹痛と下痢に襲われますよね。
どんな食品も同じですが、賞味期限が切れた食品を食べられるかどうかは、自己責任で判断することになります。
食べられるかどうかを判断する時は、上記でご紹介した通り、厳しい判断基準をお願いしたいと思います!
ホイップは賞味期限が切れても食べられる!?
ホイップは、ほとんどが植物性脂肪が原材料で、乳製品ではありません。
添加剤が含まれているので、賞味期限が切れても食べられる可能性があります。
パッケージにこんな言葉を見つけたら、ホイップです。
- ホイップ
- 植物性脂肪 など
*植物性脂肪とは、なたね油、ヤシ油などの、天然の植物から採取した油です。
ホイップとして売られている商品の中には、植物性脂肪と乳脂肪を合わせた商品もあって、乳脂肪のコクを感じることができます。
ホイップは、こんな工程で作ります。
- なたね油などの原材料をかためて、乳化剤や安定剤などの添加物も配合する
- 65~70℃で15分以上加熱しなから、よく混ぜる
- 冷却して、商品にする
添加物が配合されている上に、しっかりと加熱・冷却がされています。
少々賞味期限が切れても、食べられる予感がしますね。
「賞味期限切れのホイップを食べたことがある」という声を集めてみました。
結論は、未開封なら1週間以内、開封したら賞味期限にかかわらず3~5日以内が、食べられる目安のようです。
開封・未開封にかかわらず、賞味期限が切れたら、見た目や味をよく確認してから食べることをおすすめします。
賞味期限切れのホイップクリームを食べた実体験
- 賞味期限が切れても食べられるけど、1週間がギリギリ
- 開封したら、なるべく食べきった方がいい
- 開封後は、賞味期限にかかわらず3~5日以内に食べた方がいい
- 賞味期限が切れても、未開封なら60~80日は大丈夫と聞いたことがある
- 賞味期限が切れたら、なめてみて味を確かめる。酸味がなければ食べられる
- ホイップしたら翌日には食べられなくなる
中には、「未開封なら60~80日はOK」なんていう声もありました。
保存状態がよかったのか???実際に、長期間の保存に成功している方もいらっしゃるようですね。
ただ、ホイップが食べられなくなる理由は、保存期間の長短だけではありません。
微生物(カビの原因)の付着状況など、さまざまな原因が考えられますので、個人的には食べたくないですし、おすすめもできません。
スプレー式のホイップクリームの扱いをご紹介!
スプレー式のホイップクリームといえば、輸入食品店などでよく見かける商品です。
調べてみると国産のスプレー式ホイップクリームもありました。
それぞれご紹介します!
輸入のスプレー式ホイップクリーム
私がよく見かけるのは、こちらの商品です。
コクもあって美味しいですし、賞味期限が半年ほどと長いので、見かけると欲しくなってしまいます。
原材料は、下記の通りです。
- 乳等を主要原料とする食品
- 乳脂肪分26.0%、無脂乳固形分5.0%
ドイツの商品ですが、先ほどご紹介した日本の基準に照らし合わせると、生クリームに分類されるようですね。
名前に『ホイップ』という言葉を使っている理由は、
「植物性脂肪を使っている」という意味ではなく、「泡立ててある」という意味のようです。まぎらわしいですが・・・。
そうなると、賞味期限切れには注意が必要ですね。
注意深く判断して、このように考えていただければ幸いです。
- 賞味期限内に食べるようにする
- 開封したら、ノズルを清潔に保つ
- 開封後も1ヶ月はもつとされているが、食べる前に状態を確認する
この商品の、賞味期限が切れたときの扱いについて、詳しい情報を得られませんでしたが、販売店のホームページには、こんなことが記載されていました。
- 開封後は冷蔵庫で保存し、1ヶ月以内にお召し上がりください
- ご使用後は、ノズル部分を温水で洗い流し、水分をよく拭き取ってから冷蔵庫で保存して下さい
密閉性の高い缶入りの商品ですし、海外から輸入される食品なので、添加剤が配合されている可能性も考えられますね。
開封後に食べられる期限も長めですが、ノズル部分からのクリームの出し戻りなども気になります。
ぜひ先ほどの、”注意深く判断”を参考にしていただければと思います!
