【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
ナスといえば皮が濃い紫色で中が白いのが魅力ですが、切ってみたら茶色く変色していたことってありませんか?
うちは父が家庭菜園でナスを作っていて、手塩にかけて育てあげた親近感からか、多少色や形が悪くても気にせず食べてしまいます!でも、スーパーで買ってきたナスが茶色かったら、食べても大丈夫なのか不安になりますよね。
獲れたてのナスは皮にツヤがあり、中身は瑞々しくハリがありますが、古くなってくると瑞々しさがなくなってきて、シワがでてきたり色がくすんできたりします。
変色した部分はもう食べられないの?
なぜ茶色く変色するの??
そもそも美味しいナスってどのようなナス??
・・・と、ナスについていろいろ気になってきたので、下記の内容について調べてみました。
- 茶色く変色したナスは食べられるのか?
- ナスの皮に茶色い傷ができる原因とは?
- ナスが茶色く変色しないように調理する方法とは?
- ナスを変色させずに保存する方法とは?
- 新鮮で美味しいナスの見分け方とは?
うちでは、獲れたてのナスは生で醤油をかけたり漬物にしたりして食べ、少し日にちが過ぎたものは焼きナスや麻婆茄子などにしています。
とはいえ、旬の時期の夏から秋は、獲れすぎて食べきれず、ダメにしてしまうことも時々あります・・・。
そんな時、私はたいてい見た目や匂いで何となく判断していますが、ナスは少し茶色に変色していても、匂いは普通だったり、触ってみてもそれほど萎びてなかったりするので、傷んでいるのかわかりづらいんですよね。
今回ナスについて調べてみたことで、今までより美味しくナスを食べられる気がします。
ぜひ、一緒にナスの見分け方をみていきましょう!
管理栄養士・栄養士
目次
ナスを切ったら茶色く変色してた!これって食べられるの?
ナスを切ったら中身が茶色に!?・・・ということは、まれにあります。
でも、断面に茶色い斑点や模様がうっすらある程度なら、腐っているわけではないので食べられます。
とはいえ、劣化はしているので、新鮮なナスと比べたら味や食感は劣ります。
茶色くなったナスは、本来の味や食感を楽しむ漬物のような食べ方には向かないので、味噌などの濃い味付けや火を通す料理法がおすすめです。
完熟するとナスは切り口がスポンジ状になってきますが、熟しすぎるとパサパサしておいしくないので、そうなる前に食べた方がいいですね。
ナスが茶色く変色する理由
ナスはもともとインド原産の野菜って知ってましたか?
そのため実は低温に弱く、冷蔵庫で10℃以下で保存すると2~3日くらいで低温障害を起こし茶色くなってくるのです。
ほかにも、中身がやわらかくなってきたり、皮に茶色い傷ができたりすることもありますよね。
ナスの変色を防ぐ方法は後ほどご紹介するとして、次はこの茶色い傷について見ていきましょう。
ナスの皮に茶色い傷ができる原因は?食べても大丈夫?
ナスの皮の表面に茶色いかさぶたのようなものができたり、茶色いキズのようなものがついたりすることがあります。
自然現象で茶色くなった部分なら食べても大丈夫ですが、害虫による病気の場合もあります。
害虫による病気:ミナミキイロアザミウマやチャノホコリダニなどの害虫によって病気にかかっている場合、茎や新芽も変色するなどの症状がでてくるので、見分ける目安になります。
自然現象による変色:風によってこすれて茶色くなったり、ナスが子孫を残そうと身をかたくして種を守ることで、一部が茶色いシミになったりすることもあります。
ナスを栽培していて茶色い傷が気になるようなら、まず、葉っぱの状態を見てみましょう!葉っぱの状態が良ければ病気ではなく自然現象のことが多いです。
とはいえ、茎や葉っぱを切った状態で売られているスーパーのナスは見分けが難しいので、皮の茶色の部分がどうしても気になる場合は、そぎ落として調理することをおすすめします。
食は文化。料理は見た目の美しさも大事ですので、傷をそぎ落とした部分が目立たないような切り方を工夫してみましょうね。
さて、料理といえば、ナスはどんなにツヤとハリのある新鮮なものでも、下処理の仕方を知らないと変色してしまいますよね。
次からは、美味しく美しく調理する方法を見ていきましょう!
料理は見た目も大事!ナスが茶色に変色しないように美味しく調理する方法はコレだ!
