あなたの好きな寿司ネタは何でしょうか?ウニ!と答える方も多いですよね。
私は握りよりウニやイクラの軍艦巻きを食べるのが好きなんですが、ウニってどこの部位を食べているのかよくわかりませんよね。
ウニの食べる部位はなんとなく卵…いや肝…?のようにも思えますが、果たしてウニのオレンジ色をしている可食部分は一体何だと思いますか?
そこで今回は
- ウニの食べている部位はどこ?
- ウニのオレンジ色の秘密とは?
- おいしいウニの見極め方とは?
- 日本で採れるウニの種類と旬とは?
- ウニが大好きなのは日本人だけ?
といったウニの食べる部位の話題を中心とした内容についてご紹介していきます!
日本の三大珍味のひとつとも言われるウニですが、ウニが持つ栄養価の高さや本当に美味しいウニを知ったら今後のウニの食べ方が変わるかもしれませんね。
では早速、私たちが食べているウニの部位の正体について見ていきましょう。
目次
ウニの食べている部位は、栄養たっぷりの精巣と卵巣だった!
ウニのどこを食べるかというと、オレンジ色のつぶつぶのようなトロリとした部位ですよね。
実はあの部位はウニの生殖巣、つまり精巣と卵巣なんです。
ウニの殻を開くと房状に5つに分かれていますが、これが生殖巣です。この部位がウニの食用部分になるんですね。
全体的にオレンジ色というイメージがありますが、精巣は赤みを帯びていて、卵巣は黄みを帯びています。
しかし、実際は雌雄同体の個体もあり区別はほとんどつかないようですね。
ウニの精巣と卵巣どちらが美味しい?
生殖巣は産卵を迎えるまでに栄養をたっぷり蓄える場所なので、産卵の1~2か月前が一番美味しいといわれています。
さらに味を比べると、オスの持つ精巣のほうが味が濃いためおいしいと感じる人が多いといわれていて、高級食材として扱われているウニは精巣のみを集めたものがほとんどです。
ただ成熟する前が一番食べ頃で、精巣と卵巣がはっきり区別できる前に食べてしまうので、その段階では雌雄の区別がつきにくいということのようです。
ウニの種類や産地によっても違いがあるの?
ウニは棘皮動物の一種でヒトデやナマコと同じ種類になります。
日本で摂れる主なウニはムラサキウニやバフンウニなどがありますが、世界中に約900種類ありその中でも日本の近海に生息するのは百数十種いるといわれています。
ウニは世界各国にたくさんの種類が存在していますが、毒を持つウニもいるので食用にされるのはごく一部です。
日本で流通・消費されているウニの大半は海外から輸入されており、約9割を占めていると言われています。
つまり、国産ウニはたった1割程度しか流通していないのですね!貴重な国産ウニのうち、約4割は北海道産なのだそうです。さすが食の王国ですね。
日本へウニを輸出している主な国はロシア、韓国、アメリカ、メキシコ、チリなどです。
ウニは雑食でサンゴや海綿なども食べますが、主には海藻を食べていますが、同じ種類のウニでも主食となる海藻が違うとウニの味も変わるのだそうですよ。
同じ種類のウニを産地で食べ比べてみるのも面白いですね。
ウニは種類や産地によって、味だけではなく食用部位の色にも違いがあります。
それはオレンジの色素をどれだけ含むかにも左右されるのですが、ではあのオレンジ色とはいったいなんなのでしょうか?
ウニの秘密を公開!あのオレンジ色の優れた栄養価とは?
ウニといえばオレンジ色ですよね。
ウニの色はエキノネンという色素の色で、ビタミンAと同じ働きをするという特徴があります。
ほかにもウニには、ビタミンB1やB2、EPA(エイコサペンタエン酸)や鉄分、カルシウムといった栄養素が豊富に含まれています。
ウニが優れた食品である理由は?