国産のスプレー式ホイップクリーム
スーパーなどではあまり見ませんが、インターネット通販で、国産のスプレー式ホイップクリームが販売されていました。
製造メーカーのホームページで調べると、賞味期限は240日(8ヶ月ほど)!長いですね。
原材料は、下記の通りです。
- 乳製品
- 砂糖など
- 乳化剤
- 安定剤
”乳製品”の詳しい内容がわからないので、生クリームに分類されるかどうかは不明でした。
”添加物が配合されている”&”缶入りの商品”だということが、賞味期限が長い理由のようです。
製造メーカーのホームページには、こう記載されていました。
- 缶に入っていますので、空気に触れない
- 賞味期限までお使いいただけます。
- 開封したら、ノズルの内部まで洗浄する
- 水分を拭き取って、冷蔵庫で保存する
賞味期限が切れた後の日持ちについては、情報がありませんでした。
ですが、元々の賞味期限が長い商品です。
やはり賞味期限内に使い切るか、開封したら賞味期限に関わらず、なるべく早く使い切ることをおすすめしたいと思います。
次に、色や形の変化がわかりにくい生クリームが、腐るとどうなるのかをご紹介します。
生クリームは腐るとどうなるの?腐っているかどうかの見分け方とは?
冒頭でもお話ししたとおり、私はせっかく買った生クリームの賞味期限を切らしがちです。
まずは、”生クリームを実際に腐らせてしまった”という実体験を集めました!
どんな状態だと腐ってる?腐る原因は?
生クリームもホイップも、腐ってしまったときの変貌ぶりはほとんど変わりないので、両者を分けずにご紹介していきますね。
生クリームやホイップは、腐るとこうなる!
味の変化
- すっぱくなった
- カビ臭い味がする
- 後味が苦い
- 舌触りがザラザラ
見た目の変化
- 見た目は変化しない
- 水が出て、クリーム部分と分離していた
- 赤いカビが生えた
- 全体が黄色く変色した
生クリームは、そのまま飲むような食品ではないですよね。
料理に使って、初めて味の変化に気づき、腐っていたとわかった方も多いようです。
生クリームが腐る原因は、大きく分けて2つあります。
細菌が増殖する
- 空気中にある細菌
- 冷蔵庫内の湿気に含まれる細菌
原材料自体の劣化
- 乳脂肪は油です。酸化すると、見た目や味が変化します
”腐っても見た目に変化がなかった”という声もありましたよね。
見た目に変化がない賞味期限切れの生クリームを見分ける方法はないのでしょうか?
生クリームが腐っているかどうかを見分ける方法
こんな声を見つけました。
- 指先に生クリームを1滴たらし、流れたら腐っている。玉状になって親指に乗ったら腐っていない
- 熱湯に少量入れてみて、固まったり分離したりしたら腐っている。溶けたら腐っていない
生クリームには、水分が配合されていることがあります。
原材料の”乳脂肪”は油ですので、普通に混ぜたら分離していまいますよね。
そこで乳化剤という添加物を使って、油と水が均等に混ざるようにしています。
生クリームが新鮮なうちは、乳化剤の働きで乳脂肪が水分をしっかり保持しているのですが・・・
時間が経過すると、乳化剤の働きが弱まり、油と水分が分離してきます。
上記の見分け方は、その性質を利用して、鮮度がいいかどうかを見分ける方法ですね。
生クリームの変化について口コミを調べていくと、
「賞味期限内なのに、変色してしまった。」
「賞味期限内なのに、分離してしまった。」
という声がありました。原因を調べると、保存方法に問題があったようです。
生クリームの正しい保存方法とは?温度とアレが大事だった!
生クリームは牛乳のようなパックに入っているので、私は冷蔵庫のドアポケットに入れていました。
ところが!それは、一番NGな保存方法だったようです・・・。
生クリーム、ホイップどちらにも共通する保存方法ですので、分けずにご紹介しますね!
生クリームを保存するときのポイントは3つです!
乳製品の安定した流通や、酪農業の発展などのために設立された団体、Jミルクのホームページを調べました。
生クリームの保存方法について詳しく書かれていました。
- 保存温度は5℃前後
- 振動などの衝撃を与えない
- 匂い移りをしっかり防ぐ
理由を1つずつ、簡単にご紹介します。
生クリームの保存温度は5℃前後
保存温度が5℃前後ということは、冷蔵室か野菜室ですね。
冷蔵庫の形にもよりますが、野菜室は、野菜室全体を手前に引くようになっていないでしょうか?
次にご紹介する”振動を与えない”というポイントも考えると、冷蔵室がベストです!
生クリームは、温度が上がると、脂肪球が壊れてしまうそうです。
脂肪球が壊れると、色が変色したり、液体が固まりに変化したりします。
脂肪球ってなに?
脂肪球は、生乳に含まれる脂質の小さな粒子です。
脂質の粒子が生乳全体に広がっているおかげで、色が真っ白になります。
また、脂肪球1つ1つは脂質を膜で包んでいます。
この膜があるおかげで、脂質同士がくっつかずに、サラサラとした液体になるそうです。
さらに、体に入ったときにさまざまな栄養を吸収するのを助けて、消化吸収をよくしてくれるそうです。
脂肪球が壊れると、生クリームの見た目だけではなく、消化などにも影響するんですね。
スーパーなどで買った後も、なるべく低温のままで家に持ち帰ることにします!