ナスは前処理を何もしないで調理すると、アクが回って身が変色したり、皮が茶色くなったりします。
調理前にはまず、水にさらしてアク抜きをしましょう。
ナスの皮が茶色くなるのはまた別の理由で、これは皮に含まれる成分「ナスニン」が関係します。
ナスの皮に含まれるナスニンとは
ナスニンはアントシアニンというポリフェノールの一種で、抗酸化作用があるといわれている色素です。
アントシアニンというとブルーベリーが有名ですが、ブルーベリーも濃い紫色ですよね。
ナスニンは水溶性なので水に溶け出します。
そのため、普通に調理するとナスニンが溶け出し、さらに熱で酸化し、茶色く変色してしまうのです。
酸化とは、ある物質が酸素と化合することですが、例えば鉄が錆びるのも酸化によるものです。
食品の場合は品質の低下や栄養価の低下につながります。ナスの場合も酸化によってアントシアニンが壊れてしまうということですね。
せっかくの栄養素を壊してしまってはもったいないし味も劣ってしまうので、変色しないように前処理をしてあげます。
ナスの皮の変色を防ぐには
ナスニンが溶け出さないようするには、以下のような前処理の方法があります。
- 表面に火が通る程度に油で揚げておく
- 皮に油を塗り電子レンジでチンする
- 沸騰させたお湯に油を大さじ2入れてから茹でる
ナスを焼く場合は1.の方法を、ナスを煮る場合は2.か3.の方法がおすすめです。
どちらにしても短時間に高温で加熱することと、油で色素を閉じ込めることがポイントです。
いかがですか?ナスを美味しく美しく調理する方法はもう大丈夫ですよね。
ところで、新鮮なナスを買ったのに余らせてしまって、保存しておいたら茶色く変色してしまっていて・・・ということ、ありますよね。
ナスを茶色く変色させずに保存するにはどうしたらよいのでしょう?調理法の次は保存法を一緒に見ていきましょう!
ナスが余っちゃった!ナスを変色させずに保存する方法とは?
残ったナスを保存する場合、まずは水にさらしてアク抜きをしてあげましょう。
これで変色はかなり防げます。
アク抜きをしたら水気をしっかり取って、切り口が空気に触れないようにラップで巻きます。
空気に触れて、酸化して茶色く変色してしまうのを防ぐためです。
保管する場所は冷蔵庫の野菜室が最適で、1週間程度は保存できます。
冷凍保存もできますが、生で冷凍すると味は確実に落ちるので、焼いてから冷凍保存した方が品質は保てます。
ただ、やはりナスは傷みやすい野菜なので、できれば新鮮なうちに使い切ってしまうのが美味しく食べるコツですね。
ところで、先ほどもお話しましたが、スーパーで売られているナスは葉っぱも茎も切られています。
明らかに変色や傷があるものは見分けられますが、より新鮮で美味しいナスはどこで見分けるのでしょう?
これを知っていると、より美味しいナスを食べることができますよ!
スーパーで得する裏技!新鮮で美味しいナスの見分け方とは?
スーパーで山積みになっているナスを適当に選んでいませんか?
選び方で美味しさが違うなら、新鮮で味のいいナスを選びたいですよね。
新鮮で美味しいナスの見分け方
- 皮にハリがあり、濃くてツヤのある黒紫色をしている
- 皮に傷や色ムラがない
- ガクの下の部分と実の境目が白い
- ガクのトゲがしっかりしている
- ヘタの切り口がみずみずしく、ヘタの下の首部分が太い
- 実がしっかりしていて重たい
表面にシワが入っていたり茶色く変色しているものは、傷んでいる可能性もあるので、やはり避けた方がいいですね。
チェックポイントが多いですが、ぜひ美味しそうなナスを選んでみてください。
まとめ
最後にここまでの内容をもう一度まとめておきましょう。
- ナスはインド原産の野菜 →低温に弱く、低温障害で実が茶色くなることがある
- 多少茶色くなったものでも、味は劣るが食べることはできる
- 皮にできる茶色い傷は、害虫による病気か、自然現象によるもの
- 調理時に実が変色するのを防ぐにはアク抜きが大切
- 調理時に皮が茶色く変色するのはナスニンというポリフェノールが溶け出すため →調理前に油で素揚げや皮に油を塗って電子レンジでチンすると防げる
- 冷蔵庫の野菜室で1週間程度は保存できるが、傷みやすい野菜なので早めに食べきる
ナスはほとんどが水分ですが、ナスニンのように特徴的な栄養素がいろいろ含まれた優秀な野菜です。
例えば、カリウムは体内の余分な塩分を排出してくれるので、むくみ予防におすすめですし、暑い夏には体を冷やしてくれます。
ほかにも食物繊維や、血圧や動脈硬化が気になる人にはコリン、痛みの緩和にはプロテアーゼインヒビターなど、いろいろな栄養素が含まれています。
形も独特ですが、ナスは意外と機能的で優等生なのです。
ここまで知ったらナスを食べないわけにはいかないですよね!
せっかくなので、今回の記事を参考に、より新鮮なナスを選び、美味しく美しく調理してみてくださいね!
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