ウニは健康維持や美容におすすめのさまざまな栄養素を含んでいます。
その中でも特徴的なものを見てみましょう。
エキノネン(ビタミンAと同様の働き) | アンチエイジングにおすすめ。肌のターンオーバーを促進し、若々しい肌を保つことができる。目にもよいので眼精疲労や夜盲症予防にもおすすめ |
ビタミンB1、B2 | 疲労回復や肌荒れに |
EPA(エイコサペンタエン酸) | 必須脂肪酸のひとつ。血液をサラサラにし中性脂肪値を下げてくれるので、動脈硬化や脳梗塞の予防におすすめ |
鉄分 | 貧血予防 |
カルシウム・リン | 骨や歯の生成に欠かせない |
ウニは豊富に含まれる栄養素もですが、柔らかく消化しやすいのでお年寄りや病後の疲労回復にもおすすめです。
ただし食べ過ぎると身体に負担がかかってしまい良くないので、そんなにウニばかり食べ続けることもないと思いますが気を付けた方がいいですね。
ウニの食べ過ぎには注意したい理由
ウニには100gあたり約137mgのプリン体が含まれているため過剰摂取には十分注意が必要と言われています。
プリン体を過剰摂取すると尿酸値が高まり痛風の原因にもなると言われており、1日の摂取限度を400mgまでにしなければいけません。
仮にウニ300gを毎日摂取し続けると痛風のリスクが高まると考えられますが、実際にはそこまで食べる人はいませんよね。
ただ、他の食品にもプリン体が含まれていることを考えると、プリン体を多く含むウニを食べ過ぎるのは控えた方が良いので、もし健康維持を目的でウニを毎日食べたいと考えているなら適量を守ることを心がけてください。
ウニの色は地域によっても違う?
ウニは生殖巣の違い以外にも、その種類や育つ地域によって色味が違います。
北海道で主に取れる「エゾバフンウニ」は鮮やかなオレンジ色で濃厚な味わいが特徴です。日本海三陸で獲れる「ムラサキウニ」は色は黄色で味は淡いですが、上品な甘みが人気です。
海外産で見てみると、チリで獲れるチリウニはチリ北部で獲れるものがレモンイエローで、南に下がるほどオレンジ味が入ってきます。
同じ種類でも地域によって冷水系と暖水系に分けられ、それによって色や味が変わってくるんですね。
ウニの色味は含まれるエキノネンの色素の色なので、色の濃淡で好みの味を見つけるのもひとつです。
栄養たっぷりのウニですが、では本当に美味しいウニはどのように見極めたらいいのでしょうか。
美味しいウニの見極め方!ココをチェックして選ぼう
ウニは新鮮さや産地などで美味しさが違います。
では、本当に美味しいウニはどのような特徴があるのでしょうか。
本当に美味しいウニの特徴とは?
美味しいウニの特徴は、
です。
新鮮なウニでも種類や産地によって赤かったり黄色かったりと色味は違いますが、茶色く見えるものはすでに鮮度が落ちているといえるでしょう。
見た目でわかることなので、これだけ知っていれば新鮮で美味しいウニを見極められますね。
高級なウニと安いウニの違いはなに?
高級なウニのひとつとしてあげられるのが、北海道の利尻昆布を食べて育ったウニです。
味も格別といわれていますが、美味しい海藻を食べて育ったウニはその身も美味しいということですね。しかし数が限られてくるので、必然的に高級品になってしまいます。
回転寿司は比較的安価なウニが使われていると思いますが、多くはアメリカなどから輸入したウニです。
アメリカオオキタムラサキウニなどは、国産のウニに比べ大きく可食部もたっぷり摂れるので、安く流通できるウニの代表です。
新鮮なウニとそうでないウニの違いとは?
ウニは可食部を取りだしてそのままにしておくと、徐々にとろけて形が崩れていってしまいます。そうならないようにミョウバンを使って加工しています。
ミョウバンで洗って締めるとウニの身が引き締まって型崩れを防いでくれますが、新鮮なウニのとろみがなくなり表面がかさかさとしっとりした身になります。
本当に新鮮で美味しいウニを食べるなら、ミョウバンを使っていない塩水に漬けただけのウニがおすすめです。
塩水に漬けただけのウニとミョウバンで加工したウニを食べ比べてみると、ウニが苦手だった人も「ウニってこんなに美味しかったの?」と驚くほど味わいが全く違います。
ミョウバンで加工するとどうしても固くなってしまって独特の臭みや苦味を感じる場合があるため、ウニ本来の美味しさを実感しにくいです。
塩水に漬けただけのウニは、とても柔らかくて口に入れただけでとろけるような食感を楽しめますし、甘味を感じられます。
ただ、塩水ウニは日持ちしないため一般にはなかなか出回らない高級食材なので、本当に美味しいウニを味わいたいならウニの旬に合わせて産地に出かけると良いでしょう。
また、ウニは旬かどうかで味がかなり変わってしまいます。では、どの時期がウニの旬なのでしょうか。
ウニの種類と旬を知れば、いつでも美味しいウニを楽しめる!