生クリームに衝撃を与えない
先ほどご紹介した脂肪球は、振動などの衝撃でも壊れてしまいます。
冷蔵庫に入れるときは、使うまでなるべく配置を変えなくていい場所に置きましょう。
ドアポケットは厳禁です!
保存温度が5℃前後ということを考えると、冷蔵庫の中段の奥がおすすめです。
*冷蔵庫によっても違いはありますが、最上段は冷風が出てくる場所なので、よく冷えますし、下段は、チルド室の低温の影響で、温度が低いことがあります。
また、生クリームには、乳化剤が配合されていることがあります。
*”生クリームが腐っているかどうかを見分ける方法”でご紹介しました。
脂肪球が壊れて膜が破壊されると、乳化の状態(水と油が混ざった状態)ではなくなり、乳脂肪と水分が分離してしまいます。
匂い移りをしっかり防ぐ
生クリームは、匂いを吸収しやすい食品です。
この2つを気をつけてくださいね!
- 匂いの強いものの近くにはおかない
- しっかり密閉する
さて、ご紹介した3つのポイントは、液体の状態で保存するポイントです。
でも、生クリームを泡立てた後に余ってしまうことって、結構ありますよね?
泡立てた生クリームは、冷凍できるようですよ!
生クリームは冷凍できるの?正しい冷凍保存の仕方
泡立てた生クリームやホイップは、翌日でも分離することがありますし、”泡立てるときに触れた空気中の細菌が、増えているかも?”という心配もあります。
冷蔵庫で保存すると、日持ちは長くて1日です。
ところが!冷凍することで、2~3週間も保存できるようになるんです!
自然解凍でもいいですが、そのまま使うこともできて、とっても便利ですよ!
泡立てた生クリームを小分けにして冷凍すると便利!
小分けにして冷凍すると、少量ずつ取り出して使えるのが便利です。
ただ、食感は悪くなってしまいます。
冷凍保存した生クリームは加熱して料理し、コク出しなどの役割で使うのがおすすめですよ。
- ホワイトソースに混ぜて、コク出しに!
- オムレツに混ぜて、コク深く、ふんわりとした食感に!
- プリンや生チョコに混ぜて、クリーミーな味わいに!
小分けにする方法をいくつかご紹介します。
製氷トレーで小分けにする
製氷トレーに入れるだけでOK。簡単ですね!
匂い移りを防ぐために、ラップで包んで、なるべく密閉することをおすすめします。
冷凍した生クリームを取り出しやすい製氷トレーは、シリコン製です。
100円ショップでは、ハートなどの形にできるシリコン製の製氷トレーや、シリコンカップも売っていますよ。
絞り出して小分けにする
ラップを広げ、泡立てた生クリームを少量ずつ絞り出します。
メレンゲを作るような感じですね。
ふんわりと包んで、保存袋に入れて密封し、そのまま冷凍します。
取り出して、そのままコーヒーなどに乗せると、かわいいウィンナーコーヒーができますよ。
保存袋などで小分けにする
ジップつきの保存袋だと、簡単に密閉して、匂い移りなどを防ぐことができますね。
計量して小分けにし、保存袋に分量を書いておくと、料理などに使いたいときに便利です!
ちなみに、液体のままの生クリームを冷凍すると、解凍しても元の液体には戻りません。
分離してシャーベット状になり、泡立てることができなくなってしまいます。
裏技として、分離した水の部分を取り出して練り、手作りバターにすることができます。
その場合の日持ちは1日ほどですので、ご注意下さいね。
まとめ
賞味期限切れの生クリームについてご紹介してきました。
これまであやふやだった、生クリームとホイップの違いなどもわかりましたね。
ポイントをまとめます。
- 賞味期限が切れた生クリームは食べない方がいい
- 未開封のホイップの賞味期限が切れたら、1週間を目安にする
- 賞味期限が切れた生クリームやホイップは、味などをよく確認してから食べられるかどうかを判断する
- 生クリームが腐ると、分離する、変色するなどの変化がある
- 見た目に変化がなくても腐っていることがあるので、要注意!
- 生クリームを冷蔵庫で保存するポイントは3つ
- 泡立てた生クリームやホイップは、冷凍することができる
今回は、泡立てた生クリームやホイップが冷凍できることもわかり、大収穫でした!
上手に保存して使えば、いつもの料理をワンランクアップさせられるかもしれませんね。
お菓子作りをしない私は、生クリームが必要な料理のレシピを見ても、牛乳で代用するか無視するかしていました。
今回知った情報をいかして、今日から早速、生クリームを活用してみたいですね。