ウニは年中食べることができますし、日本でも年中どこかの地域でウニを獲ることができます。
ウニの生育は海水の温度によっても異なり、同じ種類でも海域が違えば旬の時期も変わってきます。
旬の時期のウニが一番美味しいので、その種類と旬を知っていれば、その時期に合わせて産地を選んで美味しいウニを食べられますよね。
ウニの産地別旬の時期
日本で獲れるウニで市場に出回っている種類は5種類あります。
その生息地と旬の時期をまとめてみました。
名前 | 旬の時期 | 生息地 |
バフンウニ | 3~4月 | 日本沿岸、九州南端まで生息 |
エゾバフンウニ | 7~8月 | 北海道、三陸の太平洋、日本海両域に生息 |
ムラサキウニ | 6~8月 | 本州から九州南端までの沿岸域から台湾・中国東南部までの広域に生息 |
キタムラサキウニ | 9~11月 | 太平洋やインド洋の広域に生息 |
アカウニ | 9~10月 | 本州北端から九州までの太平洋沿岸域に生息 |
ウニというと北海道や東北など日本でも北の地域の特産物に思われがちですが、九州南端までとかなり広域にウニは生息しています。
国産ウニの中でも高級食材と言われるウニの産地・北海道利尻町や礼文町では、利尻昆布を食べて育ったエゾバフンウニ(旬は7~8月)やキタムラサキウニ(旬は6~9月)を楽しめます。
自分でウニを採ってその場で食べられるウニ採り体験や、地元の飲食店で新鮮なウニの入った海鮮丼を楽しむのもおすすめですよ!
もちろん海外でもウニは獲れますが、ウニを食べているのは日本人だけなのでしょうか。
ウニが大好きなのは日本人だけ?世界水揚げ量の70%を日本が消費!
日本人は魚介類を生で食べる文化があるので、ウニも生で美味しく食べられるとわかっていますが、いつ頃からウニを食べ始めたのでしょうか。
あんなトゲトゲでいかにも危険生物っぽいウニを初めて食べた人はどんなにお腹が空いていたのでしょうね…?かなり勇気がある行動だったような気がします。
ウニは日本でいつから食べられていた?
ウニの歴史は実はかなり古く、縄文時代の遺跡や貝塚からウニの殻がたくさん発見されています。数千年も前から日本人はウニを食べていたんですね。
あのとげとげの殻を割って食べようと思ったのって、どんな人だったんでしょうね。
日本で初めてウニを食べた人の真相まではわかってないのですが、奈良や平安時代の貴族の食卓にもウニは登場していて、昔から栄養があってぜいたくな食材として食べられてきたことがわかります。
ちなみに、ウニは「海胆」や「海栗」とも書き新鮮なウニそのものを指しますが、「雲丹」と書かれたものはまったく別のものになります。
江戸時代に保存方法として定着した塩漬け加工されたものが「雲丹」と呼ばれ、広まっていったようです。
海外でもウニって食べられているの?
ウニは日本だけでなくアメリカ・カナダ・ロシア・チリ・韓国といった国でも獲れますが、世界のウニの水揚げ量の70%は日本で消費しているといわれています。日本での水揚げ量も含めると、80%にもなります。
海外には生食文化があまりないのと、棘があったり有毒な種類があるウニを食べようという発想がなかったともいわれていますが、最近では海外でも日本食ブームもあり、ウニを好む外国人も増えています。
イタリアではウニを使ったパスタもありますし、寿司は海外でも人気の和食です。
ギリシャやフィリピンなど沿岸部では、獲ったウニを新鮮な状態で食べるという声もありました。
必ずしもウニの生食は日本人だけではないですが、少ないことは確かです。
でも、実際に生のウニを食べた外国人には、色と見た目がおかしいけど味はクリーミーでおいしいという意見が多いようですね。
まとめ
最後にここまでの内容をもう一度振り返ってみましょう。
- ウニを食べる部位は生殖巣の精巣と卵巣で、精巣の方が味が濃く高級食材
- ウニが一番美味しい時期は産卵の1~2か月前で成熟する前のもの
- ウニの色はエキノネンの色素の色で、ビタミンAと同様の働きがある
- ウニは栄養価が高く、アンチエイジングや疲労回復、動脈硬化の予防など健康と美容におすすめ
- 新鮮なウニは塊がしっかりとしていて粒が際立ち、色が鮮やかなもの
- 種類によって産地や旬の時期が違うので、旬のものを選べば新鮮で美味しいウニが食べられる
- 本当に美味しいウニを食べたいなら産地で食べるのがおすすめ!
私は子供の頃はウニがあまり好きではなかったのですが、北海道旅行で奮発して高級なお寿司屋さんでウニを食べたら、あまりの美味しさにそれ以来ウニが好きになりました。
小樽で食べたのですが、きっと新鮮なウニだったんでしょうね。
その時は産地とか種類を気にしていなかったのですが、次にウニを食べる機会があったら産地や種類をチェックして新鮮で美味しいウニを食べたいと思います!
あなたもぜひこの記事を参考にして、本当に新鮮で美味しいウニに出会ってくださいね。